山形だしとは
山形だしの「だし」とは、細かく刻んだ野菜をだししょう油など味の濃い調味料で漬け込んだ山形県の郷土料理の総称。山形だしの名前の由来は、野菜を漬け込む「かつおだし」や「だししょう油」、「昆布だし」などから派生した説が有力です。高温多湿でうだるような暑さを乗り切るために考え出されたといわれる昔ながらの知恵がつまった栄養たっぷりのレシピはメディアにも多く取り上げられ、山形だしの人気は今や全国区にまで広がっています。そこで今回は、今日から使える山形だしの作り方をたっぷりご紹介します。さっそくチェックしてみてください!
山形だしについて
山形だし作りにかかる時間
山形だしは、10分ほどでできる超時短メニュー。寝る前にササッとつくってひと晩寝かせておけば、翌日の朝食やお弁当づくりからさっそく活躍してくれます。山形だしを多めに作り置きして、「あともう一品足りない」というときに「だしのせ冷奴」にしたり、ささみやきのこと合わせて「だし和え」にしたりと使い回すのも便利。山形だしがあればすぐにおかずの品目を増やせるので、暑い季節に火を使って料理を作りたくないときにも大変重宝します。
山形だしの賞味期限
気になる山形だしの賞味期限ですが、山形だしは生の野菜を使うのであまり日持ちはしません。山形だしは冷蔵庫に入れて保存すれば3日ほどもちます。作り置きして余った山形だしは冷凍保存し、そのつど「湯せん」するか、電子レンジで軽く解凍するのがおすすめ。冷凍庫で約2~3週間保存可能です。長持ちのコツは下ごしらえの段階で山形だしの材料に使う野菜の水気をしっかり取ることです。作った日の翌日をメインに使い切るのが良いペースです。
山形だし作りのメリット
山形だしは野菜の皮まで使う作り方で経済的
山形だしは、普段捨ててしまう野菜の皮もほとんど全部使い切るので、いつもより多くおかずを作れて経済的。歯ごたえが良く、野菜自身の味もしっかりしている野菜の皮は、山形だしとの相性も抜群です。さらに山形だしのレシピは、野菜をほぼ丸ごと使い切ることで、キッチンを衛生的に保てるうえにエコにもなり一石二鳥です。山形だしで食材を無駄なく使い切れば、いやなニオイの原因になる生ごみを約1/5まで削減でき、ごみ袋の使用頻度も抑えられます。
山形だしは栄養たっぷりで夏バテ予防になる
山形だしで野菜を皮までしっかり食べることで、夏バテ予防や夏カゼ防止になります。なぜなら山形だしに使う野菜の皮には、「過酷な環境」や「外敵」から自分の身を守るため、免疫力を高めるビタミンCやβカロチンなどが果肉の約2.5倍も多く含まれています。山形だしには食欲が下がり、体力が落ちやすい季節を乗り切る知恵がいっぱいです。栄養バランスの良さとおいしさが両立した山形だしで夏を乗り切る体力をキープしましょう!
山形だしは火を使わない作り方
山形だしは、きゅうりやナスなどの夏野菜を細かく刻んだあと水にさらしてだししょう油などの調味料と合わせるのが基本的の作り方。火を使わなくても済むことがほとんどです。暑い季節はガスなどの火を使うと湿気と室温が上がり、汗をダラダラかきながら調理をしないといけない場面もありたいへんです。毎日の食事の準備が負担にならないように、夏場に熱がこもりやすい台所では、火を使わなくても作れる山形だしで少しでも快適にお過ごしください。
山形だしはとにかく使い回しが効く
歯ごたえが良く、めんつゆやだししょう油などしっかりと下味の付いた「山形だし」は、どんな料理とも合う「万能だしだれ」です。長芋などのネバりを活かしてめん類に絡めたり、冷奴や蒸し鶏に山形だしをたっぷりのせて、たんぱくな味にアクセントを効かせたり、納豆を混ぜてごはんのお供としてたっぷりかけたりと大活躍。アイデア次第で山形だしのレシピは無限に広がります。ぜひオリジナルの山形だしを発案して毎日の食卓に登場させてくださいね!
