イヌタデとは
タデ科イヌタデ属
道端で頻繁に見かけられるイヌタデは、毎年のように発芽しては秋に枯れる一年草の種類です。タデ科イヌタデ属に含まれる植物で、普段から雑草の種類として扱われてしまいがち。しかし花言葉もちゃんとあり、小さいながらも独特で可愛い花を咲かせるために、密かにイヌタデファンも多いようです。
意外な花言葉を持っている
18世紀以降、西洋ではどんな植物にも花言葉を付け、人との関わりをもたせる風習がありました。それは明治時代以降の日本にも入ってきましたが、イヌタデには予想外な花言葉が付いています。普段はまるで考えることもない、イヌタデの花言葉にもちょっと注目してみませんか。
食べる目的も興味深い
その綺麗な花や実が特徴的なため、イヌタデは観賞用として自宅で栽培することもおすすめです。さらに犬が関係しそうな花言葉が気になりつつ、食用にしたらどうなのかと興味深い植物でもあります。果たしてイヌタデを食べたらどんな味がして、どんな食べ方があるのかも知りたくなってくるところです。
イヌタデの名前
タデとは
昔から「蓼(タデ)食う虫も好き好き」ということわざは良く耳にします。タデ(ヤナギタデ)の葉はピリリとした辛味成分を持っているために、このことわざがあります。タデの由来はこれに関わり、口の中が辛くてただれることに由来し、「ただれ→タデ」になったとの説が有力視されています。
イヌタデの由来は花言葉に通じる
おはようございます。
— 多田しょういち (@cpttad) October 1, 2018
イヌタデ(犬蓼)
タデ科イヌタデ属の一年草。ヤナギタデに対し、葉に辛味がなく役に立たないため、蔑称のイヌを冠したのが和名の由来。花穂の小さな赤い花や実を赤飯に見立て、別名アカノマンマとも呼ばれる。ままごとで遊んだ頃が懐かしい。
周南市東川緑地公園にて pic.twitter.com/5xMt0rkUn0
漢字では犬蓼と書くイヌタデの名前の由来も、近縁種のヤナギタデに関係しました。薬味として知られるヤナギタデに対し、犬蓼は辛味がなく使えないと酷評されていました。役に立たない意味を持つイヌを付けたのが、通説の由来です。この名前の由来、実は後に花言葉との関連性も見えてきます。
別名アカノマンマの由来
イヌタデ
— 三日月 (@Roen_Lilyknight) October 8, 2018
子供の頃におままごとでお赤飯の代わりに使った記憶がある方も多いのでは?
そうやって遊ぶ子がいたからか、この植物は別名でアカノマンマとも呼ばれているとか…#自然研究部 pic.twitter.com/OTMYarFswy
犬蓼とまるで違う名前としては、アカノマンマというヘンテコなものがあります。アカノマンマという名前の由来は、イヌタデが春の季節に付ける花や、秋に実らす果実にありました。赤い花や果実がご飯粒(まんま)のように見えることを意味し、おままごとに使われたのでこの名前があるとのことです。
世界的に使われる学名の由来
7月から咲いてはいましたが、8月に草刈りして一度は刈られたにもかかわらず、イヌタデが見事に実っています。別名の「あかまんま」は秋の季語。
— 白笹稲荷神社 公式 (@Shirasasa_Inari) October 19, 2018
境内の空き地のあちこちをピンク色に染めています。学名(Persicaria longiseta)の Persicaria は「persica(桃)」に由来するそうです。 pic.twitter.com/HX4SCAfgp1
世界で使われているイヌタデの学名のほうは、Persicaria longisetaとあります。実はこのペルシカリア、桃に由来する言葉でした。ペルシカリアは英語のピーチ(桃)と同じく、ペルシアを意味しています。桃色の花や実を付けることで、こう呼ばれるようになりました。
イヌタデの花言葉
独特な花言葉
他の色んな花と比べてみても、イヌタデの花言葉は独特な印象を持っています。その1つが「あなたのお役に立ちたい」というもの。さらにもう1つが「あなたの力になりたい」というもの。イヌタデの不思議な花言葉につ、少しだけ迫ってみることにします。
花言葉1「あなたのお役立ちたい」
イヌタデ、アカマンマ
— Yayoi ☆♪ (@Yayoi_mz) October 11, 2017
Persicaria longiseta
Creeping smartweed
ダテ科ペルシカリア属 一年草
花言葉
『あなたのお役に立ちたい』 pic.twitter.com/mv81Wheq8u
過去に役たたずとしての意味を持つ、酷い名前を付けられた経緯があったイヌタデ。花言葉を見ればその名前に反発するかのように、「あなたのお役にたちたい」というものがあります。イヌタデを擬人化すれば、名前の良くない意味をずっと気にしている可能性もあって、花言葉が心に響きます。
花言葉2「あなたの力になりたい」
