家庭菜園で楽しむオクラの育て方
オクラは若いサヤを食べる果菜
野菜の種類はとても多彩で、家庭菜園での楽しみ方も色々です。たとえば何を栽培するかを選ぶのも楽しみの1つ。今回は家庭菜園初心者でも失敗しないオクラの育て方を解説します。オクラは野菜の中でも若いサヤを食べる果菜。ハイビスカスのような綺麗な花を咲かせて実を結ぶ過程を観察できるのが楽しい野菜です。
オクラの花は黄色い美しい花
オクラは、7月頃から薄いクリーム色の美しい花が咲きます。オクラはアオイ科の植物で、アオイ科独特のハイビスカスによく似た形の花を咲かせます。花が咲き終わると種の入ったサヤが伸びてきます。これを柔らかいうちに収穫して食べます。オクラに含まれている粘りのもとであるペクチンは、夏バテ防止や疲労回復、整腸作用の効果に期待されている栄養成分です。
オクラの基礎知識
オクラはアオイ科の果菜!
オクラはアオイ科の果菜です。原産国はアフリカで、暑さに強い高温性の野菜です。暑さには強いのですが、寒さには極めて弱いので、日本の場合、家庭菜園で収穫を楽しむ場合は、気温が十分上がってから種まきします。花が咲いた後になる実の成長は早く、花が咲いてから1週間くらいで収穫時を迎えます。
株の高さは1.2mから1.5mになる
オクラは地植えの菜園でも、プランターでの栽培でも収穫を楽しめます。生長したオクラの株は高さ1.2mから1.5mくらいになり、葉の広がりは60cm程になります。地植えの菜園でも、プランターで育てる場合でも、2列に植える場合は、これくらいの高さになることや、列間を考えて植えるようにしましょう。オクラと言えど、品種がいくつかあるので、種や苗を買う時に選ぶのも楽しみの一つです。育て方はどの品種も変わりありません。
オクラの育て方1:種まきの時期は
種まきの時期は4月下旬から5月
寒さに弱いオクラは、気温が10℃以下では生育できません。オクラの種まきは暖かくなる4月の下旬から5月の時期に種まきします。十分気温が上がった春の時期なると、園芸店やホームセンターでオクラの苗も売りに出されますが、家庭菜園初心者でも、苗ではなく種まきからの栽培で簡単に収穫することができる野菜です。
種は一晩水に浸けてからまく
種まきで栽培する場合、オクラの種は芽が出にくいので、一晩水に浸けて種に水を吸収させてから種まきすると、発芽率が上がります。ポットに種まきして苗を育ててから植え付けてるのは確実な栽培方法ですが、直まきにしても、それほど問題なく発芽します。
種まきは1つの穴に3粒の種!
種まきの方法は1つ穴に3粒から4粒を種まきし、丸い子葉にあとに出るギザギザの本葉が2枚から3枚出たら、1本に間引き、株間を30cmから40cmの間隔を取って育てていきます。種まきの穴の深さは1cmくらいの深さです。種まきしたらしっかり土をかぶせて水やりします。苗を購入して植え付けする場合も、種まきと同じ時期です。株間を取って植え付けして栽培します。
オクラの育て方2:栽培のコツ
日当たりの良い暖かい場所で栽培及び管理する
地植えの場合もプランターで栽培する場合も日当たりの良い暖かい場所で栽培するのが、上手に栽培する方法のコツの1つです。オクラの苗は乾燥すると生長が極端に悪くなってしまいます。苗がまだ小さいうちは、水切れに注意しするのが上手な栽培のコツです。乾燥しやすい場合は、敷きわらなどで株をマルチング(土の上を覆うこと)しておくとよいでしょう。
地方によって種まきなどの時期は異なる!
種まきや苗の植え方の方法に違いはありませんが、地方によって気温が違うので、種まきや苗の植え付けの時期が異なります。寒冷地では5月から6月の初旬までに種まき及び苗を植え付けます。反対に暖地では4月中旬から5月中旬までに種まきや苗の植え付けをするのが栽培方法のコツです。
支柱を立てて株を支える
家庭菜園でオクラを栽培する方法のコツの1つに、支柱で株を支えると上手に収穫できます。オクラは1.2mから1.5mくらいの高さにまで生長するので、倒伏防止のために1株につき1本の支柱を立てて支えてあげておくのも、栽培の上手な方法のコツです。支柱はホームセンターや園芸店、ネットでも購入できます。
オクラの育て方3:土について
上手に収穫を望むなら土作りは大切!
