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ハクサンチドリ(白山千鳥)の花言葉は?その特徴や育て方、開花時期もご紹介!

ハクサンチドリ(白山千鳥)は、高山帯に生育する山野草で、花姿が千鳥の飛ぶ様子に似て、爽やかな紅紫色の花を咲かせます。山野草の愛好家には大変人気がある植物です。そんなハクサンチドリの特徴や開花時期、そして、育て方や花言葉と似た花も併せてご紹介してみましょう。
2020年8月28日
Meigen Oka
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ハクサンチドリはどんな植物

ハクサンチドリ(白山千鳥)は、日本では中部地方以北の高山帯の湿った草原に生えるラン科の植物です。朝鮮半島やアラスカ地域の寒冷地にも分布していますが、北海道の北部地域には平地でも生育しています。石川県では山岳信仰の山として崇められている「白山」で初めて発見されたことによって、山の名前と咲いている花の姿が千鳥の飛んでいる様に見えることから「白山千鳥」と名付けられたのが名前の由来です。高山植物で気候の涼しい場所で生育している植物ですので、標高が低い暖地では育種するのが大変難しいとされる山野草のひとつです。

ハクサンチドリの特徴

ラン科ハクサンチドリ属の多年草です。園芸品種として鉢植えなどにして育種すると、草丈はあまり伸びずに20cm程度にしか成長しませんが、野生のものは、草丈は4050cmほどに生長します。葉は細長く楕円形の形で先は尖り互生します。開花の季節は5月下旬頃から8月頃で、長く伸ばした茎の先に総状花序(花軸を中心に柄のついた花を複数付ける)を付け、唇の形をして紅紫色をした花を複数咲かせます。特徴は、この小花の姿が名前の由来となった千鳥に似ています。花後に葉は枯れて地下茎が残り、冬季は休眠状態で春になって芽吹きます。

ハクサンチドリの生育地域

ハクサンチドリの生育地域は、千島列島、樺太、朝鮮、オホーツク沿岸、アラスカなど季節が常に寒帯とされる地域に分布しており、日本では中部地方以北から北海道にかけて分布しています。その名の通り白山で初めて発見されたことからの名前の由来ですが、実は白山での個体数は少なく、むしろ北海道や岩手、宮城、山形の高原地帯、群馬の尾瀬や日光などの地域に多く自生している様です。良く似た花のテガタチドリやノビネチドリと間違えることもあります。

ハクサンチドリに似た花

ラン科目でチドリと名前の付いた似た花は、約20種類ほどあります。ハクサンチドリ属の仲間には、葉の表面に濃紫色をした斑点があるのが特徴の「鶉葉白山千鳥(ウズラバハクサンチドリ)」、白花が特徴の「白花白山千鳥(シロバナハクサンチドリ)」、根の張り方が手形状の「テガタチドリ」、テガタチドリと似た花ですが、根が手形状でなく横に伸ばすことから「ノビネチドリ」、栃木県日光の女峰山で発見されたことが由来の名称「ニョホウチドリ」など、他にもアオチドリ、ミズチドリなど名前の似た花はたくさんあります。

ハクサンの名が付けられた植物

石川県にあって、いわゆる“加賀の白山”と呼ばれる地域の人々には象徴として親しまれていて、日本百名山のひとつです。白山の名前の由来が、雪をいただいた白い山からが語源とされていて、冬の季節は豪雪に覆われ、夏の短い季節にしか咲かない高山植物の宝庫と言われていて、花の白山とも呼ばれているくらいです。ハクサンと名が付けられているのは、この山で自生し、発見された固有種が多いという事でしょう。ハクサンチドリに似た花のノビネチドリやテガタチドリも観察できます。

白山の固有種

白山の固有種として数種の植物が短い夏の季節には可憐な姿を見せてくれます。ハクサンの名前が付く主なものに、「白山一華(ハクサンイチゲ)」「白山女郎花(ハクサンオミナエシ)」「白山小桜(ハクサンコザクラ)」「白山沙参(ハクサンシャジン)」「白山風露(ハクサンフウロ)」などがあります。ともに固有種として名前が冠されたものです。

チドリの名が付く花

千鳥という似た花の名前が付く花では「千鳥草(チドリソウ)」があります。花壇植えなどで利用される植物です。キンポウゲ科コンソリダ属の一年草で、ヨーロッパ原産です。和名が「千鳥草(チドリソウ)」といい、英名を「ラクスパー」と呼ぶ花です。別名は花姿が燕が飛んでいる様に見えることからが由来の「飛燕草(ヒエンソウ)」とも付けられています。いずれにしても鳥の姿にちなんでの名前付けの由来は共通していますね。花言葉は“野原の喜び”、誕生花は4月19日とされています。

