ニンニクを栽培してみよう
ニンニクは風味や香りがよく、料理のアクセントとして活躍してくれる香味野菜です。ニンニクを家庭菜園で育てるというのは、なかなか馴染みがないかも知れませんが、コツを押されれば、初心者でも簡単に栽培できるのも魅力です。ニンニクは香味野菜でもあるので病虫害の被害も少ないので、しっかりと育てる環境に合った品種を植え付けすれば、立派に収穫することができるます。また、ニンニクはたくさん収穫しても、保存もしやすいのでこの機会に自宅でのニンニク栽培にチャレンジしてみましょう。今回は、失敗しないニンニクの育て方を紹介します。
ニンニクの栽培時期
ニンニクは、育てる地域や品種によって、栽培地域に多少の違いが出てきますが、だいたい季節で言うと秋に植え付けを行って春に収穫を行うイメージです。だいたい9月の中旬に植え付けを行い、5月の終わりから6月にかけて収穫をすることができます。特に、ニンニクの育て方は春先の葉が伸びる時期にニンニクの根塊が成長していくので、春の季節にグッと成長するのです。ニンニクは種まきからではなくニンニクの球を植えて栽培するので、栽培する場合は、自分の地域に合った育て方ができるニンニクの球塊を購入してくる必要があります。
栽培するニンニクを選んでみよう
ニンニクは気候や気温に左右されやすい野菜でもあるので、品種を選ぶ際は、寒地向けた暖地向けなど自分の住んでいる地域にあったニンニクの品種を選ぶのがおすすめです。日本では、ニンニクの主な産地は青森県です。これは青森県の気温などが関係しており、寒い季節に合ったニンニクを栽培していることもあげられます。地域の気温や季節に合わせた品種を選べば、寒い地域でなくてもニンニクの収穫を楽しめるので、家庭菜園でぜひチャレンジしてみて下さい。
ニンニク栽培のコツ①:種球選び
ニンニクは秋の季節に植え付けを行うので、8月頃の夏の季節になるとホームセンターや園芸店でニンニクの種球を見かけるようになると思います。主なおすすめの種球の種類は、気温の低い地域ではホワイト6片です。ホワイト6片は気温が低い地域で育てられる代表的な品種でスーパーなどでもよく見かけます。温かい気温だとうまくし育たない場合もあるので、住んでいる地域の気温などに注意して選びましょう。栽培環境に合ったニンニクの品種を選ばないと収穫まで辿り着かないこともあるので、最初に品種選びはしっかり行って下さい。わからない場合は、ホームセンターや園芸店の店員さんに聞いてみるのもおすすめです。
気温が高い地域におすすめ品種
逆に気温が高めの地域で栽培するのなら、無臭ニンニクや平戸と言う品種がおすすめです。無臭ニンニクはその名の通り香りが少なくニンニクの独特な風味や香りが気になる人でも食べやすい品種です。サイズも大きく成長します。また、平戸は暖地向けのニンニクの品種として有名で育てやすく、ニンニクらしい風味も楽しめることから人気があります。ニンニクは青森など寒い地域でしか栽培できないと思っていた人もいるかも知れませんが、品種選びをしっかりすれば、東京よりも西の地域でもしっかりとしたニンニクを収穫することができます。
ニンニク栽培のコツ②:土づくり
ニンニクは植え付けを行う時期の前に、土づくりをしておくのがおすすめです。だいたい植え付けを行う時期の3週間ほど前に、ニンニクを植え付ける予定の場所に堆肥を入れて耕します。さらに植え付けの2週間ほど前の時期になったら、さらに石灰を入れて耕しましょう。その時の土壌の酸度はpH5.5かた6.0ぐらいになるようにすると良いでしょう。さらに植え付けの1週間前の時期になったら元肥を入れてあげるとよく育ちます。ニンニクは土の中で大きくなるので、最初の土づくりはとても大切です。ニンニクの植え付けを行う前に早めから土づくりを行うのがおすすめです。
使う肥料
ニンニクの土づくりをする際に、使う肥料は冬の季節を越す育て方の場合は、肥料を多めに土づくりの際に加えておくのがおすすめです。使う肥料の種類は、ボカシ肥や野菜栽培用の肥料で良いでしょう。野菜専用の肥料は、必要な肥料がバランスよく配合してあるので、初心者でも土づくりの際に活用するのにピッタリの肥料です。ホームセンターや園芸店で販売しているので、探してみましょう。最初の段階でしっかり栄養のある土を用意しておくと失敗せずニンニクを収穫できるようになります。
ニンニク栽培のコツ③:畝づくり
ニンニクの植え付け前に、肥料などを入れた土づくりができたら畝を作っておきます。ニンニクは株間が15㎝、条間が15㎝ほどの場所に植え付けするのが良いでしょう。そして、畝を作ったら、マルチングをしておくのもおすすめです。マルチングを畝の上からしておくことで、雑草の手入などの手間が省けます。使うマルチングはホームセンターや園芸店で販売している玉ねぎ用のすでに種まきをする穴が開いているマルチングを使用するのも良いでしょう。マルチングをすることで、害虫の被害を防げる効果も期待できるので使用してみるのも検討してみて下さい。
