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【育たない人必見】ギボウシの育て方を完全ガイド!ポイントはコレだ!

シェードガーデンに欠かせないギボウシの育て方をくわしく解説します。ギボウシは葉姿が魅力的で、初心者の方でも育てられる丈夫な多年草植物です。世界中に多くの愛好家がいるギボウシの栽培ポイントをお伝えしますので、地植えや鉢植えで育ててみませんか?
2020年8月28日
bluesky77
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はじめに

ギボウシをご存じですか?毎年春になると芽を出し、幅広の葉を広げ、花を咲かせる長命な植物です。日陰でも育つことで知られ、シェードガーデンには欠かせない存在です。ギボウシは日本でも古くから自生していて、栽培方法はとても簡単で、江戸時代にはすでに人々に親しまれていたということです。今では地植えでも鉢植えでも楽しめる観葉植物として人気があります。豊かに広がる葉には涼感があり、他の植物や樹木の足元を飾り、鉢植えで栽培すれば広い葉がベランダやテラスを一気にうるおいのある空間にします。ギボウシの栽培方法はポイントを押さえれば、簡単です。はじめに基本情報をみていきましょう。

ギボウシとは?

ギボウシの基本情報

日本はギボウシの園芸品種が数多く生まれ、和名の擬宝珠(ギボウシュ)は、橋の欄干の上部に取り付ける擬宝珠の先端が尖っているのが、ギボウシ葉に姿かたちが似ていることからつけられました。

学名 ホスタ(Hosta)
属名 キジカクシ科ギボウシ属
英語名 Plantain Lily(オオバコユリ)
和名 擬宝珠(ぎぼうしゅ)
原産地 日本、東アジア
樹高 20~150cm
開花時期 7~8月(長さ3~30cmの1日花)
形態 多年草
耐寒性 ある
耐暑性 ある

ギボウシの花言葉は「静かな人」「沈黙」

ギボウシは梅雨時にぐんぐん成長し、花茎が伸びます。7月になるとつぼみをつけ、夜や早朝にユリに似た淡い紫や白い花を1日だけ咲かせます。ギボウシの花言葉は「静かな人」「沈黙」です。紫は高貴で優雅な色ととらえていた日本人に広く好まれてきました。

ギボウシの特徴

美しい葉姿

ギボウシは外側に向かって幅の広い葉が徐々に広がって育つ美しい葉姿が特徴です。葉は緑一色から青みがかったものがあり、黄色系統の斑が入ったものなど幅広い品種があり、葉の美しさに観賞価値があります。葉脈は整然とした縦筋であったり、葉のふちにフレアーがあったりするのが特徴です。ギボウシの変化に富んだ姿と春から秋おそくまで鑑賞できる点に人気があります。

シェードガーデンに欠かせない

ギボウシは群生でも単独でも美しく、シェードガーデンづくりに欠かせない存在で、庭に趣が出る点が特徴です。また芝生と植え込みの境界線などにギボウシを植えたり、鉢植えのギボウシを並べたりする方法は特徴のあるギボウシの葉が美しく庭のスペースを区切り、庭がより魅力的になります。

ローメンテナンス

ギボウシは頑健で、根は太く短いのですが、土中にしっかりと根を張るのが特徴です。日陰でも育つ観葉植物の代表的存在で、広い葉が茂ると雑草の抑制も期待できます。さまざまな生育条件に適応し、初心者の方でも日当たりや水やりの基本的な栽培方法を守れば、育たないということはめったにありません。

ギボウシの種類

寒河江('Sagae')

寒河江(さがえ)は灰色がかったグリーンの葉縁に黄色のふちどりがあるのが特徴の、華やかな中大型種です。20世紀末山形県寒河江市で誕生したのが名前の由来です。庭の和洋を問わず、端正な葉姿で世界中に愛好家がいる人気品種です。

フランシスウィリアムズ('Frances Williams)

