ハエトリグサって?食虫植物の捕食の仕組みや室内での育て方を解説!のイメージ

ハエトリグサって?食虫植物の捕食の仕組みや室内での育て方を解説!

トゲトゲの口でガブリと虫を食らう、ハエトリグサを観賞したことはありますか?植物なのに動物的な動きを見せるこの食虫植物は、不思議な進化をした生態を持っています。ハエトリグサがどうやって捕食するのか、室内でどう育てるのかなどの基本をお伝えします。

2019年05月19日更新

はぐれ猫
はぐれ猫
都会から離れた田舎で暮らす、はぐれ猫です。幼少時から地理が好きという特徴も活かしつつ、キャンプやトラベルスポットの紹介が得意分野です。しかし身近なDIY等含め、興味深い話題の紹介も怠りません。
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目次

  1. ハエトリグサとは
  2. ハエトリグサの文化
  3. ハエトリグサの種類
  4. ハエトリグサの構造
  5. ハエトリグサの捕食
  6. ハエトリグサの花と種
  7. ハエトリグサの育て方①環境
  8. ハエトリグサの育て方②エサ
  9. ハエトリグサの育て方③繁殖
  10. ハエトリグサを育ててみよう

ハエトリグサとは

代表的な動く食虫植物

地中の球根から独特な葉を伸ばしているハエトリグサは、数ある食虫植物の中では誰もが知ってる代表格。珍しく動物の口のような動きを見せ、その挙げ句に虫を捕食してしまったり。植物の世界にあって特別な生態を持つことが、誰もが興味を引かれてしまう理由です。

モウセンゴケから進化したとされる

ヘンテコに進化を遂げた様子はとても謎めいていますが、今の所ハエトリグサのオリジナルになったのは、モウセンゴケだとの仮説が有力です。実際モウセンゴケも葉に罠を有する食虫植物であり、葉から飛び出た無数の捕食毛を動かせる仕組みを持つ種類が存在しているためです。

原産地はアメリカ東部

この奇妙を地で行く植物は、一体何処に自生しているのだろうと気になります。ハエトリグサは日本の山には自生しておらず、その出身地はアメリカ合衆国の東海岸。ノースカロライナとサウスカロライナの2州にまたがります。湿地帯に自生する種類で、その貴重さから湿地は自然保護区となっています。

品種の寿命

一度入手ができたなら、寿命をできるだけ伸ばしてあげたいのがハエトリグサ。その葉っぱの寿命は1年ほどであり、虫を2~3回捕らえることでも寿命を迎えます。ただ栽培中も地中の球根は何年も寿命を保っているため、一度購入すれば室内で長期間育てたり、繁殖するのも容易な植物です。

ハエトリグサの文化

ハエトリグサの別名

ちょっと漢字を使ってみれば、単純に蝿取り草になります。しかしこれには2つの呼び方があり、1つはハエトリグサ、もう1つがハエトリソウで、後者の呼び名もかなり一般的です。また、一度入ったら出られない地獄のような植物なので、ハエジゴクという恐ろしげな別名を使う人もいます。

女神のまつ毛

その一方で原産地のアメリカでは、女神に例えられた名称が付いています。その名もvenus flytrap。「女神の蝿罠」の意味で、日本でハエトリグサと呼ばれるのはこの名が元です。葉のトゲトゲな形状が女神のまつ毛と呼ばれる所以ですが、魔物的な食虫植物が女神とはなにか奇妙な表現です。

ハエトリグサの花言葉

近頃は育てる植物の花言葉を元にして、相性を考える人も多くなってきました。気になるハエトリグサに付いている花言葉は、魔性の愛、そして嘘。地獄的な食虫植物が女神のまつげに例えられることで、花言葉は魔性の愛が当てられたようです。嘘のほうは、虫を食べてしまう嘘みたいな姿からでしょうか。

ハエトリグサの種類

品種改良で15種以上

発見されて以来研究されてきたハエトリグサは、年を経るごとに品種改良を重ねて種類を増やしてきました。本国アメリカでは見た目や色の違う、15種類以上ものハエトリグサが登場しています。現在はアメリカで輸出が禁止されていますが、日本では以前に輸入された種類ならば、入手が可能です。

