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コバンソウ(小判草)ってどんな花?気になる特徴から育て方、花言葉もご紹介!

ユラユラと風に揺れて目を引く、奇妙外見のコバンソウを知っていますか。この変な見た目が面白過ぎる雑草は、日本でも密かに観賞用としても好まれている植物です。どんな花かと気になる特徴、そして育て方や花言葉など色んな方面からコバンソウにぐいぐい迫ります。
2020年8月28日
はぐれ猫
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コバンソウとは

イネ科の植物に含まれる

特徴的な容姿を持っているコバンソウは、イネやムギなどと同じイネ科の仲間です。昔から道ばたに生えていて、世間的には普通に雑草として扱っている植物です。しかしまじまじと見たことがない人はどんな花からも知らず、改めてじっくり見ればとても珍しく感じる見た目かもしれません。

意外な活用法も

この不思議なコバンソウ、単純に鑑賞する目的だけではありません。まずコバンソウにはどんな花が咲くかと期待しつつ育てる楽しみがあります。さらに趣味の世界に活かすこともできるし、食べてしまうという意外な活用法まで。周辺のコバンソウを摘み取れば、日常を面白くすることに繋がりそうです。

コバンソウの分布

ヨーロッパ原産の温帯の植物

街なかの道ばたで普通に遭遇するので、コバンソウは日本に元からあったと思いがち。しかしコバンソウはイネと違い、ヨーロッパが原産の帰化植物でした。世界中の温暖な地域に分布する雑草で、明治時代に観賞用として持ち込まれた後、人により拡散されて今では日本中に分布するようになりました。

比較的どこにでも生える雑草

かなり生命力が強いというコバンソウは、日本の温暖な地域、暖かな季節ならばいつも何処にでも生えています。それは都市の道ばた、空き地、山林、庭先など。とても乾燥に強く、地面が乾いても生命を維持し続けます。特に日当たりの良い場所を好んで繁殖する傾向にあります。

コバンソウのサイズと葉っぱ

コバンソウのサイズ

どんな花か以前に気になるのが、葉っぱの形。イネ科の植物なだけあり、全体像はイネと近い見た目をしています。全体は綺麗な黄緑から緑色をした植物です。状況によっても育ちは違いますが、コバンソウは日当たりに恵まれ順調に大きくなると、高さ50~60cm程度まで成長することができます。

葉っぱ

温かな季節にコバンソウがぐんぐん発芽してくれば、尖っている細長い茎と葉っぱを伸ばし、真っ直ぐに空に向かって伸びる傾向があります。葉の1枚あたりの長さはそれほど大きくならず、5~10cmほど。それが複数枚、段違いに出る形です。やがて葉っぱの中から、特殊な花が付く穂を伸ばし始めます。

コバンソウの花はどんな花?

花のサイズ

春の時期から出現するテントウムシと比べてみても、コバンソウの花がとても小さいことが分かります。良く知られるてんとう虫は3~12mm程度の大きさで、特に有名なナナホシテントウは7mm程度。コバンソウの花は1個あたりが直径1~20cm程度ととても小さく、円錐花序の形で付いています。

花の構造

小穂(しょうすい)とも呼ばれるコバンソウの花は、1本の茎に数個から10個程度が実ります。何かまじまじと見てみれば、まるで緑色の昆虫のようにも見えます。花に複数付く小花は8~18個と違いがあり、どんな花になるかは運次第。稲穂に複数の米粒があるのと同様、内部に種ができる果実となります。

不思議な花の時期

この花(小穂)が付く時期は、日本の地域の機構により異なっています。おおむね日本がうだるような暑さに襲われてくる夏の季節、風にコバンソウの花が揺れている様子が見られ始めます。特に7月から9月の頃までが、コバンソウの花の見頃となるので、どんな花かを確かめてみてください。

