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ハイビスカスの原種「ブッソウゲ」とは?その特徴から育て方や花言葉もご紹介!

特に南国で多彩な花々を咲かせてくれる、ブッソウゲの花を鑑賞したことがありますか?この美しい花は世界中で観賞用を始め、様々な用途で好まれてきました。綺麗なブッソウゲの花の特徴、そして育て方から花言葉まで、果てしない魅力に迫ります。
2020年8月28日
はぐれ猫
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ブッソウゲとは?

アオイ科フヨウ属でハイビスカスの原種

花を好む人々の間では、とても知名度が高いブッソウゲの花。この植物はアオイ科フヨウ属に含まれている、常緑の低木の種類です。世界的にも栽培が盛んなハイビスカスの原種となった植物でもあり、このブッソウゲは古代から世界中の人々を虜にしてきた記録も残されています。

膨大な園芸品種

単純にブッソウゲと言ってみても、その種類は1つにとどまりません。ブッソウゲの品種は変異に富むものになっていて、現在では全世界におよそ8,000種もの園芸品種が存在するほどです。温かい季節には違った表情の花を見せてくれることは、ブッソウゲの大きな魅力になっています。

ブッソウゲの別名

ハイビスカス

このブッソウゲの別名として特に知られているのは、ハイビスカスという名前です。実は別名ハイビスカスとはフヨウ属の学名でもあり、アオイ科に含まれる全ての植物を指す時にも使われる漠然としたものです。ハイビスカスは近世に、ハワイでの品種改良によって誕生したものが多く含まれています。

ハイビスカスの由来とは

ところで別名としても頻繁に使われているハイビスカスとは、日本では一般にエジプトの「美の女神ヒビス」と、ギリシャ語の「イコス(似ている)」を組み合わせた造語が由来との話が広まっていました。しかし女神ヒビスは存在せず、ハイビスカスについての誤った由来が広まった可能性があるようです。

扶桑花、仏桑華

むかし中国から伝来した佛桑(仏桑)に花を付けて仏桑花とし、これがブッソウゲの由来となりました。ブッソウゲは扶桑花という別名でも呼ばれます。扶桑とは中国の古典「山海経」に登場する、東方の日の出の地に生える神木の名。扶桑は日本の別名であり、日本が由来と考えられた可能性があります。

沖縄での別名

海の向こうの沖縄の方では、ブッソウゲは赤花(アカバナー)という別名が主流です。これは沖縄に自生するブッソウゲが、赤い花を付けることが由来になっています。また、沖縄の南部には別名の後生花(ぐそうばな)があり、死者の祝福を願い墓地に植えることが由来となったとされています。

ブッソウゲの生息地

モーリシャス原産とされるが詳細不明

いったいどこからブッソウゲが始まったか、その発祥の土地は定かではありません。有力な説としてはアフリカ東方のインド洋に浮かぶモーリシャス島があります。インド洋一帯は有力視されており、品種が膨大に誕生している太平洋のハワイ諸島、古代の記録が残る中国南部という仮説も根強い状況です。

熱帯夜亜熱帯を中心に分布

彼方のモーリシャス島を含むインド洋に温暖な海域が多い通り、ブッソウゲは世界中の熱帯から亜熱帯の地域に自生している植物です。逆にブッソウゲは積雪があるような寒い地域では、まったく根付くことができません。したがって冬に寒冷な土地では、温室での栽培がされるのが一般的です。

日本では沖縄や小笠原諸島を中心とする

では日本国内ではどの辺りに自生しているかといえば、やはり1年中温暖な南国に限られています。有名なのは沖縄や鹿児島の島しょ部で、九州の宮崎など南部全体の平野部も自生地です。さらに東京都に含まれる小笠原諸島や、八丈島などの伊豆諸島南部も昔からブッソウゲの自生地に含まれています。

ブッソウゲの特徴①樹木

葉っぱ

葉っぱはたまご型、或いは卵状心臓形とも表現される形状です。ブッソウゲの葉っぱ全体は綺麗な緑から黄緑の色合いをして、直径が6~12cmほどになります。縁取りがギザギザなノコギリ状で、先端がとがっているのも特徴。常緑樹なので、栽培すれば1年中葉っぱを付けて青々した様子を見せてくれます。

幹や枝


栽培すると背丈は2~5mほどにしかならないブッソウゲは、低木の種類に含まれています。ブッソウゲの幹は根元から幾つも枝分かれするのも特徴的。成長してもそれほど大きくならないため、南国のほうでは季節を問わず庭木として栽培するにも優れています。

ブッソウゲの特徴②花と果実

花の形状と大きさ

ラッパのように開いて咲くブッソウゲは、品種によって花の大きさが5~20cmとかなり差が出てきます。花びらは5枚が付いて花柱(雌しべ、雄しべ)が突出しているという特徴も見られる花です。咲く花は上向き、横向き、下向きなど違った方向に咲いて見せ、下向きは風鈴仏桑花と呼ばれることがあります。

