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カタバミの花言葉と和名は?花の色・品種・分布など特徴をまとめて解説!

どこにでも見られるカタバミは、意外と奥が深い植物。単なる雑草と言われながらも、むかしから人々に好まれる傾向にありました。あまり知らないカタバミの別名や花言葉も含め、道ばたに咲くカタバミの魅力と秘密に迫ってみることにします。
2020年8月28日
はぐれ猫
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カタバミとは

繁殖力が旺盛な多年草

ふと地面を見れば、カタバミの姿を見かける機会が多めです。カタバミ科カタバミ属に分類されている多年草で、毎年春の季節からハート型の葉を茂らせます。多くの人が可憐な植物であると認めるカタバミですが、雑草として定義されることもしばしばで、繁殖力が旺盛過ぎるのが玉にきずなところです。

日本文化に根ざしたカタバミ

この有名なカタバミ、存在感を発揮しているのを見て分かる通り、日本文化に深く根ざしてきた植物でした。それは平安の貴族や曲亭馬琴など名だたる文学者も、和歌にかたばみを取り入れた事実からも分かります。そして古来より家紋に取り入れられるなど、存在自体が好まれてきた歴史があります。

カタバミという名前について

カタバミの意味

不思議な響きのあるカタバミという和名は、漢字にしたら片喰、傍食、あるいは酢漿草など様々な表現があります。この片喰という奇妙な和名は、葉っぱの片側が食べられたように短いことが由来とされています。酢漿草と書くのは中国で酸味草と書くのと共通し、葉っぱが酸っぱいことが語源です。

180種も登録がある別名

実はこのカタバミ、日本全国には180種類もの地方名があるのです。別名としては黄金草、鏡草などがあるほか、北海道ではオゴリコ、兵庫県ではイチャチャボ、山梨ではオチャッカラ、岩手ではアケズノアスキママなど。ちょっと耳にしただけでは、意味が分からないような変な和名が多めです。

カタバミの葉っぱの特徴

葉っぱ

いつもハート型と表現される葉っぱは、カタバミの見た目の中でも大きな特徴になっています。3つのハートが組み合わさったデザインは三出複葉と呼ばれ、古くから日本にあったカタバミの葉っぱは、ほとんどがこの形状です。しかし稀に、四葉や六葉など変異した葉っぱを見ることもあります。

葉っぱの就眠運動

夜の暗い時間帯になると、カタバミの葉っぱは就眠運動と呼ばれる独特な動きをする特徴もあります。カタバミの株に付く全ての葉っぱが、傘を折りたたんだように閉じてしまうのです。翌日、朝日がのぼると同時に葉を広げ始めます。これは空の明暗の刺激によるもので、人間の睡眠と似て非なるものです。

カタバミの茎と根っこの特徴

地中の球根と根っこ

多くのカタバミの種類で見られる特徴が、地中深くにある球根の存在です。さらに品種によっては、まるでリトルなダイコンのように太い根っこを伸ばす種類までもあります。カタバミは球根で増えるよりは、匍匐茎(ほふくけい)や種によって繁殖をする品種が多いので、根っこの立派さは意外な印象です。

地面を這う匍匐茎(ほふくけい)

匍匐茎の植物と言ったら野菜の代表格ではサツマイモ、フルーツではイチゴを思い浮かべます。カタバミも本体から匍匐茎を伸ばして、別の株を生み出す仕組みを持っている植物です。匍匐茎を春から秋までの季節にかけて旺盛に伸ばして行くことが、繁殖力が強い大きな理由になっています。

カタバミの花と果実の特徴

春から初夏の花

基本的にカタバミ属の品種は、鮮やかな黄色い花を付けるものが多めですが、ピンクや白の花を付ける品種もあります。直径は3~4cmほどになる花には、花弁が5枚付いています。花が咲く季節は春だけに限定されることがなく、夏や秋の季節までとかなり長い期間に渡って花を付ける特徴があります。

日陰では花がしぼんでしまう

綺麗なハート型の葉っぱが光の加減で就眠運動を行うのと同じように、カタバミの花も光に影響されがちです。日向には黄色の花が咲き誇るのですが、日陰で花を付けるとすぐにしぼんでしまいます。園芸で自宅で栽培をするときには、日向で育てるのが不可欠とされている理由がこれです。


カタバミの果実

不思議な果実

たとえ花が終わっても、カタバミの不思議な魅力は尽きません。季節は夏から秋にかけて、カタバミはかなり特殊な構造を持っている果実を付け始めます。細長く伸びた果実は、小さいながらもまるでロケットみたいに天に向かってそびえるのも特徴的です。

