はじめに
家庭菜園でブロッコリーを栽培する方法
ブロッコリーは意外と簡単なやり方で家庭菜園で収穫することができます。しかし初心者ならば水やりや肥料・株の植え付け間隔など気をつけたいポイントや育て方のコツなどをまず知ることが大切。そこさえおさえて育てればはじめてでも自分で作った美味しい採れたて野菜を堪能することができるでしょう。今回は冬野菜の代表的な作物ブロッコリーの育つ過程や気候に合わせた育て方解説です。
ブロッコリーについて
基本情報
科・属:アブラナ科アブラナ属
原産地:地中海沿岸
英語名/学名:broccoli/Brassica oleracea
旬の時期
ブロッコリーは春に植え付けして夏に収穫することもできますが、基本的に秋植え付けをする冬の野菜。冬場の方が栄養価が高くギュッと味が濃縮して旨味も増す作物です。
家庭菜園におすすめのブロッコリーの種類
人気のブロッコリー1.ピクセル
ブロッコリーの中でも特に病気に強く作りやすい品種といわれているのがサカタのタネのピクセル。早生種で植え付けてから2ヶ月くらいすれば収穫できるのが魅力。濃い緑色の花蕾も食欲をそそり、その大きさは十分に家庭菜園の収穫の楽しみを満足させてくれるでしょう。
人気のブロッコリー2.茎ブロッコリー
茎ブロッコリーは大きな花蕾ではなくその周りに小さくできるものを収穫して食べる種類。大きな花蕾よりもやわらかく、茎部分は甘くて美味しいので近年人気上昇中の作物です。一般のブロッコリーを収穫したあとで採ることができますが、茎ブロッコリーを採るための専用品種も存在します。
人気のブロッコリー3.ロマネスコ
正確にはブロッコリーとは別の種類の野菜ですが育て方や食べ方などはまったく同じと言って良いのでブロッコリー栽培と一緒に作ることができるでしょう。農家で作る場合は比較的花蕾の痛みから開放されているブロッコリーと比べ、少しでも痛みがあると商品にならない作物なのであまり市場に出回りません。そのため逆に家庭菜園で作るのにコスパが良くおすすめなおしゃれな品種といえます。
家庭でのブロッコリー栽培1.準備
道具や土など
畑や庭などで地植えにする場合は地面を野菜が育つような土壌に作り変えるためのスコップや鋤が必要です。また水やりに使うジョウロやホース・肥料などを扱うために手袋やエプロンも家庭菜園のためには揃えておくことをおすすめします。もちろん市販の培養土や土壌改良のための苦土石灰・元肥などもまず揃えておきましょう。
ブロッコリーの苗
そして何よりも必要となるのがブロッコリーの苗です。種まきから育てることもできますが、より簡単に手軽にブロッコリーの収穫を楽しむためには健康な状態に育った苗からの方が初心者の方にはおすすめ。
育て方のコツ・ポイント
野菜を自宅で育てる場合、すでに花など育てたことがある方ならばジョウロや小さな移植ゴテくらいはお持ちの場合もあるでしょう。それらの小さなガーデニングツールを代用して野菜を育てることも可能です。ベランダでプランター菜園をするのならむしろ大きな道具よりも取り回しの良いそれらの道具の方がおすすめ。少しむずかしい土づくりも市販の野菜用培養土を使うことで悩みも解決です。ただしプランター栽培の場合は必ず水はけをよくするための鉢底石をご用意ください。
家庭でのブロッコリー栽培2.場所
植え付け・置き場所
ブロッコリーを植え付けたりプランターを置く場所で適しているのは、適度に日があたり風通しがよいところ。日当たりは良いが風が吹かない場所と半日陰程度になるけれどよい風が通るところでしたら、その程度にもよりますが後者の方が病気なども防げ健康的な株になりやすい傾向が高いです。
好む日当たり
日当たりの良い場所を好みますが、半日陰程度でも十分生育します。ただし気温は大切でいくら日当たりがよく風通しがよくても気温が15度を下回るような場所では、この植物は十分な生育をしません。寒い地方で冬に栽培する場合は、寒冷紗などをかけて生育時の温度が下がりすぎないようにしてください。
育て方のコツ・ポイント
株同士の間隔が広く風通しの良い場所で日当たりも良ければ良い栽培場所といえるでしょう。プランターでベランダ栽培をする場合に気をつけて欲しいのが室外機など不自然な風があたるところ。自然な風と人工的な風はまったく違うものです。他の植物でもエアコンの室外機の前には置かないようにするのがポイント。
家庭でのブロッコリー栽培3.土
ブロッコリー用の土
ブロッコリーを育てるには野菜に適した土が必要です。市販の培養土を使うのがおすすめですが、畑や庭の一角に地植えで育てる場合には2週間前には苦土石灰を掘り返した土に混ぜ込んで雨で酸性に傾いたpHを中和してあげてください。さらにそれから1週間後に元肥をすき込み植え付け準備は完了です。
