マスツーリングのペース:はじめに
私は子どもの頃から算数が苦手です。一番苦手だったのは旅人算。「分速200mで家を出たたかし君を5分後にひろし君が分速250mで追いかけました。ひろし君は出発してから何分後にたかし君に追いつくでしょう」という問題。同級生が難なく回答していく中、授業についていけない自分に劣等感を感じていました。どうも!暮らし~のでライターをしておりますhosokawa_takaです。
マスツーリングについていけない理由は?
そんな算数嫌いな私ですが、マスツーリングは公約数で結ばれたバイク乗りたちの集まりだと思っています。それぞれの約数から公約数を見出してプランを立てると、マスツーリングは楽しいものになるからです。
では本題!ここでは私のマスツーリング経験を語ります。なお、この記事は2020年4月8日現在の私の心境をもとに作成しますことをご了承ください。
マスツーリングのペース:少し背伸び
初めてのマスツーリング
私が初めてマスツーリングを経験したのは…実は思い出せないのです。高校時代の原付バイク時代をカウントしないのであれば、北海道で知り合った愛知県のXLRバハさんとのペアツーリングが誰かと初めて走ったツーリングかもです。XLRバハさんと出会ったのは26年前、北海道石狩市の浜益付近のキャンプ場でした。礼文島のユースホステル桃岩荘へ一緒に行きませんか?と誘われ、約250キロを一緒にツーリングしたのです。
少しペースが速いくらいは達成感がある
レース経験者のXLRバハさんとのんびり派のジェベル200に乗る私。ついていけないというほどではないものの、私にとってはかなりハイペースなツーリングでした。しかし、XLRバハさんのリードのおかげで、桃岩荘を通じて楽しい思い出を得られたのです。少し背伸びなツーリングであっても、マスツーリングには心強さがあり、挫けそうな気持を支えてくれます。
マスツーリングのペース:世話役の経験
マスツーリングの世話役をした経験
数少ない私のマスツーリング経験で、20代後半頃に世話役をした話を一つ。青年団活動を通じて知り合ったリーダーたちを誘って、何度かマスツーリングをしたことがあります。マスツーリングのお約束を知らない私、誘ったメンバーに申し訳ないツーリングをさせてしまいました。そう!私のソロツーリングのスタイルに付き合わせたのです。
※青年団:自己の形成と地域づくりを目的にした活動グループ
信頼関係があれば楽しい!
そのマスツーリングに集まったメンバーのバイクは、カテゴリーが全員違っていました。バンク角が少ないビッグスクーターは狭路で四苦八苦!メガスポーツは渋滞でラジエターフィンが回りっぱなし!しかし、普段の青年団活動では見せない笑顔に救われました。いつものペースで走れなくても、すでに信頼関係が築かれたなかまとのマスツーリングは楽しいですね。
マスツーリングのペース:超高速クラブ①
ペースが合わないマスツーリング①
高校時代の友人に誘われて大型バイクが集まるツーリングクラブに参加していた時期がります。CB1100XXブラックバードやZZR1100など、逆輸入のメガスポーツばかりが集まるツーリングクラブでした。当時私が乗っていたのはゼファー750RS(D2輸出仕様)。これではついていけない…私の直感は見事に的中し、スタートから5分後にはメンバーの背中が見えなくなり、ソロツーリング状態になったのです。
バイクの性能やライダーの技量の違い
リーダー格で私より一回り以上年上のCBR1100XXブラックバードさんは「hosokawa_takaさん、バイクにリミッターが付いていないのに、心にリミッターをかけてはダメですよ~」というのです。超高剛性のアルミフレームと、しなり重視の丸断面スチールフレームの違いを見せつけられました。エンジンパワーよりもフレーム剛性やサスペンションの追従性でついていけないのです。いやいや、腕とメンタルに雲泥の差がありました。
マスツーリングのペース:超高速クラブ②
ペースが合わないマスツーリング②
これでは命がいくつあってもついていけない…そう思った私は無理についていこうとしませんでした。もし事故をしたら遅れるよりも迷惑をかけてしまうと思ったからです。同級生に話を聞くと、とあるツーリングクラブに所属するメンバーのうち、速度域が速いメンバーで構成されたツーリングクラブとのこと。わがままな動機で集まったメンバーばかりですので、違いを認める風潮がありました。