コバンソウの意味と別名

小判に見える形状だからコバンソウ

一度聞いたら忘れられないコバンソウという名前は、そのヘンテコな見た目に関係していました。江戸時代に流通していた小判の形に似ていることが、明治時代に命名された由来です。確かに楕円形をして、横向きに連続した筋が入っているという特徴があって、小判草の名も相応しいと感じさせます。

別名タワラムギ(俵麦)

お金にまつわる小判草という名前と違い、ムギとお米に関係する別名もありました。それはタワラムギ(俵麦)。まるでお米を詰め込む米俵のような形をした麦であると、明治以降の誰かが発想したようです。それでコバンソウにはこんな別名があるのですが、小判草同様にさほど違和感がありません。


コバンソウの英名

遠くイギリスの方面では、コバンソウはBig quaking grassという名前で呼ばれます。クウェイキングは揺れているという意味で、グラスとは草のこと。要するに風によって大きく揺れている草というふうな意味があります。日本のお金を元にしているコバンソウとはかなり違った印象に感じる名称です。

コバンソウに似ている種類①ヒメコバンソウ

ヒメコバンソウとは

とても小判草に近い種類として、イネ科のヒメコバンソウ(姫小判草)のほうも知られています。これは江戸時代に欧州から入ってきた帰化植物で、スズガヤ(鈴萱・鈴茅)という別名を持っています。梅雨の季節からの野原の風物詩となっている雑草で、小判草との違いも明確に分かる種類です。

ヒメコバンソウの花と実

どんな花がヒメコバンソウに付くのかと調べてみれば、小判草とは違い小さな三角形の形状をしています。空中に複数の三角が揺れる様子は面白く、観賞用に栽培するにもおすすめな種類です。サイズがコバンソウより小さいことが、ヒメ(姫)が付いている由来となっています。

音が鳴るのでスズガヤの別名も

このヒメコバンソウ、手で振ってみればカラカラとかすかな音を立てるという特徴を持っています。それが別名でスズガヤと呼ばれる由来です。茅(萱)はイネ科の植物のことで、鈴のように音を出す茅の意味。自宅でヒメコバンソウを栽培して、耳を澄ませてみるのも風流な過ごし方になります。

コバンソウに似ている種類②大伴奏

大判草(ルナリア)とは

小判草があるなら大判草もあって然るべきと思ったら、実際にありました。大判草と呼ばれている、南方の土地を好むアブラナ科のルナリアという種類です。和名にはゴウダソウ(合田草)やギンセンソウ(銀扇草)といった呼び名もあります。大判草と言っても、近縁な種類ではなくて違いは明確です。

大判草の花

やはり種類がアブラナ科ということで、葉っぱも花もまるで違います。花は総状花序の形状で紅紫色、あるいは青色に近い、菜の花のような見た目でとても綺麗です。花の季節は4月から6月の頃で、花の時期が終わればコバンソウとはまるで異なる、大判草ならではの不思議な果実を付けます。

大判草の実

平べったくまん丸で、まるで江戸時代の大判のような大判草の果実。これは夏の季節に見られる、南方の土地の風物詩です。この実を太陽光に当てれば、コバンソウとは違い、光を受けて透けて見えるのも大判草ならではの面白さになります。大判草をドライフラワーにしたりと、自由な用途でも人気です。

コバンソウに似ている種類③ニセコバンソウ

ニセコバンソウとは

完全に瓜二つで大判草より違いもわかりにくいとされる種類が、ニセコバンソウ。小判草の偽物と名付けられてしまったこの不幸な植物は、コバンソウ同様にイネ科でスズメノチャヒキ属に含まれる雑草です。葉っぱの形状、花の形、開花の時期までも似ていて、SNSでも間違える人が多い傾向にあります。

ニセコバンソウの花

見た目はとても似ていますが、全体的にコバンソウよりも小花が鋭角になっている違いがあるので見分けが付きます。さらにトゲトゲとしたイネ科特有の芒(のぎ)を持っていることも、大きな違いです。2種類が開花する季節に採取、あるいは栽培して違いを見分けてみるのも面白そうです。

