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サルスベリ(百日紅)の花言葉は?その由来や特徴、開花時期もご紹介!

暑い季節に豪華に花を咲かせるサルスベリ。そんなサルスベリの花言葉にはちょっとおもしろい由来がありました。また花言葉に加え、名前の由来は?どうして百日紅という漢字があてられている?など、さまざまなサルスベリの不思議についても解説します。
2020年8月28日
しまうま花屋
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サルスベリとは

ミソハギ科サルスベリ属

Photo by ototadana

暑い季節になるとたわわにお花を咲かせるサルスベリ。サルスベリはミソハギ科サルスベリ属の、中国原産の植物です。開花期が長く丈夫で育てやすいため、公園や街路樹などでもよく見かける樹木です。

落葉性の中高木

大きさは中高木に分類され、剪定しながら育てれば大きくなりすぎないのが特徴です。背の低い矮性種もあります。落葉性で、冬には葉っぱを落とします。

サルスベリの特徴①:開花時期

開花時期は夏

Photo by mdxdt

サルスベリの開花時期は、7月頃から10月頃まで。梅雨明け時期に開花し始め、暑い季節にもお花を咲かせるのが特徴です。枝の先に穂状にお花をつけ、団扇型の花びらを6〜7枚つけています。

開花後も楽しめる

Photo by kagawa_ymg

花びらのふちは不規則に縮れており、フリルがかかったような印象に見えます。開花後には実をつけ、熟すと6つに裂けて種を出します。また、秋には紅葉するのも魅力のひとつです。

サルスベリの特徴②:ツルツルした幹

ツルツルの木肌

Photo by Starr Environmental

サルスベリは、幹の表面がツルツルしているのが特徴です。触ってみるとひんやり気持ちよく、ツルツルしています。サルスベリの幹を見てみると、薄い赤褐色と白っぽい灰茶色〜緑茶色のまだら模様であることがわかります。

まだら模様なのはなぜ

このまだら模様は、サルスベリが古い外樹皮を剥がして更新しているために生まれる模様です。薄い赤褐色の部分が古い外樹皮で、表皮が剥がれ落ちて見えてきた内樹皮が灰茶色、さらにまた時間が経つとそれらが緑茶色っぽく変化します。

樹皮が剥がれるのはなぜ

Photo by Starr Environmental

一般的に樹木は、幹の表面部にコルク層を形成して外樹皮を作り、古くなってもそれらが剥がれずに幹を保護しています。サルスベリはコルク層の形成が活発ではないために外樹皮が剥がれ、ツルツルした表面の内樹皮が見えています。

なぜツルツルなのか

このように幹をツルツルに保つのにも、利点があると言われています。それは、ツタ植物に絡まれることを防ぐという役割。サルスベリのほかにも、シャラ(ナツツバキ)なども木肌がツルツルとしています。

サルスベリの名前と由来①:猿滑

サルスベリ

Photo by "KIUKO"

日本では、サルスベリという名前が一般的です。ほかにもかつてはサルナメリなどとも呼ばれていることもありました。今は「百日紅」という表記をよく見ますが、「猿滑」と表記することもあります。

名前と由来

この名前の由来は、「猿も登れないほどに幹がツルツルしている」というユーモアのある表現によるものです。しかし実際は、猿はいとも簡単に登れるのだとか。とんちの聞いた名前がついたのですね。

サルスベリの名前と由来②:百日紅

ヒャクジツコウ

Photo by 上島町

サルスベリといえば百日紅の漢字をあてることが多いですが、この「百日紅」というのはもともと原産地中国の名前。日本に入ってきたときに、この表記とサルスベリという名前がくっついたと言われています。

名前と由来

百日紅という名前は、100日間咲き続けるほどサルスベリの開花時期が長いことに由来しています。ヒャクジツコウと呼ばれたり、同じ意味で千日花(センニチバナ)などという別名もあったようです。

もうひとつの由来

Photo byDavies_Designs

また「百日紅」という名前の由来には、朝鮮半島の伝説を挙げられることもあります。それは、とある王子が竜神への生贄に選ばれた少女を助けて恋に落ち、100日後に会う約束をするという話。