代表品種のマスシプラ

ひと昔前からのクラシックな品種といえば、マスシプラが挙げられます。この種類のハエトリグサは日本ではよく販売されていて、全体の緑色を基本に、捕食器の中は赤みがかった色合いが付いています。アメリカではこの品種から、様々な別のハエトリグサが誕生するに至りました。

ハエトリグサの種類の例

【緑系】マスシプラ、ホエール
【緑+赤系】シャークティース、カップトラップ
【紫系】ティオネアマスシプラ
【赤系】レッドピラニア、エンジェルウイング
【白系】グレートホワイト
(マスシプラ、ティオネア以外のほとんどは、日本での購入が違法・不可)

ハエトリグサの構造

葉っぱが捕食器に進化

もっと詳しく、この食虫植物の特徴である捕食器の仕組みを見てみます。ハエトリグサが虫を捕える機能は、元々モウセンゴケのような形状だったと見られます。長い年月を経て、2枚貝のように左右から挟み込める形状に進化したという説です。捕食器のトゲトゲは、捕まえた虫を逃さないための仕組みです。

捕食器の構造

いつも花言葉とは裏腹に虫を食らう、捕食器の内部も植物としては珍しい構造です。感覚毛という敏感なセンサーが何本か生えていて、捕食器の全体には、消化液を分泌するための目に見えない無数の穴が空いています。普通の植物よりも、1歩も2歩も動物的な構造を有しているのです。

球根状の根っこ

土を掘って確認をしてみたいのが、ハエトリグサの球根部分です。見ればらっきょうのような形状をしていますが、球根は栄養を蓄えたり、新たな葉っぱを伸ばしたり、新たな球根を作ったり花茎を伸ばして繁殖する場所。生命を持続するため、あらゆる役割を担っている一番の要所です。

ハエトリグサの捕食

感覚毛に触れると0.5秒で閉じる

どうして動物のように開閉できる仕組みを生み出したのかは、不思議のど真ん中です。実は捕食器に付いている感覚毛が、捕食器の開閉スイッチとして機能しています。ハエトリグサの感覚毛は、2回触れることで閉じる仕組みです。その閉じるスピードは0.5秒で、入り込んだ虫の殆どは脱出不能となります。

捕食器に虫を捕らえる動画

ここで実際にハエトリグサがどんな動きを見せるのか、動画での確認をしてみます。花言葉を知らない昆虫たちは、後の惨劇も知らずに捕食器の上にやってきます。すると感覚毛が反応して、口が両側からぱっくり。虫が罠に気づいても、既に手遅れな場合が多いようです。

消化液で分解する

まんまと捕獲に成功してスマイルを浮かべるハエトリグサは、徐々に分泌口から消化液を垂れ流し始めます。昆虫には粘液となった消化液がまとわりつき、もがくうちに体力を失って死ぬか、消化液による窒息死の運命をたどります。その溶かした栄養素を、捕食器の管から地下の球根に流し込む仕組みです。

ハエトリグサの花と種

球根から伸びる花茎

寒い冬を越したハエトリグサは、やがて春を迎えると球根から捕食器と異なる形状の花茎を伸ばし始めます。ぐんぐんと高くまで伸びると、5月から7月の頃にかけ、花茎1本につき1輪の花を咲かせます。その花は蝿地獄の名に似つかわしくないほど可憐で、何故か白い梅の花に良く似ています。

花は実となり種となる

いったん開いた花が受粉をすれば、そこには昆虫を養分としている、丸々とした実を付け始めます。ハエトリグサの果実はとても小さいですが、中には無数のゴマ粒のような黒い種が詰まっています。果実は枯れると四方へと開いて行く仕組みがあり、やがて種をてっぺんに並べたような姿になります。

ハエトリグサの育て方①環境

最適な土壌

どんな植物を育むにしても、最も肝心なのが土壌です。花言葉のようにハエトリグサの育て方に魔性の愛を発揮するなら、手始めに土の準備から始めます。初心者からも扱いやすく、ハエトリグサも好んでいるのはピートモス。この土を元にして、乾燥ミズゴケや籾殻を混ぜることで下地作りをします。

