ヒメフウロとは
ヒメフロウとは、フロウソウ科のエロディウム属に属している植物で、漢字で書くと姫風露と書きます。種類も豊富で世界中に800種類以上あるといわれています。種類によっては、一年草や多年草もあり、日本国内だけでも10種類以上が分布していると言われているのです。基本的には草原など緑が多い場所で見かけることが多く、花は紫色でとても小さく葉は両面に毛が生えているのが特徴です。
ヒメフロウは薬草とも言われる
ヒメフロウは、嫌な臭いを放つことがあります。その一方で、薬草としての効果も期待されており、ヒメフロウをうがい薬などにして使用する人もいるのも特徴です。ヒメフロウの歯の部分を口に入れて噛むと、口の中の痛みやのどの痛みを軽減する効果もあると言われているのです。さらにヒメフロウのエキスには、殺菌やウイルスの増殖を遅らせるような特徴もあると言われており、薬草としても親しまれているのです。昔から秘薬として医者泣かせとも呼ばれてきた薬草で、ヒメフロウに含まれている成分であるトリプターゼを抑制する作用は化粧品などにも用いられています。
ヒメフロウの仲間とは
ヒメフロウの仲間はとにかく種類が多いのが特徴です。ヒメフロウの原種は20種類ほどと言われていますが、さまざまな交配によって多くの種類が作られて来たのです。その中でも馴染みがあるのが、ゼラニウムです。ゼラニウムの名称はフロウソウ族の学名でもあるのが特徴です。小さく可愛らしい花が咲き、夏の暑さには弱いですが冬の寒さには強いので寒冷地などでも親しまれています。種類も多く存在しているので、ヒメフロウと思っていても実は違う花である場合もあるので、ヒメフロウの特徴をよく理解してヒメフロウが確認してみるのも良いでしょう。
自生するヒメフロウ
ヒメフロウは北海道や本州で自生しているものもあります。徳島県では絶滅危惧Ⅰ類、岐阜県や三重県、高知県では絶滅危惧種Ⅱ類に指定されています。また、岐阜県立自然公園や伊吹県立自然公園では採取が禁止されている植物でもあります。自生しているヒメフロウを見つけても見るだけでに留めて、採取するのはやめておきましょう。可愛らしい花なので、ついつい手を伸ばしたくなってしまうことがありますが、貴重な植物でもあるので、大切に扱ってみて下さい。
ヒメフロウの育て方①
ヒメフロウの開花時期
ヒメフロウは茎の高さが約40㎝ほどになります。茎や葉の端が赤くなっているのが特徴です。さらに可愛らしく小さな花が咲くと言われていますが、開花時期は5月から8月です。初ヒメフロウはもともと暑さに強い植物なので、夏に向けての開花時期になります。花は花弁が5枚あり、いくつも花が咲いた開花時期はとても華やかなで可愛らしいので人気があります。ヒメフロウを栽培する際は、この開花時期を目安にして育ててみるのがおすすめです。
ヒメフロウの育て方②
ヒメフロウに適した環境
ヒメフロウを庭などで栽培したいと考えている人もいるかと思います。ヒメフロウに適している環境は、明るい日陰と言われています。もしくは半日陰の環境を好むと言われており、あまり直射日光が当たらない場所が良いでしょう。鉢植えでの栽培の場合は場所を移動できますが、地植えでヒメフロウを栽培する場合は、落葉樹の下など湿っているような場所の方がよく育ちます。
広いスペースの方がよく育つ
ヒメフロウは、根は深く育ちませんが、広範囲に茎を伸ばして成長するのが特徴です。そのため、できるだけ広いスペースでの栽培が出来しています。ぐんぐん伸びるヒメフロウの枝は上手に誘導してあげれば、花壇など寄せ植えにもとても最適です。ヒメフロウは、暑さには強いですが、日差しには弱いので、日光がきつい時期など遮光ネットなどを上手に活用してあげるのもおすすめです。
ヒメフロウの育て方③
植え付けしよう
ヒメフロウは春や秋に植え付けを行う植物です。春先になるとホームセンターや園芸ショップで苗なども販売しています。ヒメフロウの植え付けを行う際は、他の植物に負けてしまうこともあるので、単独で鉢植えやプランターでの栽培か、花壇など仕切られた環境での栽培がおすすめです。植え付ける場所を決めたら、まず畝を作るようにしてみて下さい。地面から少し高い場所にすることで、水はけがよくなるので、ヒメフロウがよく育ちます。
