【紫桜館山の花屋】山野草:純ワレモコウ(吾亦紅) 素掘り苗5株
初夏~夏の山野草 花芽付き!屋久島ワレモコウの鉢植え 2020初夏開花始まってきました(6/23)
ワレモコウ(吾亦紅)を育ててみませんか?
ワレモコウは秋の野原や道端でみかける山野草です。先端に咲くブラシ状の花を支えるのは細くてしなやかな茎で、草丈が高いので、風を受けて揺れる様子に風情があります。野原でも自生する山野草ですが、実はワレモコウを育てる方が増えています。日本のように四季のある環境でも手間なく育ち、増やし方も簡単です。ワレモコウは空間に野趣をプラスできるのが特徴で、鉢植えや寄植えにするとベランダや玄関先で簡単に育てられます。ワレモコウは飾り気がない花ですが、庭やテラスで他の植物とよく調和し、寄植えやドライフラワーにもおすすめです。
ワレモコウ(吾亦紅)の基本情報
地植えをはじめ、寄植えやアレンジメントに人気が高まっているワレモコウ。学名のSanguisolba Officinalis はラテン語のSanguis「血」、とsorbeo「吸う」という言葉が語源だと考えられています。山野草として人気のあるワレモコウの基本情報を見ていきましょう。
学名 | Sanguisorba officinalis(サンギソルバオフィシナリス) |
属名 | バラ科ワレモコウ属 |
英語名 | Garden burnet, Great burnet |
和名 | 吾亦紅、我木香 |
原産地 | 北米、欧州、日本を含むアジア |
草丈 | 30~150cm |
開花時期 | 7~10月 |
形態 | 多年草 |
耐暑性 | ふつう |
耐寒性 | 高い |
栽培難易度 | ★☆☆☆☆ |
ワレモコウ(吾亦紅)の特徴
花は有限花序で根は太い
長い茎の先端に咲く1~2cmの、穂状部分は花のように見えますが、実は「がく」です。花穂は最後にできた先端の蕾から下へ向かって蕾の数だけ咲くのが特徴です。葉は奇数羽状複葉で、上へ行くほど葉のサイズが小さくなり、葉の縁は鋸の歯のようにギザギザしているのが特徴で、寄植えに取り入れると立体感がでます。また根茎(地下茎ともいう)はがっしりした短い棒で曲がっていることもあります。冬は葉の地上部が枯れて、次の春に再び葉を茂らせます。植え付け用には「素掘り苗」が市販されています。
育て方や増やし方が簡単で丈夫
風に吹かれるまま揺れるワレモコウは、一見繊細そうにみえますが、実はローメンテナンスの頑健な草木です。寒さ暑さに強く、毎年咲いてくれます。増やし方や越冬環境も難しいものではなく、初心者の方でも失敗することなく栽培できます。また切り花にしたり寄植えにしたりして多様に楽しめ、季節を身近に感じられる植物です。
止血や下痢の生薬
11月の晩秋にワレモコウの根茎を採って乾燥させるたものを「治楡(ちゆ)」と呼び、煎じると止血や下痢止めとしての効果があるようです。またやけどや湿疹を煎じた液で洗うと改善すると考えられています。昔の人は、身近で採れるワレモコウの特徴や種類、効き目を知っていたのですね。
優秀な花材
もともとは野に咲くワレモコウは、素朴で地味な色の花ですが、独特の美しさがあります。茶花や生け花に用いられ、長い茎は花の種類を問わずよく調和します。フラワーアレンジ、切り花、ドライフラワーなど幅広い楽しみ方があるのが特徴です。
ワレモコウ(吾亦紅)の花言葉
ワレモコウの花
ワレモコウの花は、ほっそりしたしなやかな茎の先端に1~2cmの円筒形の華奢な花穂を1個だけつけます。8月中旬になると開花しはじめ、8月下旬秋風が吹くようになると花序のほとんど深い紅色に色づきます。風にそよぐ姿は軽快で、季節を感じさせる種類の花です。花言葉が気になります。
花言葉は「物思い」「愛慕」
ワレモコウは今から千年前に書かれた「源氏物語」に登場します。木の香りから「吾木香」と書かれたり、深い紅色の花から「吾亦紅」と書かれたりします。地味な花ながら「わたしも赤い」と控えめにアピールしているからだそうです。花言葉は「物思い」「愛慕」のほか「移り行く日々」「変化」など奥ゆかしく、趣のある言葉が並びます。大切な方への季節感豊かなフラワーギフトとして花材に取り入れ、シーンに合った花言葉を添えて贈ってみてはいかがでしょうか?
