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サラセニアの育て方は?人気食虫植物の増やし方や冬越し方法をご紹介!

サラセニアは食虫植物のひとつ。筒状の葉っぱのなかに昆虫を捉えます。サラセニアは食虫植物のなかでも日本の寒さに強く育てやすいもので、初心者さんにもおすすめです。サラセニアの種類、育て方や株分けなどの増やし方をご紹介いたします。
2020年8月27日
Yukari.S
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サラセニアってどんな植物?

サラセニアは、カナダやアメリカを原産とする多年草で、草丈は15~80センチくらいです。冬には枯れたように地上部がなくなりますが、寒さに強く春になるとまたワサワサと新しい芽を出します。では、サラセニアの種類や育て方のコツを見ていきましょう。

サラセニアは食虫植物

サラセニアは食虫植物のひとつです。食虫植物とは、名前のとおり植物でありながら昆虫をとらえてその栄養分を取り込む性質を持っています。虫を捉えるという特徴と独特の見た目から好みが分かれるところですが、一度とりこになるとその面白さにどんどんのめりこんでいく方も多いそうです。

昆虫を捉えて離さない仕組みとは?

サラセニアは、春と秋に捕虫葉を伸ばし昆虫を呼び寄せます。捕虫葉は筒状になっているうえ、びっしり細かい毛が下向きに生えていて、ひとたび昆虫が入り込むと二度と出られないようになっています。なんだか大蛇が獲物を待ち構えているようにも見え、苦手な方もいるようです。昆虫にとってはまるで地獄のようでもあります。捕虫葉の底では消化酵素液が分泌されており、捉えた昆虫の栄養成分を消化吸収する仕組みです。植物のような動物のようなとても面白い特徴を持つ食虫植物にとりこになる方も多く、なかでもサラセニアは比較的育てやすいので愛好家から大変人気があります。

育てるのに虫が必要?

食虫植物と聞くと、育てるのに虫をとって与えなくてはならないのではと思う方もいらっしゃるでしょう。ですが、サラセニアには虫を与える必要はありません。逆に虫を人工的に与えてしまうと、消化するのにパワーを使い果たして株が枯れる要因となります。また消化しきれなかった虫が葉っぱのなかで腐って病気を引き起こすこともありますので、自然のままにしておくのがベストです。虫を食べているところを見たい、という興味心がわくかも知れませんが、あくまで植物なので動物のようにむしゃむしゃと食べるわけではなく、とてもゆっくりと虫の成分を吸い取っていくので、残念ながら見ていてもそれほど変化のあるものではありません。

サラセニアの花の特徴

サラセニアの花の咲く時期は春から夏にかけてです。種類によって花色はさまざまで、赤やピンク、黄色などがあります。春になると葉っぱのなかからすっと長い花茎が立ちあがりその先に面白い花を咲かせます。サラセニアの花はやや下向きに傾いて咲く特徴があり、花びらは5枚です。

めしべが独特の形

サラセニアにはたくさんのおしべと5本のめしべがあり、めしべのそれぞれの先が5つに分かれて反り返ります。昆虫が花のなかから外に出るときに、必ず花粉がつくような形になっています。

 

サラセニアの葉の特徴

サラセニアの葉っぱの色は、落ち着いたグリーン色です。サラセニアは根もとからたくさんの葉を出します。葉っぱの形は筒状で、先が少し広がっているため昆虫が入りやすい仕組みです。葉っぱの内側にはたくさんの細かい毛が生えていて、昆虫の脱出を阻止します。葉っぱは昆虫を捉えて栄養成分を吸収するだけではなく、通常の植物と同じく光合成の役割も担います。

サラセニアの基本データ

科名属名

サラセニア科ヘイシソウ属(サラセニア属)