山形だしの基本的な作り方
それではさっそく山形だしの基本的な作り方を見ていきましょう。山形だしの作り方はいたって簡単。お好みの夏野菜を細かく切り、だししょう油などお好みの調味料に漬けこむだけです。山形だしはさっぱりとしていながらもしっかりだしの味が効いているので、食欲が落ちやすい夏場でもごはんが進んで手軽に栄養を取ることができます。誰にでも手軽に作れる山形だしの作り方をさっそくチェックしてみてください。自慢のレシピのレパートリーが増えること間違いなしです!
基本的な山形だしの材料(4人分)
【夏野菜】きゅうり2本、なす1本【香味野菜】みょうが2本、大葉4枚【その他の材料】塩昆布大さじ1.5(もしくはとろろ昆布適量)、かつおぶし適量(調味料)アク抜き用の塩水(水600ml、塩小さじ1)、酒大さじ2、みりん大さじ2、だししょう油大さじ3
作り方の手順
①材料を細かく刻む
きゅうり、なす、みょうが、大葉は全て3~5mm角の粗みじん切りにしますす。ヘタ以外は皮もすべて使います。
②刻んだ材料を塩水に浸す
アク抜きのために、なすは5分程度、みょうがと大葉は30秒程度塩水に浸します。これは下味で塩を効かせる意味もあります。
③水気をしっかり切る
塩水に浸した材料をザルにあけ、水気をしっかり切ります。キッチンペーパーを使ってしっかりと水分をとるのがおすすめです。水分が多いと調味料の味が薄くなり、日持ちもしません。
④調味料を混ぜる
酒とみりんはひと煮立ちさせ、塩昆布(もしくはとろろ昆布)、かつおぶし、塩、だししょう油を合わせます。
⑤材料に調味料を和える
調味料が熱いうちに水気を切った材料に和えて、冷蔵庫でひと晩寝かせます。翌朝には味がしみしみの山形だしができあがっています。
山形だしの簡単な作り方①
オクラと長芋のネバネバ山形だし
オクラと長芋のネバりを活かした、めん類と絡みやすい山形だしです。だしの効いためんつゆベースの味付けで、白ごまや昆布茶などの薬味を混ぜ込んであり、そばやうどんにかけるだけで手軽に「だしそば」ができます。山形だしに使う長芋はすりおろしてとろろ風にしてもよいし、長芋の食感を残した粗みじん切りにしてもどちらでもおいしく召し上がれます。高たんぱくで食物繊維もたっぷりとれる長芋がメインの夏レシピをぜひお試しください!
材料(4人分)
【野菜】オクラ5~6本、長芋1/2本、大葉2枚、ねぎ1/2本、【その他の材料】納豆2パック、塩昆布大さじ1、白ごま小さじ2【調味料】塩小さじ2(オクラの塩もみ用)、めんつゆ大さじ2、昆布茶小さじ1
レシピ
オクラは塩もみし、沸騰したお湯で2分弱ゆで、輪切りにします。(必ずゆでてから切る!)そのあと長芋と生姜を3~5mm角の粗みじん切りにします。(長芋は皮をむいておきます。)下ごしらえしたオクラと長芋、生姜をボウルに移し、その他の材料と合わせます。最後にめんつゆを材料にかけてよくなじませ、冷蔵庫でひと晩寝かせます。
山形だしの簡単な作り方②
きゅうりとそぼろのピリ辛山形だし
山形だしといえばごはんのお供!しっかりした香味が効いた山形だしなので、ごはんはもちろん、豆腐やトーストなど、たんぱくな味の食材に乗せるだけで程よくだしの味が効いた一品ができあがります。また、餃子のタネにして「だし餃子」にするなど、アレンジの幅も広く、いろいろな食べ方をお楽しみいただけます。山形だしを作り置きしておけば使い回しが効いて大変便利。山形だしさえあればごはんが何杯でも食べられて食欲不振も解消されます。
材料(4人分)
【野菜】きゅうり2本、コーン大さじ3、鶏ひき肉大さじ100g、にんじん1/2本、ニラ2束【調味料】輪切りとうがらし 適量、しょうゆ大さじ3、さとう小さじ1、塩少々、ゴマ油大さじ1
レシピ
きゅうりとニラは3~5mm角の粗みじん切りにし、鶏ひき肉はゴマ油で炒めます。輪切りとうがらしと調味料を合わせ、下ごしらえしたすべての材料と和えて冷蔵庫でひと晩寝かせます。
山形だしの簡単な作り方③