オクラは初心者でも家庭菜園で育てやすい野菜ですが、家庭菜園でも上手に栽培するコツは、しっかりと土作りすることです。野菜は土に根を張り生長します。土の中の根の生長は見えませんが、地植えする場合は、カチカチの土壌では思うように根が張れません。また土壌の酸度が高すぎたり、水はけが悪いなどという場合、オクラの根は悲鳴をあげてしまいます。水や養分を吸収して葉や実に栄養を送る根が、活発に活動できるようにするために、オクラを植え付ける時期の1週間前には、土壌を作りをするのが上手に栽培する大切なコツです。
家庭菜園の初心者でも簡単にできる土作りの方法
プランターで栽培する場合は、園芸店やホームセンターなどで販売している野菜用の培養土を利用するのが便利です。庭の菜園に栽培する場合は、植え付ける場所の土壌を耕します。初心者でも簡単に土壌作りできる最もシンプルな方法は、園芸店などで、根が伸びやすいように土をふかふかにする堆肥、土壌の酸度を調整する石灰資材、野菜の生長を助けとなる肥料を予め土に施しておくための、緩効性の肥料(元肥という)を購入して、栽培する場所を耕しておきます。それぞれ使用する量は、袋に記載されている分量に従ってください。
耕す方法
まず栽培する場所の酸度を図り、必要なら石灰資材を撒きます。オクラに最適な土壌の酸度はPH6.0から6.5。土壌を図る酸度計は園芸店などで購入すことができます。1つ購入して置くと家庭菜園でもガーデニングで花を育てるときにも便利に活用できます。酸度を調整したら、1週間から2週間後に土をふかふかにする堆肥をすき込みます。石灰と堆肥を同時にすき込むと堆肥中の有用菌が死滅してしまう可能性があるので別々にすき込みのがコツです。
最後に元肥となる肥料をすき込む
堆肥をすき込んだら、同時に元肥となる肥料をすき込みます。堆肥と元肥は一度に撒いても構いません。元肥は、ゆっくりと効果が現れる緩効性の化成肥料がおすすめです。元肥を撒いたら耕して土をならします。初心者にありがちなことですが、堆肥も元肥も施しすぎには注意してください。
元肥をしっかりすき込むこと!
オクラは有機質の多い、水はけのよい土壌を好みます。ほかの野菜に比べて、それほど酸性度を嫌う野菜ではありませんが、土作りの時は石灰を施しておいた方がよいでしょう。暑くなると生長が早くなるので、元肥をしっかりと施し、30cm以上の深さまで耕しておきましょう。
オクラの育て方4:プランターのサイズ
2株を栽培する場合
家庭菜園で地植えするほか、プランターに栽培しても収穫できるオクラ。家庭菜園初心者の方にとっては、どのくらいの大きさのプランターに栽培すればよいのか迷うほどプランターにも大きさや深さに種類があります。オクラをプランターで栽培する場合、たとえば2株栽培するなら、幅70cm×奥行30cm×深さ30cm、土の容量が35Lから40Lくらいの大きさのプランターに2株のオクラを栽培するのが、プランターの大きさの目安です。植え付けの間隔は30cm離して栽培します。
プランター栽培の魅力は
オクラに限らず、プランターを利用するなどのコンテナ栽培の最大の魅力は、ベランダやテラスで気楽に野菜作りが楽しめる点です。家庭菜園でも庭に地植えするものは、まず土作りから頑張らなければなりませんが、プランター栽培の場合は市販の培養土を準備するだけで、手間をかけずに栽培を始められます。また肥料や水やりのコントロール、暑さや寒さの対策などの管理方法も簡単です。
オクラの育て方5:日当たりの良い場所で管理
日当たりが生長には必須条件!
オクラを地植えして栽培する場合は、日当たりと風通しのよい場所に栽培する場所を決めましょう。またプランターで栽培する場合も、日当たりと風通しの良い場所で管理するのが上手に収穫するコツです。オクラを始め、ほとんどの植物は、太陽の光を栄養に変えて生長します。強い日差しを嫌うミョウガやミツバ以外、ほとんどの野菜は日当たりは生育の必須条件です。
日当たりが悪いとひょろひょろの株になる!