学名

Sarracenia L

和名

サラセニア


別名

へいしそう

英名

pitcher plant

原産国

アメリカ、カナダ

サラセニアの花言葉

サラセニアには2つの花言葉があり、いずれも花姿や特徴からイメージされたものです。

花言葉1・風変わり

サラセニアの草姿や花姿はとても面白く、通常のよくある植物とは一線を画したような独特の形をしています。そんな特徴から、「風変わり」という花言葉がつけられました。

花言葉2・憩い

食虫植物であるサラセニアの筒のような葉っぱのなかをのぞくと、昆虫が捉えられているようすを見ることができます。一見すると昆虫たちのまるで憩いの場のような雰囲気にも見えることから、「憩い」という花言葉がつけられています。とは言え、昆虫たちはサラセニアから出る消化酵素液により栄養成分を吸われてしまう運命にあるので、なんとも言えない花言葉でもあります。

サラセニアの種類

サラセニアは、種類により花色が異なるため雰囲気がかなり変わります。日本で出回っているいくつかのおすすめの種類をご紹介いたします。

種類1・アラタ

アラタは、黄緑色と赤色のコントラストが美しい種類です。きれいな赤色に吸い込まれるように昆虫がやってくると思うと、なんだかこわいような美しさです。

種類2・レウコフィラ

紫の地色に白い点模様がはいるレウコフィラ。落ち着いたカラーでお部屋に飾りやすく人気のある品種です。

種類3・エヴァ

エヴァは、花も葉っぱもよく似た黄緑色をしています。どこから葉っぱでどこから花が近くでよく見ないと分からず、一見すると観葉植物のような雰囲気です。明るい黄緑色なので、一鉢置いておくと周りがぱっと明るくなります。

種類4・マルーン


マルーンは、オレンジのような紫のような微妙なカラーが印象的なお花を咲かせます。耐寒性があり冬に強いサラセニアですが、このオレンジ色の花だけ見ているとまるで南国の植物のようでもあり、とらえようのないところがまた魅力とも言えます。

サラセニアの育て方1・土作り

水はけと水持ちのよい土壌を好みます。小粒の赤玉土にピートモスなどを混ぜ込んで水はけがよくなるよう工夫しましょう。また、土を使わず水苔で育てることもできます。水苔で育てる場合は、植え付ける前に水苔を水にひたして絞っておきましょう。

サラセニアの育て方2・肥料

肥料を施す必要はありません。逆に肥料を与えると根にあたり株が弱る、枯れるということもあります。また、食虫植物なので虫を与えねば、と思う方もいらっしゃるかと思いますが、わざわざ虫を与える必要もありません。

サラセニアの育て方3・水やり

アメリカやカナダの湿地地域に自生する植物であるため、いつもほんのりと湿った環境を好みます。鉢植えにして水を絶やさないように育てるのがベストです。鉢の底にお皿を敷いておきいつでもお皿に水がたまっている状態にしておくとよいでしょう。

冬越しのあいだも水やりを忘れずに

冬のあいだ、地上部の葉っぱがなくなり枯れたようになっていますが、地中の根っこはしっかり生きています。冬越しのあいだも水やりを忘れないように注意しましょう。ただし冬越しのあいだは、春から秋の成長時期よりも少し水やりを少なめにしてもよいでしょう。

サラセニアの育て方4・場所

日当たりのよい風通しのよい環境を好む植物です。

冬越しは簡単

南国の植物のようにも見えますが、寒さには強いので冬越しにはそれほど気を使わなくても大丈夫でしょう。たとえば土がちょっと凍るような場所でも、地中の根っこは生きていて冬越しできます。心配な場合は、鉢植えにしたものを冬のあいだ、少し暖かいところに取り込んで冬越しさせるとより安心です。

サラセニアの育て方5・植え付け

植え付けに適した時期は、12~2月の休眠時期です。鉢に土もしくは水苔を入れたものに植え付けます。植え付けた苗がしっかり根付くまで、直射日光のあたらない風通しのよいところで管理しながら、水やりを続けましょう。

サラセニアの育て方6・植え替え

植え替えに適した時期は、植え付けと同じく12~2月の休眠時期です。成長スピードが比較的早い植物なので、鉢植えの場合ずっと同じ鉢で育てていると根津真理を起こして枯れることがあります。2年に1度の割合で植え替えをしましょう。これまでよりひとまわり大きな鉢を準備して、土もしくは水苔を入れます。植え替えたい株を鉢からぽこんと取り出し、新しい鉢に植え替えます。植え替えた株がしっかり根付くまで、直射日光のあたらない風通しのよいところで管理しましょう。なお、大きく育っている株は植え替えのときに一緒に株分けをすると便利です。

