アベリアの特徴
アベリアはスイカズラ科の常緑低木
別名ではハナツクバネウツキとも呼ばれるアベリアは、スイカズラ科ツクバネウツキ属の常緑低木です。学名はAbeliaと言います。原産国は中国で、日本で一般的によく見かける品種はイタリアで作られた園芸品種の種類です。開花時期は5月から11月までと、花期が長いのが特徴の1つです。花の色は白、ピンク、もしくは黄色の小さな花を咲かせます。花は優しい甘い匂いを放つ特徴があります。可愛い小花や優しい甘い香りを持つ特徴とは裏腹に、大変丈夫で、剪定も難しいことはなく、とても育てやすい花木です。
別名ハナツクバネウツキという名の由来
アベリアの花は、赤い鄂片の上にアジサイ科のウツギ(卯木)に似た釣り鐘状の小花が付くのが特徴で、葉に隠れるように咲く姿が、なんとも奥ゆかしいと好まれています。赤い鄂片の形の見た目の特徴が、お正月遊びの羽根つきに使う羽子板の「衝羽根」に似ていることが由来となり、別名ハナツクバネウツキ(花衝羽根空木)と呼ばれています。
アベリアの楽しみ方
一般のガーデニングで楽しめる花木
アベリアの1番の特徴は大変丈夫な花木だということです。丈夫な常緑低木なので、以前は道路の中央分離帯や公園の垣根などの木としてお馴染みでしたが、可憐な花に目を付けたガーデンデザイナーが、一般家庭のガーデニングの花木として紹介したところ、家庭でガーデニングを楽しむ人たちからも注目されるようになりました。
生活様式に合わせて楽しみ方は様々
アベリアの樹高は1mから1.5mくらいであるのが特徴です。庭の花壇の花木として楽しめるほか、樹形を整えながら小さく剪定すれば鉢植えでも楽しめます。常緑性で害虫の被害もなく育てやすいという特徴から、生け垣にも人気です。優しい甘い香りを持つ特徴から、庭に咲いているアベリアを切り花にして部屋に飾ると心地よい香りを楽しむことができるなど、アベリアの楽しみ方は生活様式に合わせて、様々な方法で楽しむことができます。
アベリアの正しいガーデニング方法
ガーデニング初心者でも育てやすいアベリア
アベリアはとても丈夫な花木なので、育て方も難しい問題はありません。地植えや鉢植えで楽しむのが一般的ですが、どちらも土質は特に選ばなくともよく育ちます。根付いた後は水やりも肥料も特に心配はいりません。開花後は剪定して樹形を整えると、長年整った形を保ちながらガーデニングで楽しめます。
剪定の仕方も難しくない!
樹木なので大きくなれば剪定して樹形を整えなければなりませんが、桜や藤などのように剪定の仕方に難しいことはなく、強く剪定してしまっても負けずに花が咲く丈夫な面を持ち合わせている花木です。その生命力の強さの特徴から「強運」という花言葉さえも付いているアベリアは、「強運を呼び込む」といわれ、庭木に好まれる花木の1つです。育て方に難しいことはありませんが、ちょっとしたコツを押さえると、さらに丈夫に綺麗に楽しむことができます。そのコツをご紹介しますので、アベリアを育てるときの参考にしてください。
アベリアの正しい育て方1
日当たりと水はけのよい場所
アベリアの育て方は、庭に地植えするか鉢植え育てるのがポピュラーです。植え方のコツとしては、地植えの場合は、日当たりがよく水はけの良い場所を選ぶことが植え方の1番のコツです。土質は特に選びません。ただし、もし土壌の状態がアベリアの育て方に向いていないなら、植える前に土壌を耕すことをおすすめします。
土質は選ばないが水はけのよい土壌を好む
土質は選びませんが、水はけがよい土壌が最適なので、水はけの悪い土壌であるなら、赤玉土や腐葉土や鹿沼土を加えて耕し、保水性と排水性、腐植質に富む土壌を作って植えましょう。鉢植え場合は市販の花木用の培養土を利用すると便利です。鉢植えするときは、鉢の下に水はけを良くするために鉢底石を引くようにします。
アベリアの正しい育て方2
根付いたら水やりも肥料も心配なし!
