テントがベタつく現象「加水分解」とは?その予防方法と対処方法を徹底解説!のイメージ

テントがベタつく現象「加水分解」とは?その予防方法と対処方法を徹底解説!

数十年ぶりにキャンプに行こうと古いテントを出してみてた薄皮のようなものが剥がれたり、テントの生地がくっついて広げられなくなることは多々あります。こうしたトラブルは加水分解が原因です。やっかいな加水分解とはなんなのか紹介します。

2020年05月06日更新

桜餅
桜餅
キャンプに関する記事が多いですが植物を育てることも好きです。簡単なDIYも好きです。よろしくおねがいします。
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目次

  1. 加水分解とは
  2. テントの加水分解の症状1
  3. テントの加水分解の症状2
  4. テントの加水分解の症状3
  5. テントの加水分解の症状4
  6. テントの加水分解の原因
  7. テントの加水分解の対処・修理方法とは
  8. テントの加水分解の対処方法1
  9. テントの加水分解の対処方法2
  10. テントの加水分解の予防方法とは
  11. テントの加水分解の予防方法1
  12. テントの加水分解の予防方法2
  13. 加水分解を起こさないテント1
  14. 加水分解を起こさないテント2
  15. テントの加水分解のまとめ

加水分解とは

いろいろな不具合がでる症状

簡単に言うと加水分解とはテントなどにいろいろな不具合がでることです。テントではポリウレタンの劣化ですが、化学物質と水による反応のため消しゴム、スニーカーのソールなどいろいろなもので加水分解が発生します。靴下のゴムが反応すると、簡単にちぎれやすくなり、スニーカーはソールが割れやすくなります。テントだとポリウレタンが使われている部分すべての場所に発生して臭いやベタつき、白っぽくなるなどの症状が出ますよ。

加水分解は「劣化」

読んで字のごとく水が加わり分解されることです。つまりポリウレタンの劣化されるということです。何年も使わないテントも劣化し、たった数年でもテントでも扱いが悪いと劣化します。スニーカーのソールが割れる、黄ばむ、消しゴムがベタつく、黄ばむという症状もすべて一種の劣化です。

ポリウレタンとは

Photo byyongxinz

ポリウレタンとはPUコーティングのことです。PUコーティングは、現在発売されているポリエステルなどの化学繊維を使ったすべてのテントで使われているようなスタンダードな加工になります。つまりほぼ全てのテントで加水分解が発生するようになっています。PUコーティングが悪いのではなく劣化の一種と捉えて付き合っていくようにしましょう。しっかりテントをメンテナンスするとPUコーティングでも何年も使えますよ。

テントの加水分解の症状1

ベタつき

フライシートの内側に施されているポリウレタンが加水分解を起こすと一番起きやすい症状がベタつきです。通常テントの生地はサラサラ、すべすべしていて手に違和感がのこるような質感ではありません。初期の加水分解でも違和感が出る程度にベタつきますよ。少しベタつくだけならまだ劣化が始まったばかりですが、なんの対策もしないと、どんどんベタつきはじめ使い物にならなくなります。

症状が進むと

非常にベタつき生地を広げるときに生地同士がくっついてしまい設営できなくなります。テントの加水分解として紹介していますが、タープもポリウレタンでコーティングされているので同じような症状が起きます。くっついった生地を無理に引き離すと生地がやぶれたりコーティングがあっさり剥げてしまい、雨が簡単に内側に染み込んできて雨避けに使えなくなりますよ。テントやタープの生地はコーティングがないと水が染みやすいです。

テントの加水分解の症状2

シームテープの剥離

ポリウレタンのコーティングだけが劣化していくわけではありません。縫い目に張られている防水テープ「シームテープ」も同じように劣化していき、簡単に剥がれ落ちるようになってきます。一気に綺麗に剥がれると張り替えやすいのですが、加水分解による劣化はどこで起きるか分からないため張り替えようとしても、劣化が進んでいない場所はきちんと張り付いていて剥がしにくいです。シームテープがないと縫い目から水が染みますよ。

症状が進むと

何年も使っていないテントを設営してみると、シームテープがすでに剥がれて垂れ下がっているということもあります。粘着力を失い自然とたれさがってくるほど劣化しているということはフライシートもベタつきを起こしている可能性が高いです。広げるときにペリペリと音がするような場合は、加水分解が起きている状態と言えますよ。

テントの加水分解の症状3

シミや臭い

アルミクッカーを米の研ぎ汁でシーズニングしたかのように、白いシミのようなものがはっきりできるようになります。シーズニングはメリットがありますが、残念ながら加水分解はただの劣化のためデメリットしかありません。仮にベタつきの症状がなかったとしても白い汚れは非常に目立ちます。また初期の軽いベタつきよりも分解が進行していると、臭いが発生します。化学物質が劣化した臭いとなるのであまりいいものではないでしょう。