サラセニアの育て方7・剪定

剪定に適した時期は、12~2月の休眠時期です。栽培している株を観察しながら、枯れている葉っぱを切り取って剪定します。葉っぱは毎年春になると新しく出てきますのでしっかり取り除いても大丈夫です。じめじめとした環境を好む植物なのですが、このじめじめとした環境というのは病害虫が発生しやすくなる環境でもあります。汚い葉っぱを取り除いて、風通しよくすることで病気や害虫で枯れることを防げます。

サラセニアの育て方8・病気


ウィルス病

ウイルス病は、病原菌を要因とする病気で、モザイク病・萎縮病・黄化病などの種類があります。葉っぱがねじれて正しい形で育たない、枯れるという場合ウィルス病を疑います。残念ながらウィルス病に一度かかってしまうと治す方法はありません。放置しておくとほかの周りの植物に移る可能性もありますので、ウィルス病にかかった株はすみやかに処分するよりほかありません。
 

サラセニアの育て方9・害虫

アブラムシ

アブラムシは、春から秋にかけての暖かい時期に発生し、数ミリという小さくグリーン色の害虫です。野菜や果物、お花、観葉植物などあらゆる種類の植物に寄生して、植物の栄養成分を吸い取ってしまいます。アブラムシが栄養成分を吸い取ったところは白っぽく変色します。一匹や二匹のアブラムシで株がただちに枯れる、ということは少ないのですが、アブラムシは多量に発生して群生する特徴があるので要注意。発生に気づかず放置していると成長点をやられて枯れることもあります。アブラムシを見つけたらただちに駆除しましょう。

ハダニ

ハダニは、目で見えるか見えないかというくらいの小さな害虫です。しかも植物の葉っぱの裏など分かりにくいところに寄生することが多いので気を付けましょう。ハダニは群生することが多く、植物の栄養成分を吸い取ってしまいます。大きく育った株がハダニの攻撃で一気に枯れるということは少ないですが、幼苗や植え替えたばかりの株などは枯れることもあります。こまめにチェックしながら、ハダニを見つけたらただちに駆除しましょう。

サラセニアの増やし方1・種まき

増やし方のひとつめは種まきです。種まきによる増やし方に適した時期は、12~翌4月ごろです。冬の寒さを感じることで発芽しやすい性質があるので、低温処理をおこなうのが種まきによる増やし方のポイントとなります。種まきする1カ月くらい前に水で軽く濡らした種を冷蔵庫で保存してから、種まきをしましょう。種まき用の土を入れた育苗ポットや鉢に種まきして、軽く土をかぶせます。日当たりのよい風通しのよいところで管理しながら、乾燥しないように水やりをこまめに続けていると芽が出てきます。

サラセニアの増やし方2・株分け

増やし方のふたつめは株分けです。株分けによる増やし方に適した時期は、12~翌2月ごろです。育てている株が大きく育ち群生してきたら株分けによる増やし方にチャレンジしてみましょう。株を土からすぽんと抜き取ったら、根っこを手や剪定ばさみなどで株分けします。株分けしたそれぞれの株を新しい鉢に植え替えましょう。植え替えたそれぞれの株がしっかり根付くまで、日当たりのよい風通しのよいところで管理しながら、乾燥しないように水やりを続けましょう。

サラセニアを育てて食虫植物の世界を覗いてみよう

昆虫を見事に捉えて栄養成分を吸い取る食虫植物。植物でありながらまるで動物のようでもあり、実に興味深い生き物です。なかでもサラセニアは、日本の冬の寒さに強く育てやすい食虫植物です。春から夏にかけて咲くお花が鮮やかで南国の雰囲気を味わえるのも楽しいところ。サラセニアを育てて、食虫植物デビューしてみませんか。面白い食虫植物の世界のとりこになってしまうかも知れません。

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