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家の招かれざる客「アリ」はどこから入ってくる?原因と駆除・対策方法を解説

気がつくと何時の間にか、家の中のあちこちに群れをなして這いまわる「アリ」に困った経験はありませんか?そんな「アリ」は一体どこから入り込んでくるのか分らないですね。迷惑千万の「アリ」が家の中に入ってくる原因と対策、駆除の方法をご紹介してみましょう。
更新: 2022年5月17日
Meigen Oka
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アリの生態

アリは蜂と同じ様に「女王アリ」一匹がひとつの集団の頂点に立ち、その女王アリを中心に多くの働きアリが食料集めや幼虫の世話に専念していますが、コロニー(巣)の外に出ているアリは少なくて一部に過ぎません。女王アリは卵を生み続け、そのほとんどが雌で働きアリとなります。ほとんどの働きアリは数カ月程度で死んでしまいますが、女王アリは長寿命を保つといわれます。卵は約1~2ヶ月ほどで幼虫からサナギとなり、成虫となります。

女王アリの役割

女王アリは、コロニーが大きくなると新女王アリと雄の卵を産み、孵化すると、新女王アリと雄がコロニーから飛び立ち、空中で交尾をし、雄はその後死んでしまいますが、新女王アリは雄の精子を体に持ったまま新しい巣作りをして産卵をし、その女王アリは自身の栄養分を幼虫に与え続けます。女王アリは寿命が尽きるまで卵を産み続けるのです。

アリの巣とコロニー

日本に生息するアリは通常、地中に巣を作りコロニーを形成します。土が小さく盛り上がってアリが出入りする様子を見ることがありますね。地中だけでなく、朽木や空洞のできた木の枝などにも巣を作ることがあります。アリの種類のなかには、卵や幼虫、サナギ共々常に移動を繰り返して生息するものもあります。アリを全滅させるのには巣ごと駆除しないといけません。アリの巣コロリなどの食毒剤が有効です。

アリの種類

現在ではアリの生態学での種類について、世界中で分類されているアリ科は21亜科とされ、現在の生態種類は30012000種以上にも及ぶとされています。日本では、その内10亜科280種が生息しているといわれています。

主に戸外に生息するアリの種類

アリの種類としては、森林に生息するアリで良く見かけるのが、暗褐色で長い足が特徴の「アシナガアリ」、日本では大型のアリで朽木などに巣作りをする「ムネアカオオアリ」、1.2cmにもなる黒色の大型で、主に土中に巣を作ります。また、生い茂る森林地域の朽ちた樹木などを巣として生息し、毒針を持っていて刺されるとアナフィラキシーショックを引き起こす「オオハリアリ」は、まれに人家の庭にも巣を作ることがありますので注意が必要です。殺虫剤やアリの巣コロリなどで退治してしまいましょう。

家に侵入するアリ

原因が掴めず、どこから侵入するのか、何時の間にかダイニングなどにアリが列をなしていることがあります。日本で生息しているアリで、良く家の中まで侵入するアリはどんな種類なのでしょう。黒アリは極くまれに家の中に入ってくる場合がありますが、主に戸外で活動します。

家に入ってくるアリの種類

家に入ってくるアリの種類はというと、体長約1.5mm程度で枯木などに巣を作る「ヒメアリ」。北海道などの寒冷地を除き温暖な地を生息地域とする、体長約2.02.5mmほどの「イエヒメアリ」、家の中の壁の隙間などに巣を作ったりすることもあります。繁殖力が極めて旺盛で、コロニーは数万匹を数えることがあります。本州中部以南を生息地域とする「ルリアリ」は、体長約2.03.5mmほどで日当たりの良い野原などの朽木に巣作りをします。巣が雨水などが浸水したりすると、家に侵入して巣を作ることもあり、そのまま増殖させてしまうことがあります。

アリの家への侵入原因

アリの種類のなかには、主に雑木林などに生息していて、植物などに寄生して養分などを吸汁して生息するアブラムシが出す分泌物を餌とする吸密性のアリ(アミメアリ、トビイロケアリ)と、主に虫などの死骸を餌とするほか、甘いものにたかったりと何でも餌とする雑食性のアリ(イエヒメアリ、ルリアリ、オオズアリ、トビイロシワアリ)に分かれます。どこからでも家に入ってくるアリはこの雑食性のアリで、前述のイエヒメアリが代表的です。