育て方のコツで、植え付けて根付くまでは水を十分に施しますが、根付いたら地植えのものはほとんど水やりの心配はいりません。根付いた地植えのものは自然の降雨に任せて置かば大丈夫です。しかしそれはその年の天候にもよります。真夏に乾燥や日照りが続き、土壌が乾きすぎるような場合は、水をたっぷり与えてください。
鉢植えのものは用土が乾いたらたっぷり水を施す
鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたら、鉢の底から水が出てくるくらいたっぷりと水を施します。毎日水やりの必要はありませんが、地植えのものにしても鉢植えのものにしても土が乾き気味だなと思った時に、水を施します。また肥料の心配は地植えのものも鉢植えのものも特に必要ありませんが、植え付けや植え替えなどの時に多少施します(正しい育て方5を参照)。
アベリアの正しい育て方3
鉢植えの植え方のコツは株より一回り大きな鉢
植え方のコツで、植木鉢に植える場合は、株より一回り大きな植木鉢を選んで植えましょう。植木鉢で育てる場合は、季節ごとに置き場を変えることができ、日当たりの良い場所を選んで管理することも簡単です。ただし生長して、鉢の中で根詰まりの状態を起こしてしまっているときは、植え替えをして鉢を大きい鉢に変えなければなりません。
根詰まりの見分け方
根詰まりとは、鉢の中で根が張りすぎてしまい、水やりすると表面から水が浸透していくのに時間がかかる、あるいは水が浸透していかないため用土の表面にコケが生えている、あるいは鉢底に穴から根が出ているような状態の場合です。このような時は、鉢の中で根詰まりしている場合があるので、植え替えをしてください。植え替えした後は、日当たりの良い場所で管理しましょう。
アベリアの正しい育て方4
地植えの植え方のコツは植える場所を選ぶ
ガーデニングで、地植えでアベリアを楽しむ植え方のコツは、育てる場所を最初にしっかりと決めることです。地植えの場合は、鉢植えのもののように、季節ごとや日によって置き場所を変えることができないので、最初に日当たりと水はけのよい場所を考えて植えるのが植え方のコツです。
植え方で育てる場所は南向きは最適
庭に地植えする場合、理想は日当たりがよい場所ですが、場所の状況は様々です。アベリアを含めて地植えで植物を育てる場合、あらゆる植物に最適な場所は南向きの場所です。ただし夏の高温と乾燥には注意が必要な場所でもあります。アベリアは根付いた株には水やりの必要ないとはいえ、植えた場所によっては水やりにも多少気を付けなければならないこともあります。また東向きの場所は午前中の日当たりがよい場所で、南向きの次におすすめの場所です。
西向きの場所は半日陰を選ぼう!
西向きは強い西日に注意して、半日陰の場所を選ぶとよいでしょう。育たないわけではありませんが日当たりの悪い北向きの場所はアベリアにはあまり好ましくない場所です。北向きの場所は日当たりに関係ない観葉植物などには向いていますが、日当たりを好むアベリアのような植物には向いていません。
アベリアの正しい育て方5
植え付けや植え替えに時期
アベリアの植え付けの時期は、地植えにしても鉢植えのものにしても、春の季節である4月か、秋の9月下旬から10月に行います。真夏である7月から9月中旬頃までと、真冬の時期の12月から2月は植え付け時期には向きません。ほかの場所に植え替えしたい場合や、鉢植えのもので根詰まりをして鉢を大きくしたい場合などの植え替え時期も、植え付け時期と同じ時期が最適な季節です。
鉢物の植え替えは一回り大きな鉢を用意する
株が大きくなり根詰まりを起こし株を植え替えするときのコツは、生長した株よりも一回り大きな鉢を用意し、新たに鉢底石を引き、市販の花木用の培養土を入れます。市販の用土ではなく、赤玉土、鹿沼土、腐葉土を5:2:3の割合で用土を使用しても構いません。
植え替えた後は水をたっぷりと施す
用土を鉢に入れたら、これまで入っていた鉢から株を抜き、根元の土を1/3ほどくずして新しい植木鉢に植えます。この時用土の表面を、鉢の縁より3cmほど下げて、ウィオータースペース(水やりの際に水が溜まるスペース)を作ってあげましょう。植え付けや植え替えのあとは、根と土が密着するようにたっぷりと水やりします。そして手で用土を押し付けて根と土をなじませるとよいでしょう。根付いたら水やりは土が乾いた時に施す程度です。
アベリアの正しい育て方6
植え方で植え付け前にこんな点を注意!