ハクサンチドリの名前の由来


ハクサンチドリの学名は「Dactylorhiza-aristata」ですが、ギリシャ語では「ダクティロス(Dactylo)」は指を意味し、「リザ(rhiza)」は根を指しますので、根(地下茎)が手の形をしていることが名前の意味です。また、広義としてラン科オルキス属と分類する場合もあり、ウチョウランも同属です。「Orchis(オルキス)」は英名で“睾丸(ふくり)”を意味していて、これは地下の塊根が新旧2つ付いていることからです。ハクサンチドリは前述の通り、白山で最初に発見されたことが名前の由来とされています。

ハクサンチドリの花言葉と誕生花

ハクサンチドリには夏の季語ともされていますが、ひとつの花で印象の良いものと悪いとする花言葉があるのは大変珍しいのですが、相反する花言葉が付けられています。良い意味の花言葉では、千鳥が飛んでいる様な特徴的な花姿が美しいことからか「美点の持ち主」や「陽気」の花言葉があり、反対の意味で贈り物には相応しくないものに「間違い」や「誤解」という花言葉もあるのです。

誕生花

花言葉や誕生花は由来や文献によって諸説があり、解釈の仕方もそれぞれです。古代ローマ、ギリシャの神話からの思想に基づいた由来によって、月日に定められた誕生花が生まれたのではと言われています。4月15日がハクサンチドリの誕生花とされています。同じ日の誕生花には、キンギョソウ、カスミソウがあります。5月19日が誕生花と表記する説もあり、何れにしても誕生花そのものが、それぞれの由来からの概念や決定づけの根拠もまちまちであると言えます。

ハクサンチドリの開花時期と育て方・その①

管理の仕方・置き場所

ハクサンチドリは冒頭でもご紹介しましたが、自生している場所は高山で比較的気温が低くやや湿った場所を好むのが特徴です。ですから、暑さには弱く、特に関東以西の平地では季節を通して温かい気候が続くため、地下茎がうまく育つことが出来ないことから育種が難しいとされています。園芸品種として改良されたものがありますが、春の季節に芽を出して開花する頃までは、陽射しが柔らかく当たる場所で管理し、夏場の季節は風通しが良く高温多湿にならない様に気を配れる場所に置きましょう。遮光ネットを利用するのも良いでしょう。

ハクサンチドリの開花時期と育て方・その②

管理の仕方・水やり

高地の湿原地帯に生育しているのが特徴ですから、誕生花とされる4月15日頃の春先に発芽し葉を出す生長期には適度な湿潤状態を保持します。水やりは重要ですが、どぼどぼと水を勢いよく与えるのではなく、常に用土が湿っている状態の程度に水やりをします。茎から出ている葉の基部に水が溜まると、その部分が傷んで折れてしまうことがありますから、葉茎に水が掛からない様に注意しましょう。休眠中でも用土はやや湿った状態にしておきます。

ハクサンチドリの開花時期と育て方・その③

管理の仕方・用土

ハクサンチドリの自生している場所は、保水性はあるが水捌けの良い土となっています。一般的に山野草の用土として販売もされていますが、主に軽石、日向土、硬質鹿沼土、桐生砂などの混合用土となっています。但し、山野草は自生している環境や場所によって適正のあるものを使用しなければなりません。ハクサンチドリに適した用土は、赤玉土(小)2:硬質鹿沼土(小)5:日光砂2:ゼオライト1の混合土がベストです。また、鉢底には軽石を敷いておくことも必要です。

ハクサンチドリの開花時期と育て方・その④

管理の仕方・肥料


ハクサンチドリに限らず山野草類には過度の施肥はしない方が良いでしょう。植え付けの際の用土に栄養分の多い堆肥などを混ぜると却って根を腐らせてしまう恐れがありますので注意が必要です。春の季節の芽出し時に、茎に触らない様に固形の緩効性有機質肥料を数粒置き肥します。しっかりした葉が付く様になったら、7月上旬まで月2回、窒素、リン酸、カリウム(10:10:10)の薄めた液体肥料を与えます。夏の季節は肥料を与えず、9月末~10月中旬の季節頃まで、同様に液体肥料を与えます。