ワレモコウ(吾亦紅)の種類
ナガホノワレモコウ(長穂の吾亦紅)
ナガボノワレモコウはさらに、ナガボノアカワレモコウやナガボノシロワレモコウと色違いの種類があります。この2種類が同じ環境の群れの中で咲く場合も珍しくありません。2色を含めて「ナガボノワレモコウ」(長穂の吾亦紅)と呼ぶこともあります。穂の長さは3~7cmで、先端が垂れるように咲くのが特徴の種類で、花言葉の「もの思い」を思わせる花姿が魅力的です。
ピンクタンナ(桃色吾亦紅)
ピンク色がかわいいピンクタンナ 'Pink Tanna'という種類で、初夏の季節に開花します。草丈約50cmで「桃色吾亦紅」とも呼ばれ、地植えにも鉢植えや寄植えにも向きます。夏の間水やりに注意すれば、初心者でも育てられます。淡いピンクが上品で、切り花にして花言葉「愛慕」を添えて贈りたい種類の花です。
サラダバーネット(和蘭陀吾亦紅)
ワレモコウの近縁種で、学名はSanguisorba minorという種類です。オランダワレモコウとも呼ばれ、柔らかい若葉の部分は食用としてサラダに入れたり、パセリのように使ったりすることができる種類として知られています。
ワレモコウ(吾亦紅)の育て方①栽培環境
地植え環境
ワレモコウは日あたりの良い環境でよく育ちますが、真夏の午後の日光が強すぎる場合は遮光しましょう。日陰の環境では、ワレモコウの花は大きく成長できません。多年草で、生命力が強いのが特徴ですが、地植えして放置すると意図しない場所にまで広がります。ワレモコウは茎の先端が分岐することを考慮して、余裕のある空間や環境を用意します。
鉢植えの環境
鉢植えや寄植えは繁殖力の強いワレモコウをコントロールしながら栽培できます。日当たりのよいベランダやテラスのような環境で栽培しましょう。ワレモコウの茎は長いのが特徴なので、安定感のある植木鉢で栽培するのがおすすめです。真夏の午後は明るい日陰に移動させるか、30~40%の遮光を行うとよいでしょう。きっとベランダに季節感をプラスできますよ。
ワレモコウ(吾亦紅)の育て方②用土
排水性と保水性両方があるといい
ワレモコウは頑健で繁殖力の強い山野草ですが、植え付ける用土に関しては「排水性のある適度に湿った土」を準備しましょう。市販の草花用培養土でもよいですが、腐葉土4:赤玉土3:鹿沼土2で作ってもよいでしょう。
程よく肥沃な用土
ワレモコウを植え付けるには適度に肥沃な用土が向いています。さらに保肥力、つまり肥料を保持する力のある用土が適しています。野原や庭で手間なく育つワレモコウでも、例えば植え付けるときに腐葉土を混ぜることで、有機物が排水性と保水力、保肥力を向上させてくれるでしょう。
ワレモコウ(吾亦紅)の育て方③植え付け
植え付け適期は2~3月です。ワレモコウは「仮植え苗」といい、芽が出始めてすぐの苗(数センチ)をポットに仮植えにした苗が流通しています。「仮植(かしょく)」ともいい、根張りがよく、健康な株になります。
植え付け手順
仮植え苗をポットから取り出して余分な根を取り除いて花壇や鉢に植え付けます。真夏にポット苗を購入した場合は、すぐ植え付けしないでおきましょう。ワレモコウの花を観賞したら、花をつけた茎を切り、根鉢ごと用土に植え付け、7日ほどは水をたっぷり与えます。
【紫桜館山の花屋】山野草:純ワレモコウ(吾亦紅) 素掘り苗5株