ペースが合わないマスツーリングが楽しかった理由
そのツーリングクラブに何度か通ったのには理由があります。遅くてついていけない私に、無理についてこさせようとしなかったからです。個々に快適なペースを楽しむツーリングクラブでしたので、次の休憩ポイントに無事に着けばとがめられません。遅くてついていけない私を何度も誘ってくれましたし、私も居心地が良かったので、XR250に乗り換えるまで通いました。
マスツーリングのペース:ゲロアタック①
技量が圧倒的に合わないツーリング①
ネット掲示板の募集で知り合った人たちとマスツーリングをした経験もあります。ダート走行の腕を磨きたいと思い、ゲロアタックツーリングをするクラブに参加したのです。「プチゲロ参加者募集」とあり、「プチ」なら頑張ればなんとかなるかもと思ったのが動機。しかし…集合場所に着くと公道仕様化されたエンデューロレーサーや125ccの2ストロークトレールなどの姿が!「これ、あかんやつや…」と足がすくみました。
※ゲロアタック:ゲロを吐くほどバイクを押さなければならない難所アタック
上手なライダーの後ろを走ると勉強になるが…
予感的中!お決まりのようにダートの入り口でタイヤの空気圧を落とし、道幅がハンドル幅プラスαレベルの急坂を上るのです。上手な人は登りながらリヤタイヤの荷重を抜き、スライドさせながら進行方向を変えています。上手な人って頭と腰の位置がブレないのか…腕と膝をサスペンションの一部にし、前後タイヤにかかる荷重をコントロールしている様子。バイクに乗っているより押している距離が多い私には神業に見えました。
マスツーリングのペース:ゲロアタック②
技量が圧倒的に合わないマスツーリング②
プチといえどもゲロアタック!コケるたびにバイクを起こし、体力がどんどん奪われていきます。私の後ろについてフォローしてくれる人に申し訳なく思いながらも、「一人ではこんなところに来られないよぉ」と感謝の気持ちでいっぱい。安心感もありました。これだけメンバーがいれば崖から落ちてもバイクを引き上げてくれるはずです。このツーリングクラブにもう少し通っていたら、私はもう少しバイクの操作が上手になっていたかもです。
林道ツーリングのマナーを教わる
林道ツーリングを我流でしてきた私は勉強になりました。そのツーリングクラブは走っても大丈夫なダートかを徹底的に調べていたのです。通行止めの林道や作業林道は走らないとのこと。競技用タイヤを装着している人はおらず、公道OKなエンデューロタイヤを装着しているメンバーが多かったですね。しかも、全くついていけない私をうざいと罵倒するどころか、「次回はフラットダートで参加してくださいよ~」と優しいお誘い。ごめんなさい!身の程知らずでしたっ!
マスツーリングのペース:完璧プラン①
ついていくだけのマスツーリング①
ペースについていけないツーリングクラブは異次元の世界を見せてくれるので、私はそれほどイヤなイメージを持っていません。しかし、自分に合わないツーリングクラブで走ることほどつらいものはないですね。ツーリング以外の趣味で知り合ったバイク乗りに誘われて、大所帯のツーリングクラブに参加した経験があります。しかし、これが全く私に合わないツーリングクラブだったのです。
完璧すぎて物足りないのには、私に原因がある
そのツーリングクラブは北海道行きのフェリーで知り合った人たちで構成されていました。そこに北海道で知り合ったメンバーが加わり、総勢20台くらいの大所帯。オフロードから大陸系ツアラーまで車種も幅広く、何らかの都合からか自動車で参加する人もいました。大所帯のツーリングクラブは人任せで楽チンです。しかし、普段から勝手気ままなソロツーリングしかしない私には、まるでバスツアーに参加したかのように感じました。
マスツーリングのペース:完璧プラン②
ついていくだけのマスツーリング②
ツーリングルートは完璧!絶景あり、ワインディングロードあり、ローカルグルメや主要観光地も盛り込まれていました。また、ペース配分も完璧で、宿のチェックイン時間も夕食や入浴の時間にピッタリだったのです。夕食はお魚がおいしい民宿で大宴会…おや?これって職場や自治会の慰安旅行のような…。私に合わないマスツーリングはこれが最初で最後です。