植え方のコツで、地植えの際には植え付けの前にこんな点にご注意ください。これはすべての地植えの植物の特徴に通じる注意点ですが、植物は根を伸ばして生長するので、植え付けの時は、植える穴をなるべく広く、そして深く掘り、根が伸びやすい環境を作ってあげることが必要です。地植えするの場合、穴を掘ったら、その穴の底をスコップなどでさらに耕ししてやると排水性をより良くすることができます。
寒さに耐える対策に肥料や腐葉土など施す!
アベリアの正しい育て方では、肥料はほどんど必要ありません。ただ鉢植えのものは、寒い時期(2月から3月)と開花の中盤(9月の半ば)に緩効性の肥料を与えると、開花の時期にたくさん花芽をつけ、また秋は花期を長く楽しむことができます。また地植えのものは毎年冬に、肥料の代わりに地上部分の樹の周りの端の地面を環状に耕して、腐葉土や堆肥をすき込んであげると肥料の代わりとなり、根の先端の土がよい土となって耐寒性のある木となります。
アベリアの正しい育て方7
害虫や病気の心配はほとんどない
植物を育てるときに心配になる害虫や病気についてですが、アベリアを育てるときには、害虫や病気の心配はありません。ただ、どんな植物にも共通する点ですが、風通しが悪かったり、高温多湿が続く場合、また水やりのしすぎは害虫や病気が発生しやすくなります。そのような環境ではアベリアにも害虫が寄ってくるのは例外ではありません。害虫などを発見したときは早目に対処しましょう。害虫を発見した時は、市販の殺虫剤を使用するのも対処法の1つです。
害虫や病気の防止は地上部の日ごろの手入れが大切!
天候などの影響で、どんなに丈夫なアベリアでも樹勢が衰え、害虫や病気に対する抵抗力がなくなってしまうこともあります。害虫などを寄せ付けないためにも、無駄な枝をカットして、茎や葉への日当たりの良い状態や、風通しをよくする状態を日ごろから作るようにしましょう。そのために適度に剪定を行うことや、株元の雑草を刈るなど株元をきれいに保つことが大切です。害虫などを寄せ付けず、樹が健全に生長するための大切なコツです。
アベリアが根腐れを起こして時の対処法
肥料は使わず植え替えしよう!