アリが家に侵入する原因と害

アリはどこからか侵入して、家の中に隙間がある所や壁紙の破れ目などに巣を作って繁殖させてしまう事があり、駆除や防ぐことが大変困難となってしまいます。時には足元から這い上がり噛みつくこともあります。原因としては食べ物のカスです。好物の動・植物性タンパク質や甘い物を独特の嗅覚によって見つけ出して、仲間に伝播させ、大変な数が群がってしまいます。家の中には原因の元の食べカスなどをこぼしたら、そのまま放置せずすぐに清掃して、常に清潔にしておく事が防ぐ方法です。

アリの侵入経路を絶つ

アリはどこからでも家の中に入ってくる原因を挙げてみましたが、一度侵入されてしまうと、見つけたアリだけを退治しても、また次々と侵入されてしまいます。要は侵入させなければ良い訳で、侵入する場所を見つけて入ってくるのを防ぐ対策をすれば良いのです。


アリが入ってくる経路

アリは小さな隙間があればどこからでも難なく侵入します。マンションなどでも安心はできません。排水管や電気配線を伝ってくる場合もありますし、ベランダで植物を育てている時には、購入してきた鉢植えや苗ポットにアリが巣を作っている場合もありますから注意が必要です。見つけたら殺虫剤やアリの巣コロリなどを使用して退治してしまいましょう。

アリを発見した時の防ぐ方法その①

家の中でアリを見つけたら・侵入経路を塞ぐ

アリはどこからか侵入する原因のひとつが、食べ物を家の中で見つけることです。アリはエサを見つけたら、独特のフェロモンを放出して仲間を呼び集めます。アリの行列はそのフェロモンを嗅ぎつけて辿っているとされています。どこからでも小さな隙間を見つけて侵入します。どこから入ってくるのかを確認したら、侵入できない様に防ぐ対策をします。入ってくるのを見つけたら、行列を辿っていけば侵入口が分かります。殺虫剤をスプレーしてもOKですが、その隙間をパテやシリコーンなどで塞いでしまい、その場所にアリの巣コロリを置くとなお効果があります。

家の中の植物にも!

マンションなどのベランダで育てている植物にも気を付けることは前述しましたが、家の中に鉢植えの植物がある場合、鉢の中の土中に巣を作っている事がありますから、鉢の周囲にアリを見つけたら疑ってみると良いでしょう。そんな場合は可能であれば植え替えをするか、殺虫剤(殺蟻剤)やアリの巣コロリなどの食毒剤を使用して駆除します。

アリを発見した時の防ぐ方法その②

家の中でアリを見つけたら・清掃の徹底!

家の中に侵入するアリは、原因としてエサとなるものを求めて入ってくる訳です。一度でもエサになるものを見つけたら、殺虫剤などで一時的に駆除しても何度でも侵入してきます。特にダイニングなどに食べ物のカスなどがこぼれていて、そのままにされていたり、お菓子などの容器がしっかり塞がれていなかったりすると、アリは鋭い嗅覚によって、たちまち見つけて群がってしまいます。お菓子などの袋などを開けっ放しにしない事と、お部屋はいつも清掃をして清潔にしておくことが侵入を防ぐ方法です。

アリを発見した時の防ぐ方法その③

家の中でアリを見つけたら・アリが通る経路をなくす

アリが通るルートは、大抵の場合、部屋の隅の巾木沿いやシンク台の内側などが多い様です。一度でも通った場所があれば、その箇所に忌避剤を使用して防ぐ様にします。アリはゴムの匂いを嫌うとされていますので、通り道にゴム製品を置くのも方法のひとつです。また、アリが嫌うものにハッカの匂いやアルコールもありますので、スプレー容器に入れて吹き付けておくのも良いでしょう。アリ専用の忌避剤も市販されていますので利用しても良い効果が見込めます。

アリを発見した時の防ぐ方法その④

家の中でアリを見つけたら・不快害虫忌避粉剤を使う

アリを始めムカデやナメクジ、クモ、ワラジムシなど家庭で良く見かける虫類を不快害虫と呼んでいます。直接目に見える虫には殺虫剤などで退治できますが、どこにいるか分からない不快害虫には残効性のある粉状の殺虫剤を、見かけた場所や通路などに散布しておくと効果を期待するものです。アリの行列に直接散布しても良く、巣穴の周りや、家の外壁に沿って散布する、いわゆるバリアを張る要領で撒いておきます。

アリが巣を作る場所

アリは枯木や竹の中にも巣を作る種類もありますが、家の中に侵入するアリは、通常土の中に巣を作りコロニーを形成しますが、壁紙の隙間や家電製品の中にも巣を作ることもあります。庭や芝生の中などに土を盛り上げた“アリ塚”を見かけます。また、鉢植えを地面に直接置いてある場合も鉢底から侵入して巣を作ることもあります。家の敷地内に巣があれば、いずれエサを求めて家の中に入ってくることは十分考えられます。

アリの巣は雨で何故壊れない?