フランシスウィリアムズは、青緑の葉に美しい黄緑色の不規則な模様が入る見事な大型ギボウシで、先のとがった葉の表面に入る独特のしわ模様が特徴です。夏、白もしくは薄紫の花を咲かせます。高さ45~60cm、株張りは100cmを超える広がりを見せますので、植えるスペースは余裕をもって確保しましょう。

サムアンドサブスタンス('Sum and Substance')

サムアンドサブスタンスはブルーグリーンの葉とイエローグリーンの縁が特徴の大型種で、葉の長さは35~50cm、高さは90cmほどに成長する定番品種です。低木を植えたシェードガーデンのグランドカバーにぴったりです。大型種ですから、葉をどけて株元に水やりをするのがコツです。

オトメギボウシ


オトメギボウシは高さ20cmほどのかわいい姿が特徴で、白や黄色の斑が入るものもあり、鉢植えで楽しめます。夏から初秋に淡い紫色系統の花を咲かせます。山野草とおなじような感覚で、身近に飾ると可憐な姿に癒されるでしょう。

ギボウシの育て方①日当たり

4時間の日当たり

ギボウシは1日4時間程度の日当たりがある場所や、終日木洩れ日が当たる場所を選ぶのが正しい植え方です。植える場所に迷ったら木の下、シダ類が生えるような場所、庭の通路で日陰の場所を探しましょう。黄金小葉ギボウシのように葉焼けしやすい品種がありますので夏の日差しに注意します。

場所選びのポイント

ギボウシは日当たりが大事ですが、真夏は緑が薄れて黄味を帯び、葉焼けを起こす可能性があります。午後からは日陰になる場所を選ぶのが理想的な植え方です。また鉢植えのギボウシの場合は西からの日当たりを鉢の胴体に長時間受けることにより、鉢内の温度が上昇し、根が蒸れてしまいます。黄色や白の斑のギボウシは朝、数時間日当たりがある場所を選ぶと、色味がよくなるでしょう。

ギボウシの育て方②水やり

水やりは地植えと鉢植えで違う

Photo byannawaldl

ギボウシを地植えした場合は、水やりを気にする必要はありません。干ばつの場合には週に1~2回、土の深くまで浸透する水やりを行う方法をとれば、地中深くまでしっかりと根を張るでしょう。一方鉢植えのギボウシでは、土の表面が白っぽく乾いてきたらたっぷりと水やりを行います。11月~3月はギボウシの休眠期ですから、鉢土が乾いてからさらに数日経過して水やりをします。

水を与えるなら「たっぷり」がポイント

鉢植えのギボウシは地植えよりも乾きやすいため、夏はいつもより水やりに気を配ります。ギボウシの中央部分に水がたまりやすく乾きにくいことがありますから、株元に水やりを行います。水やりには用土の酸素を入れ替える目的があります。鉢植えの場合は、植木鉢の大きさや土の量を目安に、鉢穴から水が流れ出るくらい十分な量の水を注ぎます。根腐れ防止のため、水やりのあと受け皿に残った水は忘れずに捨てましょう。

ギボウシの育て方③肥料

肥料の与え方

地植えされているギボウシは特に肥料を与えなくても育ちますが、植木鉢に植える場合に3~5月に緩効性肥料を与えます。また9~10月にお礼肥を与えます。春の肥料は省略しても問題はありません。

肥料でPH調節がポイント

ギボウシは、栄養バランスがよく、PH6.5~7.5の土壌を好みます。PHがどちらかにかたよっていたら、粒状で、窒素、リン酸、カリの3要素が同比率で入っている肥料を与えて調節しましょう。PHは市販の試験紙がてごろな価格で手に入ります。

ギボウシの育て方④用土

市販の用土でよい

ギボウシの用土は市販の用土で全く問題ありません。自分で作る場合は赤玉土7:腐葉土3を目安にします。排水性を確保したい場合には、赤玉土に鹿沼土を3割ほど混ぜ作るのもおすすめです。