コバンソウのグルメ

イネ科なので食べられる

実際に食べている人はほとんど見かけませんが、ゴハン草にもできてしまうのがコバンソウです。それは小判草が、食べても問題ないイネ科の植物であることが大きな理由。小判みたいな不思議な果実を採取したら、炒めたり煮たりしても構いませんが、美味しいとされる無難な食べ方が天ぷらです。

天ぷらにして食べてみる

天ぷらとして食べてみるならば、コバンソウの新しく出たばかりの小穂を採取します。長い時期に渡り野ざらしになったものは、固く感じてしまうためです。そのまま天ぷらにしたり、他の野菜と合わせてかき揚げにしたら、大根おろしや塩などで食べるだけ。イネ科に特有な香りや味が楽しめます。

コバンソウの育て方①環境


育てる環境にこだわりは不要

とても生命力が強いことが良く知られるコバンソウは、日本の温暖な地域なら猛暑の時期でも比較的どこでも育ちます。庭の片隅でもよし、プランターや鉢植えでも栽培に手間のかからない雑草で、育て方は簡単な種類に含まれています。ただ良い状態で栽培するためには、それなりの条件が必要です。

20度以上の温度と日当たりを考慮

栽培して順調に発芽するためには20度以上の温度が必要とするのが、お目当てのコバンソウです。環境は自宅の庭先のどこでも良いとは言え、育て方では適度な日当たりがあることで栽培中の生育が良くなります。室内で育てるなら、日中は日の当たる場所に移動する育て方を忘れてはいけません。

コバンソウの育て方②播種から発芽後

種まきの時期

20度以上の温度になる春から秋の時期、コバンソウの種をまくのが最適です。まるで昆虫のサナギのようにも見えてしまう茶色くなった果実を割ると、黒くて細かい種が出てくるのでそれを使うだけです。季節は秋が最適であるという意見もありますが、自然の状態に合わせて春もおすすめです。

水はほどほど

種まきをしてから水をたっぷりやると、1週間程度でコバンソウの若芽が出てきます。発芽後は水やりは適量にして、それほどこだわる必要がありません。元々乾燥した土地に育つ雑草なので、栽培では大きくなってきたら水を制限することもできます。大きくする育て方なら、追肥するのもおすすめです。

間引きが大切

栽培では新芽が大きくなってきた時期を見はからい、間引きをしておく育て方も重要です。これは栽培中にあまりにもコバンソウが密集することによって、日が当たりにくくなることを避ける意味で重要なこと。コバンソウ同士の間隔を適度に開けて、太陽を十分当ててあげてください。

コバンソウの花言葉とは?

コバンソウの花言葉の多くは欧州製

もともとヨーロッパ方面に原産地があった不思議なコバンソウなので、多くの花言葉は西洋に由来していました。19世紀にはすでにあったその花言葉の文化は、明治時代に日本に導入されてから一挙に広まりました。コバンソウの花言葉がどんなものなのか、その姿から想像してみてください。

5つの花言葉

こんな奇妙過ぎる花を付けるコバンソウだから、その花言葉も見た目に関係しています。明治時代以降の日本では、コバンソウの5つの花言葉が知られるようになりました。その種類はどういうわけか、心模様に関係するものが多いようですが、見た目同様に不思議な種類も存在しています。

コバンソウの花言葉①心模様に関するもの

熱心な議論

1本あたりのコバンソウには花が複数個付いていますが、それはいつも風が吹けばぶらぶらと絶え間なく揺れています。その姿がまるで議論をしているかのように見えてしまうのが、小判草の熱心な議論という花言葉の由来になりました。風が強ければ強いほど、花の議論も白熱しているのかもしれませんよ。

興奮

そうした熱心な議論を日常的に巻き起こさせているコバンソウには、別の心の高ぶりを表す花言葉もありました。それが「興奮」。初めてコバンソウを目にした人は、何だこれはと興奮して手にとってしまいがちな植物です。風に揺れる議論の興奮と発見の興奮、両方の意味合いを感じさせてくれます。