ニンニク栽培のコツ④:植え付け
ニンニクの植え付けを行う前に、購入したきた球塊の表皮を剥がして、1方ずつ分けておきましょう。ばらしたニンニクの中でも大きいものは、大きく成長する可能性が高いので、できるだけ形が整ったニンニクを植え付けに使うのがおすすめです。中には、カビが生えていたり干からびてしまっているものもあるので、そのようなものは使用しないようにしてみて下さい。植え付けに行う球によって成長の良しあしも影響してきます。また、植え付けを行った後にもしも植え替えを行いたい場合は、後からでも可能ですができるだけ間隔を取って植え付けを行うのがおすすめです。
植え付け方法
植え付けは畝に、深さ5㎝ほど穴を掘りそこにニンニクの尖った方を上にして植えます。後は、軽く土をかけてしっかり水やりをしたら完成です。また、ニンニクの薄皮を剥いて植え付けする方法もあります。それば、薄皮があると水分が吸収しやすくなり発芽が早くなると言われているからです。薄皮を剥いて植え付けを行う際は、植え付けを行う直前に皮を剥くようにして下さい。植え付けを行った後は、できるだけ移動などはさせない方が良いですが、どうしても植え替えを行いたい場合は、球を傷つけないように注意して植え替えを行いましょう。
ニンニク栽培のコツ⑤:発芽と芽かき
ニンニクが発芽する時期はその時の気温などにもよりますが、だいたい30日ほどです。発芽をし、ニンニクの草丈が15㎝ほどになってきたら株から2本ぐらい芽が出てくると思います。その芽のうち丈夫そうな芽だけを残して後は取ります。これを芽かきと言います。芽かきをするとニンニクの草は1本になるると思います。残す芽を間違って抜かないように、丈夫な芽はしっかり押さえてかき取るようにして下さい。この作業を行うことで、土の中のニンニクの球にしっかりと栄養が行くようになり大きくて立派なニンニクを収穫できるようになります。忘れずにこの作業を行うようにしてみて下さい。
ニンニク栽培のコツ⑥:追肥
ニンニクは収穫までの間に2回ほど肥料を加える追肥を行います。ニンニクは秋の季節に植え付けを行うので、だいたい12月の冬の季節に入る時期に1回目の追肥を行います。この際、使う肥料はボカシ肥や鶏糞が良いでしょう。植え付けをした根元にまうような形で肥料を使用しましょう。さらに、2回目の追肥は季節が貼るに変わる2月中旬ぐらいの時期に行います。その際に使用すり費用も1度目と同じようにボカシ肥や鶏糞を使用すると良いでしょう。
越冬には肥料が大切
ニンニクは冬の季節を越えてから春に収穫するので、越冬するのに肥料が必要になります。越冬の間にしっかり生育しておかないと春の季節になった時に球が大きく成長しません。その為、ニンニクがしっかり越冬できるような育て方をするためにも、追肥は大切な作業になるので欠かさず行うようにしてみて下さい。冬の間に集まった栄養が、春になるとニンニクを大きくする大事な栄養になるので、忘れずに追肥を行ってみて下さい。
ニンニク栽培のコツ⑦:花芽の摘み取り
冬の時期を越え、春の時期になるとニンニクの花芽が成長し始めます。この花芽はニンニクの球の成長に悪影響を及ぼすので、早めに摘み取るのが大切です。ニンニクの畑を見て花芽が出てきていたら、早めに手で折って摘んでおきましょう。このニンニクの花芽はニンニクの芽とも呼ばれ、料理などにも使うことができるので、花芽を収穫してニンニクの芽の炒め物などのにして美味しく頂くのもおすすめです。この作業を怠ると、収穫の時期になってもニンニクが大きく育っていないことが起きるので注意して下さい。
ニンニク栽培のコツ⑧:病虫害
ニンニクは病気が少ないとは言われていますが、注意したいびょうきはさび病やモザイク病です。さび病はオレンジ色の斑点が、葉にできる病気でモザイク病は、その名の通りモザイクのような模様が葉に出現して来ます。このような症状が出てくるとニンニクの球もすでに病気になっている可能性があります。このような病気は農薬などでは防ぐことができないので、発見したらハサミで切って抜き取るのが良いでしょう。もしもこのようなウイルスを事前に予防しておきたいのなら、殺菌剤を使うのも良いでしょう。
アブラムシを駆除しよう
ウイルスなどの病気を防ぐには、まずアブラムシに注意するのが良いでしょう。アブラムシを防ぐ為にネットをかけたり、土づくりの際にマルチをかけておくのも予防になります。発見してからでは、手遅れになることが多いので早めに対策を考えておくのがおすすめです。アブラムシがひどいようなら市販の農薬などを使うほうほうがあります。ニンニクはだいたい3月から4月にかけて病気になりやすいので、農薬などを用いた予防を行うのなら2月の下旬から3月に農薬を散布しておくのがおすすめです。
ニンニク栽培のコツ⑨:収穫