ワレモコウは11月~3月ぐらいまで休眠期です。そのため冬の時期には「素掘り苗」または「裸苗」と呼ばれて、通販で簡単に手に入ります。
植え付ける株数は鉢のサイズに関係する
鉢植えの場合には、10号鉢なら2本、5号鉢には1本を目安に植え付けます。矮性の姫ワレモコウなら、5号鉢に2~3本植えられます。水を好むワレモコウには浅鉢がよく用いられます。庭の花壇、花壇のふちどりなどによく似合い、グローブアザミやルドベキアフルギダなどと共に植えるとナチュラルな印象の庭になりなます。
初夏~夏の山野草 花芽付き!屋久島ワレモコウの鉢植え 2020初夏開花始まってきました(6/23)
ワレモコウ(吾亦紅)の育て方④水の与え方
地植えなら日照り以外は心配ない
はじめから枯れた味わいもあるのが特徴のワレモコウは、乾燥に強いように錯覚してしまいますが、実は乾燥に弱い山野草です。苗を地植えしたら、1週間ほどは土が乾いたら水をたっぷりと与えておきます。その後は日照り以外水やりの必要はありません。
鉢植えは土が乾いたらたっぷりと
鉢土の表面がしろっぽく乾いていたら、鉢底穴から水が出るくらいたっぷりと水を与えます。特に夏の季節は水切れをしないように注意が必要です。夏は必要に応じて朝夕水やりを行います。冬は地上部分が枯れ果てますが、ときどきは水を与えておきましょう。
ワレモコウ(吾亦紅)の育て方⑤肥料
肥料は控えめに
季節感あふれる山野草のワレモコウは、地植えなら肥料は不要と考えてよいでしょう。鉢植えや寄植えの場合でも、肥料を与えすぎると葉だけが生い茂り、ワレモコウの花言葉とは趣の異なる葉姿になってしまいます。夏、ワレモコウが成長する季節に、必要最低限の量を与えるのがおすすめです。
元肥と液体肥料を上手に使う
ワレモコウに多肥は不要だからとはいえ、肥料を全く与えないのもよくありません。植え付け時には、用土に緩効性肥料を少量混ぜておきます。また3月~9月、ワレモコウが成長する季節には草花用の速効性液体肥料を既定量の水で薄めて、水分として与えるのもよいでしょう。
ワレモコウ(吾亦紅)の育て方⑥植え替え
庭植えのワレモコウの植え替えは3~5年に1回、根茎を掘り上げて植え替えます。このとき増やし方の方法の1つ、株分けも行うとよいでしょう。植え替えることにより、ワレモコウが植えられた土の栄養分をリフレッシュしたり、根の整理ができたりします。鉢植えや寄植えの場合も同じ理由で植え替えを行いますが、1年に1回行うのが基本です。古くなった根を半分だけのこして植え替えます。ワレモコウの植え替えに使う植木鉢は、単純に一回り大きくするのではなく、華奢な花と細い茎のワレモコウのボリュームに相応しければ、無理に大きいサイズの植木鉢に植えなくてもよいのです。
ワレモコウ(吾亦紅)の育て方⑦増やし方
増やし方①種まき
ワレモコウの増やし方はかんたんで、切り花からの毀れ種(こぼれだね)からでも増やせるほどです。ワレモコウの花は2週間ほど咲き、やがて枯れますから、この時に新聞紙の上などで穂を振ると、小さな種が落ちてきます。種は保管しておいて翌年春に植える、というシンプルな増やし方です。半月程度で発芽しますので、本葉が2~3枚になったら仮植え後、定植します。花は初年度に咲かず、翌年から咲きます。種の採取は遅くとも霜の降りる前に行いましょう。
増やし方②株分け
