ジャスミンの特徴
ジャスミンはモクセイ科ソケイ属の常緑低木の花木
香水や精油の原料として使われたり、品種によってはハーブティーでお馴染みのジャスミンティーとして知られるジャスミンは、アジアやアフリカの熱帯や亜熱帯地方原産のモクセイ科ソケイ属の常緑低木の花木です。学名はJasminum。英名はjasmin、和名は茉莉花(まつりか)といいます。一般的な呼び名のジャスミンとは、ペルシャ語の「Yasmin・神様からの贈り物」という意味に由来した花名で、優雅で甘い魅惑的な香りが特徴です。ジャスミンの精油は、その種類の大量の花からわずかしかとれない貴重な精油です。精油の採れる種類は夜半に満開になるので収穫は早朝に行われるそうです。3月から6月に開花する春の花のジャスミンは、フェンスに這わせると綺麗な花と甘い香りを楽しめます。
ジャスミンの特徴が由来する花言葉
魅惑的な香りが由来する花言葉は「官能的」
さて香りの王様とも言われる、優雅で甘美な香りが特徴のジャスミンの花言葉は、その魅惑的な香りが由来となり、「官能的」という花言葉が付けられています。清楚な白い花でありながら、濃厚な香りを放つ「香りの王様」であるジャスミン。昔はジャスミンの花の魅惑的な香りが幸福な結婚を約束するとされ、結婚式の花嫁の冠に使われたそうです。ジャスミンの香りは媚薬で、子宝や安産の願いにも応えてくれる花とされ、寝室に飾って子宝を願ったそうです。またツル性の植物に共通する言葉から、「縁結び」の花だとされ、国によっては「永遠性」という花言葉も持ち合わせているそうです。
ジャスミンの見た目の印象が由来する花言葉
純白の花姿から「愛らしさ」「優美」
純白な美しい花姿の様子が由来して付けられているジャスミンの花言葉は「愛らしさ」「優美」です。インドの女性の間では、恋人からジャスミンの花を贈られると、愛らしいジャスミンの花を髪の毛と一緒に編み込んで永遠に変わらない愛を約束するそうです。愛らしいジャスミンの見た目と、恋人との愛を結ぶ意味合いをかけて「愛らしさ」という言葉が付いています。「優美」という言葉は、白い花をいっぱい咲かせる見た目の美しさから由来しています。
ジャスミンの花色による花言葉
白いジャスミンの花言葉
ジャスミンのソケイ属には、一般的なジャスミンであるハゴロモジャスミンのほかに、約200種類の品種があります。ほとんどの種類は純白か薄いピンク色をしていますが、中には黄色い花を咲かすジャスミンもあります。ジャスミンは品種が多くとも花色が多いわけではありませんが、黄色いジャスミンやピンクの花を咲かせる種類のジャスミンは、花色によって花言葉が付けられています。お花を贈るときに覚えておくと便利な花言葉。例えば白いジャスミンに付けられている花言葉は「優しさ」「温和」「貞淑」です。これは白い花に共通する花言葉でもあります。
黄色いジャスミンの花言葉
品種によっては黄色い花を咲かせるジャスミンもあります。黄色い花のジャスミンの花言葉は「優雅」「上品」です。カロライナジャスミンという品種は黄色い花を咲かせます。園芸品種の中でも観賞用として人気のある種類ですが、この種類のジャスミンの花は優しい香りがして、鉢植えにしたり、切り花にして飾っておくと部屋の中が優しい香りに包まれて、花言葉通りに「優雅」な感じになります。見た目も上品な花姿です。
ピンクのジャスミンの花言葉
ジャスミンの種類の中でポピュラーな品種であるハゴロモジャスミンは、白い花かピンクの花を咲かせます。強い魅惑的な香りを放つのが特徴です。花言葉は純白のジャスミンの花言葉と同じ「官能的」です。ピンクの花を咲かすジャスミンにはキリスト教にまつわる伝承があります。
ピンクのジャスミンの花言葉にまつわる伝承とは
イエス・キリストが十字架刑に処せられた日、キリストを崇拝する人々は絶望の深い悲しみにいました。その悲しみは花でさえ枯れてしまうほどの悲しみであったのだと。ただピンクのジャスミンだけは葉を閉じ美しい花を咲かせていたのです。しかしそのピンクのジャスミンも翌日にはピンク色が抜け落ちてしまい、それからは真白な花の色に変ってしまったという話です。ピンクのジャスミンは今も珍しい色ですが、そのわけにはこんな伝承があるのです。
ジャスミンの伝承にまつわる花言葉