ニンニクの収穫時期の目安は葉が黄色く変色して枯れて来たらです。ニンニクは球が熟成してくると休眠時期に入るので、枯れていくのです。だいたい収穫に適した時期は5月の中旬から6月ぐらいになります。その時の気温などによって前後しますが、地上に出ている葉が枯れてきたら収穫時期の合図だと覚えておくといいでしょう。また、収穫に適しているのは晴天が続いている時で、雨上がりなど土が湿っていると球が傷みやすくなってしまうので、しっかり気温も高く晴天の日に収穫しましょう。
ニンニク栽培のコツ⑩:乾燥
ニンニクは収穫した後は、数日畑や軒下などでよく乾燥させておくのが良いでしょう。ニンニクは乾燥させることで、腐らず保存をすることができます。ニンニクは収穫が早すぎても遅すぎても球が綺麗にならないので、できるだけ適したタイミングで一気に収穫を行って軒下などで乾燥させてあげましょう。乾燥せずにそのままにしておくと、腐りやすくなってしまいせっかく自分で育てたニンニクが台無しになってしまいます。収穫した後はできるだけ早くニンニクを乾燥させてあげるようにしてみて下さい。
湿っているニンニクは
乾燥をしたのにも関わらず湿っているニンニクは収穫の時期が早すぎたり、水分を多く含んでいることが原因かも知れません。生育期に多くの水分を含んでしまうと湿って水分の多いニンニクになってしまい保存には適していません。早く腐ってしまうので、できるだけ早く食べる様にしてみて下さい。水気のあるニンニクでも決して腐っているわけでなければ、食べても問題はありません。たくさん収穫した際は、水分が多そうなニンニクから先に食べていくのが良いでしょう。
ニンニク栽培のコツ⑪:保存方法
ニンニクは乾燥させたら、葉の部分と根の部分を切り落として紐で縛って、軒下などでぶら下げて保存するのがおすすめです。玉ねぎなどもこの方法で保存をします。風通しが良い場所で、雨や直射日光が当たらない場所に吊るしておくことで、長期保存が可能になるのです。あまり長期保存してしまうとニンニクは休眠期から開けて芽が出てしまうので、それまでに食べきるか食べきれない場合は、スライスをして冷凍で保存しておくのが良いでしょう。ニンニクは冷凍保存も可能なので、賢く上手に保存してみて下さい。
ニンニク栽培のコツ⑫:植え替え作業
ニンニクは土づくりをして、植え付けしてから場所を移動したい場合は植え替え作業を行うことも出来ます。すでに根が出てしまっているニンニクは根を傷めないように土を丁寧に掘り起こし、植え替えを行います。植え替えを行う際は、根の部分を広げるようなイメージで植え替えを行うと問題なく生育することができるでしょう。もしも土づくりをして植え付けしてから、植え替えを行いたい場合はできるだけ早い方が植え替えによる生育不良などを起こさず、順調に生育してくれます。植え替えを行う際は、根などを傷つけないように行い、新しい場所に早く根付きやすいようにしてあげるのがおすすめです。
ニンニクは連作も可能
ニンニクは連作障害が出にくい野菜でもあります。連作障害とは同じ場所で同じ食物を育てるとうまく育たないことを言い、ニンニクの場合はその心配はないので、毎年同じ場所で栽培しても問題はありません。同じ場所でニンニクを栽培する場合も、土づくりはしっかりしてあげると良いニンニクは出来るでしょう。また、収穫し忘れたニンニクは翌年また球をつけていることもよくあります。ニンニクは比較的連作も可能なので、同じ育て方を毎年楽しんでみるのも良いでしょう。
ニンニクの美味しい味わい方
自分で苦労した育て方をしたニンニクは、収穫したら美味しく味わいたいものです。おすすめの食べ方は、ニンニクのホイル焼きです。ニンニクのホクホクとした食感や独特の香りや風味を存分に楽しめるシンプルなメニューになっています。作り方は、アルミホイルを2重に重ねて容器を作っておきます。そして薄皮を剥いたニンニクの根元を切って耐熱容器に入れてラップをして1分ほどレンジで加熱します。後は作っておいたアルミホイルの容器に入れてサラダ油と塩こしょうを振ってトースターでこんがりと加熱するだけです。採れたてのニンニクはホクホクと風味も良いので、ぜひ味わってみましょう。
まとめ
ニンニクの育て方は意外と簡単なので、初心者でも家庭菜園で栽培しやすい野菜です。ニンニクの育て方のポイントは土づくりと肥料です。ニンニクは土の中で成長するので、土に栄養があることが大切になるので最初の土づくりはしっかりと行ってあげるのが上手な育て方のポイントになります。また、植え替え作業を行いたい場合は根を傷つけないように注意しましょう。収穫後のニンニクは乾燥させることで、長期保存も可能なので手軽な育て方でニンニク栽培を楽しんでみてはいかがでしょうか?料理のアクセントや風味付けに大活躍してくれる香味野菜でもあるので、おすすめの手作り食材です。
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