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花と実が鮮やかなイヌタデ(犬蓼)とは?その特徴や花言葉、育て方などをご紹介!

独特な紅紫色の花が魅力なイヌタデは、春~秋までも楽しめる雑草の代表格。イヌタデは花だけではなく、花言葉など色んな見どころを秘めた植物なので、単なる雑草の域を越えています。イヌタデの花言葉や簡単な育て方、そして食べる方法など、秘められた魅力をお伝えします。
2020年8月28日
はぐれ猫
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イヌタデとは

タデ科イヌタデ属

道端で頻繁に見かけられるイヌタデは、毎年のように発芽しては秋に枯れる一年草の種類です。タデ科イヌタデ属に含まれる植物で、普段から雑草の種類として扱われてしまいがち。しかし花言葉もちゃんとあり、小さいながらも独特で可愛い花を咲かせるために、密かにイヌタデファンも多いようです。

意外な花言葉を持っている

18世紀以降、西洋ではどんな植物にも花言葉を付け、人との関わりをもたせる風習がありました。それは明治時代以降の日本にも入ってきましたが、イヌタデには予想外な花言葉が付いています。普段はまるで考えることもない、イヌタデの花言葉にもちょっと注目してみませんか。

食べる目的も興味深い

その綺麗な花や実が特徴的なため、イヌタデは観賞用として自宅で栽培することもおすすめです。さらに犬が関係しそうな花言葉が気になりつつ、食用にしたらどうなのかと興味深い植物でもあります。果たしてイヌタデを食べたらどんな味がして、どんな食べ方があるのかも知りたくなってくるところです。

イヌタデの名前

タデとは

昔から「蓼(タデ)食う虫も好き好き」ということわざは良く耳にします。タデ(ヤナギタデ)の葉はピリリとした辛味成分を持っているために、このことわざがあります。タデの由来はこれに関わり、口の中が辛くてただれることに由来し、「ただれ→タデ」になったとの説が有力視されています。

イヌタデの由来は花言葉に通じる

漢字では犬蓼と書くイヌタデの名前の由来も、近縁種のヤナギタデに関係しました。薬味として知られるヤナギタデに対し、犬蓼は辛味がなく使えないと酷評されていました。役に立たない意味を持つイヌを付けたのが、通説の由来です。この名前の由来、実は後に花言葉との関連性も見えてきます。

別名アカノマンマの由来

犬蓼とまるで違う名前としては、アカノマンマというヘンテコなものがあります。アカノマンマという名前の由来は、イヌタデが春の季節に付ける花や、秋に実らす果実にありました。赤い花や果実がご飯粒(まんま)のように見えることを意味し、おままごとに使われたのでこの名前があるとのことです。

世界的に使われる学名の由来

世界で使われているイヌタデの学名のほうは、Persicaria longisetaとあります。実はこのペルシカリア、桃に由来する言葉でした。ペルシカリアは英語のピーチ(桃)と同じく、ペルシアを意味しています。桃色の花や実を付けることで、こう呼ばれるようになりました。

イヌタデの花言葉

独特な花言葉

他の色んな花と比べてみても、イヌタデの花言葉は独特な印象を持っています。その1つが「あなたのお役に立ちたい」というもの。さらにもう1つが「あなたの力になりたい」というもの。イヌタデの不思議な花言葉につ、少しだけ迫ってみることにします。

花言葉1「あなたのお役立ちたい」

過去に役たたずとしての意味を持つ、酷い名前を付けられた経緯があったイヌタデ。花言葉を見ればその名前に反発するかのように、「あなたのお役にたちたい」というものがあります。イヌタデを擬人化すれば、名前の良くない意味をずっと気にしている可能性もあって、花言葉が心に響きます。

花言葉2「あなたの力になりたい」

もう1つのイヌタデの花言葉「あなたの力になりたい」の意味も、先程のものと似たような印象です。イヌタデはマイナスな名前の意味があるからこそ、役に立ちたい、力になりたいという花言葉で名誉を挽回したいようです。しかし役たたずと言われるこのイヌタデ、人を喜ばせて役立つ要素も備えていました。

花言葉を元にしてできること

役に立ちたいという意味の花言葉は、誰が見ても前向きなものとして捉えられます。したがってイヌタデは、積極的に身の回りで役立てても良いものです。例えば鉢植えにして贈り物にするとか、自宅の庭に飾り付けるなど。イヌタデの花言葉は覚えておいても良さそうです。

イヌタデの分布

アジアの温帯に分布


いま生息する地域は、原産地の中国を始めとし、アジアの広範囲に渡ります。イヌタデは温帯や亜熱帯の平野部なら、場所を問わず繁殖できる植物。日本国内についても。北は北海道から南は沖縄まで、温暖な土地ではまったく珍しくはない種類です。

どこでも生えるイヌタデ

どこでも生えると言って過言ではないほど、日本でもポピュラーなのがイヌタデです。たとえば幹線道路の道端にも風に揺れているし、平野部や高原の野原でも、田舎の畑の中にもぐんぐんと育っています。花言葉のようにお役にたちたい気持ちが、繁殖意欲にあらわれているかのようです。