症状が進むと

ベタつき、テープの剥げ、臭いや白い汚れが目立つ状態まで症状が進んでいると、同しようもない状態です。ベタつきを取り除く対処方法などはありますが、完全にもとに戻す方法はありません。特に思い入れがない、他のテントでもいいという方は買い替え時となるでしょう。何年も放置していたり、何年もメンテナンスをしなかった場合は短いスパンで買い替えとなりMSRやスノーピークのような人気ブランドでもコスパが悪くなります。

テントの加水分解の症状4

耐水圧が0に

Photo by zunsanzunsan

ポリウレタン、シームテープが悪くなるということで最終的には耐水圧が0mm、雨に対して何の対処もできない状態になります。ポリエステルなどの素材はテントでよく使われていますが、ポリエステル自体が水に強いというわけではなく表面にある撥水加工、内側のポリウレタンで水が染み込まないようにしているだけです。劣化して防水加工がなくなるといとも簡単に内部に水が染み込みますよ。

シームテープだけしか張り替えられない

剥がれたシームテープは張替えできますが、剥がれたポリウレタンを修理するのは不可能です。シームテープだけでは水を防げません。素材に関係なくポリウレタンが完全に剥がれたら買い替え時となります。

テントの加水分解の原因

ポリウレタンを悪くする水分とは

Photo byanaterate

水が加水分解の原因ですが、具体的にどんな水が劣化を起こすのか紹介していきますね。キャンプでは水分を100%防ぐというのはできません。地面からの湿気、人間の呼吸に含まれる水分、空気中の水分、雨など至るところに水分があります。またキャンプ中だけではなく家に帰ってテントを保管しているときも空気中の水分、湿度というのは必ず影響してきますよ。どんなに頑張っても何年かすると水分による影響が出始めるものです。

濡れなくても起きる

結露や雨で直接裏側が濡れなくても高温多湿な日本では空気中の水分でも分解が始まると言われています。雨キャンプも人気ですが、同じテントを何年も使いたいという方は湿度が多い日にキャンプしないほうがいいでしょう。

テントの加水分解の対処・修理方法とは

修理は不可能

Photo bystevepb

結論から言うとコーティングが悪くなると修理は不可能です。後から修理できるならさほど驚異ではないのですが完全な修理はできず、メーカーの保証からも対象外になっていることが多いです。有償の修理でも断られるケースが多いでしょう。ノースフェイスやDODなどテントを発売している会社が修理できないような現象のためうまく付き合っていくしかないです。

対処方法はある

修理はできませんが、ベタつきを取り除くという対処方法はあります。対処方法はありますが、防水機能が完全にもとに戻るわけではありません。対処すると何年も使えるというわけでもないため買い換えるべきかよく考えて対処してくださいね。注意点は対処方法と共に紹介しますが、自分で行う場合は、コーティングをすべて落とすことになるので最終手段となります。

テントの加水分解の対処方法1

専用のサービスを利用する

Photo by Dr.Colossus

コーティングが悪くなったことで発生するべたつきを取り除く専用のサービスがあります。自分で処理してもいいですが、専用のサービスでも取り除けない場合やひどすぎて断られた場合など最終手段として自分で対処しましょう。べたつきを取り除くサービスとは、一般的なテントクリーニングのサービスとは異なり加水分解によるベタつきや臭いの軽減をしてくれますよ。素材にもよりますが、ベタつきに対して効果は高く人気です。

おすすめサービス

Photo bypdrhenrique

クリーニングの中にはオプションとして臭いやベタつき軽減加工というものをしている会社もあります。これにより多少良くなることが知られています。いろいろなクリーニング店があるなかで、ベタつき専用のサービスを展開しているのがきたじょう工房です。ブログなどでも名前が挙がる有名なサービスとなります。MOSSなどの古いテントを愛用しているという方からリピーターが多い実績のある会社ですよ。

きたじょう工房

テントの加水分解の対処方法2

すべて自分でする方法

自分でする方法を紹介します。修理はできないとされていますが、一度コーティングを落として再度自分でコーティングをするという方法があります。完璧な修理にはなりませんが、コーティングを落とすのでベタつきなども綺麗に落とせます。注意してほしいのはコーティングをすべて落とすということはロゴのプリントが消えたり耐水性が全て失われるということです。

重曹で落とす

重曹を水に溶かしてそこにフライシートを漬け込みます。数時間~数日漬け込むと裏面を手でこすってみてください。消しカスのようにポロポロとしたゴミが出てきますよ。これがコーティングです。しっかり落としたら水でしっかり洗い流して乾燥させましょう。自分で処理するのはあまり推奨されないやり方となるため自己責任でお試しください。

再度コーティングする

コーティングがないと雨が一瞬で染み込むので、自分でコーティングしていきます。PUコーティングはできないためシリコン系の撥水剤を使います。人気なのは信越化学工業のポロンTです。小さいテントだと設営した状態で塗るといいでしょう。刷毛でまんべんなく塗ります。完全に修理できるものはありませんが、コーティングをすることで少しでも雨が染み込まないようにします。ポロンTは揮発性が高いので屋外でしましょう。

シームテープを張替え

重曹で洗うとシームテープも剥がれたり、劣化するので張り替えます。シームテープは市販されているので交換していきましょう。テープ状のものだけではなく塗り込むタイプもあります。