伝説とサルスベリ

しかし少女は、王子との再会を待たずに亡くなってしまいました。すると少女のお墓からサルスベリが生え、きれいな紅色の花を咲かせて王子を待っていた、というのです。100日間お花を咲かせて待っていた姿から、ヒャクジツコウという名前がついたといいます。

サルスベリの名前と由来③:笑いの木

ワライノキ

Photo by nyanchew

サルスベリにはほかにも、「笑いの木」「こちょこちょの木」などという別名で呼ばれることがあるようです。加えて九州の一部では「くすぐりの木」と呼んだり、「さすりの木」という別名もあります。

名前と由来

これは、ツルツルの幹をこするとくすぐられたように枝葉も揺れるという現象に由来しているようです。サルスベリは振動が伝わりやすい性質があるそうですが、実際に揺れるということはあまりないそう。ちょっと試してみたくなる別名です。

サルスベリの名前と由来④:怠け者の木

ナマケモノノキ

Photo by Shigeyama

サルスベリには、「怠け者の木」なんていうちょっと不名誉な印象を受ける別名もあります。この名前は動物のナマケモノとは関係なく、サルスベリが怠け者だという意味合いがこもっているそう。
 

名前と由来

これは、サルスベリの休眠期が長いことが由来しているといいます。春は芽吹きの時期が遅く秋には早々に落葉してしまう姿を、「怠け者」と表現したようです。ちなみにサルスベリは幹でも光合成をしていると言われています。

サルスベリの名前と由来⑤:その他

学名

Photo byEllenChan

サルスベリの学名は「Lagerstroemia indica」。「Lagerstroemia(ラジェルストレミア)」は、18世紀の生物学者の名前が由来しています。「indica (インディカ)」は「インドの」という意味です。

英語名

サルスベリは英語で、「Crape myrtle」と言います。「crape(クレープ)」とはちりめんという意味で、ひらひらした花びらに由来しています。「myrtle(マートル)」は、マートル(ギンバイカ)の花に似ていることから。

中国名

サルスベリは中国から入ってきた植物。中国語では「百日紅」もしくは「紫薇」という名前がついています。紫薇とは唐時代の宮廷のことで、宮中に植えられていたために紫薔とつけられたと言われています。

サルスベリの花言葉とは?①:雄弁

「雄弁」という花言葉

Photo bysarangib

サルスベリの花言葉、まず代表的なのが「雄弁」です。「雄弁なあなた」という花言葉がついていることもあります。雄弁とは、「人の心を動かすような、堂々とした話し方とそのようす」という意味です。

花言葉の由来


「雄弁」という花言葉の由来は、たくさんお花を咲かせる見事な花ぶりによると言われています。また、笑いの木という名前の由来にもなった、幹をこすると枝葉が揺れるという現象が、盛んに話し合っているように見えたという説もあります。

似たような花言葉を持つ植物

Photo by 8ware

ほかにも「雄弁」という花言葉がついている植物があります。それは、ハスの花。これは、ハスがエジプト神話のオシリスに捧げられた花で、オシリスが雄弁であったということに由来しているといいます。

サルスベリの花言葉とは?②:愛嬌

花言葉と由来

Photo byDavies_Designs

サルスベリのもうひとつの花言葉は、「愛嬌」です。この花言葉がついた由来や謂れについて詳しいことは分かっていませんが、花姿や、こすると枝葉が揺れる様子などを表しているとも言われています。

似たような花言葉を持つ植物

ほかにも、サザンカの白、サンダーソニア、ダチュラ、トレニアなどに「愛嬌」という花言葉がついています。サンダーソニアやダチュラは、ベル型のお花を下向きにつける姿がかわいらしいことが由来です。

サルスベリの花言葉とは?③:不用意

花言葉と由来

Photo by Shigeyama

サルスベリには、もうひとつ「不用意」という花言葉もついています。不用意とは「うっかりしていること」などの意味がありますが、猿も滑ってしまうほどツルツルしていることに由来があるようです。

