ギガメアジって何?
へっへっへ、タイトルを見て「ギンガメアジ」だと思ったでしょ?最近ギンガメばかり釣っているので書いている本人でさえ見間違えを起こします。さて、カップ焼きそばやハンバーガーにも「ギガ」と名付けて大きさを誇示するものが多数ありますが、釣り界にもギガの波は押し寄せています。でもkuma10の実家では10年以上も前から30㎝オーバーのカワハギをギガハギと呼んでいましたよ。マアジも40㎝を超すとギガと呼ばれます。今回釣ったのは35㎝オーバーのメアジ。小型アジのメアジとしてはギガメアジと呼んで差支えないでしょう。
ギガメアジ釣行
中潮の上げ5分(ごぶ)
2020年7月17日(24時過ぎなので正確には18日)、潮汐は新月前の中潮。満潮は午前4時30分頃。中潮とはいえ干満差の少ない潮回り。午前3時過ぎにはほとんど潮止まりになる予想。なので午前1時に出発。狙いは居付き残りのアオリイカと、何でも良いから青いお魚。もう赤いお魚(マツカサ)は飽きました。なので携行ロッドはエギングロッドとアジングロッドとシーバスロッドの3本。ショアジグロッドも車には積んであるけれどまだリールがナイロンのままなので使用禁止にしています。
フェリー発着桟橋
いつもの屋根付き桟橋にしようか、足場の良いフェリー桟橋にしようか迷いましたが、今回大きなコンクリート階段ができ常夜灯の光がうまく明暗を創り出しているのではとフェリー桟橋をチョイス。雨も降っていなかったですしね。タックルはアジングロッドにPE1号、リーダーは透明フロロカーボンの3号を結束しましたが、ちょっと太かったイメージです。
メアジの釣り方
突然出現したコンクリート階段。その際から沖に向かってアジングワームを投げること5投。5秒カウントから始めて3秒カウントに替えた途端のヒット。活性は良いようだ。マアジなどと同じように口は柔らかいのでドラグゆるゆるでやりとり。タモに納まるまで横っ走りと急速潜行を繰り返していたからひやひやしたけれど何とかゲット。この後少し沖に出たなと思ったら7gのジグに替え、近くにきたなと思ったらアジングワームに替えを繰り返し4匹釣ったところで納竿。
今回の獲物
メアジ5匹
目のくりくりっとした可愛いアジ。メアジが入れ食いとまではいきませんでしたが、筆者が4匹、嫁さんが1匹の合計5匹水揚げされました。嫁さんのタックルは84サイズのエギングロッドに0.8号のPE、3号のフロロカーボンリーダー、リールはエギング用の1000番手。それにアシストフック付きの7gジグでした。とにかくファーストラン、セカンドランともに強く、口切れさせないように浮かすのが大変な魚です。ドラグゆるゆるがおすすめです。
ヒメフエフキ1匹
一番手前の赤い魚は「ヒメフエフキ」です。釣れた時は薄緑色で、ハマフエフキかな?と思いましたが、すぐに色が出てきてきれいな赤い色になりました。下にしていた部分に色が入らず、それがたまたま「ハの字」に見えたので「もしやセンネンダイ?」と思いましたが、同じ仲間のヒメフエフキですね。沖縄では「ミミジャー」と呼ばれオーソドックスな魚ですが、奄美では桟橋から釣れるのは珍しい魚です。嫁さんの鼻の穴がふくらみました。
食べ方の前にさばき方①「寿司・刺身用」
ウロコを落とします
寿司用でも刺身用でも魚をさばく時はまずは柵取りから始めます。まずはウロコ落としです。メアジをよく水洗いしたらウロコを剥いでいきますが、細かくて剥がれやすいウロコにはペットボトルのフタがウロコ取りのおすすめアイテムです。すごく軽く使えますから、身割れしやすいメアジにはピッタリです。またもう一つおすすめの理由が「ウロコが飛ばない」こと。キャップの中にウロコが溜まるので台所を汚さずに済みますよ。
頭と内臓を外す
ウロコが剥がせたら頭を落としていきますが、魚体の両脇(脇の下)に斜めに包丁を入れて、魚のてっぺんから一旦背骨を断ち切ります。頭はそのままにしておいて次にお腹を裂いていきます。肛門あたりから最初に入れた切れ込みまで包丁を入れ、頭と体を持って二つに割ります。すると頭に内臓がすべてくっ付いて外れます。後は空っぽになったお腹を流水で洗います。
三枚におろします