寒いのが苦手なオクラの生長に最適な温度は、20℃から30℃が適温度です。その年によって気候に変化がありますが、日本の中間地では4月下旬から5月に種まきして、最適な気温の7月から10月上旬の時期に収穫が望めます。太陽に十分当たらないとひょろひょろした軟弱な株になり、せっかく備わっている栄養価も落ちてしまいます。また風通しが悪いと、どんなに病気に強い野菜でも、病害虫が発生しやすくなるので、育てる場所や、葉の茂り方などに注意してください。
オクラの育て方6:水のやり方
苗が小さい時期は水切れしないように注意!
オクラの栽培の時の水やりのコツですが、水やりの一番大切な時期は苗が小さい時期です。この時期は水切れに注意して、水やりをこまめにするようにしましょう。特に植え付けの後はたっぷりと水を施します。またプランターなどでコンテナ栽培するものは乾燥しやすいので、タイミングを見ながら水やりも大切な作業になります。
水のやりすぎもよくない!
日ごろの水やりは、プランターで栽培する場合は、用土が乾いたらプランターの底から水が出るくらいたっぷりと水やりしてください。ただし、いつも湿っているのは根腐れの原因になるため、用土が乾く前のタイミングを見計らって水を施します。地植えのものは土壌が乾いたら、根元にたっぷりと水を施してください。
オクラの育て方7:肥料の与え方
生長に合わせて追肥する
家庭菜園初心者が一番戸惑うのが、肥料の施し方です。栽培前の市販の用土や、土作りの時にもすでに元肥となる肥料が施されていますが、生育期間の長いオクラなどの果菜類の野菜の栽培では、生育途中に栄養がなくなってしまわぬように追肥する必要があります。家庭菜園初心者の方には、市販の緩効性の化成肥料を追肥に使うのがおすすめです。粒状のものは根元から離した株の周りにばら撒いて軽く耕しておきます。液体肥料もおすすめですが、粒状の肥料より施す回数が多くなります。
肥料の与え方
肥料の与え方は、粒状の肥料は月に1回、1回に使用する量は商品の説明に従ってください。オクラの肥料の与え方は生長初期は葉や茎の栄養になるチッ素分が多く含まれている肥料を追肥します。株が大きくなったら花や実の生長に必要な栄養素のリン酸が多く含まれている肥料を与えます。生育後にチッ素分が多い肥料を与えると葉ばかりが茂り、実がつかなくなる場合もあるのでご注意ください。
有機肥料と化成肥料の違い
有機肥料は読んで字のごとく、有機質を原料とした肥料です。有機質とはたとえば油かすや牛ふんなど、原料が動植物に由来する肥料です。植物の成長に必要な3要素であるチッ素(N)、リン酸(P)、カリ(K)以外にも色々な微量要素が含まれているので主に元肥に使われますが、追肥に使用しても問題はありません。ただし養分は多いのですが、においがきついという難点もあります。
化成肥料とは
化成肥料は家庭菜園初心者でも手軽に使える便利な肥料です。化学的に合成された複数の成分を含む合成肥料で、植物の成長に必要な3要素がバランスよく含まれています。有機肥料はゆっくりと効果が効いてくる緩効性の肥料であるのに対して、化成肥料は速効性のものが多いですが、種類によっては緩効性のものもあります。微量要素が含まれていませんが、においもなく手軽に使える点が利点です。
オクラの育て方8:摘葉する
摘葉すると長く収穫できる
不要な葉を取り除いてすっきりさせることで、長く収穫を楽しむことができます。この作業を園芸用語で「摘葉」と言いますが、収穫後、役目を終えた下の方の葉を取り除き、すっきりさせることで、日当たりや風通しがよくなり、病気の予防ができるほか、養分をその先の実に行き渡らせることができます。
オクラの摘葉の方法
オクラの栽培の摘葉の方法は、収穫したサヤのすぐ下の葉を1枚残し、それより下の葉をハサミで切り取ります。実はどんどん上の方に付きますが、株の下の方の余分な葉を取り除くことで、日当たりや風通しがよくなり、新しい実に養分が届きやすくなります。
オクラの育て方9:収穫の適期
オクラは開花してから実の生長が早い!
