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ワレモコウ(吾亦紅)とは?花言葉と育て方!見頃の季節はいつ?

秋らしい渋い赤茶色の穂をなびかせ、日本でも古くから馴染みのあるワレモコウ(吾亦紅)。秋の七草で知られるワレモコウ(吾亦紅)ですが、育てるのは簡単?ワレモコウ(吾亦紅)の歴史や基本情報、また見頃の季節や植え付けの時期なども交えてご紹介いたします。
2020年8月27日
しまうま花屋
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ワレモコウ(吾亦紅)とは

秋の七草のひとつとして知られ、源氏物語にも登場するワレモコウ(吾亦紅)。 日本では華道や茶道の世界でも古くから愛されてきました。現代においても、庭植えや寄せ植えのアクセントとして使ったり、切り花としても人気がある植物です。秋にそよめく綺麗な赤茶色の穂は風情があり、季語としても使われています。 そんなワレモコウについて、詳しくご紹介いたします。

ワレモコウ(吾亦紅) / 科目名

科:バラ科 バラ亜科 属:ワレモコウ属 バラ科はたくさんの植物が属しており、いくつかの細かい亜科に分かれますが、ワレモコウはその中でもイチゴやバラと同じバラ亜科に属します。

ワレモコウ(吾亦紅) / 学名

学名:Sanguisorba officinalis 「Sanguisorba」とはラテン語で、「Sanguis」(血)+「sorbere」(吸収する)という意味があります。吸血鬼のイメージが湧くような学名ですが、これはワレモコウの根の部分にタンニンが含まれ、古くから止血効果のある薬となっていたことが由来します。種名の「officinalis」は薬用効果のあるという意味の語で、薬草の種類であることが分かります。

ワレモコウ(吾亦紅) / 原産地・名前の由来

ワレモコウ(吾亦紅) / 原産地

原産地:ユーラシアの温帯から亜寒帯     北米大陸北西部~西部 日本にもともとあったのかは不明ですが、奈良時代には自生していたと言われています。現在では日本全土の山野や田園地帯など、広く分布しています。

ワレモコウ(吾亦紅) / 名前の由来

ワレモコウの名前の由来は諸説あり、真実ははっきりとは分かっていません。 根の香りがインドにある木香に似ており、「吾の(日本の)木香」という意味で吾木香(ワレモコウ)となった説、織田信長の家紋でもあった「木瓜紋」が割れた形に似ていることから、「割木瓜」(ワレモコウ)となったという説などが有力とされています。


ワレモコウ(吾亦紅) / 漢字の由来

ワレモコウは現在では「吾亦紅」という漢字を用いるのが一般的ですが、その由来は明確ではありません。ほかにも「我吾紅」「吾木香」「我毛紅」などの漢字を当てられていました。 源氏物語においては「吾木香」という漢字が使われていますが、これは上記の名前の由来になった説に加え、ワレモコウの茎からする香りが平安時代において人気があったことが由来しているとも言われています。現在の「吾亦紅」という漢字が一般化したのは江戸中期以降と考えられていますが、その由来についてはさまざまな諸説があり、はっきりとは分かっていません。

ワレモコウ(吾亦紅) / 別名

別名:ダンゴバナ(団子花)・キュウリグサ(胡瓜草)    ボウズバナ(坊主花)・ノコギリソウ(鋸草) ワレモコウには様々な別名があります。全国に自生して親しまれていた様子が窺えますね。 キュウリグサというのは、葉っぱが胡瓜のような香りをしているからだそうです。葉には鋸歯(ぎょし)と呼ばれるぎざぎざがついているため、ノコギリソウという別名もつきました。

ワレモコウ(吾亦紅) / 花言葉

花言葉:変化、移りゆく日々、もの思い、明日への期待 ワレモコウの花が上から下へと咲いていく姿から、変化や移ろいを表す花言葉が生まれたようです。また、ワレモコウの穂の頭を垂らす姿から、もの思いなどの切ない花言葉もできました。

ワレモコウ(吾亦紅) / 特徴

穂の部分は花の集合体

ワレモコウの特徴はやはり綺麗な赤茶色の穂ですが、この穂が花です。 ワレモコウの穂は小さな花の集合体で、ひとつひとつの花は2㎜程度の小さな花です。綺麗な赤茶色を放っているのは萼で、ワレモコウの花には花びらがありません。上から下に徐々に咲いていく「有限花序」という咲き方ですが花自体はわずかな期間しか開花しておらず、花が散ったあとも萼が残るので、長く鑑賞を楽しめます。

薬用植物のひとつ

ワレモコウは種名にもあるように、薬草の種類でもあります。 根を天日乾燥させれば、止血や火傷、湿疹の薬となりました。長野県のある地域では下痢止めとして根を煎じて服用する伝統風習があるそう。ワレモコウは中国名は「治癒」といい、漢方にも使用されています。