女性にやさしすぎるマスツーリングはしらける
このツーリングクラブで合わないと思ったのがもう一点。女性ライダーをチヤホヤする風潮についていけないのでした。女性ライダーが駐輪での取り回しに苦労していると「大丈夫?」と声をかけて手伝っている光景に愕然!いやいや、女性といえども北海道ライダーなのだから、そんなことするのは失礼なのでは?と思ったのです。コケた!事故した!そんな場合なら全力で助けるべきですが、バイクの取りまわしまで手を貸すなんて…。
マスツーリングのペース:うざい?①
マスツーリングは道路でうざい存在なの?①
マスツーリングをうざいと感じる人は多いようです。高校の同級生とのマスツーリングでの出来事。先導はCBR1100XXブラックバード(先述した人物とは別人)、ホーネット、私のXR250、ハーレー・ロードキングをはさんで、しんがりはGSX1300Rハヤブサという隊列でした。たった5台のマスツーリングでしたが、私たちをうざいと思ったのか、後続の自動車ドライバーが無理な追い越しをしてきたのです。
心無い自動車ドライバーからの嫌がらせ
道幅が広い山間部の快走路を走行中、心無い自動車ドライバーがしんがりのGSX1300Rハヤブサを無理やり追い越し、ハーレー・ロードキングに煽り運転をし始めました。そして、私たちのマスツーリングの隊列を無理に追い越したのです。マスツーリングで自動車ドライバーから受ける嫌がらせは恐怖でしかありません。必ず誰かを巻き添えにしてしまうからです。
マスツーリングのペース:うざい?②
マスツーリングは道路でうざい存在なの?②
マスツーリングでは速度域が遅いバイクにペースを合わせるのが基本ですので、この同級生ツーリングでは私のXR250の速度域に合わせたペースだったのです。しかし、うざいと思われるほど遅かったわけではありません。メーター読みで法定速度プラス10キロ程度。なぜ自動車ドライバーはマスツーリングをうざいと感じるのでしょう?バイクのかっこよさに対するひがみ?助手席の彼女がバイクをかっこいいといって嫉妬した?
バイクと自動車との間合いの違い
私たちをうざい存在だと思われたとするならば、マスツーリングの隊列を自動車で追い越しするのは難しいからかもです。自動車よりも体積が小さいバイクは自動車からうざいと思われがち。そこまでして追い越ししなくてもいいでしょ?といいたいところですが、敵対心をむき出しにしてバイクを追い抜く自動車ドライバーは少なくありません。自動車という守られた乗り物に乗りこみ、気が大きくなっている人も少なからずいます。
マスツーリングのペース:考察
マスツーリングは集まってきたメンバーの公約数が多いほど楽しいですね。世話役になると、メンバーとの信頼関係、ツーリングの目的、バイクの性能や技量など、マスツーリングに集まってくるメンバーの公約数を探りながらマスツーリングのプランを練ることになります。ソロツーリングばかりをしている私、もしかして手持ちの約数が人と合わない?人と合わせられる約数をたくさん持っている人がうらやましいです。
公約数が見いだせないマスツーリング
では公倍数はどうか?公倍数は無限大にありますので、求めるとキリがありません。また、公倍数の数値が大きくなるほど隔たりが生じ、マスツーリングの楽しさがぼやけてしまいます。
マスツーリングは手持ちの約数が少ない私のようなソロツーリング派から「面倒くさそう」と思われることもあるでしょう。また、マスツーリングと公約数を全くもたない自動車ドライバーからは、うざい集団だと思われがちです。
マスツーリングのペース:まとめ
マスツーリングでは集まってきたメンバー全員が楽しめるようにプランが立てられますので、ソロツーリングのような満足感を得られません。しかし、ひとりでは心細くなるような場面に遭遇しても助けに期待できるのはメリット。逆に、参加することでメンバーに精神的な支えを与えられますし、これまで得たノウハウを活かして誰を助けられるかもです。また、達成感を共有できる人がいるのは素敵なことですよね。
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