オクラの収穫時期は7月から9月下旬ごろまでです。長期間収穫を楽しめます。オクラは種まきや苗を植え付けてから約2ヵ月で収穫できます。オクラは実の生長が早く、花が咲いてから約1週間で実がなります。実をいつまでもつけたままにして、採り遅れてしまうと、筋張って堅くなってしまうので適期に収穫するように心がけてください。
オクラの収穫の適期
オクラの種類にもよりますが、たとえばポピュラーな五角形の「五角オクラ」の収穫適期は、サヤが6cmから7cmくらいの長さが収穫適期です。それ以上長くなると筋張って美味しくありません。また大型の丸いサヤの「丸オクラ」は一般的なサヤの長さが12cmから13cm。しかしこの種類は大きくなっても筋がでなくて柔らかなままなので、採り遅れてしまっても美味しく食べることができます。
オクラの育て方10:気になる病害虫について
比較的病害虫の少ない野菜!
オクラはほかの野菜に比べて、比較的栽培中、病害虫の少ない育てやす野菜です。ただその年の気候によってはアブラムシやカメムシが付くことがあります。見つけたらすぐに取り除きましょう。アブラムシは3mmほどの小さな虫で、羽のある親虫が飛んできて、ほおっておくとどんどん増えていきます。見つけたら濡れティッシュでふき取ると簡単に取り除くことができます。
うどんこ病になる場合もある!
病害虫の少ない野菜ですが、栽培する年によっては、うどんこ病にかかることがあります。うどんこ病の原因はカビです。葉に表面に白い斑点ができ、ほおっておくと次第に広がっていきます。対策としては、病気の葉を見つけたら早目に切り取ること。また茂りすぎた葉は間引いて風通しを良くすることや、日当たりを良くすることも予防の方法です。
オクラの育て方11:連作は不可!
同じ科の野菜は翌年植えられない
オクラは連作を嫌います。連作というのは、同じ科の野菜を続けて栽培することです。連作してはいけないわけは、同じ科の野菜は、土の中から特定の養分だけが奪われて土壌のバランスが崩れてしまったり、その科、特有の病害虫が集積しやすくなることで、極端に生育が悪くなる場合があるからです。
アオイ科の野菜とは
家庭栽培の初心者が楽しめるオクラと同じ科の野菜は、たとえばモロヘイヤが、オクラと同じアオイ科の野菜です。オクラと同じアオイ科の野菜はあまりありませんが、連作を嫌うオクラは、翌年も同じ用土や土壌にオクラを栽培するのは避けた方がよく、プランターの場合はプランター内の用土を入れ替えて栽培してください。
オクラの美味しい食べ方
ネバネバ野菜として人気のオクラは生でもOK
切ると特有の粘りのあるオクラは、柔らかなうちに収穫すると生のまま薄くスライスして、混ぜて粘りをもっと出してご飯にかけて食べるのも美味しい野菜です。さっと茹でてあえ物にするもの人気の食べ方です。収穫したてのオクラには、びっしりと産毛が生えていますが、これは害虫などの外敵から身を守るためのものです。食べるときに気になるなら、塩をまぶしてこすればとれます。
ネバネバの元は食物繊維の一種のペクチン!
粘り気のある野菜として人気のオクラは、そのネバネバが健康の元であると人気です。粘りの元であるペクチンは食物繊維の一種です。整腸作用があり便通の改善に効果が期待されるほか、胃粘膜の保護、夏バテ防止、疲労回復に良いと言われています。
家庭菜園でオクラを上手に育ててみよう
小学生の学校菜園でもお馴染みのオクラは、家庭菜園初心者でも育てやすい野菜です。プランターでも上手に収穫が望めるので、マンションやベランダでも手軽に家庭菜園を楽しめます。オクラ作りの前に知っておきたいオクラの栽培のコツをご紹介してきました。自分で育て収穫した野菜は、格別に美味しく感じます。家庭菜園初心者でも手軽に収穫が楽しめるオクラ。ぜひオクラの栽培にトライしてみてください。
オクラについてもっと情報を知りたい方はこちらもチェック!
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