11月4日の誕生花のひとつ犬蓼
— うさぎのしっぽ。(しらくらではない...) (@Jshirakura) November 2, 2018
タデ科イヌタデ属の一年草
花言葉[お役に立ちたい][貴方の役に立ちたい][貴方の力になりたい]
小さな赤い花と実を赤飯に見立て赤まんまとも呼ばれ食用となる蓼に対し辛味が無く食べられない蓼の意で犬蓼の名が付いたとされる
みなさんの11月4日がよき日となりますよう! pic.twitter.com/QWpM9Xe5pW
もう1つのイヌタデの花言葉「あなたの力になりたい」の意味も、先程のものと似たような印象です。イヌタデはマイナスな名前の意味があるからこそ、役に立ちたい、力になりたいという花言葉で名誉を挽回したいようです。しかし役たたずと言われるこのイヌタデ、人を喜ばせて役立つ要素も備えていました。
花言葉を元にしてできること
役に立ちたいという意味の花言葉は、誰が見ても前向きなものとして捉えられます。したがってイヌタデは、積極的に身の回りで役立てても良いものです。例えば鉢植えにして贈り物にするとか、自宅の庭に飾り付けるなど。イヌタデの花言葉は覚えておいても良さそうです。
イヌタデの分布
アジアの温帯に分布
いま生息する地域は、原産地の中国を始めとし、アジアの広範囲に渡ります。イヌタデは温帯や亜熱帯の平野部なら、場所を問わず繁殖できる植物。日本国内についても。北は北海道から南は沖縄まで、温暖な土地ではまったく珍しくはない種類です。
どこでも生えるイヌタデ
どこでも生えると言って過言ではないほど、日本でもポピュラーなのがイヌタデです。たとえば幹線道路の道端にも風に揺れているし、平野部や高原の野原でも、田舎の畑の中にもぐんぐんと育っています。花言葉のようにお役にたちたい気持ちが、繁殖意欲にあらわれているかのようです。
イヌタデの特徴①全体
大きさ
それほど大きくはならないけれど、花言葉のように存在感はわりとあるイヌタデ。その背丈はどんな環境課にあっても、20~50cm程度にまで成長するのは通常です。環境が格段に良ければそれよりもかなり大きくなり、60cmを超えるまで成長することがあります。
葉っぱ
披針形と呼ばれる尖った形状の葉っぱは、花言葉が独特だったイヌタデが持っている特徴のひとつです。その葉は互生して、1枚あたりの直径は3~10cm程度。さらにそれより大きくなることも珍しくありません。葉っぱの表面や縁には、細かな毛が生えているという特徴もあります。
独特な茎
葉っぱの近くの茎を見てみれば、イヌタデ特有な托葉梢(たくしょうよう)と呼ばれる筒状のさや構造があります。托葉梢には細毛があり、近縁な種類のオオイヌタデにはさやの毛がないため、見分けるという意味で役立ちます。茎はぐんぐんと空中に伸ばし、春の季節に先端から花穂を出し始めます。
イヌタデの特徴②花
蕾の形状
茎の先から伸びてくるイヌタデの花穂には、穂状花序の形で幾つもの蕾が並びます。その花穂の直径は2~6cmほどと、極めて小ぶりな印象です。1つあたりの蕾自体も、1cmに満たない4mm程度の大きさ。その蕾は花後に実る果実と見分けが付きにくいのも、珍しい特徴です。
花言葉を思い浮かばせる花
とても愛らしい外見をしているイヌタデの花は、花言葉の通りに人の心を和ませるのに役立つ存在です。穂状花序の形状で付いている花は、直径が5mmに満たないものの、赤紫色やピンクの色合いがとても綺麗です。時には赤紫の中に、白い花を含んでいることも珍しくはありません。
花言葉が思い浮かぶ花の季節
このイヌタデの開花の期間は、様々な草花に比べてもかなり長めです。季節が春になれば4月からそこかしこで咲き始めます。真夏の季節を過ぎて、開花の様子は秋深まる11月の頃まで。実に半年以上も花を咲かせるイヌタデは、名前のような役立たずではなく、人々を楽しませる存在です。
イヌタデの特徴③果実
赤紫やピンクの果実
おはようございます。昨日の答えはイヌタデさん。それも実です。 恥ずかしながら私はこれで調べるまで花だと思ってました。 証拠写真も上げてあります。黒い部分の直径は1ミリ程度です。 pic.twitter.com/N4XJrRtAcw
— Koazisashi (@koazisashi) September 12, 2016
花と同じような外観をした果実は、イヌタデの不思議なところです。花と果実の違いは見分けにくいですが、イヌタデの花の中身を割って見てみればわかりやすいようです。開花後の犬蓼の花びらの中に、翌年に役立つ黒々とした種を発見できます。
果実と種の季節
4月から花期がスタートするイヌタデは、果実と種の時期も早くから訪れます。夏の季節にはすでに種が取れる種類であり、その果実の季節は11月末頃まで続きます。花言葉では役にたちたいと希望しているイヌタデは、頻繁に種を取れるという意味で、はガーデニング愛好者の役にたっています。
イヌタデの特徴④紅葉
紅葉はどんな色?
