家をDIY建築するのも夢じゃない!?
「家づくりは工務店やハウスメーカーが作るもの」確かにその通りですが、日曜大工が趣味の人は誰しも自分の住む家を一から建ててみたいと憧れを抱きます。
しかし家づくりをするためには建築の方法や費用・手順を知らなければ何から手を付ければ良いのかわからずに結局は一歩を踏み出すことができないのではないでしょうか。
家を自作するために必要な費用や手続きを紹介します。全ての建築を行うセルフビルドやハーフビルドとの違い、そして費用や大きな敷地の必要がないスモールハウスやタイニーハウスの建築方法や違いを実例を挙げながら解説します。
家をDIYで自作する費用①
基礎工事
家を建築する時に必ず行うのが基礎工事です。基礎工事は家の礎となり、湿気から家を守ったり、地震の揺れから建築物を守るために行います。自分で行うにはハードルが高い手順となっており、プロに依頼する費用の目安としては120万〜150万円程度の予算をみておく必要があります。
布基礎
基礎工事には大きく分けて二つの方法があり、その一つが布基礎です。布基礎とは基礎の部分を鉄筋コンクリートで囲み、中に薄くコンクリートを湿気対策として敷きます。地盤が強い土地では費用も安く、良く選ばれる基礎工事となっています。
ベタ基礎
ベタ基礎とは「ベタ」の文字通り鉄筋とコンクリートを併せて面の部分と立ち上げと言われる周り部分で家を支えます。強度・耐震性が強い分、布基礎よりも費用が高くなります。
家をDIYで自作する費用②
セルフビルド
セルフビルドは基礎工事から家を建築する工程の全てを自分でDIYすることを指す言葉となっております。
セルフビルドするということは資格が必要な工事以外を自分でしますので、材料と申請に関わる費用のみが掛かるということです。坪単価としては50万円弱が一般的なセルフビルドに掛かる費用となっています。
セルフビルドはDIY上級者向け
全てを自分の手でやり切るためには経験や知識が必要となります。全ての設計から資材や重機の手配、困った時に誰に頼れば解決につながるのか?という判断をするためには小規模な小屋や離れを作る日曜大工の経験が不可欠です。
まったくの初心者であれば日曜大工を始めることが自分で家を作る第一歩となります。
ハーフビルド
ハーフビルドとはセルフビルドと異なり、基礎や屋根。外壁に関わる工事をプロの手に任せて、他の建築に関しては「自分でやる」というDIYの方法となっています。
費用の目安としては坪単価50万円強となっており、業者の選び方によっては安くなる可能性もあります。費用の面ではセルフビルドもハーフビルドも「住宅にどれだけ費用を掛けるか、質にこだわるか」ということによって大きく予算が変わってきます。
手間や時間を考えるとハーフビルドが現実的
基礎工事や工事申請など、費用だけではなく時間や手間が掛かる手順をプロの手に任せることによって浮いた時間を自分が手を掛けたい内装工事や建て付け家具の制作に時間を多く使うことができます。「一から十まで自分でやりたい」というこだわりがなければハーフビルドを選ぶことをおすすめします。
家をDIYで自作する費用③
スモールハウス
スモールハウスとは「ミニマリスト」が流行したことによって近年、住宅を建築する時に選ばれる建築方法です。「単身者や夫婦2人だけで使う」、「別荘として使う」などの目的に家づくりをします。
スモールハウスの定義としては8坪程度の大きさで坪単価としては37万円程度が目安となります。家が小さい分トータルの費用としても300万〜500万円程度が予算の目安となります。
無印良品からキットも販売されている
無印良品からスモールハウスの材料から基礎までがセットになったキットも販売されています。施工もセットとなった販売方法をとっているので全てをDIYすることはできませんが、内装などは自分の好みに仕上げることができます。
様々なメーカーからキットのみの販売がされている場合が多くあるのでチェックしてみてはいかがでしょうか?