アリの巣は雨が降った後でも何故復活しているのか、不思議ですよね。アリは元々潜在的能力が高く湿度や気温の状態を敏感に察知して、巣の入り口を塞ぎ、水が入るのを防ぐ行為をします。また、雨水が入り込まない場所にあらかじめ巣を作るのです。それでも雨が沁みこんだ場合でも大丈夫な様に、居住する複数の場所を、入り口からの本道より枝分かれした側道の上方に作り、入り込んだ雨水は本道を伝い落ちて下方の土に沁みこむシステムとなっている訳です。

アリの駆除方法その①

家に入ってくるアリ退治・手軽な熱湯かけ


多くのアリがひとつの巣の中にコロニーを作り集団で生活活動をしています。庭などでアリ塚を見つけたら巣ごと退治してしまうことがおすすめです。アリの巣は前述した通り水が流れ込んでも大丈夫の様な作りになっていますので、水では退治は不可能です。薬剤を使っても良いのですが、費用をかけないで手軽なのが“熱湯”です。アリの巣の構造は複雑で、思いのほか深く作られていますので、入り口付近からある程度掘ってから熱湯を注ぎこみます。一度だけではなく、何回かに分けて行うと効果的です。

アリの駆除方法その②

家に入ってくるアリ退治・身近なグッズを使う

家の中に入ってきた数匹のアリを駆除しても、すぐにまたどこからか侵入して這いまわり始めます。そんな嫌なアリでも身近にあるグッズでも退治できるものがあるのです。アリの巣コロリの様に全滅させるほどの効果は望めませんが、手軽に見つけたアリを防ぐこと及び退治する方法です。

重曹を利用する

重曹とは炭酸水素ナトリウムのことです。ベーキングパウダーにも含まれていて、清掃などにも使われる便利グッズでも知られています。重曹をアリが舐めて体内に入ると、蟻酸(ギサン)と化学反応を起こしてアリは死んでしまいます。重曹だけではアリはエサとは認識しませんから、砂糖の様な甘いものと混ぜて動き回る箇所に置いておきます。

重曹の激落ちくん 粉末タイプ

出典:Amazon

お酢も以外と有効

アリはレモンなどの柑橘類に含まれるクエン酸が苦手です。酢の成分は酢酸ですが、これは体内に入ると分解されてクエン酸になります。酢と水を11の等分に混ぜてスプレー容器に入れ、動き回るアリに直接吹きかけます。また、アリの侵入口や通り道に吹きかけておくと、酢を嫌うアリが近づきませんので予防にもなります。

アリの駆除方法その③

家に入ってくるアリ退治・ホウ酸を使う

ホウ酸というと、ゴキブリ退治に使う「ホウ酸ダンゴ」が浮かびますね。ホウ酸はアメリカ西部やトルコなどで採掘される「ホウ酸塩鉱物」から精製されて作られています。ホウ酸は哺乳類には安全という証明がされていますので、昆虫類などの駆除剤に使われ、主にゴキブリや白アリ退治の殺虫剤として使用されています。

ホウ酸の使用法と注意点

ホウ酸は安価(500g500円前後)で購入できますので、砂糖か蜂蜜の様な甘い物とを混ぜて緩いペースト状にしたものを作り、カード大程度の硬い紙に塗ったものを複数作り、経路となる場所に置いておきます。これをアリがエサとして巣まで持ち帰ると、他のアリも駆除できるのでアリの巣コロリと同様の効果があります。ホウ酸は非揮発性で分解もされませんので、半永久的に効果が持続しますが、外では不向きということと、幼児やペットがいる家庭では使用を控えましょう。