ヒメフロウの育て方④
土作り
ヒメフロウを栽培する際は、水はけのよい土が適しています。そのため、植え付ける場所が決まったら土の状態を確認しましょう。土を作る場合は、軽石や鹿沼土、桐生土、赤玉土などを配合してあげると良いでしょう。使う土は小粒な細かいものが適しており、それぞれ均等ぐらいで配合するのがおすすめです。さらに最近では、園芸店などに行くと山野草専用の土も販売されているので、すでにバランスよく配合されている土を使うのも良いでしょう。ヒメフロウに適した種類の土を用意してあげることで順調に成長してくれます。
ヒメフロウの育て方⑤
肥料
ヒメフロウを植え付けする際の土作りの段階で、肥料を与えておくのも良いでしょう。肥料を使う際におすすめなのが緩効性の肥料です。さらにヒメフロウは生育期から開花の終わりの時期までに肥料を与えるのも良いでしょう。肥料を与える時期は3月から9月頃の時期が良いでしょう。その際に使う肥料は、草花用の液体肥料がおすすめです。夏場に開花時期を迎えるヒメフロウなので、夏場は薄めの液体肥料で大丈夫です。このように植え付けのタイミングと開花のタイミングなどで肥料をプラスしてあげるとより綺麗なヒメフロウの花を楽しめます。
ヒメフロウの育て方⑥
水やり
ヒメフロウの育て方で気になるのが、水やり。基本的にヒメフロウの水やりは、表面の土が乾いてから行うのが良いでしょう。ヒメフロウは暑さに強く乾燥にも強い植物なので、神経質に頻繁な水やりを行う必要はありません。そのため、鉢植えなどでの栽培の場合は、土の乾燥具合をチェックして水やりを行う必要があるかも知れませんが花壇などでの栽培の場合は、水やりを気にしなくても大丈夫です。どうしても夏場などに花が咲く種類は、水やりが気になりますが、あまり水やりを気にしなくていいのもヒメフロウと特徴で、人気のある秘訣かも知れません。
ヒメフロウの育て方⑦
害虫について
ヒメフロウを育てるにあたって、水やりや肥料に続いて気になるのが害虫です。ヒメフロウの場合気をつけたい害虫はアブラムシやうどんこ病です。このような害虫による病気は、特にヒメフロウに大きな問題はないですが、見た目に影響します。せっかく綺麗な花が開花したのに茎や葉にアブラムシがついていたりうどんこ病のように白くなっていたら見た目がよくありません。それを防ぐためにも葉や茎を水やりなどの際に確認した、見つけたら薬剤などを使って病気を防いであげるのが良いでしょう。さらいヒメフロウに発生した病気などが周りの他の植物に影響を与えてしまうこともあるので、育て方の中でも注意したいことの1つです。
ヒメフロウの育て方⑧
種による増やし方
ヒメフロウの増やし方は2種類あります。1つは種による増やし方です。ヒメフロウは6月から7月に種を採取することができると言われています。その種を採取しておくことで、種によりたくさんのヒメフロウの増やし方をすることができます。採取した種は、種による植え付けを行う2月から3月の時期まで冷蔵庫などで保管しておくのがおすすめです。種を採取していると、種の数が多いと感じることがあるかも知れませんが、ヒメフロウは発芽率が悪いので種による増やし方を行う場合は種を多めに準備しておくのが良いでしょう。
種から発芽させるために
ヒメフロウは、種の皮が厚いことから発芽率が悪いと言われています。そのため、種による増やし方を行う際は、ひと手間加えて発芽しやすくしてみるのもいいだろう。その方法は、種の一部をやすりなどを使って削る方法だ。こうすることで白い部分が見えてきて発芽しやすくなるのだ。しかしこの方法はやり過ぎてしまうと種を傷つけて余計に発芽しにくくなってしまうので注意して下さい。
ヒメフロウの育て方⑨
株による増やし方