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家庭で消費する分だけ作れれば良いという方ならば、地植えでなくプランターに鉢底石を敷いて市販の培養土を入れる方がずっと楽に植え付け準備が終わります。買ってきた石と土を入れるだけで、すぐに植え付けることができるでしょう。
育て方のコツ・ポイント
畑や庭の土を再生して利用する場合は必ず事前に土を中和させておく作業が必要です。良い野菜を育てる場合には肥料は欠かせませんので、元肥もしっかり施しておき準備を整えましょう。プランターの場合は50センチ以上幅があるものであれば2株を植え付けることができます。育てたい株の数を考慮して大きさや個数用意してください。
家庭でのブロッコリー栽培4.植え付け
植え付け時期
植え付けに適した時期は品種によって変わってきます。冬に植えて初夏ころ収穫するもの・夏に植え付けて秋から晩秋ころに収穫となる2種類が一般的です。あとはお住まいの地域の気温に合わせてブロッコリーの株が出回りますので、園芸店に株が並ぶのを目安としても良いでしょう。
植え付けの間隔など
鉢ならば30センチ以上の大きさのものに1本。地植えや長いプランターに植え付ける場合は株の間隔を40センチに植え付けてください。あまり株が密集すると生育も悪くなりますし、病気の原因となる場合もあります。また株の重さも上部が重くなりますので転倒を防ぐ意味でも深さも30センチ以上ある鉢を選んでください。
育て方のコツ・ポイント
植え付けは苗をポットから出してちょうど入るくらいの穴を開けそこにたっぷりと水やりをしてから植え付け少し周りよりも土を高く盛り上げておくのがポイント。こうすることで水はけがよくなり、根腐れが起こりにくく丈夫に育てることができるでしょう。
家庭でのブロッコリー栽培5.水やり
水やりの時期
水やりはその時の気候や季節などによって変える必要が出てきます。これは植物の成長期に大きく影響されるため。冬植えであれば暖かくなってきたらしっかり水やり・夏植えであれば気温が15度を下回るようになったら、水やりも肥料も控えめにして育てるといった感じです。
上手な水やり方法
水やりは季節や気温だけでなく地植えとプランターでも変わってきます。地植えの場合は何日も雨が振らず土がカラカラになるまで水やりの心配は無いと思ってよいでしょう。しかし土の容量に限りがあるプランターでは雨が振るまで待っていては苗が枯れてしまうことも。土が乾いているなと感じたらしっかりと鉢底から水が出るくらいたっぷりと与えましょう。
育て方のコツ・ポイント
水やりのコツはそのときの気温と気候・植え付けている場所に注意をして、寒い時期はあげすぎない。プランターは真冬以外は乾いたらすぐに与える。あげる時は十分に土が中まで湿るようにたっぷりとあげるのがコツです。
家庭でのブロッコリー栽培6.肥料
肥料の時期とやり方
野菜の家庭菜園には肥料やりは大切なお世話です。ブロッコリーの場合3回肥料やりのタイミングがあり、その最初が植え付け時の元肥。堆肥と化成肥料をあわせて植え付け前の土にすき込みますが、野菜用の培養土では元肥入りのものもありますので確認してから使うようにしてください。
追肥の与え方
追肥の1回めは植え付けた苗がしっかりと根づいたのを確認できる1ヶ月後くらいを目安とします。この頃になると元肥もなくなってきますので養分を補充してあげる感じです。株元に化成肥料を一握り程度。2回めは花蕾が確認できるころ。大きなブロッコリーにするために前回の追肥と同じ肥料を与えてください。
おすすめの肥料
元肥には堆肥も使いますが家庭菜園では有機肥料にこだわらない方には扱いやすくにおいも比較的少ない化成肥料をおすすめします。8-8-8などチッソ・リン・カリのバランスの取れたものを用意してください。他の野菜や花・植木などにも流用できるので余っても無駄になりません。
育て方のコツ・ポイント
肥料を与えるコツは苗を大きくしてしっかりと植え付けたものが根付くように与える元肥。その肥料が切れたころに与える追肥。最後は大きな収穫物となるよう花蕾を育てるための肥料です。そのポイントがわかっていればいつ上げれば良いのか迷うことはないでしょう。
家庭でのブロッコリー栽培7.冬の水やりや肥料
ブロッコリーの冬場の管理
ブロッコリー初心者の方には夏植えの秋から冬にかけて収穫する栽培方法が育てやすくておすすめです。しかし冬野菜は夏野菜に比べて種類も少なく育てたことがないという人も多いのではないでしょうか。植え付けてから収穫まで秋から冬と寒い季節のお世話のやり方を紹介しましょう。
冬にも水やりと肥料を