きゅうりとめかぶの歯ごたえ山形だし
続いてご紹介するのは、きゅうり、めかぶ、メンマの組み合わせでコリコリの歯ごたえを楽しむ山形だしです。この山形だしレシピは特に野菜をたくさん使うので、「だしドレッシング」としてサラダにかけて栄養バランスを補ってもいいし、「だしのせ蒸し鶏」や「だしのせ冷奴」など、山形だしをたっぷりトッピングして料理にだしのアクセントを効かせるのもおすすめです。ビールや日本酒を飲むときのつまみとしても喜ばれる一品です。
材料(4人分)
【野菜】きゅうり2本、めかぶ1/2株、メンマ5~6本、生姜1片【調味料】めかぶ下ゆで用の塩水(水600ml、塩大さじ1)、塩昆布大さじ1、ポン酢(もしくはめんつゆ)大さじ3、塩小さじ1、白ごま大さじ1、こしょう適量
レシピ
始めに、めかぶ下ゆで用の塩水でめかぶを茹でます。(沸騰したらめかぶの茎を先に1分ゆで、あとからめかぶのひだを入れて30秒で湯から上げます。そのあと冷水に浸します。)そのあときゅうり、メンマ、生姜を3~5mm角の粗みじん切りにします。仕上げに塩昆布とポン酢(もしくはめんつゆ)、塩、白ごま、こしょうを合わせ、下ごしらえした材料と和えたら冷蔵庫でひと晩寝かせます。
山形だしの簡単な作り方④
トマトとセロリのイタリアン風山形だし
少し志向を変えて山形だしをアレンジするなら、トマトとオリーブオイルでイタリアン風にアレンジした山形だしがおすすめです。オリーブオイルには、夏場に溜め込みやすい毒素を体外に排出するデトックス効果が高いといわれており、夏バテ予防も期待できます。冷製だしパスタソースとして、だしピザソースとして、洋食風アレンジの効くおしゃれな山形だしです。だしとオリーブオイルの意外な組み合わせをお楽しみください。
材料(4人分)
【野菜】トマト1個、セロリ2本、オクラ2本、コーン大さじ2、ツナ缶1缶【調味料】塩小さじ2、ニンニク1片、オリーブオイル大さじ1.5 こしょう適量
レシピ
最初にトマトを1cm角、セロリを3~5mm角の粗みじん切り、オクラを3mm幅で輪切りにします。調味料を混ぜ合わせ、下ごしらえした材料と和えたら冷蔵庫でひと晩寝かせます。
山形名物だしの人気の食べ方①
山形名物だしのせ冷奴
胡瓜荒みじん切り1本 茄子荒みじん切り1本 コーン缶大さじ2 ①青じそドレッシング大さじ1.5〜2 ①胡麻油小さじ2 ①おろし生姜2g ①塩昆布5g ①三島のかおり2〜3g クリスピーオニオン小さじ2 木綿豆腐半丁
豆腐はいろんなアレンジが効きやすい食材ですが、山形だしももちろん相性抜群です。たんぱくな味の豆腐にしっかりとだしの効いた山形だしを乗せれば、即席でできる「名物だしのせ冷奴」のできあがりです。時短になって便利なのはもちろん、白い豆腐の上に彩り鮮やかな山形だしが乗った色のコントラストがきれいで、食欲をそそります。きゅうりやオクラの緑色を効かせてもいいし、パプリカで赤や黄色を配色してもセンス良く仕上がります。
山形名物だしの人気レシピはクックパッドで
山形名物だしの人気の食べ方②
山形名物だしをごはんにたっぷりかける
なす1本 きゅうり1本 大葉10枚 納豆昆布大さじ1 醤油大さじ1 ■ ごはん ■ 鯖缶 水煮 ■ 七味
山形だしの食べ方といえば、なんと言ってもごはんのお供としてにたっぷりかける食べ方。夏野菜の適度な歯ごたえと薬味の適度なアクセント、加えてだししょう油やめんつゆなどのしっかりとした下味の3つの柱が決め手です。それぞれの要素が、きちんと主張しながらもうまく調和し、どこから食べても山形だしの醍醐味を余すことなくお楽しみいただけます。定番の食べ方、「だしぶっかけごはん」はやみつきになること間違いなしです。
山形名物だしの人気レシピはクックパッドで
山形名物だしの人気の食べ方③
山形名物だしの納豆のせ
きゅうり- 山芋- おくら- 塩昆布- ・調味料・- 和風顆粒だし- 味の素- ・かざり・- ごま- 温玉-