古代インドの宗教とインドの民間宗教が結合したヒンドゥー教を信仰する民族の中に伝わるジャスミンの関する伝承にこのような話があります。それはヒンドゥー教で愛の神とされているカーマという女神の話です。その女神が持つ弓矢の先には、ジャスミンの油が塗られているのだと。その矢に貫かれるとたちまち恋に落ちるという話が伝承されています。そんなインドの伝承から、ジャスミンの花言葉の中に「恋の成就」という言葉が付けられているそうです。あまり耳にしないジャスミンの花言葉ですが、ヒンドゥー教徒の間に伝わる伝承から、ジャスミンはこんな花言葉も持ち合わせています。
ジャスミンの裏シンボルとなる花言葉
裏シンボルとは否定的な意味の花言葉
花言葉は見た目の印象、植物学的な特徴、神話、その国や土地に伝わる伝承や風習にちなんで、研究者やその国や地域によって決められてきました。ですから1つの花に内容の異なる花言葉が付けられているのはよくあることです。また花言葉は幸せを意味するポジティブなものばかりではなく、否定的な意味合いの言葉もあります。そうしたマイナスイメージの花言葉をその花の「裏シンボル」と言います。花を贈るときには幸運を呼ぶ花言葉に想いを託して贈ると、より素敵なプレゼントとなりますが、励ますつもりで贈った花の「裏シンボル」によって、塞ぐ気持ちに拍車をかけてしまわぬように、その花の裏シンボルを知っておくのも、花を贈るときに都合がよいことでしょう。裏シンボルのない花もありますが、ジャスミンはこんな否定的な花言葉も持ち合わせています。記憶のどこかにメモしておいてください。
ジャスミンの裏シンボルは「誘惑」「好色」
香りがよい花であることからジャスミンの代表的な花言葉は「官能的」ですが、研究者や国によってはその香りが「相手を誘惑する」、とくに女性が男性を誘惑する花だいうことで、ジャスミンの裏シンボルには「誘惑」とか「好色」という言葉が付いています。ジャスミンは古代エジプトの女王クレオパトラが愛した香りであることでも知られている花ですが、絶世の美女であり男性を次々と魅了していった魔性の女性という印象から、魅惑の女性をネガティブにとらえた意味を持つ言葉が、ジャスミンの花の裏シンボルに付けられていると言われます。絶望的な意味の言葉ではありませんが、ジャスミンを贈るときにこんな言葉もあったということを知っておくと、贈る場面に役立つ場合もありますので記憶のどこかにとどめておいてください。
ジャスミンの楽しみ方
鉢植えや切り花で楽しむ
鉢植えを室内に置くだけで甘い香りが漂うジャスミンは、鉢植えやガーデニングの花木として楽しまれています。鉢植えのジャスミンは、ワイヤーや支柱を使ってこんもりと仕立てると綺麗に飾れます。庭に地植えする場合は、つる性の特徴からフェンスなどに這わせると綺麗に花を咲かせます。花が咲き終わったら、上手に選定すると形も整い、翌年もまた綺麗な花を楽しめます。また切り花にして飾る場合、長く楽しむためには水揚げしやすい工夫が必要です。水の浸透を早め、バクテリアの付着をしにくくするため、茎を斜めにカットしてハッカ油、酢、木酢液などのいずれかに数秒浸けて、すばやく深水に生けると切り口から水が動きやすくなると同時に、除菌効果もあがり、ジャスミンの切り花を長く楽しむことができます。
ハーブティーとして楽しむ
ジャスミンティーでお馴染みのジャスミンは、ハーブティーとしても楽しむことができます。ただハーブティーとして楽しめるものは、アラビアジャスミン(マツリカ)という種類です。真っ白い可愛い花を咲かせます。一般的によく見かけるハゴロモジャスミンは、ハーブティーにはなりません。ハゴロモジャスミンを観賞以外に活用するには乾燥させた花をポプリなどにして利用するとよいでしょう。
春は魅惑的な香りのジャスミンを楽しもう!
温かな日差しの中、散歩しているとどこからともなく甘い心地よい香りがしてきました。見ると綺麗に整理されたお庭のフェンスに真っ白いジャスミンの花がいっぱい咲いていました。春も半ばになる頃に咲きだすジャスミンの花。裏シンボルはさておき、真っ白なジャスミンの花言葉どおり、優しい花姿に心が癒されます。鉢植えやガーデニングで楽しむほかに、切り花にして飾ると、部屋にも春の甘い香りがいっぱいです。ジャスミンの花を飾って、心地よいこの季節を十分に楽しんでください。
ジャスミンについてもっと知りたい方はこちらもチェック!
当サイト「暮らしーの」ではジャスミンの育て方など、ジャスミンに関する情報を他にもまとめています。ジャスミンの情報をもっと知りたい方はこちらもチェックしてみてください。情報をチェックしてジャスミンをより一層お楽しむください。

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