ワレモコウのもう1つの増やし方は、植え替え時に、根茎を分割するという方法です。ワレモコウの根茎は固いのが特徴で、清潔な剪定ばさみかナイフで切り分けます。株分けでの増やし方の注意点は、あまり小さく分割すると花がよくつないことに気つけることです。株分けの適期は3~4月です。
ワレモコウ(吾亦紅)の育て方⑧剪定と支柱
剪定
ワレモコウはナチュラル感を大切にしたい山野草ですから、あえて剪定をしなくてもよい植物です。けれども1m近くの草丈になりますから、ボリュームが増えて庭の景観が悪くなる場合には、初夏に剪定して草丈を切り詰めると再び美しくなります。
支柱
野趣あふれるワレモコウはできるだけ、手をかけずにそだてていきたいものですね。しかし茎が予想外に成長して伸びすぎたり、強風に揺らめいていたりすると少し心配になりますよね。そんなときには、支柱を立てておくと安心です。天候が荒れるという予報が出たら、ワレモコウに囲いをしておくのもおすすめです。
ワレモコウ(吾亦紅)の育て方⑨冬越し
ワレモコウの冬越しは心配無用
結論からいえば、ワレモコウの冬越しに手間暇をかける必要はありません。ワレモコウの自生地はアジアやヨーロッパで、耐寒性に恵まれている植物です。夏などは冷涼地の方がよく育つといわれるほどです。園芸初心者の方は、ワレモコウの初めての冬に戸惑うかもしれませんね。でもワレモコウは安心です。冬、地上部分は枯れ果ててしまいますので特に冬越しを心配する必要がないのです。
枯れた茎を切って春を待つ
枯れたあとのワレモコウの茎は、放置すると見た目が悪いので、根の近くを短く刈り込んでおくとよいでしょう。翌春には元気に芽をだしてくれますよ。鉢植えや寄植えの植物をたくさん栽培している方は、植木鉢に何を植えたかわからなくなってしまうかもしれませんので、フラワーラベルを立てておくと安心です。
ワレモコウ(吾亦紅)の育て方⑩病害虫
病気
ワレモコウは病気や害虫の心配がほとんどいらない山野草ですが、ときにうどん粉病にかかることもあります。うどん粉病は、葉にうっすらベビーパウダーをまぶしたように見えるのが特徴です。ワレモコウの成長する季節、春~秋にかかりやすい病気です。放置すると花が咲きませんので、早期に発見してベニカスプレーなどで早期に対処しましょう。
害虫
めったに害虫被害にはあいませんが、ハダニがつくかもしれません。ハダニはとても小さくて、目視がむずかしい虫で、湿度が高かったり、乾燥したりする環境を好みます。葉の栄養分を吸収し、葉色が悪くなって気づくことの多い害虫です。初夏~秋の季節は特に注意しましょう。葉水で抑制し、発生してしまったら薬剤駆除します。
【動画】サンギソルバの育て方<カインズ花図鑑>
「サンギソルバの育て方」と題して、ワレモコウの育て方をわかりやすく説明してくれます。動画と説明で栽培環境や栽培方法がよく理解できますので、特に園芸初心者の方におすすめします。
まとめ
ワレモコウ(吾亦紅)で秋を楽しもう
ワレモコウの育て方や花言葉をお伝えしました。公園の空き地や道路わき、あぜ道などで華奢な花を咲かせるワレモコウ。丈夫で増やし方も簡単でしたね。鉢植えや寄植えでも十分に栽培を楽しめ、季節の移ろいを感じることができます。とても育て方が簡単な草花ですから栽培を楽しんでみませんか?
ワレモコウや山野草が気になる方はこちらもチェック
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