山形だしに納豆を加えることでネバネバ感がアップし、ごはんやめん類に絡みやすくなります。さらに納豆は、5大栄養素と食物繊維をすべて含む万能な食品なので、山形だしに混ぜるだけでさらに栄養バランスが良くなります。一度にたくさんの栄養素を取れるメニューはなかなかありません。栄養の偏りを補うだけでなく味の良さも兼ね備えた山形だしは、健康的な食生活を支える食卓の定番メニューとして常に用意しておきたい副菜です。
山形名物だしの人気レシピはクックパッドで
山形名物だしの人気の食べ方④
山形名物だしはめん類とも相性抜群
キュウリ2本 なす2個 ミョウガあれば 大葉あれば ★めんつゆ大さじ3 ★砂糖(てん菜糖)小さじ1
山形だしは適度な粘りやとろみがあるので、めん類に絡ませるのにも向いています。しっかりだしの味が効いているので調味料をつけ足す必要もなく、手軽にメインの一品ができあがります。山形だしを作り置きして冷蔵庫に保管しておけば、夕食のおかずとして活躍するのはもちろん、ちょっと小腹がすいたときなどの間食としても重宝します。温かいうどんやそば、そうめんやパスタなどなんにでもかけて、万能だれの使い回し力の高さを実感してください。
山形名物だしの人気レシピはクックパッドで
山形名物だしの人気の食べ方⑤
山形名物だしを蒸し鶏にのせて
鶏もも肉150g こしょう少々 きゅうり30g しそ1g めかぶ30g 和風だし15cc みりん小さじ1 醤油小さじ2/3 塩少々
野菜がたっぷりの山形だしを蒸し鶏に乗せれば、質素な食材がサラダ仕立ての豪華なヘルシーメニューに変身します。さらに、山形だしはバラエティー豊富に野菜や薬味を使って作るので、一皿のおかずの中に含まれる栄養素も大幅に増えます。粗めのみじん切りにした夏野菜のコリコリとした食感と和風だしが効いた調味料が文句なしで蒸し鶏にマッチ。蒸し鶏のたんぱくな味に豊かな風味が加わって晩ごはんのおかずがグレードアップします。
山形名物だしの人気レシピはクックパッドで
まとめ
山形だしのレシピをオリジナルで作ってみよう
今回は、「簡単、おいしい、体にいい」の3拍子がそろった山形だしの作り方をご紹介しました。使い回しの効く「万能だしだれ」としてどんな食材とも相性がいい山形だしは、夏の新定番メニューとして大活躍すること間違いなしです。ごはんやパンに乗せたり、めん類にかけたり、餃子のタネやピザソースとしてユニークな食べ方をしたり…。無限に使える山形だしを作り置きして料理にかかる手間を少しでも省き、毎日の負担を軽くしてください。また、ぜひお好みの具材を混ぜてオリジナル山形だしの作り方を発明してみてください!
夏におすすめのレシピが気になる方はこちらをチェック!
「山形だしの作り方をマスターしたら、勢いに乗ってレパートリーを増やしたくなった!」という方もおられるのではないでしょうか。そこで、山形だしのほかにも夏におすすめのレシピをご紹介します。夏バテ防止になる栄養分をたっぷり含んでいたり、作り置きができて使い回しも効いたり、火をできるだけ使わず調理を済ませられる、優秀レシピばかりです。山形だしの次にマスターしたい夏におすすめのレシピをさっそくチェックしてみてください!
花わさびの簡単レシピを紹介!知っておくべき下ごしらえのコツを伝授!
花わさびは限られた旬の時期だけ食べられる季節の味。わさび独特のツーンとした辛さがさわやかな野菜のひとつ。漬け物にすると花わさびの旬を過ぎても...

小松菜は生で食べよう!栄養を活かした美味しい食べ方をご紹介!人気レシピも!
小松菜と言うと火と通して食べるイメージがありますが、実は生の方が栄養価も高くなりおすすめの食べ方なのです。今回はそんな小松菜の栄養を活かした...

コリコリの食感がたまらない!山クラゲの美味しい食べ方やアレンジレシピをご紹介!
山クラゲという名前の食材を知っていますか?クラゲという名前からは海の幸のイメージですが、実は山の幸なのです。コリコリとした食感でクセがないの...