手作り立体マスクの特徴
手作りマスクにはさまざまな型紙がありますが、ここでは、もっとも人気の高い裏ガーゼの立体マスクの作り方を、大人用サイズ子ども用サイズそれぞれの型紙とともにご紹介しています。なぜ立体マスクがいま、大人にも子どもにも人気なのか、その特徴とメリットについて見てみましょう。
特徴①すき間がない
手作り立体マスクの特徴のひとつは、頬とマスクの間にすき間があかないことです。手作り平面マスクはゴムの引きによって頬とマスクの間にすき間ができることがありますが、顔の形に添うように設計されている立体マスクならすき間が少なく、飛沫やウイルスの侵入を防ぎやすいといえます。
特徴②顔にフィットする形
実際に装着しているところを見ますと、立体マスクは顔にきれいにフィットして見た目が美しいのが特徴です。人間の顔を横から見て、最も高さのある鼻を立体的にカバーしています。大人と子どもの顔の大きさの違いや、輪郭の違いにも対応しやすいのがハンドメイドの魅力です。
手作り立体マスク:メリット
メリット①呼吸がしやすい
平面マスクに比べ、立体マスクは呼吸がしやすいというメリットがあります。マスクと鼻・口の間に適度な空間が生まれるためです。特に、夏場など暑い季節には、立体マスクにより生まれるこのちょっとした空間が、涼しさを感じさせてくれます。大人より体温の高い子ども向けにおすすめです。
メリット②二つ折りで管理できる
立体マスクは、縦半分に二つ折りすると平面的に保管できるため、携帯時にかさばらないというメリットがあります。また、口や鼻と接する面(裏ガーゼ面)を内側に折りたたむことができ、清潔です。子どもが学校で保管袋に入れる際も便利ですね。アイロンがけも、二つ折りの状態でできます。
メリット③個人に合わせてハンドメイド
人の顔には個性があり、どんな顔にもフィットするマスクを作るのはほぼ不可能です。ハンドメイドなら、最初型紙通りに作ってみて、「子どものは、もうちょっと小さめにしよう」「お父さんは暑がりだから裏ガーゼにしよう」というふうに微調整ができ、個人の顔に合わせられます。
手作り立体マスク:材料
ハンドメイド材料1:生地
最も通気性がよく、呼吸が苦しくなりにくいのは裏ガーゼマスクです。ガーゼ生地にはシングルガーゼ、ダブルガーゼなどがあります。手芸用品店や100均で入手可能です。材料のガーゼ生地が入手しにくい場合は、ガーゼハンカチや衣服、手ぬぐいを利用してもよいでしょう。
ハンドメイド材料2:糸
ポリエステル糸であれば60から90の太さのもの、コットン糸なら50から80の太さのものを使います。色は作りたい立体マスクの生地に合わせてお選びください。淡色系の生地なら白でじゅうぶんです。黒や茶、紺など濃い色のマスクの時には、目立ちにくい同色の糸をおすすめします。
ハンドメイド材料3:ゴム
立体マスク用のゴムは、手芸店や100円ショップで手に入ります。材料が売り切れていたり入手困難な場合は、市販の大人用不織布マスクのゴムを切り取ってつなげて使うことも可能です。その場合、どうしても結び目が見えてしまうことをご留意ください。
ハンドメイド材料4:あると便利な手芸道具
ハンドメイド材料として、手芸用の小さなハサミ、表に返した時に角を整える道具「目打ち」、マチ針、ゴム通しの4点があると便利です。ない場合は普通の工作バサミや先の細い棒(つまようじなど)、洗濯バサミ、安全ピンなどでも代用できます。
手作り立体マスク:大人用型紙
大人用立体マスク型紙
大人用立体マスク型紙は、ゆったりサイズが好きな女性の方にぴったりのサイズです。男性の方で少し小さく感じる場合は、5mmほど大きめに型紙をとるようにします。裏ガーゼ仕様にしておくと吸湿性が高まり、肌ストレスが減るのでおすすめです。
出来上がりサイズ
大人用立体マスクの出来上がりサイズは、平置きにして最大横幅19~20cm、サイド部分の縦の長さが約8cmになります。ダブルガーゼや裏ガーゼでハンドメイドする場合、洗濯によって多少縮みますので、水通しをしないガーゼでマスクを作る場合は、少し大きめサイズで作っておきましょう。
手作り立体マスク:子ども用型紙
子ども用立体マスク型紙
子ども用マスクの型紙は、小学生にちょうどいい大きさです。大人サイズをひと回り小さくしたものになります。まずは型紙通り作ってみて、お子さんに合わせてサイズを微調整してみてください。子ども向けマスクに使うおすすめの生地は、肌当たりのやさしい裏ガーゼです。
出来上がりサイズ