鹿沼土活用がポイント

ギボウシを苗で購入したときに、白っぽい軽石状のものが混じっていて、水をかけると黄色になる場合は、鹿沼土を用土に混ぜていると考えてよいでしょう。植木鉢へに植え付けるときは、できれば苗の入っていた土と同様の土を選ぶのがおすすめの植え方です。

ギボウシの育て方⑤植え替え

定期的な植え替えを

地植えでも鉢植えでも、植え替えせずにギボウシを栽培し続けると根詰まりを起こす可能性があります。地植えなら3年、鉢植えなら1~2年ごとに植え替えを行いましょう。まだ寒いうちの2月~3月の間が植え替え適期です。

根を傷めないことがポイント

ギボウシの植え替えは、ていねいに根を掘り上げることからスタートします。植木鉢なら根土ごと鉢から引き抜きましょう。ギボウシの根を傷つけないように、割りばしなど利用してほぐすのがギボウシに優しい植え方です。

ギボウシの育て方⑥株分け


株分けで増やせる

ギボウシの株分けは、秋葉が枯れてから3月まででき、植え替えのときに行うと便利です。植え方の手順は、植え替えで掘り上げた根を、手や割りばしで注意深くほぐします。自然に離れる株は問題ありませんが、大きな根の塊は、2~3芽を株分けの単位と考えて切り離します。必要に応じて泥を水で落としてから株分け作業します。

清潔な道具を使うのがポイント

株分けの時に使うはさみは、消毒してから使用します。また100円ショップのカッターは安価で、1回ずつ刃を折れば、いつでも清潔に使えます。切断した根は消石灰をまぶしてから植え付けるのがおすすめの植え方です。

ギボウシの育て方⑦種から増やす

種の採り方

ギボウシの栽培方法がわかってくると、種から育てたくなるかもしれません。ギボウシは受粉後1ヶ月ほどで種が採れます。自然受粉の場合、種がいつできているかを知る方法があります。ギボウシの花の上部のさやが割れ始めていれば、ほかのさやからも種がとれます。種が採りやすい品種は「フランシスウィリアムズ」だといわれています。青色系統のギボウシの種からはまれに黄色の斑ができることがあると言われています。

種の植え方

種の植え方は、市販の「種まきの土」に種を置き、ごく軽く土をかけることからはじめます。温度約15℃で保管すると4~5週間で発芽します。植え方のポイントは湿度を高めに保つことです。種の植え方は、多くの植物に共通しますので、種の植え方をいろいろな植物に応用できます。

ギボウシの育て方⑧剪定

花後と晩秋の作業

ギボウシの剪定はむずかしくありません。剪定に関する作業と言えば、傷んだ葉はそのつど取り除き、花後は花茎を根元から剪定しておくぐらいです。晩秋からギボウシの葉が枯れ果てたようになるのが特徴ですが、これは休眠期に入る兆候です。枯れてしまったと思って鉢ごと捨てないようにしましょう。

種を採るなら剪定しないのがポイント

ギボウシ栽培に慣れて、種から増やしてみたくなったら、花後は茎を剪定しないでおきます。種の取り方は増やし方の項目で説明しましたが、初心者の方は苗や株分けで増やけする方法が楽かもしれません。

ギボウシの育て方⑨冬越し

地植えは放置

ギボウシは手間のいらない植物ですが、特に地植えの場合は冬の間手がかかりません。夏1日花を咲かせ、秋には葉が黄色系統に紅葉するのが特徴で、やがて地上部は枯れ果てて休眠期に入ります。冬季雪が積もってほったらかしても、翌春には芽を出す頑健な植物です。

鉢植えの場合

鉢植えで育てている場でも、枯れた葉を除去したあと、土しか見えなくなっても生きています。土にギボウシの品種名を書いた名札をさしておけば、早春に株分けをするときに誤ってスコップで根を傷つけずに済みます。