心を揺さぶる

見れば吹き付ける風によって揺れ動くコバンソウは、見る者の心を動かしてしまうようです。それがコバンソウの花言葉の由来であり、誰もが納得できるところがあります。夏の時期だけの儚くて小さな存在なのに、他と違いが顕著な見た目があるだけで、人の心を揺さぶってしまうものなのですね。

素朴な心

見た目からどこか素朴な印象を漂わせている、コバンソウ。だから熱心や興奮といった気持ち高ぶる表現の他にも、素朴な心という違う花言葉も持っています。コバンソウを手にして花飾りを作れば、ぼーっとたたずむカピバラのように、素朴な印象を持った作品ができあがるに違いなさそうです。

コバンソウの花言葉②お金に関するもの

金満家


ところでコバンソウには、心模様とは全く異なる種類の花言葉もありました。それが「金満家」。大金持ちや大富豪を表す言葉ですが、どうして素朴なコバンソウに金満家が付いているのか不思議です。実はこれには、日本で独自に付けられた名称と外見が関係しているようです。

金満家の由来とは

昔から日本のコバンソウは、小判に関連付けられた経緯がありました。さらに別名のタワラムギ(俵麦)も、お金代わりになった米俵の年貢米に通じます。コバンソウはお金になる小判や米俵をいっぱい付けたような姿なので、金運アップのご利益にあやかり、花言葉が金満家になったようです。

コバンソウの花言葉に相応しい生け花

生け花として好まれてきた

他のどんな植物とも異なる特徴を持つコバンソウは、栽培同様に生け花として利用することも好まれて来ました。夏から秋の季節にかけて結実するコバンソウの花(小穂)が、生け花のお目当て。使ってみれば、花言葉の「心を揺さぶる」ような生け花になること間違いなしです。

主役とするか脇役とするか

単純に1種類だけにこだわって、コバンソウを主役にした生け花にもできます。その場合には一風変わった生け花となって、空間を飾り付けられます。またはコバンソウを色々な植物と混成して、生け花にすることもできます。どんな花と合わせても、心を揺さぶる不思議な存在として役立ってくれそうです。

コバンソウの花言葉に相応しい花飾り

色んな花飾りが作れる

特殊な外見のコバンソウを利用して、色んな花飾りが作れるのはご存知でしたか?花言葉のように「熱心な議論」をしてドライフラワーにするも良し、欧州から日本に伝わった、スワッグやリースを作ることも自在。コバンソウの咲く季節だけでなく、冬のクリスマスの時期まで使える飾りをご紹介です。

コバンソウのスワッグ

古くから欧州で魔除けにも使われたスワッグは、クリスマスの飾りにも相応しいもの。スワッグに揺れるコバンソウを使ってみることで、飾り付けに変化を付けられます。スワッグはドライフラワーでも生花でも構わず、一度作り上げたら壁や厳寒に一年中飾り付ければ心を揺さぶる魅力を発揮します。

コバンソウのリース

一方でコバンソウを、クリスマス飾りとして好まれるリースに作り上げることもできます。リースは元々古代ローマやギリシャで用いられた、権威の象徴や魔除け的な飾りでした。コバンソウを使ってみれば、花言葉のように心を揺さぶると同時に、金運上昇のご利益も感じられるアイテムになります。

コバンソウで癒やされよう

育て方の実践や花飾りを始めて

道ばたで見つけられるコバンソウが、なかなかおもしろい草花であることが分かってきました。どんな花か調べてみれば、対局に位置する大判草、ニセ者の草なども登場してきて、素敵な花言葉にも出会うことができました。適切な時期に育て方を実践したり、花飾りでも楽しんでみたいですね。

季節ごとの草花が気になる方はこちらもチェック!

当サイトでは栽培も楽しいコバンソウの他にも、色んな季節ごとに花を咲かせる植物の情報をまとめています。どんな花が咲くのか気になる道ばたの雑草や、花言葉が知りたい草花があればチェックしてみてください。