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個性的なルックスが由来?トケイソウってどんな植物?特徴や花言葉などをご紹介!

特徴的なお花が魅力のトケイソウ。グリーンカーテンとしても人気の植物です。トケイソウの花の構造や花名の由来を知れば、もっともっとトケイソウを楽しめるかも。トケイソウの種類や花言葉などをはじめ、気になる基本情報をまとめてみました。
2020年8月28日
しまうま花屋
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トケイソウとは

科目

トケイソウは、トケイソウ科トケイソウ属に分類される植物です。特徴的な花姿が魅力の植物で、一部の種類は果実を食用として利用したり、ハーブとしても用いられてきました。日本では18世紀に渡来したといわれ、現在では園芸種としてさまざまな品種が生まれています。

原産地

原産地は中央アメリカ・南アメリカの熱帯や亜熱帯域で、熱帯植物として分類されています。トケイソウが初めて文献に現れたのは16世紀、スペインの司祭であり地理学者・歴史家であるシエサ・デ・レオンの書籍の中で、ペルーの原住民の村で出会ったとされています。

トケイソウの特徴

変わった花姿

トケイソウの魅力といえば、特徴的なお花の形です。不思議な形が人々を魅了してきました。日本名のトケイソウという名前や、英名のパッションフラワーという名前の由来もこのお花の形からきています。代表的なトケイソウは白色と紫色をしていますが、ピンク色の種類や真っ赤な品種もあります。

常緑つる性植物

トケイソウは常緑のつる性植物で、種類によっては6mほどの大きさになります。葉の下あたりから出るつるが伸び、茎もよく伸び、生育もとても良い植物です。トケイソウの仲間は非常に種類が多く、中には一年草の種類もあります。出回っている園芸種のほとんどは多年草です。

トケイソウの名前と由来

学名と由来

トケイソウの学名は「Passiflora」です。属名である「Passiflora(パッシフローラ)」は「キリストの受難の花」という意味をもっています。また狭義のトケイソウとは「Passiflora caerulea」と呼ばれる品種。「caerulea(カエルレア)」はラテン語でブルーを意味する言葉で、花の青紫色に由来しています。

英名と由来

トケイソウの英名は「Passion flower」。「Passion(パッション)」とは受難という意味で、英名は学名と同じくキリストの受難の花という意味です。これは、16世紀に原産地でトケイソウを見た宣教師が、花の形を見て「キリストの受難を象徴しているようだ」としたことに由来しているといいます。

キリストの受難の花とは?

キリストの受難の花とは、トケイソウの花の構造がキリスト磔のシーンを表しているようだとされたことに由来します。3つに分かれた雌しべがキリストを磔にした釘、子房柱が十字架、無数に伸びる副花冠は茨の冠で、10枚の花弁と萼片は10人の使徒、巻きひげはムチで、葉は槍などとされました。

日本名と由来

日本には江戸時代の初期に渡ってきたと言われています。日本名のトケイソウは、特徴的な雌しべが時計の針に、花弁と萼が文字盤のように見えることからつけられた名前です。ほかにも、お花が蛇の目のようであることからジャノメソウという別名がつけられています。

各国の呼び方


ほかにも原産地ブラジルでは「ひょうたんの中の食事」という意味の「Malakuja(マラクジャー)」と呼ばれたり、同じく原産地の中南米では「小さなザクロ」という意味の「granadilla(グラナディリャ)」と呼ばれたりしています。またトケイソウはパラグアイの国花ともなっています。

トケイソウの花と時期

特徴的な花

トケイソウは、とても不思議な構造をしているお花が魅力のひとつです。色や花の大きさが近いクレマチスやテッセンと似た花のように見えますが、よく見ると花の構造が全く違います。品種改良され、最近ではさまざまな色や形の花が出回っています。

花の構成

トケイソウの花はとても特徴的な構造をしています。10枚の花びらに見える部分は5枚の花弁と5枚の萼片が重なったもので、その上に副花冠と呼ばれる細い糸状のものが100本以上ついています。その真ん中から子房柱が伸び、5つに分かれた雄しべがあり、子房があり、その先に黒っぽく三又に分かれた雌しべがあります。

開花時期

開花時期は長く、5月から10月頃までよく咲きます。トケイソウの花には、朝咲いて夜にはしぼんでしまう1日花と呼ばれる特徴があります。しかし次々とお花を咲かせてくれるので、花期にはたくさんお花を楽しむことができます。実をつけたくない場合は花がらをこまめに摘み取ります。

トケイソウの特性

育てやすい植物

トケイソウは比較的育てやすく、日本でも暖地では屋外で越冬することができます。生育も旺盛なので、つる性を生かして誘引したり、フェンスなどに絡ませて目隠しにしたりすることもできます。しかし絡まりやすいので、寄せ植えなどにはあまり向きません。

耐寒性

トケイソウは原産が中南米などの熱帯・亜熱帯域なので、耐寒性はあまりありません。しかし品種によっては比較的耐寒性のある種類もあり、関東以西では地植えでも越冬できます。耐寒性のない品種は鉢植えにして、冬越しは屋内で行います。

管理方法

トケイソウは日当たりの良い環境を好みます。丈夫な性質のため、比較的よく育ちます。鉢植えの場合は開花時期や生育時期は水やりを欠かさず、冬は控えめにします。生育時期である5月から9月は、こまめな剪定と誘引を行うとすっきり育てることができます。