花の色

南国沖縄での別名になっている赤花という色に関係なく、ブッソウゲには多彩な色彩が存在します。薄い色なら白や桃色、鮮やかな暖色系では紅や黄色、橙黄色など。花の中心の筒状になった部分は色合いが異なって、桃色と赤など2色の組み合わせ、黄色と白と赤の3色の組み合わせなども見られます。

果実

滅多なことでは結実しない特徴を持っているのが、ブッソウゲの果実です。花が落ちたあとに実がつくと、5室の豆果の形状となっています。その中には無数の種が入っていて、栽培用として使うことができます。果実については他の植物とは違い、食用にすることはできません。

ブッソウゲの特徴③開花時期

屋外での開花時期

もし沖縄の屋外でブッソウゲが自生していたら、その開花時期は季節を問うことがありません。つまり沖縄では、気温10度台まで低下する冬季を含め、1年じゅうの季節が開花時期ということです。九州など冬に寒さが強まる気候の地域の場合、開花時期は夏から秋に限定されます。

温室での開花時期は1年じゅう

温室にてブッソウゲを栽培してみれば、その開花時期は熱帯や亜熱帯の地域と同様です。温室で一年中が開花時期とするには、冬季の室温を15度前後以上に保っておく必要があります。それ以下になると九州の自生種同様に、開花時期は夏から秋に限定的になったり、枯れてしまうのが普通です。

ブッソウゲの育て方①環境

九州以北では冬季は室内栽培に

仮に沖縄や南九州でブッソウゲを育てる場合、何も支障はありません。本州や北海道でも、暖かくなる春から秋の季節には、屋外の日向での栽培が可能です。しかし冬の季節に10度以下や氷点下の気温での育て方は不可能になってしまうので、一般家庭では冬季は室内の温かい場所で栽培するのが基本です。

鉢植えとして日向で育てる

確実に冬の季節に寒くなる地域では、ブッソウゲは鉢植えでの育て方が基本になります。庭に植えてしまっては、枯れるのが確実視されるからです。鉢植えでの育て方でも、大型のサイズにすると持ち運びに苦労してしまうため、小型の鉢やプランターを利用して移動を楽ちんにするよう心がけます。

ブッソウゲの育て方②鉢植え方法

鉢の土

家庭で気軽に使える小型の鉢を用意したら、春から夏の暖かな季節に購入したブッソウゲの苗を植えます。用いる土はアルカリ性のものを基本とし、種類は赤玉土など入手しやすい土を用いて構いません。また土に対して砂やピート混ぜ混んで鉢の総重量を軽くすると、育て方も容易になります。

肥料と水やり

無事に鉢に苗を移植できたら、肥料や水やりが重要です。鉢植え直後にはたっぷりと水をあげて、ブッソウゲの成長を促すことが重要です。その後の育て方では多くの水は必要とせず、乾いたらあげる程度にします。肥料は液体肥料を用いて、時々あげて樹勢を良好とするよう心がけます。

ブッソウゲの育て方③増やし方

小輪種は挿木で増やす


自宅で栽培しているブッソウゲを増やす時、挿し木の方法がもっとも簡単です。枝を15cm以上切り取り、それを土に挿し木するだけ。水をあげて日向での育て方をすれば、1~2週間で根っこが出て定着します。挿し木は特に小輪種に最適で、実行する季節は春から夏のころが好ましくなります。

大輪種は接ぎ木をする

その一方でブッソウゲの大輪種の場合には、接ぎ木の方法での増やし方が確実であると言われています。接ぎ木は春の季節にブッソウゲの小輪種の幹を切断し、そこに大輪種の枝を差し込んで固定する方法です。同一品種同士なので、成功確率はかなり高くなります。

ブッソウゲのあれこれ

クレオパトラが愛した花

今でも絶世の美女であると何かと話題のクレオパトラ7世は、紀元前1世紀にエジプトに存在した女王でした。彼女は健康と美しさを保つ方法を知っていましたが、その中にハイビスカスのお茶を飲むという方法がありました。クレオパトラにも縁があったと知ると、ブッソウゲもますます捨て置けません。

日本では薩摩藩から始まった

そのエジプトから遠く離れた日本列島でブッソウゲが初めて登場するのは、江戸時代の初期のこと。薩摩藩主が徳川家康に琉球産のブッソウゲを届けたことが最初の記録でした。薩摩藩はその後間もなく、日本でブッソウゲを最初に栽培した組織としても記録に残される存在になっています。

