はじめに
庭の日陰も素敵にデザイン!シェードガーデン
シェードガーデンという単語自体は聞いてはいても、実際にはどのような庭の作り方をしたら良いのかイメージがわかなくて困っているという方も、多くいらっしゃると耳にします。自分の庭やベランダは太陽の光があまり差さないので、草や木を育てるのは無理と決めつけていませんか?明るさがなくても育つ草や花、木を知ることでもっと花壇づくりをエンジョイできるように。これまで暗い場所に草木を植えた経験がない人向けに日照時間が短い庭やベランダのガーデニングや向いている草木を解説していきましょう。
シェードガーデンについて
庭の日陰で植物を育てること
シェードとは日陰。ガーデンは庭ですので、直訳して日陰の庭づくりという意味で使われます。花壇などの地植えで大切なポイントは、植物に合った場所に置いてあげること。日が当たらない場所が好きな植物といわれてもなかなかピンと来ない人も多いでしょう。それがシェードガーデンは初心者には手を出しにくいものと思われている理由であるのも事実です。逆にいえば陽が当たらなくても育つ草木がわかれば、本当は難易度は高くない庭作りの技法だと感じるでしょう。
日陰でも育つ植物がある
植物の育て方を見ていると必ずといっていいほど出てくるのが日当たりの項目。光合成や開花、発芽などに日光は大切な要素です。太陽があまり差さない場所に置いたために元気がなくなったり花が咲かなくなったという草花はたくさんあります。その半面日光があまり当たらないところが好きな植物もあるので、日光レベルを木陰や半日陰・日陰と3つに分けて育ちやすい草や木を解説します。
シェードガーデンに向く植物①木陰
木陰とは
日陰において木陰の定義は、木の下で日光は少ないけれど木漏れ日などで常時わずかに日が当たる状態です。木の下に敷くグランドカバー向けの植物を探すと、意外にたくさんの種類の植物がヒットするでしょう。木陰で育つ代表的な植物は以下のものになります。
アジュガ
木陰でも花をたくさん咲かせながらグランドカバーとして広がるように成長するのがアジュガ。ラベンダーのような見た目の青やピンク色の花が特徴的です。ハーブとして使われる場合もあります。一般的には花を鑑賞する使われ方がメイン。
セダム
庭の多くの面積を埋めるグランドカバーとして植えるなら、多少踏まれても大丈夫な丈夫さがあるものが向いています。その点このセダムはおすすめの植物。多肉植物なので手間もかからず、どんどん増えてシェードガーデンの基礎デザインを作ることができます。
シェードガーデンに向く植物②半日陰
半日陰とは?花壇やベランダの日当たり
半日陰とは一日の日照時間が短い場所のことをいいます。たとえば、午前中しか陽が差さない場所であったり、陽が差したり日陰になったりを繰り返すことです。建物が比較的近接して建てられる日本の住宅事情には多く見られる日当たりとなっています。
ツルニチニチソウ
半日陰のガーデニングに向いている植物にツルニチニチソウがあります。名前のとおり蔓性のニチニチソウで葉に光沢があるのが特徴。もちろんニチニチソウのきれいな花も咲き、花とグリーン両方が楽しめます。自然と広がって大きな範囲をカバーしてくれるので、グランドカバー向けの草ともいえるでしょう。
クラッスラ
クラッスラも乾燥に強い半日陰でも育ちやすい多肉植物の一種。あまり湿気がある場所だと元気がなくなってしまうので、乾燥しがちな水はけの良い土を好みます。種類がたくさんありますので、葉色を選んで好みのガーデニングデザインを作ることができるでしょう。
シェードガーデンに向く植物③日陰
日陰の庭や花壇・ベランダの植物
日当たりが悪い場所にある花壇やベランダにおいてもガーデニングを楽しめるのがシェードガーデンの良さ。多くは室内からの眺めを意識して塀の内側を縁取るような花壇作りをするのが一般的です。一日中日光が当たらない過酷な条件でも育つ草や木があるのをご存知でしょうか。
アスプレニウム
アスプレニウムというのは日陰に強いシダ科の植物です。縮れたたんぽぽの葉を想像するとその姿がわかりやすいでしょう。個性的な姿をしているのでシェードガーデニングにもよく使われる植物です。まったく陽が当たらなくても生育が良く、暑い夏にも強いのが特徴になります。
アジアンタム
観葉植物として室内でも鉢植えで育てられるアジアンタム。ひとつの枝がたくさん分かれてその先にひとつひとつ小さなかわいい葉がつくグリーンです。こんもりと形づいて勝手に大きくなってくれるので花壇に植えた時の見た目も良く、鉢に植えつけベランダに使うのにもおすすめ。ハンギングにしても映える草です。
シェードガーデンに向く植物④和風
花壇やベランダで和風なシェードガーデン
デザインの手本としてイギリス風庭園のような西洋風の庭を挙げる人もいるのですが、和風の花壇デザインにしても素敵な作品に仕上がります。和の雰囲気を感じさせてくれる草木の中でも、日照時間が少なくても育つ品種の中では次の庭木や草花に人気があります。
イロハモミジ
イロハカエデとも言われる木です。紅葉といえば日本の秋というイメージする方も多く、和の庭づくりには大変人気がある樹木。それほど太陽が当たらないところであっても育つので、日照時間が気になる場所に気にしないで植えられます。
ツワブキ
一度植え付けてしまえば手間もかからず半日陰でも勝手に元気に育ってくれる、とても栽培が簡単でそれほど明るくない庭でも向いている植物。フキといえば絵本では小人やカエルが傘にした絵が描かれているのを見た方も多いのではありませんか?日陰に置いても濃い緑色を保つ葉色は、和風な日陰の庭によく似合う植物として好まれます。