子ども用立体マスクの出来上がりサイズは、平置きにして最大横幅14~16cm、サイド部分の縦の長さが7.5~8.0cmになります。ダブルガーゼや裏ガーゼでハンドメイドする場合、洗濯によって多少の縮みがみられますのでご留意ください。
手作り立体マスク:布の組み合わせ
表シングルガーゼ+裏シングルガーゼ
表布と裏布を組み合わせる作り方なので、どのような生地材料を合わせるか、いくつかのバリエーションがあります。暑い季節におすすめなのは、シングルガーゼです。シングルガーゼはダブルガーゼやコットンに比べ通気性がよいので、呼吸のしやすさや涼しさを得られます。
表ダブルガーゼ+裏ダブルガーゼ
生地を薄くすることで感染リスクが高まるのが不安な方は、フィルター層を厚くするダブルガーゼの使用をおすすめします。ダブルガーゼは、その名の通り一枚で二重になっているガーゼのことです。ダブルガーゼを材料に立体マスクを作れば、単純に四重の生地を用いていることになります。
表コットン+裏ガーゼ
裏ガーゼにして肌に接する面はあたりをやさしくし、外側は色柄のバリエーション豊富なコットンにする作り方です。おしゃれな柄のマスクをいくつか用意しておけば、その日の服装に合わせてコーディネートを楽しめます。立体マスクに使用する生地材料は少ないので、古着や端切れを利用するといいですね。
手作り立体マスク:簡単な作り方①裁断
手作り立体マスクの作り方をご説明いたします。ここで使用しているのは子ども用型紙ですが、手順は大人用も同様です。また、生地はダブルガーゼを使用していますが、シングルガーゼ、コットンなど他の生地の場合でも作り方は同様になります。
作り方1:裁断前のガーゼの準備
シングルガーゼやダブルガーゼのマスクは洗うことでかなり縮みますので、裁断の前に生地を水通ししましょう。ガーゼ生地の端はほつれないようロックミシンなどで処理しておくのがおすすめです。洗い桶に水を張り30~40分ガーゼをつけた後、やさしくしぼり、半乾きの状態でアイロンをかけ乾かしておきます。
作り方2:裁断
ハンドメイド用型紙を使って裁断します。立体マスクの型紙は左右対称にパーツが必要です。型紙を裏返して使うと、反対側のパーツができます。
表布で左右2枚、裏布で左右2枚、合計4枚の裁断した布をご用意ください。シングルガーゼやダブルガーゼはチャコペンで型紙をなぞるときずれやすいので、型紙をマチ針で留め、直にカットするのもアイデアです。
ポイント:柄の向きや生地方向に注意
ガーゼやコットンに模様がある場合、柄の向きをよくみて上下を確認してください。また、生地の織り方向を確認し、織り方向に対して斜めにならないよう型紙をとります。初心者の方におすすめの生地は、柄の向きが気にならないドット(水玉模様)や小花柄、無地などです。
手作り立体マスク:簡単な作り方②中央を縫う
作り方1:縫い代1cmで縫う
生地をマスクの型紙通り裁断したら、表布、裏布ともに中表で合わせ、マスク中央の鼻に当たる箇所を縫い代1cmで縫っていきます。この中央部は立体マスクの美しい形状を左右するポイントなので、きれいなアーチ状に仕上がるよう、4・5針ごとに布押さえを上げてこまめに方向転換しながら縫い進めましょう。
作り方2:アイロンで縫い代を割る
今縫ったところをアイロンで開きながら、割っておきます。アーチ状なのでそのままだときれいに割れません。アーチに沿って、2cm間隔のカットをハサミで入れておくと、開きやすくなりきれいにアイロンがかけられます。
手作り立体マスク:簡単な作り方③中表で縫う
作り方1:周囲を縫い代1cmで縫う
表布と裏布を中表で合わせ、周囲を縫い代1cmで縫っていきます。この時、気をつけたいのは表布と裏布の中央部の境界線をきっちり合わせることです。マチ針か洗濯バサミで留めて布がずれないようにしておくと縫いやすくなります。仕上がりの美しさに影響するところなので、慎重に作業を進めましょう。
作り方2:返し口を4cm空けておく
周囲をぐるりと縫い閉じるのではなく、どこか一か所4cmほど縫わずにあけておいてください。後で表に返すときの返し口になります。マスクを正面から見て、左右のどちらか一辺を返し口としてあけておくと、糸始末の跡が目立ちにくいのでおすすめです。
手作り立体マスク:簡単な作り方④表に返す
返し口を残して周囲を縫い終わったら、いよいよ表に返していきます。形を整える上で、きれいに仕上げる簡単なコツがいくつかありますので、ご紹介しましょう。
簡単なコツ1:角をハサミで落とす