一年草であるのに紅葉が見られるという意味で、秋の季節にも楽しめるのがイヌタデ。犬蓼の紅葉の色は朱色、真っ赤、赤紫などと形容されて、とても鮮やかな見た目です。お散歩やハイキングに出かけた時も、道端での秋の季節の風物詩になっています。
紅葉の季節
季節は初秋となる10月の頃、日本の各地でイヌタデの特徴的な紅葉が確認されます。人の心を和ませる目的で役立つ紅葉のシーズンは、11月頃まで続いています。イヌタデの育て方を実践する上でも、春の芽吹きから秋の紅葉までずっと目が離せません。
イヌタデはいつの誕生花?
11月4日
いつも花言葉とワンセットで調べられがちな誕生花は、イヌタデにもちゃんと設定されていました。誕生花とは植物の神秘性を月日に重ねたもので、今では人のイメージに関わるものになっています。イヌタデは秋深まり始める、11月4の誕生花として選ばれています。
なぜ11月4日の誕生花?
11月4日:赤のまま記憶の道もここらまで(下村ひろし) #flower #jhaiku #花の俳句
— POOHFUJI (@POOHFUJI) November 3, 2015
[今日の誕生花]イヌタデ(タデ科)[花言葉]あなたのために役立ちたい
花の俳句→https://t.co/Jw3LMgrGzI pic.twitter.com/BVAWdVmXdF
11月4日の誕生花の日を迎える時期のイヌタデは、不思議な果実を実らせるほか、紅葉が真っ盛りです。イヌタデがこの日の誕生花に選ばれたのは、夏の花よりも秋の姿の方が美しいからかもしれません。秋のイヌタデは、人々の記憶に残るものになります。
誕生花が分かったらすることは
ではイヌタデが11月4日の誕生花と分かったなら、何をしたら良いかと考えてしまいます。誕生花は人のイメージに重なるものなので、その誕生日プレゼントとして贈ってみても良いです。あるいは誕生花の日がちょうど誕生日な人は、庭や部屋に取り入れてみたり。イヌタデを役立てる利用法は様々です。
犬蓼の育て方①環境
適切な気温や日当たり
とても生命力の強い種類に入るイヌタデなので、育て方を進める上で特別な環境を整える必要はありません。北国や高原など寒い環境でなければ、おおむねどこでもok。日陰で覆われずに日当たりが適度にある場所なら、観賞用として役立つことが期待できます。
容器や土壌
栽培するなら地面でも良いし、鉢植えにしても構いません。イヌタデは身近な土を使った育て方ができます。ただしあまりに酸性度が高い土や、汚い土では育ちも悪くなる傾向にあります。鉢植えならば培養土に軽石などを混ぜ、水はけのよい土壌にするのが好ましいです。
犬蓼の育て方②種まきと植え付け
種まきからの育て方
夏から採取可能なイヌタデの小さな種は、1からの育て方をするのに必須なアイテムになります。種まきの季節は暖かさが増す4月からの春がおすすめ。土に播種したら水やりを毎日欠かさずにします。発芽後は特に手入れをしなくても、ぐんぐん成長できる種類の植物です。
植え付けからの育て方
植え替えしてから一気に花がつき始めた。
— むっちゃん (@Mutsu_Chikuwa) August 29, 2019
開花してるイヌタデも可愛い。#イヌタデ pic.twitter.com/JOXnrSEb24
近くの道端のイヌタデを、自宅に移植するのもおすすめです。この場合は根っこだけの状態ではなく、土ごと持ってくるのがベストです。土付きなら犬蓼の体力を疲弊することがありません。植え付けあとはたっぷり水をあげて、根付くのを待っていてください。
犬蓼の育て方③基本
適切な水やり
毎日のイヌタデの育て方では、水やりがどうなのかと気になるところです。イヌタデは生命力が高いとは言え、乾燥にはやや弱い種類の雑草です。だから土が乾燥していると判明したら、水やりをします。日当たり良好な場所であるほど、乾燥しやすいので注意が必要です。
適切な肥料