ハクサンチドリの開花時期と育て方・その⑤

管理の仕方・植え替え

ハクサンチドリなど山野草は、それぞれの育った環境によって適した用土や水やりの仕方があります。園芸店などで販売されている品種は地域によって育て方も用土も様々です。植え替えをすることによって根の具合を確かめることができますので、適切な用土や鉢に植え替えをします。植え替えの時期は芽出し前の2~3月上旬頃に行います。根を傷つけない様に、根の大きさに合った鉢(通気性と保水性の良い素焼き鉢が良い)に前述の用土によって植え替えます。

植え付けの方法

植え付けの際に、それまで付いていた土は良く洗い落して、病気予防に殺菌剤に小時間浸け置きしてから新しい用土に植えます。一回り大きめの素焼き鉢を用意し、底には軽石かひゅうが土を敷いて水捌けを良くします。根間に用土がしっかり入る様に、割りばしかヘラなどで良く突き込んでおきます。その後水が鉢底から出るまでたっぷりと与えておきます。

ハクサンチドリの開花時期と育て方・その⑥

管理の仕方・増やし方

ハクサンチドリは年ごとに新しい地下茎(塊根)を作り、翌春に芽出しをして生育していきます。鉢植えなどで育てている場合には、年々地下茎の生育が悪くなり、数年で消滅してしまうのが特徴としてあります。ハクサンチドリを増やす方法は株分けで行いますが、地下茎の生育期間が短いことから増やすことは難しいと考えて良いでしょう。種子から増やし方は、暖地では不可能で、無菌播種での方法もありますが、一般に知識と設備を要します。

ハクサンチドリの開花時期と育て方・その⑦

管理の仕方・病気

ハクサンチドリや似た花のチドリソウなどの山野草には、春先の芽出し頃にカビが原因で細菌が繁殖する「軟腐病」と、やはりカビが原因の「炭素病」が発生しやすく、湿度の高い梅雨頃には「ベト病」や「立枯れ病」の発生が見られます。いずれも発生してからでは手遅れで治癒は困難です。病気を発見したら、他の株に感染しない様に株ごと処分します。

予防方法

予防としては、植え付けや植え替えの時に球根を消毒しておくのが最良の方法です。但し、薬液が濃すぎたり、付けすぎたりすると却って生長に害を及ぼすことがありますので、仕様を良く読み注意して適切な使用をすることが大切です。

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ハクサンチドリの開花時期と育て方・その⑧

管理の仕方・害虫


ハクサンチドリに限らず、植物を育てる上で一番気を付けなければならないのが害虫防除です。注意したいのが誕生花にされている4月の芽出しの頃で、「アブラムシ」や「ヨトウムシ」「ナメクジ」の害が発生します。気温と湿度が高くなる梅雨時期から「ハダニ」「カイガラムシ」が発生し、株元にゴミや落ち葉などがあると「ダンゴムシ」による害が出ます。

防除の仕方

アブラムシやヨトウムシは発生する前に浸透性殺虫剤をバラ撒きし覆土しておくと効果があります。もし発見したら、専用殺虫剤を噴霧して駆除します。特にハダニはダニ専用駆除剤を使用しましょう。発生する時期に予め日を決めて殺虫剤を噴霧しておくのも良いでしょう。ナメクジやダンゴムシは、専用駆除剤が市販されていますので利用しましょう。

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ハクサンチドリの管理の基本と注意点

ハクサンチドリや似た花などの高山植物の育て方については、自生している場所が寒冷地であることが特徴ですから、北海道地域を除き平地での育種は大変難しいと思われます。高気温に弱く、自生地と比べて平地で鉢植えなどでは地下茎が良く育ちませんから、生育する期間も短くなってしまいます。山野草類に共通することですが、株の寿命は数年しか持たないということを認識することが必要です。山野草のなかでもハクサンチドリは比較的育てやすいと思われますが、育種には温度と水やりに気を配り、植え替えには新しい用土を常に使用することが必要です。

ハクサンチドリ/まとめ

近年山野草を育てるというマニアの方が多くなっています。園芸品種として販売されているものは良いのですが、自生している地域での採取は大抵の場合禁止されております。地域によっては罰則を設けている場合があります。可憐で目立たない野草のなかでも、ハクサンチドリは花の咲き方が華やかで人気のある植物です。そんなハクサンチドリの名前の由来や特徴、花言葉などの他参考として似た花をご紹介しましたが、これから育ててみたいという方に少しでも参考になったのであれば幸せです。

山野草に興味がある方はこちらもどうぞ!

ハクサンチドリに似た花や、高山植物や山野草に付いて良く知りたい、また、山野草に花言葉や誕生花があるのかを調べたい方は「暮らし~の」のWEBマガジンでも記述がありますので、ぜひチェックしてみて下さい。