イヌタデの特徴①全体

大きさ

それほど大きくはならないけれど、花言葉のように存在感はわりとあるイヌタデ。その背丈はどんな環境課にあっても、20~50cm程度にまで成長するのは通常です。環境が格段に良ければそれよりもかなり大きくなり、60cmを超えるまで成長することがあります。

葉っぱ

披針形と呼ばれる尖った形状の葉っぱは、花言葉が独特だったイヌタデが持っている特徴のひとつです。その葉は互生して、1枚あたりの直径は3~10cm程度。さらにそれより大きくなることも珍しくありません。葉っぱの表面や縁には、細かな毛が生えているという特徴もあります。

独特な茎

葉っぱの近くの茎を見てみれば、イヌタデ特有な托葉梢(たくしょうよう)と呼ばれる筒状のさや構造があります。托葉梢には細毛があり、近縁な種類のオオイヌタデにはさやの毛がないため、見分けるという意味で役立ちます。茎はぐんぐんと空中に伸ばし、春の季節に先端から花穂を出し始めます。

イヌタデの特徴②花

蕾の形状

茎の先から伸びてくるイヌタデの花穂には、穂状花序の形で幾つもの蕾が並びます。その花穂の直径は2~6cmほどと、極めて小ぶりな印象です。1つあたりの蕾自体も、1cmに満たない4mm程度の大きさ。その蕾は花後に実る果実と見分けが付きにくいのも、珍しい特徴です。

花言葉を思い浮かばせる花

とても愛らしい外見をしているイヌタデの花は、花言葉の通りに人の心を和ませるのに役立つ存在です。穂状花序の形状で付いている花は、直径が5mmに満たないものの、赤紫色やピンクの色合いがとても綺麗です。時には赤紫の中に、白い花を含んでいることも珍しくはありません。

花言葉が思い浮かぶ花の季節

このイヌタデの開花の期間は、様々な草花に比べてもかなり長めです。季節が春になれば4月からそこかしこで咲き始めます。真夏の季節を過ぎて、開花の様子は秋深まる11月の頃まで。実に半年以上も花を咲かせるイヌタデは、名前のような役立たずではなく、人々を楽しませる存在です。

イヌタデの特徴③果実

赤紫やピンクの果実

花と同じような外観をした果実は、イヌタデの不思議なところです。花と果実の違いは見分けにくいですが、イヌタデの花の中身を割って見てみればわかりやすいようです。開花後の犬蓼の花びらの中に、翌年に役立つ黒々とした種を発見できます。

果実と種の季節

4月から花期がスタートするイヌタデは、果実と種の時期も早くから訪れます。夏の季節にはすでに種が取れる種類であり、その果実の季節は11月末頃まで続きます。花言葉では役にたちたいと希望しているイヌタデは、頻繁に種を取れるという意味で、はガーデニング愛好者の役にたっています。

イヌタデの特徴④紅葉

紅葉はどんな色?

一年草であるのに紅葉が見られるという意味で、秋の季節にも楽しめるのがイヌタデ。犬蓼の紅葉の色は朱色、真っ赤、赤紫などと形容されて、とても鮮やかな見た目です。お散歩やハイキングに出かけた時も、道端での秋の季節の風物詩になっています。

紅葉の季節


季節は初秋となる10月の頃、日本の各地でイヌタデの特徴的な紅葉が確認されます。人の心を和ませる目的で役立つ紅葉のシーズンは、11月頃まで続いています。イヌタデの育て方を実践する上でも、春の芽吹きから秋の紅葉までずっと目が離せません。

イヌタデはいつの誕生花?

11月4日

いつも花言葉とワンセットで調べられがちな誕生花は、イヌタデにもちゃんと設定されていました。誕生花とは植物の神秘性を月日に重ねたもので、今では人のイメージに関わるものになっています。イヌタデは秋深まり始める、11月4の誕生花として選ばれています。

なぜ11月4日の誕生花?

11月4日の誕生花の日を迎える時期のイヌタデは、不思議な果実を実らせるほか、紅葉が真っ盛りです。イヌタデがこの日の誕生花に選ばれたのは、夏の花よりも秋の姿の方が美しいからかもしれません。秋のイヌタデは、人々の記憶に残るものになります。

誕生花が分かったらすることは

ではイヌタデが11月4日の誕生花と分かったなら、何をしたら良いかと考えてしまいます。誕生花は人のイメージに重なるものなので、その誕生日プレゼントとして贈ってみても良いです。あるいは誕生花の日がちょうど誕生日な人は、庭や部屋に取り入れてみたり。イヌタデを役立てる利用法は様々です。

犬蓼の育て方①環境

適切な気温や日当たり

とても生命力の強い種類に入るイヌタデなので、育て方を進める上で特別な環境を整える必要はありません。北国や高原など寒い環境でなければ、おおむねどこでもok。日陰で覆われずに日当たりが適度にある場所なら、観賞用として役立つことが期待できます。

