中村孝明 桐のまな板 L NKL-11
大きなまな板が欲しい!
今現在メインで使っているまな板がとても小さく、魚をさばくのにとても難儀をしています。何と言っても私の釣る魚はみんな大物ばかりなので(炎上覚悟)、ふつうのまな板でははみ出してしまいます。そこで大判のまな板を購入することにしたのですが、これがなかなかジャストサイズのものが見つかりません。またどうせ買うなら木製のものが欲しかったのですが、オーダーなどしたらとんでもないお値段になることが判明。これは何とか自作するしかないな、とショッピングサイトで素材を探しました。
自作まな板のすすめ①「安くて良い材料」
あった!
中村孝明 桐のまな板 L NKL-11
見つけちゃいました!安くて間違いの無い素材。「中村孝明監修、桐のまな板Lサイズ」。この記事ではアマゾンと楽天でのご紹介となっておりますが、実は他のサイトで購入いたしました。もうね、めちゃくちゃ安かったんです。そこで1枚だけ購入するのではなく複数枚購入して、いろいろ自分の使い勝手に合わせたアレンジをすることにしました。「自作」というより「改造・改良」ですね。
3枚購入しました
まずはキッチンの採寸からです。板場(調理をするスペース)として使えるのはタテ45㎝、ヨコ55㎝以内であるとわかりました。1枚の大きさがタテ235mm、ヨコ423ミリの桐材のまな板ですので、加工にはもってこいですね。この3枚のまな板を使ってその大きさのまな板を作っていこうと思うのですが、どうせなら一番使い勝手の良い作りにしたいですね。
自作まな板のすすめ②「使い勝手を考える」
基本は1枚ゲタ付き
どのように加工するにしても、基本の形は残しておかなければなりません。それは「一番使う形」です。今回購入したものはタテ235mm、ヨコ423ミリですので、普段使いにはジャストサイズです。ただし清潔さを保つためにゲタを履かせたいと思います。
最大で約50㎝×40㎝の大判サイズ
いろいろな形にトランスフォームするにしても基本の一枚にゲタを履かせた関係で、高さを合わせるために全ての部材にゲタを履かせます。メリットは当然キッチンに面で当たらないことから清潔であるということ。デメリットは片側にゲタを履かせるとまな板自体が片面しか使えなくなること。
自作まな板のすすめ③「設計図を作る」
捨てる材料は無し!
三枚のまな板をどのように組み合わせるのかをいろいろな角度から考えます。また完成形が美しくなるようにも気を付けます。一枚の手を加えないまな板を軸にすると、ヨコの423ミリをタテ使いにするのが一番簡単そうです。残りの二枚をそれに合わせてカットして行くと余る部分が見えてきます。その部分を細く切ってゲタにしたりその他の部材に使用します。
まな板以外にも「盛台」まで
結果二枚のまな板は14㎝ほどカットできることが分かりました。ですのでお寿司用の「盛台」まで作れそうです。ではその切り方はどうしようか、とまな板を見回すと「中村孝明」の焼き印が目に留まりました。よしよし、こいつを盛台に利用してやろう。高級感あふれ過ぎの盛台ができるはずです。
自作まな板のすすめ④「材料の加工」
設計図通りに印を付ける
まずは設計図通りに線を引いていきましょう。この時印を付けるのにボールペンなどのインクは使用しない方が良いでしょう。まな板に黒い線などが残ってしまうと清潔感が失われますからね。失敗しても消せる、ないしは時間経過で消えるもので線を引きましょう。
設計図に添ってカット
線を引き終えたらカットしていきます。使うノコギリは薄刃のもの。刃の大きいものでやってしまうと柔らかい部材がバリッと裂けてしまったり、切り口が汚くなったりします。なるべく薄い「工作用」のものをおすすめします。また、まな板が暴れないように押さえて切るのですが、この時柔らかい桐材は傷が付いてしまいます。必ず厚めのダンボールなどを敷いて切りましょう。
切り口や角にヤスリ掛け
部品がすべて出そろったらヤスリ掛けです。60番~100番ほどの目の粗い紙ヤスリを作業台に置き、その上でごしごしと擦ります。もともと桐は柔らかい材質ですので、角を丸くするくらいなら4~5回も往復させればきれいに丸くなります。荒削りが終わったら200番~400番ほどの紙ヤスリで仕上げます。
自作まな板のすすめ⑤「組み立て」
部品を確認して木工用ボンドで接着
各部材が揃ったら一旦イメージ通りに組み立ててみましょう。足りない部品は無いか、余ってしまう部品は無いか、また、すべての面にヤスリ掛けはできているか、そして位置決め。この後接着することになるわけで、その行程以降修正は効きません。慎重に部材同士をあてていきます。
接着剤が乾くまで固定
組み立てができる状態になったら次はいよいよ接着です。まずは接着面に薄く木工用ボンドを塗って行きます。乾いて透明になりかけたら再度木工用ボンドを塗り、半乾きまで放っておいてから接着します。ここがポイントです。木工用ボンドは塗りたてで接着面を合わせてはいけません。接着したら、本来ならばクランプなどで固定するのがベストですが、今回は仕事場の重たい本を使って圧着しました。このまま2時間ほど放置して完成です。
実際に使ってみる!