アリの駆除方法その④

家に入ってくるアリ退治・ベイト剤を使う

ゴキブリ駆除に使用するコンバットと同様のものでで「食毒剤」とも呼ばれて」います。製品名では「アリメツ」とか「アリ用コンバット」「アリの巣コロリ」があります。アリが良く出る場所など数か所に置いておくもので、最初に見つけたアリが仲間にシグナルを送って呼び集め、毒エサを巣に運び入れて貯め込まれます。女王バチや幼虫など他のアリたちはそのエサを食べることによって全滅させられます。アリの卵は約10日前後で孵化して活動しますので、見つけ次第直ぐに設置して退治する必要があります。

アリの駆除方法その⑤

家に入ってくるアリ退治・アリ用エアゾールスプレーを使う

殺アリ用のエアゾールスプレーは、見つけたアリの行列などに直接スプレーして退治するもので、ハエや蚊などに使用するものと同じタイプのものです。霧状にして噴霧するものですから、壁や天井、樹木などにも吹き付けることができます。スプレー缶の吹き出し口にノズルを付ければ、壁やモルタルの隙間などの狭い箇所や、巣の中にも吹き込めるので、アリをすぐに駆除したい時には便利です。但し、アリ用殺虫スプレーは刺激的な匂いが強いですから、室内で使用する時は換気をするなど注意が必要です。

シロアリかなって思ったら!


家の中で黒アリが動き回るのを見つけたら、可能性としてシロアリが生息しているかも知れません。シロアリにとって黒アリは天敵なのです。黒アリはシロアリを栄養源として捕食するからです。また、57月頃に羽アリが群れをなして飛んでいたらシロアリを疑いましょう。シロアリは柔らかい木材や枯れた樹木などを好んでエサとします。家に巣を作る場所は床下や湿気のある場所(例えば風呂場)が多いとされます。胴回りがくびれてなく、羽が同じ大きさであればシロアリと思って良いでしょう。

シロアリ駆除は専門業者に

シロアリとアリの名前が付いていますが、アリの場合は完全変態昆虫で蜂(はち)と同種で、シロアリは不完全変態昆虫綱ゴキブリ目シロアリ科で、ゴキブリと同じ仲間なのです。シロアリは家の土台部分の木材や柱などを食い荒らして、甚大な被害をもたらします。シロアリを素人が退治するのは容易ではありません。生息場所や被害状況などを調査して全滅させなければなりません。シロアリを疑ったら、費用は掛かりますが専門の業者に依頼するのが被害を食い止める最善の方法です。

アリの怖い外来種

近年外来種の危険な種類としてのアリの生息が日本の各地で発見されています。1993年に広島県で初めて生息しているのが確認された「アルゼンチンアリ」や、2017年に兵庫県で発見され最近では東京大井ふ頭でも発見された「ヒアリ」がいます。発見したら殺虫剤やアリの巣コロリなどの殺アリ剤でとりあえず動き回るのを防ぐ手段を講じ、関係機関に連絡しましょう。

アルゼンチンアリ

アルゼンチンアリは南米原産で繁殖力が強く23mm程度の小さい茶褐色して、攻撃性も強く在来の生態系を壊すとされています。この種類は、ひとつの巣に複数の女王アリがいて大きな集団を作るのが特徴です。地面に置いた植木鉢やブロックなどの下の様にどこにでも巣を作ります。殺虫剤の噴霧やアリの巣コロリを置いて駆除を図ります。

ヒアリ

ヒアリも南米中部が原産で、2.56mmの体長で全体に赤茶色で腹部は黒っぽい赤色をしています。毒性が強く、刺されると激しい痛みを生じ、アレルギー反応をおこして死亡する場合があります。空き地や草地などの開けた環境に巣を作ります。やはり殺虫剤を噴霧したり、ベイト剤のアリの巣コロリなどを置いて退治します。

まとめ

どこから入ってくるのか原因が分からず、家の中でアリが這いまわるのは嫌なものです。家の中に入り込む原因及び経路を絶つ方法と駆除の方法をご紹介してみました。アリを退治するには卵を次々と生む女王アリを駆除するのが一番適格な方法で、コロニーを全滅させるのが最良の方法ですから、殺虫剤のアリの巣コロリなどを使用するのが効果的です。といっても、駆除を完璧に行うのは手間も掛かりますし、なかなか難しいものです。不快害虫を駆除する業者に困ったら相談してみるのも良いでしょう。

アリについて詳しい事を知りたい方は!

アリに限らず嫌な不快害虫について、もっと情報を知りたいという方は「暮らし~の」のWEBマガジンでも種々な情報がありますので検索してみて下さい。