はじけ飛ぶ種

この特殊過ぎるカタバミの果実は、面白い光景を見せてくれることでも知られています。指先で軽く触るだけで、中に詰まっている茶色や黒の小さな種を周囲にはじけ飛ばすのです。カタバミは匍匐茎と組み合わせ、飛び散る種によっても効率的に繁殖することができるというわけです。

カタバミの分布

世界中に分布

地面を見渡すとあちこちにカタバミが生えているのは、どこでも同じようです。カタバミはいつの頃からか、世界に分布している植物となりました。分布は温暖な地域を中心としますが、寒冷地にも分布しています。耐寒性はあるとは言え、冬の季節にマイナス10度を大きく超えるで分布する状況は稀です。

乾燥した地面や人家の庭に

国内でのカタバミの分布は、比較的に人手が入った環境でよく目立っています。乾燥した地面を好む傾向があり、均された地面、だだっ広い公園や広場、各家庭の庭などに分布しやすいようです。ちょっとしたスペースがあれば、生き抜くような生命力の強さを持っています。

カタバミの品種

多様なカタバミの品種

今世界に分布しているカタバミには、膨大な品種が存在します。カタバミ属はオキザリスの品種も含めると、熱帯を中心として850種も分布しているというから驚きです。園芸ではカタバミは小柄で種と匍匐茎で繁殖し、オキザリスは大柄で球根で増えると区別される傾向もあるので、分類がやや難解です。

ケカタバミ

葉っぱや茎などを含めて全体的に産毛で覆われているのが、ケカタバミの和名が付いた品種。葉っぱの形状はハート型、黄色い花を付けるのは一般的なカタバミ同様ですが、葉が紫色に変色する傾向があります。見た目が特徴的なので、鉢植え栽培としても良く好まれています。

アカカタバミ

とても生命力が強いことで知られるのは、アカカタバミの品種。葉っぱは小ぶりで、全体が赤みがかることが和名の由来で、黄色い可憐な花を付けます。排気ガスが常に蔓延する幹線道路のアスファルトの隙間でも、平気で繁殖する姿が見られます。分布域が広いため、道ばたでの採取も容易です。

イモカタバミ

刺激的なピンク色の花を付ける代表格の和名は、イモカタバミ。学名をオキザリス・アルティクラタと言い、第二次大戦後に観賞用として国内に持ち込まれて以降、繁殖力が旺盛なため今では日本中に分布します。ピンクの花は春と秋の季節に2度咲き、球根が数珠つなぎになっているのも特徴です。

オッタチカタバミ

普通のカタバミと似て非なるものといえば、オッタチカタバミがあります。これは北アメリカ原産のカタバミ属(オキザリス・ディレニー)で、昭和の中期から全国に分布するようになりました。匍匐茎が途中から空に伸びて立つ種類なので、このヘンテコな和名が付いています。

シボリカタバミ

葉っぱの形状から花まで完全に別物に見えるのは、シボリカタバミ。これは南アフリカ原産のカタバミ属で、冬の季節似花を咲かせます。花が閉じている時には赤の縁取りある姿がとても魅力的で、花が完全に開くと白を基調とした姿になります。鉢植えとしてかなり人気がある品種です。

カタバミと間違えやすい種類

クローバー


よく間違えられがちな種類として、クローバーを忘れてはいけません。クローバーは和名をシロツメクサというマメ科の植物で、全世界に260種類も分布しています。多くのクローバーは分布地域がカタバミと被っている上、葉っぱの見た目も似ていることで区別が付かない人が多いようです。

クローバーとカタバミの違い

葉っぱではカタバミがハートなのに対し、クローバーは円形という違いが基本です。さらにクローバーの葉っぱには白のギザギザ模様が入っているのも違い。特に花の違いは明確で、カタバミ属は花びら5枚に対し、クローバーの花はタワシのように無数の細かい花びらの集合体です。

カタバミの家紋(片喰紋)

片喰紋の歴史

古くは奈良時代から記録があるという家紋は、日本固有の家柄などを表す紋章です。平安時代にはすでに、カタバミをあしらった片喰紋が使われていました。長宗我部氏の7つ酢漿草、往年の総理大臣田中角栄の剣片喰などが知られ、特に片喰紋は武家を中心として好まれてきた存在です。

片喰紋の意味

特に武家の間に片喰紋が広まった理由は、カタバミの特有の特徴が理由でした。カタバミは種や匍匐茎や球根によりどんどん増える繁殖力の強さがあり、根付くと絶やすのが難しい植物です。つまり家が絶えない、子孫が増えることに通じるため、片喰紋は十大家紋に数えられるまで普及していました。

カタバミの花言葉と役割

喜び

すでに19世紀の頃から西洋にある花言葉は、カタバミにも適用されています。その1つが喜びという花言葉。カタバミの可憐な花が咲いたら喜ばしい、嬉しいという気持ちが湧くことに因んでいる花言葉のようです。小さなカタバミの鉢植えをプレゼントしたり、スワッグにしてみるのも好ましく感じられます。