タイニーハウス
タイニーハウスとはスモールハウスよりもさらに住宅設備を絞った建築方法となっており、水回りの設備は別の仕様となる場合が多くなっています。
基礎を建てずに、車で牽引することも可能となっています。タイニーハウスはスモールハウスよりもさらに小さい3坪程の大きさの家となっており、坪単価は100万円程度からとなっています。
小屋やキャンピングトレーラーとして
小屋にするにしても、キャンピングトレーラーとして軽トラやトレーラーの上に載せても気軽な移動式の宿泊場所とすることができます。水回りを基本的に付けない分、手順や工事が簡易になるため、最初にDIYに挑戦するにはもってこいの家づくりとなります。
家をDIYで自作する建て方・手順を解説
手順①
住宅の設計
家を建築するにはまずは住宅を設計しなければどれだけ住宅建築に資材が必要なのかということも計画ができません。スモールハウス・タイニーハウスのキットであれば資材も説明書もあるのでこの手順は不要ですが、セルフビルド・ハーフビルドの場合は基礎から完成までの設計図が必要です。
工事申請
延べ床面積が100m2以下かつ木造2階建ての建築物であれば自分で工事申請をすることができます。しかし壁量計算や防火に関する書類を建築士が作成した場合は条件はありますが、亭主流する書類が少なくなるため早く申請を通すことができます。費用としては40万円程度が主流です。
住宅基礎工事
住宅の基礎の手順は重機をレンタルして、まず基礎を建てる部分を平にします。次に基礎を埋める溝を掘り、水平になるように木材を設置し、溝に砕石を入れていきます。そこへ鉄筋と枠を嵌め込み、コンクリートを流し固めて枠の完成です。
手順②
建築材の刻み
建築材の刻みとは単純にいうと家を作る木材を組み立てられるようにマークして、カットを行うことです。木材同士を嵌め込むための加工もこの工程で行います。
棟上げ
棟上げとは家の大枠となる木を組み上げていく作業です。刻みの手順で加工した木材を組み合わせて、固定します。基礎の上から木材を並べていき、最終的に屋根の枠組みまでの手順となります。
人手がいる作業となっていますので、経験者や知人がたくさんいると作業が捗ります。棟上げが住んだら屋根を作ります。
筋交い
筋交いとは家づくりをする上で木材と木材の交差部分が緩まないように木材の角の部分に斜めに木材を金具で固定する手順のことです。筋交いを入れることで住宅が完成したあとにも木材同士が緩んで脆くなることを防いでくれる役割があります。
手順③
窓の取り付け
住宅に窓をつける作業は窓の枠組みを作り、そこへサッシを取り付け、防水シート・胴縁を付けて外壁材を貼り付けて隙間をコーキング材で埋めていきます。
外壁
外壁は防水シートを貼った上から外壁材を施工していきます。隙間と隙間は塗装ができないため、コーキングでしっかりと目地を埋めていく必要があります。外壁同士も窓枠と接するところも隙間なく埋める必要があります。
床づくり
床を作る時は基礎の部分に床を立てる部分を作り、水平になるように調整します。横通しの木材を掛けて垂直に交わるように木を縦に通し、隙間に床の断熱材をはめていきます。その上から板を貼り付け、フローリングや畳を張ります。
手順④
配線
ここまでくれば家の大枠はできています。次の手順は電気・電話の屋内配線を工事していきますが、電気工事士の資格が必要なため、資格を持っていない人は外注することになります。
自分で配線工事をしたい人は?