健全な樹の生長を願っても、天候などの影響で、丈夫であるアベリアでも根腐れしてしなう場合もないわけではありません。万一根腐れを起こした場合は、地植えのものでも、一度植え替えをして株の状態を整えてみましょう。この時根に元気をつけようと肥料を与えるのは肥料やけをおこし枯らしてしまいます。根の弱っている場合は肥料は使わず、まず丁寧に根を掘り起こして、古い土を取り除き、変色している根の部分をカットして日当たりの良い新しい場所に植え替えてみてください。植え替えたときは水やりは控えましょう。そうして様子を見てください。鉢植えの場合も植え替えして様子を見ましょう。
アベリアの剪定方法
剪定は11月から4月下旬にこまめに剪定
より丈夫なアベリアを育てるため剪定おこないます。剪定することで株冠の日当たりや風通しをがよくなり、また樹形を整えることができます。剪定の時期は花期が終わったの11月下旬から翌年の4月下旬までが最適の時期です。強く切り込む必要はありませんが、万一強く切り込んでしまっても、アベリアは丈夫なので負けずに芽を付けて花を咲かせますので心配無用です。剪定したからといって、水やりしたり肥料を与える必要はありません。
鉢植えのものは通年剪定可能
鉢植えのものは、剪定適期ではなくても、いつでも剪定して構いません。鉢の大きさを見ながら樹形を整えていきます。徒長枝は見つけたらこまめに切り戻ししてしまい、樹形を整えていきましょう。特に冬は樹が休眠期に入っていますので、短く剪定してしまうことをおすすめします。
剪定する箇所
地植えの場合も鉢植えの場合も、剪定する場所は全体の大きさを押さえるために、ボリュームのある部分の枝や、内側が込み合っている枝葉のほか、枯れた枝や交差する枝など不要な枝などをカットします。また全体が枝で込み合っているような場合は、古い枝を株元からカットし枝の数を減らして剪定します。
アベリアの増やし方のついて
挿し木で増やす
アベルアの増やし方ですが、アベリアの一般的な増やし方は、挿し木で増やします。挿し木の増やし方というのは、枝や茎などの一部を切り取って適当な用土に刺し発根させる増やし方のことです。アベリアの丈夫そうな枝を選んでその一部を切り取って増やします。
挿し木の増やし方の最適な時期
アベリアの増やし方の挿し木する時期は6月から8月が最適な時期です。挿し木の増やし方のポイントは挿し木する枝は8cmから10cm、葉っぱを4、5枚くらい残し、その下の葉は取り除いた枝を挿し木として使うこと。増やし方のポイント2つ目は挿し木は30分から1時間ほど水に浸けて水揚げしてから、用土に刺して発根させることです。
挿し木は半日陰の場所で管理する
増やし方のコツの最後は、挿し木した後は風通しの良い半日陰の場所で管理することです。発根するまでは水やりは欠かさぬようにしてください。挿し木に使う用土はこだわりません。花木用の培養土でも構いませんし、赤玉土だけでも構いません。鉢などに入れて挿し床をつくり、挿し木で増やすときはたっぷりと水やりをします。
その他の増やし方は苗を購入する
アベリアの増やし方は挿し木で増やす方法のほか、園芸店で苗を購入して増やす方法も簡単です。アベリアの苗は、植え付け時期の4月、及び9月下旬になると園芸店の店頭に並びます、ガーデニングで楽しむポット苗は20cmくらいの大きさのものが300円くらいです。すでに庭にアベリアの挿し木になる枝ぶりの株があるのなら挿し木の増やし方がおすすめですが、丈夫な枝がない場合は苗で増やしていきましょう。
土についての豆知識
土壌の改良は赤玉土と腐葉土と堆肥などが必要
アベリアを育てるには土質は問いません。ただし地植えの場合、植え付ける土壌の状態が悪ければ、市販の材料で土を改良するのがおすすめです。改良する場合に必要なのは赤玉土や腐葉土を混ぜ込むと水はけや水もちがよくなり、柔らかな土壌になります。堆肥というのは植物の茎や葉を腐植させて作った有機肥料で、土に混ぜると水はけや水もちがよくなります。また堆肥には植物に必要な三大栄養素のチッ素、リン酸、カリウムのほかにマグネシウムなども含まれているので、土の改良に赤玉土や腐葉土と一緒に混ぜて使うとよいでしょう。植え付ける土の状態が悪い時は、土壌を改良してあげて植え付けると、より丈夫に育てることができます。
アベリアを上手に育ててみよう
害虫や病気の心配のない丈夫なアベリア。強く切り込んでしまっても負けずに花を咲かせる丈夫な性質から「強運」という花言葉を持ち、「強運を呼び込む」とされる常緑低木です。冬の時期も葉が茂っているので生け垣に好まれますが、小さく剪定すれば鉢植えでも楽しめます。ガーデニング初心者でも育てやすく、忙しい方でも手間のかからない丈夫な樹です。可愛い小花は優しい甘い香りがし、長い間花期を楽しめます。アベリア!あなたも育ててみませんか。
アベリアについてもっと知りたい方はこちらもチェック!
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