背側と腹側にガイドになるように切り込みを入れ、背身と腹身を中骨から外すように包丁を入れたら、尻尾側から包丁を入れて一気に頭側に包丁を払っていきます。これで中骨と身が外れました。最後に尻尾側のくっついている部分を切り離せば片身完了です。これを表裏すれば三枚おろしのできあがりです。アジは特にやり易い魚ですので、これから三枚おろしを覚えたい方はまずはアジから始めてみましょう。
腹骨を漉(す)く
三枚におろせたら腹骨を漉いていきます。包丁の刃先の背を使って中骨と腹骨のくっついている部分を外し、そのまま腹骨に添って刃を進めていきます。ここは刃の反りを利用して丁寧に漉いていきます。お刺身にするにしてもお寿司を握るにしても、一番脂の乗った美味しいところですからね。なるべく薄く漉いたら最後は包丁を立てて真っ直ぐに切り落とします。ここで刃を立てないとキレイな身が取れません。
皮を曳く
本来アジ系の(特にマアジ)魚は頭から皮は剥いていきます。しかし浜締めしたとはいえ2日間寝かせたメアジは身が少し緩くなっています。これを頭剥きしてしまうと身が割れる危険性があります。ですので尻尾の方から普通の魚と同じように剥いていきます。皮1枚残して刃を入れたら刃を寝かせて身を外していきます。時々画像のように身を持ち上げてうまく剥けているかの確認をしながらすると失敗がありませんよ。
柵取りは大きさによって変える
ここまでできたら「柵取り」ですが、これは魚の大きさで変えましょう。今回のメアジの場合はまあまあ大きかったので血合い骨は切り離して5枚におろしました。小さい場合は血合い骨を毛抜きなどで抜いて3枚のまま使いましょう。
食べ方の前にさばき方②「煮付け・塩焼き用」
煮つけ・塩焼き用のさばき方
煮付けたり塩焼きなどでいただく場合は、お刺身やお寿司用のさばき方と同じなのは「ウロコ落とし」までです。ウロコを落としたら肛門から顎下まで一気に包丁を入れて裂いてしまいます。アゴの下から指を入れて「エラ」をつまんだら真下に引けば内臓ごときれいに外れますから、あとは空っぽになったお腹を流水で洗います。この時も優しく指先や歯ブラシなどで擦って下さい。強くやると身割れの原因になりますよ。
食べ方によっては飾り包丁を入れる
魚の掃除が終わったら「食べる時に上になる方に」飾り包丁を入れましょう。これをやることで味が入ったり、火の通りがよくなったりしますから、必ず入れることをおすすめします。また、もしもお腹の中に「卵」や「白子」が入っていたらキレイに外して水洗いしておきましょう。塩焼きでも煮付けでも美味しくいただけます。今回は煮付けでいただくことにします。
次回「美味しい食べ方」完結編!
結論から言えば今回の「ギガメアジ」はめちゃくちゃ美味しかったのですが、同じアジ系の魚がこの世にたくさん存在することから、逆にその美味しさの伝え方が難しくなってしまいます。何がどう美味しかったのかなどのリポートをするには与えられている文字数が少し足りません。大変心残りではありますが、今回は釣り方とさばき方編ということで、実食編は次回に回したいと思います。もちろん次回は調理編も含めての記事になりますので、ぜひご期待ください!
【連載】が気になった方はこちらもチェック!
「暮らし~の」のサイトでは現在いろいろなライターさんが曜日ごとに連載をさせていただいております。kuma10の担当は【火曜連載】となっておりますが、「釣りと料理」に特化した内容をお届けしております。離島暮らしの不便さから釣り具も料理も手作りをすることが多く、そのリアルさが出るような内容を心掛けております。もしも【火曜連載】が気になりましたら、ぜひこちらも御併読くださいませ。
【連載】釣って食べるシリーズ!島の魚でフィッシュアンドチップス!
先日テレビを眺めていてチラとフィッシュアンドチップスの話題が出ました。「イギリスで4回食べたけど美味しかったのは1回だけ」などと嫁が生意気な...
【連載】結束力100パーセント!キーホルダーノットを覚えよう!
以前「8の字ぐるぐるノット」を紹介しましたが、結束力100のノットは無いのかと友人に問われました。「ありますありますSCノットがあります」と...