ワレモコウ(吾亦紅) / 開花期と見頃

開花期:6〜9月 ワレモコウの開花期は6月から9月。品種によっては、5月頃から咲く品種もあります。 ワレモコウの花は花びらが退化して萼しかありませんので、花が散っても萼に長く色が残ります。きれいな赤茶色から少しずつ色褪せていく穂は、冬の訪れをゆっくりと教えてくれ、晩秋までたっぷりと楽しませてくれます。季節をまたいで見頃が長いのがワレモコウの愛される所以でもありますね。 花が終わって冬になれば地上部が枯れ、春になるとまた芽吹いてきます。


ワレモコウ(吾亦紅) / 品種と基本情報

ワレモコウ(吾亦紅) / 品種

■ナガボワレモコウ 名前の通り、穂が長い種類のワレモコウです。 緑色を帯びた白色の長い穂が特徴で、穂自体が垂れる姿が魅力です。ワレモコウとコバナワレモコウ(白花品種)との間にできた自然雑種とされており、ナガボワレモコウでも濃紅色の花を咲かせるものもあります。そのためコバナワレモコウとナガボワレモコウの区別は難しいといわれています。

■ヒメワレモコウ ワレモコウよりも小さい矮性種で、草丈は30〜50㎝ほどにしかならず、穂の大きさもワレモコウよりも小さく、花の色は桃色〜赤茶色です。コンパクトに育てられるので、鉢植えや寄せ植えなどにも向いています。

■サラダバーネット(オランダワレモコウ) ワレモコウの仲間ですが花の咲き方や葉の形はワレモコウとは異なり、ハーブの種類として扱われています。ワレモコウと同じく葉にキュウリのような香りを持っていて、葉をサラダやスープに入れたり、酢に漬け込んでバーネットビネガーにして利用されています。

ワレモコウ(吾亦紅) / 基本情報

形態:草花・多年草 草丈:20〜180㎝ 花色:茶 耐寒性:強い 耐暑性:強い

ワレモコウ(吾亦紅) / 育て方

ワレモコウの難易度は低めで育てやすく、日本では全国で自生しているため、環境が合っているといえます。 では、ワレモコウの育て方をまとめてみましょう。

ワレモコウ(吾亦紅) / 育て方1.日当たりと置き場所

ワレモコウは日向でよく育ちます。 日当たりが悪いと花付きが悪くなってしまい、株の成長にも影響が出て弱ってしまうこともあります。葉に斑が入る品種は直射日光が当たりすぎると葉焼けを起こしてしまうため、半日だけ日が当たるような半日陰や、鉢植えなどで日光の管理をすると良いでしょう。


ワレモコウ(吾亦紅) / 育て方2.水やり

水が好きな植物なので、水の管理には少し気を配りましょう。 ■庭植えの場合 庭植えの場合は基本的には水やりの必要はありませんが、暑い時期など日照りが続くようであれば水をやりましょう。 ■鉢植えの場合 土の表面が乾いたらたっぷりと水をやりましょう。暑い時期には朝夕とあげるのがよいでしょう。

ワレモコウ(吾亦紅) / 育て方3.植え付けと植え替え

植え付け・植え替え適期:2〜3月 植え付け時期はワレモコウが休眠期に入っている2〜3月です。土は市販の草花用培養土で十分ですが、乾燥しやすい土はやめておきましょう。 植え替えの際は細かい根を半分ぐらいの長さに切り、整理してあげると良いでしょう。

ワレモコウ(吾亦紅) / 育て方4.肥料

肥料は控えめにします。やりすぎると枝葉ばかりが茂ってお花が少なくなってしまいます。 鉢植えの場合は春から夏にかけて草花用の肥料を少量、庭植えの場合は植え付けの際に緩効性肥料を少量あげ、それ以上の追肥は必要ありません。

ワレモコウ(吾亦紅) / 育て方5.増やし方

ワレモコウの増やし方は2通りあります。環境に合えば育てやすい植物なので、どちらの方法も比較的簡単に増やすことができます。 ■種から増やす 花が終わったあとにできるタネを採取し、2〜3月に種まきをします。発芽率が良いうえ特に手入れも必要なく、まいた次の年の夏に開花します。 ■株分けで増やす 植え替えの際に、株が大きくなっていたら株分けをします。根茎を切り分けますが、硬いので気をつけてハサミで切りましょう。あまり小さく分けないようにするのがポイントです。

まとめ

秋の季節らしい色と姿で楽しませてくれるワレモコウ。比較的育てるのも簡単で、手がかかりません。花が咲いたら家の中に飾ったり、そのままドライフラワーなどで楽しむのも良いですね。 みなさんも今年はワレモコウに挑戦して、秋を楽しんでみてくださいね。