容器や土壌

栽培するなら地面でも良いし、鉢植えにしても構いません。イヌタデは身近な土を使った育て方ができます。ただしあまりに酸性度が高い土や、汚い土では育ちも悪くなる傾向にあります。鉢植えならば培養土に軽石などを混ぜ、水はけのよい土壌にするのが好ましいです。

犬蓼の育て方②種まきと植え付け

種まきからの育て方

夏から採取可能なイヌタデの小さな種は、1からの育て方をするのに必須なアイテムになります。種まきの季節は暖かさが増す4月からの春がおすすめ。土に播種したら水やりを毎日欠かさずにします。発芽後は特に手入れをしなくても、ぐんぐん成長できる種類の植物です。

植え付けからの育て方

近くの道端のイヌタデを、自宅に移植するのもおすすめです。この場合は根っこだけの状態ではなく、土ごと持ってくるのがベストです。土付きなら犬蓼の体力を疲弊することがありません。植え付けあとはたっぷり水をあげて、根付くのを待っていてください。

犬蓼の育て方③基本

適切な水やり

毎日のイヌタデの育て方では、水やりがどうなのかと気になるところです。イヌタデは生命力が高いとは言え、乾燥にはやや弱い種類の雑草です。だから土が乾燥していると判明したら、水やりをします。日当たり良好な場所であるほど、乾燥しやすいので注意が必要です。

適切な肥料

種まきや植え付けの時に少量の元肥を与えておけば、イヌタデは育成中に肥料をあげなくて構いません。しかし元気が無いなら、名前の由来でお悩み中かもしれないので、腐葉土をあげてみてください。肥料の場合は少量だけでokで、あげすぎると逆効果な場合もあるので注意が必要です。

剪定は考えてしよう

特に邪魔にならない枝ぶりなら、イヌタデの剪定は必要ありません。花期の前に剪定してしまうと、せっかくの花が付かない可能性があります。剪定するなら通行の邪魔なところを切るだけです。鉢植えなら邪魔にならない場所に移動して、剪定の必要がないようにすることも考えてみてください。

犬蓼の育て方④害虫

イヌタデに付く害虫


ことわざにある通り、辛味のあるタデを好んで食べる昆虫が存在しています。したがってイヌタデの育て方では、幾つかの害虫には注意したいところです。特にヨトウガの幼虫は葉っぱを食い荒らすし、アブラムシも見た目を悪くしてしまう要因になってしまいます。

駆除の方法

もしイヌタデがヨトウガに食べられ始めたら、指先で駆除するほか、園芸用殺虫剤が使えます。アブラムシに対しては、竹酢液のスプレーを使ってみるのも妙案です。枯れてしまっては外見の綺麗さも台無しなので、早めの対策が必要です。

イヌタデに似た種類と花言葉

ヤナギタデ

水辺に育つヤナギタデは、よく知られたタデの種類です。イヌタデが役に立たないとの酷評が名の由来なのに対し、ヤナギタデは柳のように枝垂れた姿が由来です。葉は薬味として重用され、刺し身のつまになったり有用です。そんな役立つ様子からか、花言葉には「節操(主義を貫く)」がありました。

オオイヌタデ

似て非なるものと言えば、オオイヌタデを忘れてはいけません。イヌタデよりも背丈ははるかに大きくなって1~2mに達し、花穂が垂れるので区別は明確に付けられます。オオイヌタデの花言葉は、縁起物として扱われてもおかしくない、安全や無事といったものが存在していました。

エゾノミズタデ

完全に水辺に適応しているものとしては、エゾノミズタデが知られます。寒い場所に生息するこのタデの種類は、湖沼や湿地に生えるのが通常です。水中の地面に根を張って、葉っぱは水に浮かんでいます。その様子はイヌタデとは一線を画し、まるでまったく別種かのよう。花言葉は存在しないようです。

イヌタデをこっそり食べる

天ぷらで食べる

まだ花が見られないイヌタデは、食べる材料としても役立ちます。若葉は天ぷらにして食べるのはとても人気があります。犬蓼を食べるなら、短時間でカラッと揚げて食べるほうがおすすめ。味はレモン、塩など色々と試して、春の味覚として楽しむことができます。

おひたしで食べる

ビターなイヌタデの若い葉や茎は、おひたしで食べると美味しいと言われています。おひたしで美味しく食べるには、お湯で茹で上げ、水気をしぼっておくのがコツ。食べる時にはかつお節、ポン酢、しょうゆなどかけてみれば、他の野菜とは違った野草ならではの味覚が待っています。

イヌタデを楽しもう

花言葉のように実は役立つイヌタデ

その意味を知るとちょっと可哀想だったイヌタデですが、心配をよそにたくましく素直に生きて見せる雑草でした。犬蓼の誕生花や花言葉、育て方などを知ってみれば、自宅で育ててみたくなってきます。鑑賞が目的でも食べる目的であっても、イヌタデを庭先で育てて楽しんでみたいですね。

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当サイトではイヌタデの他にも、様々な種類の草花の情報をまとめています。草花の名前の由来や意味、花言葉や誕生花などが気になる方もチェックしてみてください。