ギボウシの育て方⑩病害虫

病気

ギボウシは丈夫な植物ですが、白絹病にかかる可能性があります。発症部分は白い糸がまとわりついたようになり、ギボウシが健康に育たないため、病変のある株をすぐに取り除きます。市販の土専用殺菌剤で予防・消毒をします。また「インクブリード」と呼ばれる、地色にインクがにじんだような柄が出たり、葉の表面が波打ったりするウィルス病が考えられます。症状を見つけ次第株ごと抜いて、処分します。

害虫

ギボウシの新芽がナメクジに食害されるかもしれません。ナメクジは夜行性でギボウシの葉に独特のはった痕跡があったり、葉の表面をかじった後が残ったりします。なめくじが残した粘液には寄生虫がいることがありますので、素手で触ってはいけません。害虫の発見がおくれるとギボウシが健康に育たないため、早急に専用の殺虫剤や予防剤で対処します。

ギボウシが育たない理由


Photo byAnandKz

ギボウシを植えたのに、思うように育たない、花が咲かないということがあるかも知れません。その理由と解決方法をお伝えします。

育たない理由①日当たり不足

Photo byPublicDomainPictures

ギボウシは日陰でも育ちますが、太陽が嫌いというわけではありません。日当たりのない、深い日陰の環境では、葉だけが成長して花が育たないかも知れません。1日のうち2~4時間の日当たりを確保できる場所を選ぶのが正しい植え方で、1日のうち前半に日当たりがあるのが理想的です。

育たない理由②根詰まり

栽培方法が簡単なギボウシですから、つい植えっぱなしにして、メンテナンスをし忘れることがあるかもしれません。何年も植え替えをしないと、タマノカンザシのような大型品種は根詰まりを起こして、健康に育たないことがあるかもしれません。育て方で紹介した、植え替え方法を参考に、定期的に植え替えや株分けを行いましょう。

育たない理由③株のサイズ

Photo byMarkMartins

株分けは、同じ品種を安定して増やせるギボウシの大切な作業です。しかし株を必要以上に細かく株分けすると、順調に育たない可能性があります。最低2~3芽で株分けしましょう。またスコップで根を傷つけて株分けしたら、その夏花を咲かせないかもしれませんが、次の年には咲く可能性が高いのであきらめずに育てましょう。

育たない理由④成熟していない

Photo byannca

ギボウシは成熟するまで4~8年かかり、品種によってはフルサイズに成長するまで花を開かない場合もあります。順調に育たないと思っても、成熟まで一定の時間が必要です。栽培方法を守って、ギボウシの成熟を待つ時間も楽しめるといいですね。

【動画】カインズ花図鑑ホスタの育て方

ギボウシ育て方を日当たりから病害虫までポイントを押さえて、初心者の方にも栽培方法をわかりやすく説明してくれますので、ぜひご覧くださいね。

まとめ

人気のイングリッシュガーデンにも欠かせない多年草のギボウシの栽培ポイントについて順を追ってお伝えしました。ギボウシの育て方がむずかしくないとおわかりいただけたでしょうか。緑系統や青系統のベース色に美しい斑が葉に入り、品種やサイズも豊富なため奥の深い植物です。地植えでも鉢植えでも楽しめる、生命力にあふれるギボウシは初心者の方のシェードガーデンづくりの強い味方です。ローメンテナンスで、寒さ暑さに強いギボウシの栽培を楽しんでみませんか?春から秋まで葉や花を楽しめるギボウシの栽培をはじめて、シェードガーデンづくりに挑戦してみてはいかがでしょうか。

ギボウシが気になる方はこちらをチェック!

ギボウシにはさまざまな種類があり、奥が深い植物です。ギボウシを長く育てるコツや、植木鉢での栽培方法をはじめ、シェードガーデンづくりの記事などもご用意しています。こちらの記事もぜひご参考にしていただき、ガーデニングを楽しんでくださいね!