似たような花言葉を持つ植物

「不用意」のような花言葉を持つ植物は見当たりませんでしたが、反対に「用心」という花言葉のついた植物は、グラジオラス、ゴボウ、キョウチクトウ、ヒイラギなどがあります。

サルスベリの花言葉とは?③:あなたを信じてる

花言葉と由来

Photo by t-mizo

こちらは、ヒャクジツコウの名前の由来で先述した朝鮮半島の伝説がもとになってつけられた花言葉です。サルスベリに生まれ変わって王子を待っていた少女の姿を表しているのでしょうか。

似たような花言葉を持つ植物

紫色のアネモネにも「あなたを信じて待つ」という花言葉がついています。ほかにも、フクシアには「信じる愛」、アスターには「信じる恋」など。ブルースターの「信じる心」といったものもあります。

サルスベリと日本の歴史

平安から親しまれていた?

Photo by wongwt

サルスベリに関する文献は江戸時代が一番古く、日本に入ってきたのは江戸時代頃と言われていました。しかし2010年、平等院鳳凰堂の池から平安時代のサルスベリの花粉が出たというニュースが。平安の頃から寺院に植えられていた可能性があるといいます。

なぜお寺や墓地に植えられる?

Photo byKIMDAEJEUNG

お盆の季節にきれいに咲き誇るサルスベリは、お寺や墓地などに植えられることの多い植物です。これは、釈迦誕生の聖樹・無憂樹(アショーカ)にお花が似ていたからと言われています。実際にはあまり似ていませんが、鮮やかな花色という点では共通しているかも。

シャラの木にも似ていた?

また、別の説も。『平家物語』の冒頭でも有名な「沙羅双樹」とは釈迦入滅の聖樹のことで、日本ではシャラの木の呼ばれるナツツバキを沙羅双樹として扱っています。ナツツバキもツルツルの幹が特徴的で、サルスベリがそれに似ていたために植えられたとも言われています。

サルスベリの色と種類

色の種類


サルスベリといえば、暑い季節の青空に映えるマゼンタのような濃いピンクと白色が代表的です。ほかにも、赤色や濃い紅色の花が咲く種類もあります。また、黒っぽい葉っぱが特徴的なブラックパールシリーズも人気です。

樹高の種類

サルスベリは大きいもので樹高10mになるものもありますが、庭木などに人気なのは背が大きくなりすぎない種類です。コンテナ栽培にも向く1.2mほどにしかならない種類もあり、生垣にも向いています。

枝垂れサルスベリ

樹高が2mほどの、枝垂れ枝が特徴的な種類もあります。支柱を施して仕立てると、枝垂れた枝の先にお花を咲かせる姿が魅力的。樹形がコンパクトなものもあり、庭植えでも鉢植えでも楽しめる種類です。

サルスベリの近縁種

シマサルスベリ

中国の中部や台湾、日本では沖縄や奄美諸島などに分布するサルスベリの近縁種です。島に分布することに由来した名前で、シマヒャクジツコウということもあります。樹高は最大20mにもなる高木で、白いお花が特徴です。

ヤクシマサルスベリ

種子島と屋久島に分布するシマサルスベリの変種です。日本固有種のサルスベリです。シマサルスベリより樹高は低く、10mほど。川岸など川に近い場所に自生しています。花の色は白色のみです。

オオバナサルスベリ

オオバナサルスベリは、お花が大きいサルスベリ。普通のサルスベリより倍近く大きく、団扇状の花びらの柄の部分が短いのが特徴的です。葉も30cmほどと大きく、沖縄では街路樹としても親しまれています。

夏はサルスベリの季節!

季節の風物詩

Photo by Takashi(aes256)

暑い季節の風物詩ともいえるサルスベリ。名前にも花言葉にもさまざまな謂れがあって、興味深い植物です。幹をこすると枝葉が揺れるのかどうか、みなさんも試してみてくださいね。

サルスベリについて気になる方はこちらもチェック

サルスベリは庭木としても人気のある植物。暑くてお花が減る時期に華やかに庭を彩ってくれます。サルスベリの育て方や剪定方法についてほかにも記事がありますので、気になる方はこちらもチェックしてみてください。