使い勝手を考えてレイアウト
さっそく使ってみることにしました。いろいろな形にトランスフォームできる利点がフルに活かせる「お寿司」に挑戦です。酢飯を右側に置き、切り付け場とネタ場を別々に並べます。大判の一枚で使うのは巨大魚が釣れた時のお楽しみにとっておきます。左上に盛台を置き、握った寿司をすぐに並べられるように配置しました。
二人分のお寿司を握ってみました
今回のネタはマグロの赤身、卵焼き、シソとキュウリです。赤身と卵はちょっと厚めに切って握りにし、筋の入った赤身は鉄火巻きにしました。シソとキュウリのかっぱ巻きにも余った卵焼きを入れています。鍋でおつゆも沸かして食卓へ。盛台には両方とも「中村孝明」の焼き印が入っていますが、これは寿司に隠れてしまっていますね。ちょっと残念です。
桐のまな板のお手入れなど
必ず濡らしてから使う
桐のまな板が料理人に人気なわけの一つに、「乾燥が早い」ということがあります。これはカビなどを寄せ付けないなど、清潔に使うのにとても重要なことです。しかし逆に生ものなどを乾燥したまな板で扱うと張り付いてしまったり、木目にネタが入り込んでしまったりと使い勝手の悪くなることもあります。ですから木製のまな板を使う時には、必ず水を掛けてから使います。軽く絞った布巾なども用意しておきましょう。
基本は水洗い
木製のまな板は、常に水洗いしながら使います。それこそちょっと神経質なくらい流水で流しながら使いましょう。しまう時には中性洗剤を使って汚れを落としますが、これも基本は水で流します。熱湯を使って洗うこともありますが、私はあまりおすすめしません。特に動物性のものを切った後は微量のたんぱく質が表面に乗っています。これが熱湯で「固着」してしまうのは避けねばなりません。ただし「油分」を取る時には60度ほどのお湯で流します。
乾燥が早い「桐」まな板
桐材は持ち上げてみれば分かりますが、とても軽い材料です。そのため空気の通りもよく、揮発性に優れています。調理が終わったら表面の水分を拭き取り、「下を空間にする」か「下に乾いた布巾を置く」かして立てかけておきます。表面がうっすらと乾くのに約30分、完全に乾くのには2時間もあれば充分です。木製まな板は手間が掛かりそうで、実は一番手間いらずなんですよ。
清潔さが良い「桐」製
寿司ゲタ(盛台)の小に握り、まな板にもなる盛台に巻物を乗せてテーブルに配置してみました。桐の清潔な香りが食欲をそそります。前回の連載で使ったギンガメアジのカマを一塩して冷凍してありましたので、それでお椀も作りました。家内からの「見た目も香りもお寿司屋さんみたい」という言葉がとても嬉しかったです。島にはお寿司屋さん無いですから。今回は桐材を使って大正解でした。料理好きの方はぜひまな板なども工夫してみてはいかがでしょうか。
お寿司を作ってみたいと思った方はこちらもチェック!
今回自作まな板の記事でしたが、気になるのはまな板よりも出てくる料理なのではないでしょうか。「暮らし~の」のサイトには美味しいお寿司の作り方などを紹介したものもあります。ご興味を持たれましたら、是非ご一読を!
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