前述で植え付けは遅くとも9月までにということをお話しました。これには本当に気温が低くなるまである程度苗を成長させたいという意味があります。具体的にいつまで水やりや肥料やりをした方が良いのかというと花蕾が付いてきた頃を目安とします。水やりや肥料は春や夏よりは控えめにしますが、追肥の時期には肥料も忘れずに与えてください。
育て方のコツ・ポイント
気温15度を下回ると植物の成長は著しく低下することがわかっています。このことから冬場に水やりや肥料を控える目安としてこの温度をチェックすることは重要です。過ぎた水やりは冬場でも根腐れを引き起こしますし肥料過多になってしまうと作物の品質の低下など障害がおこるので水や肥料やりの間隔には十分注意してください。
家庭でのブロッコリー栽培8.プランター栽培
プランターでも栽培できる
ブロッコリーは植え付ける間隔に気をつければプランターでベランダ菜園でも収穫できます。株の周りに15-20センチくらいのスペースが取れるよう30センチ以上なら植木鉢を使っても。幅が70センチほどの長さのある大きなプランターなら3株植え付けることができるので、家で食べるくらいの量には十分ではないでしょうか。
地植えとの違いは水やりや間隔
地植えの場合は苗の植え付け間隔が40センチに少し満たない場合でも均等に間隔を開けて植え付ける方に気をつけてください。その代わりに深さや奥行きなどにも注意して株のまわりに均等に土のスペースがあることと肥料切れや水切れがないよう気をつけましょう。
育て方のコツ・ポイント
プランター栽培をする場合は風が強い時期であったりすると転倒のおそれがあります。必要に応じて支柱を立てたり大きな鉢にたくさん土を入れて重心を下にする・ベランダの柵に麻ひもなどで茎を固定するなど必要に応じて転倒対策をおこなってください。
家庭でのブロッコリー栽培9.病気と害虫
気をつける害虫と時期
ナメクジは普段は隠れてあまり姿を現しませんが食欲旺盛な害虫で、秋に植え付けたブロッコリーでも葉の食害が大きな被害となるでしょう。雨が降っている時や雨後に現れるので駆除するならこの時期がおすすめ。この他にもアオムシの類やヨトウムシ被害も多いので見つけ次第捕殺するか浸透性の農薬を散布して対策してください。
気をつける病気と時期
黒腐病はキャベツやブロッコリーなどがかかりやすい病気で葉を枯らし植物に害を及ぼします。感染した土から広がったり感染した種子により伝染するもの。自分で収穫した種子を使って栽培する場合には特に気をつけてください。病気の感染の心配のない丈夫な苗を買ってきて植え付けたり、多湿にならないよう管理することで対策することができるでしょう。
育て方のコツ・ポイント
ブロッコリーは比較的背が高く成長する植物です。花蕾が収穫できるころには株の重さが上部に集中して不安定になりがち。鉢の転倒を防ぐため深さのあるものにして土で重さを出すなど倒れないよう工夫してください。
家庭でのブロッコリー栽培10.収穫
収穫時期の目安
株の頭頂部にスーパーで見かけるような大きな花蕾が付きます。これを収穫するのですが食べごろを見極めるには触れてみるのが一番。これが固くしっかり締まっているようであれば収穫時期です。
収穫のやり方
立派に育ったブロッコリーはナイフや包丁で茎から切り離して収穫すると良いでしょう。こぶりなものであれば剪定ハサミなどでも切り取ることができます。
頂花蕾収穫のコツ・ポイント
まだ大きくなるかと欲張ってしまうと花が開き始めブロッコリー独特のあの食感や味が落ちてきてしまいますので、収穫の時期を見極めるのが大切です。また茎も実は甘くて美味しいので自宅で栽培する場合は長めにカットしてそちらも炒めものやスープなどに活用してはいかがでしょう。
家庭でのブロッコリー栽培11.収穫後
収穫後も楽しめる
大きな部分を収穫したあと株を処分してしまうのは少しもったいないです。その下の部分の小さな蕾は頭頂部のように大きく成長することはありませんが最初から食べやすい小房で収穫できるので活用しましょう。
側花蕾の収穫
太い茎の節の部分から小さな蕾がいくつも出てきます。大きさもこぶりでハサミで手軽にカットして収穫できるので、花が開いてしまう前に収穫して召し上がってください。
まとめ
ブロッコリー栽培は意外と簡単!
ブロッコリー栽培のコツは苗の植え付け間隔を十分にとって大きな花蕾を育てるために大きな株を育てることにありました。一度大きな花蕾を収穫したあとでも小さな茎ブロッコリーを楽しむこともできるので、思ったよりも1本でたっぷりとその美味しさを堪能できるでしょう。順を追って栽培方法を解説していますので、これから栽培してみようと思った方はぜひ育て方のお役に立ててください。
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