心の輝き

もう1つのカタバミの花言葉に、心の輝きなる種類があります。カタバミの葉っぱの中に咲く花に対して、これ以上ないほど最高の評価が付いていました。心の輝きという花言葉は、何か明るい前向きな気持ちや行動に直結している言葉。カタバミを自宅に飾ったら、花言葉のように家を輝かせられそうです。

西洋では魔除けになる

こうした前向きな花言葉が付いたように、カタバミは西洋で常に好意的な存在でした。ご利益がある植物として信じられ、西洋では金運上昇、不運回避、魔除けといった凶事を避ける役割でも使われてきました。それは繁殖力の強さや、後に述べる薬としての役割も関係していそうです。

カタバミを食べてみる

酸っぱいカタバミ

実はこのかわいいカタバミ、こっそり食べてしまうこともできます。食べてみれば和名に酢漿草やしょっぱぐさとある通り、酸っぱい味わいなのが特徴的です。この酸っぱさがあるのは、カタバミの葉っぱにシュウ酸水素ナトリウムやクエン酸が含まれていることが理由になっています。

カタバミの食べ方

実際に食べてみた人が、SNSで無難な食べ方を紹介していました。まず新鮮なカタバミが生える季節に摘み取ったら、天ぷらにするのがおすすめ。天ぷら粉を付けて油で揚げるだけなので簡単です。カタバミは良くわからない微妙な味がするとのことですが、決してまずい食材にはなりません。

ヒツジは食べるの厳禁

人間ならモリモリ食べて良いカタバミですが、ヒツジには厳禁だとされています。それはカタバミ属の植物全般がヒツジの毒になってしまい、腎臓障害を起こしてしまうからです。ヒツジにとっては花言葉も意味がないわけで、自宅でヒツジを飼うならカタバミは積極的に駆除しておきたいところです。

カタバミの生薬としての用法

生薬としての効果


古くは紫式部のいた平安時代の頃から、道ばたのカタバミは薬として使われてきました。和名の酢漿草は、生薬としてはサクショウソウと呼ばれています。伝統的なカタバミを含む生薬は、天日干しで乾燥させ、粉末として用いるのが一般的でした。自作するなら、カビには注意が必要です。

サクショウソウの効能

このカタバミの生薬を飲むことで、幾つかの効果があると知られています。まず体に溜まった不純物の解毒や、消炎の作用です。さらにお腹の調子が悪いときの下痢止めの作用も得られます。カタバミの絞り汁を、虫刺されのヶ所に塗ることで効果があるとも。庭にカタバミがあれば医者いらずかもしれません。

カタバミの駆除

根っこが蔓延り有害に

と言ったふうにポジティブな要素が目立つカタバミですが、ガーデニングの趣味を持つ人にとっては厄介な存在になります。それはカタバミが堅い地面の深くまで根ざし、駆除するのに骨が折れるからです。膨大に繁殖するまで放置しては、駆除に追われるばかりでガーデニングも進まないほどです。

カタバミの駆除方法

大型のスコップで根っこから根こそぎ掘り起こすのが、手っ取り早いカタバミ駆除の方法です。球根や匍匐茎がわずかに残っていると再び芽を出し、種が落ちている状態でも芽が出やすいので、手作業なら目を出すたびに根気よく取り去る必要があります。面倒ならば除草剤を使うのも効果的です。

カタバミの研磨作用

カタバミで10円玉が綺麗になる理由

覚えておきたい豆知識と言えば、カタバミが持っている意外な研磨作用があります。例えばカタバミの葉っぱで汚れた10円玉を磨くと、昭和40年代の古いコインですら新品同然のピカピカになります。これはカタバミの葉っぱがクエン酸、酒石酸といった、汚れを落とせる酸性物質を含んでいるためです。

カタバミで磨く方法

まず春から秋の季節、地面に生えているカタバミをごっそりと摘み取るところから始めます。スワッグのようにまとめたら、10円玉の表面をゴシゴシと磨きます。それほど時間をかけることなく、数十年来の汚れも根こそぎ落ちます。これはキッチンのシンクや蛇口磨きなどに使ってみても良いです。

カタバミで色々楽しもう

鉢植えや魔除けなど気になる使い方で

奇妙な和名から興味が湧いてくるカタバミは、春の季節から鑑賞してみたい植物でした。カタバミ属には色んな種類があって温かい季節ならずっと楽しめるし、意外な用法や食べ方も試してみたいところ。花言葉が前向きなだけに、鉢植えでガーデニングに取り入れてみたいですね。

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