水を切らさない

本来の生息地が湿地帯であることから、ハエトリグサは水分を好む性質があります。そのため室内屋外問わず寿命を伸ばして育てる場合には、毎日水を切らさないことが大切です。じょうろでの水やりは勿論のこと、外出中の乾燥を防ぐ場合は、鉢を置く受け皿に水を蓄えておくことが効果的です。

冬は休眠が必要

一年じゅう室内でハエトリグサを育てることには、若干無理が出てきます。それは本来の生息地では厳しい冬を乗り越える植物であり、冬に温かい室内に置くことで枯れてしまうからです。寿命を延ばす育て方では、気温が下がってきたら、低温下に置くことを実践してみてください。

花茎の伸びで衰える

茎が伸びて高さが出れば、威勢が良いと考えてしまいがち。しかしハエトリグサの場合には、あまりに茎が伸びすぎていると、いずれ衰える可能性を高めるだけです。養分や水分の移動をするのに、茎が長いことで余計な体力を使うからです。長過ぎる茎は、根本から排除することで長寿命に繋げます。

ハエトリグサの適切な環境まとめ

【鉢】全体が深くないタイプ
【受け皿】水を溜められる深手タイプ
【土壌】ピートモス+乾燥ミズゴケ+籾殻+
【水】水やり、受け皿の水(湿地をイメージ)
【春~秋の気温】室内は10~30度台
【冬】寒い場所で休眠

ハエトリグサの育て方②エサ

エサにはタンパク質を選ぶ

室内での育て方で、特筆ものな楽しみがハエトリグサのお食事タイム。植物にご飯を与えるので、まるでペットを飼っている気分です。ハエトリグサが好むごはんは、基本的にはタンパク質。これは昆虫の主成分であり、自宅付近で虫を捕まえて食べさせて良し、またはチーズなど食品を与えるのも可能です。

与えるエサに注意

気を使わなければいけない要素となるのが、ハエトリグサに与える食べ物の種類です。与える種類によっては育て方が上手く行きません。大きすぎる昆虫、蟻酸を発生させる蟻は、枯れる原因です。また、タンパク質だからと、ソーセージなどの肉類を無闇に与えてしまうのも枯死を招きます。

ハエトリグサの適切なエサまとめ

【道具】割り箸、ピンセット
【エサ(タンパク質)】小型の昆虫(甲殻類、蝶類、みみず、幼虫)、チーズ
【禁止】大きすぎる虫、蟻、肉類

ハエトリグサの育て方③繁殖

2つの繁殖方法

まだ生まれたての小さな頃のハエトリグサは、繁殖する能力を備えてはいません。ハエトリグサが繁殖できる親株となるまでは、数年も大切に大きくする必要があります。繁殖方法は2種類です。ひとつは球根から株を分けて増やす方法、もう一つが種子を採取してからの発芽させる方法です。

球根から株分けで繁殖

数年ものを掘り起こしてみれば、最初は1つだった球根も2つ3つと増えています。これを分けて別の鉢に移し替えるだけなので、株分け方法はとても簡単です。健全な育て方をしたハエトリグサならば、新たな球根は1年ごとに採取できるようになります。

種子からの繁殖

花茎の花が受粉して小さく真っ黒な種が出来たなら、そこからハエトリグサの繁殖を試みる楽しみがあります。先程のピートモスを主体とする栽培用土に種を埋め、水やりを欠かさないようにすると発芽します。小さいハエトリグサには光合成が大切で、小さな捕食器に合わせたごはんやりも必要です。

ハエトリグサを育ててみよう

一株からの繁殖も目指して

虫を捕まえてしまうハエトリグサは、その魔物とすら思わせる独特な生態が魅力に感じられる植物でした。日本で見つけられる品種は10種未満とは言え、不思議な捕食器を持つ生態は、花言葉が表すように、育てる人の心までも捕えて放しません。育てるなら複数の品種の繁殖までもこだわってみたいですね。

変な植物が気になる方はこちらもチェック!

当サイトでは害虫を食べるハエトリグサの他にも、奇妙な生態を持つ植物の情報をまとめています。変な植物のことを知りたい方もチェックしてみてください。

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