自分で電気の配線工事をしたいという人は第二種電気工事士の資格取得を目指しましょう。第一種はビルや工場の大掛かりな電気工事をすることができますが、小店舗や住宅の電気工事であれば第二種電気工事士の資格を取得すれば自分でDIYすることができます。
断熱材
家の配線は普段目にすることはありませんので気にもしませんが、壁の裏側に配線が通っているので配線工事を済ませた後に断熱材と防湿シートを入れて内壁をつける順番となります。
手順⑤
水道工事
水道工事は住んでいる市町村の指定業者でなければ工事をすることができない場合がほとんどです。給水・排水菅を家の外にまで引っ張ってくる工事のこととなります。
水回り
トイレやキッチン、お風呂などの工事をします。水回りのどれも基本的には排水管と給水管が既定の位置にある必要があり、お風呂であればユニットバスの組み付け、トイレであれば便器を排水管にジョイントする作業が必要です。
手順⑥
内壁
内壁の石膏ボードを断熱材を施工した上に貼り付け、継ぎ目や凸凹になっている部分をパテで平にしていき、その上から壁紙を貼り付けて行きます。
壁紙にはのりが付いていないものと、水で濡らせば貼り付けられる壁紙がありますのでDIYでは裏に水を付ければ貼り付けることができる「再湿壁紙」を使う方が失敗なく壁紙を貼ることができます。
天井
天井に石膏ボードや木材を打ち付けて行きます。木材の場合はあらかじめ複数枚を床で連結させたあとに一枚の天井板として天井に打ち付けていき、石膏ボードの場合は一枚一枚をビスで固定していきます。この時に電灯を付ける為の穴や配線を忘れずに施工する必要があります。
家をDIYで自作する建て方・手順まとめ
セルフビルド・ハーフビルドとスモールハウス・タイニーハウスを建てる手順としては紹介した手順を一つ一つ確実にこなしていくことでDIYで家づくりをすることができます。
部分的にプロの手を借りながら進めるとスムースに建築が進みますし、電気工事や水道管の工事などは資格や許可が必要な場合がありますので家を建てる地域の状況を確認しておきましょう。
家をDIYで自作した実例集
セルフビルド実例①
セルフビルドの実例その①は壁、天井からフローリング、建て付けのカウンターに至るまで無垢の木材を前面に押し出した内装を心掛けた家づくりとなっています。自分で家づくりをしたときにだけできる木目の組み合わせ方やこだわりを出したセルフビルドの実例と言えます。
屋根裏を自分が好きな漫画を収納しておくための建て付け本棚にするのも自由自在です。自分の所有している本に合わせて収納の仕方を設計段階から計画し、その通りの形にしていけるのはDIYでの家づくりならではの醍醐味となっています。
セルフビルド実例②
まだ家づくり途中の段階の実例となりますが、2階を作らない平屋建て住宅の方が初心者でも階段を作る必要がなく、天井や電気工事の施工も2階建の家づくりと比べると掛かる手順が半分で済むため、現実的かもしれません。
作業台やテーブルを自分好みの高さに設置し、採光を高めるために大きな窓を設計することも全ては自分次第です。壁一面に無駄なく収納兼飾り棚を取り付けているところもDIY住宅ならではの家づくりの実例と言えます。
スモールハウス実例①
いきなり大掛かりな住宅建築に挑むのではなく、小屋や離れとして自宅庭にスモールハウスを建ててみると住宅建築のノウハウを自分の手を使って覚えることができます。まずはこういった小屋やスモールハウスの建築をしてみることをおすすめします。
スモールハウス実例②
スモールハウスは水回りやキッチンはあるものの最低限の設備を備えた住宅建築と言えます。単身や夫婦2人だけのくらしには十分かもしれません。
最低限の設備で済むということはスペースもコンパクトとなりますが、費用や手順も普通の一軒家を建てるよりは少なく済むため、DIY初心者でも取り組みやすい実例と言えます。多くの会社から一式の材料を揃えたキットが販売されている点も建てやすさに繋がっています。
タイニーハウス実例①
こちらのタイニーハウスの実例は基礎を作らずに、トレーラー化することでどこでも家を持ち運べるような家の作り方となっています。テントよりも快適に外での生活をできることと、大きなスペースを必要としないため旅が好きな人におすすめの家づくりと言えます。
タイニーハウス実例②
こちらのタイニーハウスの実例は大きな窓と縁側を作り、憩いの場としての作り方がされている実例となります。ウッドデッキを敷いてお気に入りのアウトドア家具を置けばいつでもリラックスタイムを過ごすことができます。
しっかりとした耐火・防火を施すことでタイニーハウスに薪暖炉を設置することもできます。自宅庭にスペースがある人はDIYの練習と癒しのスペースを作る目的で挑戦してみてもいいかもしれません。
建築に掛かる費用や建て方の手順を押さえて家を自作しよう!
建築に掛かる費用や建て方の手順、セルフビルド・ハーフビルドの違いを紹介しました。初心者が全てを自分で抱え込むのではなく、時にはプロや経験者の手を借りながらDIYを進めていくことが重要です。
スモールハウスやタイニーハウスなどのセルフビルドよりも手が掛からない建築からチャレンジしてみてもいいかもしれません。実例を参考に素敵な家を自分で建築してみましょう!
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