ヒメフロウは種による増やし方だけではなく、株分けによる増やし方も出来ます。ヒメフロウはとても太い根を持っているので、株分けによる増やし方をする場合は、根を傷つけないように注意して下さい。まず、ヒメフロウを掘り出して株分けできる場所を探します。分かれ目に合わせて切り離すと上手に株分けすることができます。この際、株分けする場所がわからない場合は、新しい根や芽を基準に株分けしてあげるのが良いでしょう。株分けによる増やし方は、失敗も少ないので、ヒメフロウが大きくなって植え替えなどを行う際などにやってみるのもおすすめです。
株分けによる増やし方の注意点
株分けによる増やし方を行う際は、切り口などに注意をしてあげることも大切です。無理な株分けなどを行うと切り口が発生します。その際、切り口に殺菌剤や融合剤などを使ってあげるとそこから病気などが発生するのを防げます。また、園芸ショップなどで販売している園芸用の灰などを切り口につけるのも良いでしょう。ちょっとした注意をすることで、さまざまな被害からヒメフロウを守ることができてより効率的な増やし方や植え替え作業が行えると思います。
ヒメフロウの育て方⑩
ヒメフロウの手入れ方法
ヒメフロウの花を綺麗に開花させるために行う手入れとしてあげられるのは、支柱です。ヒメフロウの場合は茎の丈が長くなると、茎が倒れてしまうことがあります。それを防ぐためにも必要に応じて支柱を立ててあげるのがおすすめです。支柱を立てることで、茎が花の重さなどで倒れてしまうことを防ぐことができるので、綺麗な花を咲かせるためにも必要な手入れです。他にも真夏など日陰ではなく直射日光があたる環境での栽培になる場合は、日光を遮断するように遮光ネットなどを使うと良いでしょう。ちょっとした手入れを行うことでヒメフロウの環境を整えてあげることができます。
ヒメフロウの育て方⑪
植え替え作業
ヒメフロウを鉢などで育てている場合、大きさに応じて植え替え作業をするのがおすすめです。鉢が小さいと大きく根が張るヒメフロウには窮屈になって生育環境が悪くなってしまいます。それを防ぐためにも、鉢植えなどの場合は、一回り大きな鉢に植え替えを行ってみましょう。植え替えの時期は、植え付けと同じ時期になります。暖かい環境では2月から3月に行うのがおすすめで、寒い環境の場合は3月から4月に行うのが良いでしょう。春先に植え付けも植え替えも行うことでヒメフロウに負担が少なく成長の妨げにもならずに行えます。
地植えの場合の植え替え作業
多年草の種類のヒメフロウの仲間などを栽培している場合は、地植えでも3年から5年に1度は株分けを行うついでに植え替え作業をしてあげるのがおすすめです。大きく成長したヒメフロウは株分けなど密集をさけて、植え替えを行うことでより栄養が行き届き環境がよくなります。このようにヒメフロウを栽培する環境に合わせて植え付けや植え替えを行ってみて下さい。
ヒメフロウの育て方⑫
ヒメフロウの香り
ヒメフロウの香りは嫌な臭いだと言う人もいます。そのため、外国などではスティンキーボブと呼ばれることもあるのです。ヒメフロウは薬などにも用いられることがあり、薬草としての役割もあるため、香りも強いのかも知れません。また、ヒメフロウの香りが塩を焼いた時とよく似ていると表現する人もおり、シオヤキソウと呼ばれることもあります。小さい花ですが特徴的な香りをもつともいわれているので、ぜひ1度その香りを自分で確認してみるのもおすすめです。同じヒメフロウの種類に属していても香りに違いがある場合もあるので、実際に栽培しながらその香りをチェックしてみてはいかがでしょうか?
まとめ
ヒメフロウは比較的育てやすいうえ、花も可愛らしい小さい花を咲かせてくれるので、寄せ植えなどにもおすすめの植物です。ヒメフロウの育て方の特徴を知ることで、夏場でも花を楽しむことができます。水やりも土が乾いてからで良いと暑さにも強く、肥料も植え付けや植え替えのタイミングと開花のタイミングで大丈夫です。上手に栽培することで種や株を使った増やし方も出来るので、自宅でヒメフロウを増やして楽しむのも良いでしょう。ぜひ自宅でヒメフロウの花を育ててみてはいかがでしょうか?小さく可憐な花が癒しを与えてくれるのでおすすめです。
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