床用ウレタンワックスについて

シリコン系ではなく床用ウレタンワックスを使うという方法も人気が出てきたやり方です。素材にウレタンが入っていてフライシートのコーティングと似ています。同じようにサラサラになりますよ。洗濯してきれいにしたあと塗っていくだけです。

テントの加水分解の予防方法とは

修理できないので予防が大事

Photo by km058

化学物質を使った素材だと必ず加水分解が起きます。この現象を確実に防ぐ事はできません。何年かすると発生します。自分で再加工しても何ヶ月、何年化すると再び加工が必要になりますよ。そこで大切なのは予防してできるだけ加水分解を遅らせるようにするということです。素材にもよりますがきちんと管理すると発生する速度を遅くできますよ。

予防とは

少しでも加水分解が発生しないようにすることになります。発生を遅らせたり、進行を遅らせたりする意味となります。テントの素材を気にしてみたり、メンテナンスをしっかりしてみるなど細かなところまで注意しましょう。

テントの加水分解の予防方法1

加水分解が発生しないテントを選ぶ

Photo by titanium22

そもそも加水分解が発生するのは化学物質をコーティングに使っているからです。コットンテントのように天然繊維でできているテントだと発生することはありません。ポリコットンも同様に天然繊維が使われているので多少発生しにくくなるでしょう。またテントを選ぶときは材質に注目して、PUコーティングとなっているものはいずれ加水分解を起こす素材なので避けると大丈夫です。前述したようにPUとはポリウレタンのことです。

テントの加水分解の予防方法2

しっかり乾かす

Photo by Yasuo Kida

水と反応するとコーティングの劣化が起きてくるので使用したあとのテントはしっかり乾かして保管しましょう。朝起きて撤収までに結露や朝露、雨をしっかり拭き取り、可能な限り乾かして収納するようにします。濡れたまま収納しないことで予防ができます。撤収時の基本的なことですが加水分解の予防方法となるため大切ですよ。汚れがついている状態も加水分解ではありませんが、コーティングが悪くなる原因です。

直射日光で乾かさない

風で乾かすようにして直射日光で乾かさないように注意してください。素材によっては生地が縮かみ、きれいに張れなくなる可能性もありますよ。また日光によって色あせる可能性もあります。

保管場所

保管する時は湿度が低く、直射日光が当たらない場所がおすすめです。土砂降りのあとなどはクリーニングサービスを頼むといいでしょう。乾燥サービスなどもありますよ。生地を乾かし綺麗にすることで劣化しにくくなります。コーティングは塩素に弱いと言われているので水道水で洗うのはできるだけ避けましょう。

加水分解を起こさないテント1

コットンテント

前述したように天然繊維の綿(コットン)が使われているテントはコーティングが施されていないものが多く、加水分解とは無縁です。ただしメンテナンスは通常のテントより必要になり、濡れているとカビが生えるかもしれません。特に黒いカビは対処のしようが無いと言われていて、予防や対処ができる加水分解のほうがまだいいという声もあるぐらいです。素材によってテントの扱い方が変わるので注意してくださいね。

おすすめコットンテント

NORDISK Asgard 12.6(アスガルド12.6本体)[2014年モデル] アスガルド 6人用
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ノルディックのアスガルドはコットンです。北欧ブランドは過酷な環境に耐えられるように丈夫なコットンを使用したものが多いですよ。アスガルドは同社の人気テントでグランピングでおなじみです。シェルターのようにインナーはついていませんが、インナーをつけることもできグランドシート(フロア)をめくりツールームテントのようにして使ったりとアレンジしやすいです。

加水分解を起こさないテント2

ヒルバーグは加水分解しないと言われている

出典: https://www.amazon.co.jp

ヒルバーグのテントは加水分解が起きないテントです。多少高価ですが、予防しなくても加水分解を起こさず何年も使えることを考えるとコスパが非常に高いと言えます。なぜ起きないかというとそもそも加水分解の原因は水とPUコーティング(ポリウレタン)が反応することです。ヒルバーグのテントはボトムだけがPUコーティングとなり、フライシートにはPUコーティングが使われていません。そのため劣化しにくいです。

ボトムはPUコーティング

ボトムには3層のPUコーティングが施されているので、予防せず何年か使うと起きるかもしれませんが、ボトムならコーティングがしやすいです。またボトムが加水分解したという声がないため非常に長く使えるでしょう。防水加工の素材によって加水分解が起きるかわかるので気になる方はPUコーティングを避けましょう。

テントの加水分解のまとめ

加水分解はコーティングの素材と水が原因

出典: https://www.amazon.co.jp

テントがベタつき臭うなどの不具合が出て防水能力が下がる加水分解はコーティングの素材と水が反応してしまうことが原因です。空中の湿気でもゆっくり劣化してくるものなので、急速に劣化させないように予防を心がけてくださいね。素材が原因となるのでテントを選ぶ時はPUコーティングが使わていないものを選ぶと加水分解に悩まされなくて済みますが、高価なものが多いです。

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