国や地域の花

やはり花の綺麗さや地元に由来するとの仮説が影響することで、ブッソウゲが国や地域の花として制定される場合も少なくないようです。有名なのはブンガラヤと呼ぶマレーシアで、国花と採用しているケース。さらにアメリカのハワイ州も、ハワイ由来との説を元にハワイの花に選び出しています。

ブッソウゲの食用

食べられるブッソウゲ

その優美な見た目や扶桑花という別名からは食べることは想像も付きませんが、ブッソウゲの花は食用にできる種類です。むしゃむしゃと食べる人はあまり見かけませんが、開花時期の花を見かけたら一度試しても良さそうです。実際は食べるよりは、お茶にするほうが好まれている傾向にあります。

お茶としてのブッソウゲ

昔のクレオパトラと同じように、ブッソウゲをお茶として飲むのは一番おすすめです。ハイビスカス(ローゼル)ティーはビタミンCが豊富で、美容に良い飲み物。その味は酸っぱいだとか、梅のような味、ケチャップを薄めたようだとも形容されています。砂糖やはちみつを入れる飲み方も推奨されます。

ブッソウゲの利用

薬用としてのブッソウゲ

むかしから生薬としても、ずっと利用されてきたのがブッソウゲ。開花時期に採取した花を洗って日陰で乾燥させたものは、フラボノイドやアントシアニンなどを含む特徴があります。適量を煎じて飲むことによって、下痢止めや鼻血止めの効果が得られるとのことです。

生け垣としてのブッソウゲ

いつの季節でも沖縄を旅行すれば見かけるのが、別名で赤花と呼ばれるブッソウゲを使う生け垣です。沖縄の住宅では、昔からブッソウゲの木を生け垣とすることが好まれてきました。季節を問わず綺麗な花を咲かせる上、育て方も手間がいらず、先祖を祀る演技の良い植物なことが理由です。

ブッソウゲの花言葉

繊細な美

代表的なブッソウゲの花言葉と言ったら、「繊細な美」が挙げられます。これは欧州に由来する花言葉。ブッソウゲが色んな華やかな花を咲かせて見せることが、繊細な美という花言葉の由来になりました。美しい庭園や部屋を飾るなら、ブッソウゲがぴったりな印象です。

常に新しい美

温暖な沖縄や赤道直下の環境下では、ブッソウゲは1年に渡り咲き乱れています。花言葉の「常に新しい美」とは、そんなブッソウゲの特徴を表すものです。花言葉のように次々と新しい美しさが開花するので、いつも真新しく過ごしていたい、そんな人も求めてみたい花になります。


新しい恋

もう1つ気になる花言葉になっているのが「新しい恋」。これは花が散ってもすぐ次の花を開いてみせる、ブッソウゲの花の特徴が関係していました。以前の恋が終わっても、新しい恋がやってくる、そんな期待を感じさせる花言葉です。新しい恋を求めているなら、部屋に取り入れてみては?

ブッソウゲが鑑賞できる名所

日本各地の植物園

実際に花言葉も魅力的なブッソウゲを鑑賞してみたい時は、全国にある植物園に足を運んでみることです。全国の都道府県には植物園が無数にあり、その中には温室でブッソウゲを栽培している施設も珍しくありません。植物園は気晴らしやデートにも相応しい、特徴的な見どころがいっぱいです。

熱帯ドリームセンター

屋外のブッソウゲを鑑賞できる名所的な植物園では、沖縄の海洋博公園の熱帯ドリームセンターが第一候補です。沖縄で人気の名所はバベルの塔のような遠見台や水辺のロータスポンドなど魅力が多数。フヨウ属を多数揃えるセンターでは、屋外に咲き乱れるブッソウゲの姿もどこか誇らしげに映ります。

基本情報

【所在地】沖縄県国頭郡本部町字石川424
【電話】0980-48-3624
【営業時間】夏季(3~9月):8:30~19:00、通常期(10~2月)8:30~17:30

熱帯ドリームセンター

沖縄東南植物楽園

太陽の下に冬でも咲くブッソウゲを鑑賞するなら、沖縄の東南植物楽園もおすすめ。沖縄市にある施設は1968年からの歴史があり、園内は植物鑑賞からグルメや体験まで楽しみが揃います。南東植物楽園では花の直径が25cmに達したり八重咲きの花など、目を見張るようなブッソウゲも待ち構えています。

基本情報

【所在地】沖縄県沖縄市字知花2146
【電話】098-939-2555
【営業時間】平日:9:00~18:00、土日:7:00~21:00

沖縄東南植物楽園

ブッソウゲを鑑賞してみたい

育てたり植物園に見に行ったり

歴史的な由来の別名や、前向きに感じる花言葉、1年中開花時期が訪れる地域があるなど、ブッソウゲの知らなかった事実が分かってきました。実際に育ててみたり、植物園に鑑賞に行ってみたり。魅力的なブッソウゲを自分の目で確認してみたいものですね。

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