シェードガーデンに向く植物⑤グランドカバー
より自然な庭作りに活用したいグランドカバー
シェードガーデンのデザインとして土をほとんど見せずグリーンや花で庭を埋め尽くすものがあります。広範囲の土地を埋めるグリーンがグランドカバーという植物の使い方です。雑草の繁殖を抑えて、庭全体の基本を作ってくれるでしょう。
ハーブもグランドカバーになる
ここまでも日陰や木陰に植えられる草花や多肉植物を紹介しましたが、この他にもハーブも耐陰性が強く常緑性があるものもたくさんあります。見た目だけでなく摘み取ってお茶や料理に使うことができる便利なもの。ハーブもシェードガーデンにうまく組み込みましょう。
グランドカバー向けのハーブ
日陰でも育つ常緑性のあるハーブは結構たくさんあります。代表的なものにタイムやオレガノなどが。カミツレという名前で日本でも古くから使われているカモミールの中でもローマンカモミールは背の高さも中くらいで常緑。グランドカバーに向いています。育てると幸せになるといわれているワイルドストロベリーも日陰でスクスクと大きくなるハーブ。このほか、ミントの種類の多くは日陰で育つ常緑性のあるハーブとして人気があります。
シェードガーデンの作り方①初心者向け
作り方のコツ①育てやすい植物を選ぶ
庭の作り方にコツはあってもこうしなければいけないという決まりはありません。そうは言っても初めて日陰に何かを植えようとするなら指針が欲しいですね。まずは育てやすいものを選んでみるのがおすすめ。これまでご紹介したものに合わせ、葉ものであればギボウシ、花が咲くタイプならシュウメイギクなどに人気があります。
作り方のコツ②シンボルツリーとグランドカバー
失敗しにくい作り方として、シンボルツリーを設置してその株元をグランドカバーで覆うというやり方があります。植物の高低差を作ると、立体的なデザインが生まれ初めて作ったと思えないような素敵な花壇に仕上がるでしょう。
シェードガーデンの作り方②慣れてきた人向け
作り方のコツ③種類を増やす
シェードガーデン作りに慣れてきたら花や木の種類を増やしてみましょう。花が咲く草花であればその時期ごとにまとめてみたり、適度にばらけて植え付けるのも良いですね。ご自分が考えた素敵な庭のイメージにあった日陰で育つ植物を配置して、どの季節にも楽しめるような組み合わせにするのがコツです。
作り方のコツ④花も植える
日陰だと花が咲かないのではないかと心配される方も多いでしょう。多くの植物は日当たりが良い場所が好きですが、全てそうとは限りません。日陰でも咲く植物を選んで花も楽しんでください。イングリッシュガーデンの画像をよく眺めて見るのもおすすめ。見て楽しいだけでなく使われている草花の背丈や耐陰性がわかりやすくデザインのヒントになります。
シェードガーデンの作り方③ベランダ
日陰のベランダでもガーデニングを
シェードガーデンといえば庭の花壇を埋める草や花木と思われがちですが、ベランダでも楽しめます。高層マンションなど安全性重視で下の方は日当たりが悪いことも。そんなときこそ日陰に強い植物の出番です。
ベランダのシェードガーデンのコツ
ベランダ一面を土で覆うのは難しいので、シェードガーデンつくりは鉢植えを並べて置くことになるでしょう。庭木として使われるものも鉢植えで育てられます。直接地植えにするよりも、移動しやすくバランスが取りやすいのが特徴。ただし室外機などの風に当たる場所は植物が痛みやすいので注意が必要です。
シェードガーデンのデザイン例
デザイン①立体的
庭にシェードガーデンを作る時、樹木や草花の高さだけで高低差を付けがちです。イングリッシュな庭づくりの技法の中にブロックや塀などを設置してツタを這わせたり、割れ目に小さな草などを生えさせたりというやり方もあります。これらを活用することで、さらにおしゃれな日陰の庭作りができるでしょう。
デザイン②小径
日陰でのガーデニングは多くの地面をグリーンで埋め尽くすようにする作り方がポピュラーですが、庭には人が歩く場所も必要ですね。そのために歩いても大丈夫な強いグランドカバーを使うという方法もありますが、朝晩踏まれればいくら強い植物でもそこだけ枯れてしまうもの。石や木材で歩く小径を作ってその周りをグリーンで埋めるようにすると良いでしょう。
デザイン③アクセント
シンボルツリーがそうであるように、何かアクセントがあることでおしゃれで素敵な印象に仕上がります。カーリーフを使ったり、藤棚を作るのもアクセントの付けに役立つでしょう。花や木だけでなく大きめのオブジェを置くのも効果的。庭やベランダをエリアに分けて考えるのも全体の緩急つけに効果的でおすすめです。
まとめ
シェードガーデンを楽しもう
庭の日陰といってもその日照時間によって3つの日陰に分けられて、植えられる植物の種類も増えていきます。日陰だからと諦めずに、耐陰性が強い草木を選ぶことでガーデニングの幅がグンと広がるでしょう。デザインのコツなども紹介しましたが花壇の作り方はひとつとは限りません。日陰で育つ植物さえわかれば、それを好みで組み合わせて素敵なシェードガーデン作りを楽しんでください。
日陰に強い植物が気になる方はこちらもチェック
暮らし~ののガーデンカテゴリには、このほかにも日陰に強い植物についての記事をご用意しています。種類をもっと知りたいという方はこちらの記事もぜひ参考にしてみてくださいね。
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