トケイソウの主な種類と仲間

カエルレア

一般的にトケイソウと呼ばれる代表的な品種です。緑色の雄しべと黒っぽい雌しべのコントラストが美しく、花弁と萼片は白色で、副花冠の紫と白の複色が特徴的です。お花の大きさは直径10cmほど。トケイソウの仲間の中では耐寒性に優れ、-15℃まで耐えます。丈夫で育てやすい種類です。

ベニバナトケイソウ

ベニバナトケイソウは、真っ赤な花色が特徴のトケイソウの仲間です。原産はベネスエラやボリビアで、カエルレアに比べてやや耐寒性に劣ります。花の大きさは直径10cmほどで、カエルレアとほとんど同じ大きさです。品種名は「Passiflora coccinea(パッシフローラ・コッキネア」で、「赤い」という意味からきています。


ホザキトケイソウ

ホザキトケイソウはブラジル原産のトケイソウの仲間です。1本の花茎にお花をいくつも咲かせ垂れ下がっていく姿が穂状に見えるので、「穂咲き」と呼ばれています。お花の大きさはカエルレアやコッキネアと同じく直径10cmほど。ほかの品種に比べて耐寒性には欠けます。

チャボトケイソウ

チャボトケイソウ(矮鶏時計草)は、ハーブとして使用されるトケイソウです。茎や葉など全草を使用します。睡眠鎮静薬や緊張緩和作用として、生薬に使われています。副花冠がくねくねと曲がった特徴的な形も個性的です。地下茎が伸びて増え、耐寒性もあります。

パッションフルーツ

トケイソウの仲間

日本でもジュースなどで人気のパッションフルーツはトケイソウの仲間で、クダモノトケイソウと呼ばれる果実を実らせる種類です。クダモノトケイソウの学名は「Passiflora edulis(パッシフローラ・エデュリス)」で、「edulis」とはラテン語で「食べられる」という意味があります。

耐寒性はやや弱い

黄色の果実をつける種類、紫色の果実の種類、2つの交雑種という3つの系統に分けられます。収穫時期は6月から8月で、耐寒性はやや弱いものの日本でも栽培できます。花を観賞するカエルレア系などのトケイソウは、果実はあまりおいしくなく、食用にはされません。

効果

現在のパッションフルーツの主な原産地はブラジルで、日本でも沖縄や鹿児島で栽培されています。果実の大きさは種類によって異なります。果実の中はゼリー状の果肉に包まれており、甘酸っぱいのが特徴です。ベータカロテンやビタミンB6、ビタミンC、葉酸などが豊富で、免疫力を高めたりする効能があります。

パッションフルーツの仲間

実を食用にするトケイソウ

一般的にパッションフルーツやクダモノトケイソウとされるのは、上記で紹介した「Passiflora edulis(パッシフローラ・エデュリス)」と呼ばれる品種です。ほかにも実を食用とするトケイソウの仲間もあり、いくつかご紹介します。

ブラジルトケイソウ

ブラジルトケイソウとは、ブラジルやペルー原産のトケイソウです。ブラジルではパッションフルーツに並んで食べられています。オオミトケイソウとも呼ばれ、実が大きい品種です。お花は赤の花弁に紫色の副花冠が特徴。果実はオレンジ色で、パッションフルーツに比べて酸味が少ないと言われています。

クサトケイソウ

クサトケイソウは日本では沖縄に帰化しているトケイソウの仲間です。「クサ」とは「臭」という意味で、全体的に独特な匂いがあります。お花の大きさがは小ぶりで、蕾がもじゃもじゃに包まれているのが特徴です。果実の大きさは小さく、2〜3cmほどです。フォエティダパッションフルーツとも呼ばれます。

トケイソウの花言葉

花言葉は「聖なる愛」


トケイソウの花言葉は、キリスト教にまつわる花言葉たち。英語圏でも「holy love(聖なる愛)」という花言葉がついています。花言葉の由来は受難の花という名前の由来の通り、キリストの受難(処刑のシーン)を象徴する形をしているからです。ほかにも、「信仰」「宗教的熱情」といった花言葉があります。

誕生花

トケイソウは6月10日、13日、24日、27日、7月6日、12日、21日、8月21日の誕生花です。5月から10月頃が開花時期なので、お花が見頃になる6月から8月の誕生花になっています。

トケイソウの楽しみ方

グリーンカーテンとして

トケイソウはつるが勢いよく伸びていくので、トレリスやフェンスに絡ませて楽しむのがおすすめです。お花を楽しむ園芸種として出回っているトケイソウの多くが多年草常緑性なので、お花がない時期にもグリーンカーテンの役割をしてくれます。

果実の楽しみ方

クダモノトケイソウはそのまま食べるのも美味しいですが、練乳と一緒にかき氷にかけて食べるのもおすすめ。果肉のゼリーと種のプチプチ感が氷の食感にマッチして、とても美味しい一品です。また、カクテルのモヒートにパッションフルーツを入れたパッションモヒートもおすすめです。

さいごに

初心者にもおすすめ

お花が特徴的なトケイソウは、育てるのも比較的簡単。園芸種も品種改良され、さらに変わった形や美しい色などさまざまなお花が楽しめます。毎年の剪定で大きさも調整できるので、初心者でも比較的簡単に管理できます。鉢植えでもハンギングや行燈仕立てで楽しめるので、ベランダガーデンでもおすすめです。

トケイソウについてほかにも気になる方はこちらをチェック

知れば知るほど魅力的なトケイソウ。トケイソウやパッションフルーツについては、ほかにも詳しい栽培の仕方や楽しみ方をご紹介しています。気になるかたはこちらの記事もチェックしてみてくださいね。