種まきや植え付けの時に少量の元肥を与えておけば、イヌタデは育成中に肥料をあげなくて構いません。しかし元気が無いなら、名前の由来でお悩み中かもしれないので、腐葉土をあげてみてください。肥料の場合は少量だけでokで、あげすぎると逆効果な場合もあるので注意が必要です。
剪定は考えてしよう
特に邪魔にならない枝ぶりなら、イヌタデの剪定は必要ありません。花期の前に剪定してしまうと、せっかくの花が付かない可能性があります。剪定するなら通行の邪魔なところを切るだけです。鉢植えなら邪魔にならない場所に移動して、剪定の必要がないようにすることも考えてみてください。
犬蓼の育て方④害虫
イヌタデに付く害虫
ことわざにある通り、辛味のあるタデを好んで食べる昆虫が存在しています。したがってイヌタデの育て方では、幾つかの害虫には注意したいところです。特にヨトウガの幼虫は葉っぱを食い荒らすし、アブラムシも見た目を悪くしてしまう要因になってしまいます。
駆除の方法
もしイヌタデがヨトウガに食べられ始めたら、指先で駆除するほか、園芸用殺虫剤が使えます。アブラムシに対しては、竹酢液のスプレーを使ってみるのも妙案です。枯れてしまっては外見の綺麗さも台無しなので、早めの対策が必要です。
イヌタデに似た種類と花言葉
ヤナギタデ
水辺に育つヤナギタデは、よく知られたタデの種類です。イヌタデが役に立たないとの酷評が名の由来なのに対し、ヤナギタデは柳のように枝垂れた姿が由来です。葉は薬味として重用され、刺し身のつまになったり有用です。そんな役立つ様子からか、花言葉には「節操(主義を貫く)」がありました。
オオイヌタデ
似て非なるものと言えば、オオイヌタデを忘れてはいけません。イヌタデよりも背丈ははるかに大きくなって1~2mに達し、花穂が垂れるので区別は明確に付けられます。オオイヌタデの花言葉は、縁起物として扱われてもおかしくない、安全や無事といったものが存在していました。
エゾノミズタデ
完全に水辺に適応しているものとしては、エゾノミズタデが知られます。寒い場所に生息するこのタデの種類は、湖沼や湿地に生えるのが通常です。水中の地面に根を張って、葉っぱは水に浮かんでいます。その様子はイヌタデとは一線を画し、まるでまったく別種かのよう。花言葉は存在しないようです。
イヌタデをこっそり食べる
天ぷらで食べる
まだ花が見られないイヌタデは、食べる材料としても役立ちます。若葉は天ぷらにして食べるのはとても人気があります。犬蓼を食べるなら、短時間でカラッと揚げて食べるほうがおすすめ。味はレモン、塩など色々と試して、春の味覚として楽しむことができます。
おひたしで食べる
ビターなイヌタデの若い葉や茎は、おひたしで食べると美味しいと言われています。おひたしで美味しく食べるには、お湯で茹で上げ、水気をしぼっておくのがコツ。食べる時にはかつお節、ポン酢、しょうゆなどかけてみれば、他の野菜とは違った野草ならではの味覚が待っています。
イヌタデを楽しもう
花言葉のように実は役立つイヌタデ
その意味を知るとちょっと可哀想だったイヌタデですが、心配をよそにたくましく素直に生きて見せる雑草でした。犬蓼の誕生花や花言葉、育て方などを知ってみれば、自宅で育ててみたくなってきます。鑑賞が目的でも食べる目的であっても、イヌタデを庭先で育てて楽しんでみたいですね。
花言葉が気になる方はこちらもチェック!
当サイトではイヌタデの他にも、様々な種類の草花の情報をまとめています。草花の名前の由来や意味、花言葉や誕生花などが気になる方もチェックしてみてください。

野萱草(ノカンゾウ)の花言葉は?その植物の特徴や食用の効能もご紹介!
見れば誰もが心動かされてしまう、綺麗な外観をしたノカンゾウの花。この植物は多様な花言葉を持っていると同時に、食べても美味しく、薬としての効能...

コバンソウ(小判草)ってどんな花?気になる特徴から育て方、花言葉もご紹介!
ユラユラと風に揺れて目を引く、奇妙外見のコバンソウを知っていますか。この変な見た目が面白過ぎる雑草は、日本でも密かに観賞用としても好まれてい...