表に返す前に、まず処理しておきたいのが角の布です。ここをハサミで三角形に切り落とします。縫った糸目に切り口がかかると穴になりますので、注意してください。糸目から3,4mm離れたところを切り落とすとよいでしょう。
簡単なコツ2:返したら角を整える
四つの角を落としたら、いよいよ表に返していきます。返し口に近い布から順に表に引っ張り出すようにすると、布に負担がかかりません。次に、「目打ち」や「千枚通し」と呼ばれる、先の尖った手芸道具で角をしっかり出していきます。
簡単なコツ3:アイロンをかける
表に返したばかりのマスクは、まだふにゃふにゃとしていて端がはっきりしません。この後の作業をしやすくするためにも、いったんアイロンをかけておきます。表布と裏布の境目にたるみやしわが出ないよう、特にきれいに整えてください。
手作り立体マスク:簡単な作り方⑤閉じながら縫う
作り方1:端5mmを縫う
アイロンで形を整えたら、マスク上下の端5mmを縫っていきます。可能なら、なるべく端に近い方が仕上がりがきれいなので、端3mmでも4mmでも構いません。ここを縫っておくことで、表布と裏布がしっかり固定され、マスク全体が袋状にふくらむのを防ぎます。
作り方2:返し口を閉じながら縫う
返し口を別で閉じておいてもよいのですが、より簡単なのはこの上下を縫うタイミングで返し口も一緒に縫い閉じてしまうことです。上側を縫ったらその流れでサイドへ下り、返し口を閉じながら下側へ移動、最後に下側を縫います。手順が簡単なうえ、糸がつながり強度も増すのでおすすめです。
手作り立体マスク:簡単な作り方⑥両脇を縫う
ここまでできたら、もう一息、完成は目の前です。マスクのゴムを通すために、左右を裏側に1~1.5cmたたみ、端2mmで縫い閉じます。これは、ゴムを通すためのトンネルです。表コットンマスクの場合は、裏ガーゼの面にたたむよう気をつけましょう。
きれいに仕上げるコツ:糸色を合わせる
簡単きれいに仕上げるコツは、糸の色を表布・裏布それぞれに合わせることです。例えば極端な例で表が黒、裏が白のマスクを作ったとします。上糸と下糸(ボビン)の色をそれぞれの色に合わせてセットしておくと、糸色が目立たず仕上がりがきれいです。
一つ折りでOK
留意したいポイントとして、このマスクゴムを通すトンネルを作る際、裏ガーゼ側に折りたたむのは一回でOKです。一般的に端処理というと三つ折りすることが多いので、うっかり二回たたんでしまうケースが見られます。すでに端処理はされているので、一回だけ折り返しましょう。
手作り立体マスク:簡単な作り方⑦ゴムを通す
ゴムの長さ
ゴムの長さは大人用で約26cm、子ども用で約24cmです。ゴムの伸縮性によって適宜調節してください。後でほどくこともできるようゆるく結んでおいて、マスクを装着してもらい、耳が痛くならないか確認するとよいでしょう。
ゴムの代用品
マスク用ゴムが手に入らない時、代用品として使えておすすめなのがソフトゴムと呼ばれる平ゴムです。これは100円ショップなどでも販売されています。子どもの体育帽のゴムをイメージするとわかりやすいでしょう。肌当たりがやさしいので、じゅうぶん代用できます。
手作り立体マスク:簡単な日常の管理
洗い方
デリケートなガーゼ生地のマスクは、手洗いがおすすめです。液体洗剤に10分ほどつけ置き、やさしく押し洗いし、すすいだ後陰干しします。ガーゼ生地は引っかかりやすいため、どうしても洗濯機で洗いたい場合はソフト洗いの機能を選び、他の洗濯ものと分けて小物用のネットに入れましょう。
ゴム交換
頻繁に使うお気に入りのマスクや洗濯機で洗うマスクは、ゴムが伸びやすいものです。ゴムがゆるんできたら、適宜調節するようにしましょう。伸縮性を確かめてみて、まだ伸びるようなら結び目をほどき、長さを調節し直します。ゴムが伸びきっているようであれば、新しいものと交換しましょう。
アイロンがけ
ガーゼ素材のハンドメイドマスクは、洗うことでしわになりやすい性質です。洗濯済みのマスクは、ご使用前にこまめにアイロンがけをして、しわを伸ばしておきましょう。立体部分は内側からアイロンの先を差し込むようにするとうまくしわが伸びます。
手作り立体マスク:まとめ
立体マスクは口や鼻との間に適度な空間が生まれるのが最大の特徴です。呼気がこもりにくく、快適な着け心地を得られます。作り方も意外と簡単なので、何枚も作りたくなりますよ!
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