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【連載】釣って食べるシリーズ!今回のターゲットはオーウルメ!さばけるのか?

火曜連載の記事はかなり好き勝手をさせていただいております。それだけに美味しい魚の紹介ができる時はほっといたします。今回はカヌーでサビキ釣りをしてまいりました。ええ、守りの釣りです。カヌーサビキで坊主はまず無いですからね。釣魚は「オーウルメ」。お刺身にしました。
更新: 2021年1月4日
kuma10
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この記事で紹介しているアイテム

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オーウルメって何でしょう?

南の島では流線型の小型魚を「ウルメ」と呼ぶことが多く、グルクン(タカサゴ)は「ハーウルメ」と呼ばれます。ハーは元はアハで赤を意味します。つまり「赤いウルメ」がグルクンですね。ではオーウルメのオーは何でしょう。実はオーはアオで、オーウルメは「青いウルメ」という意味になります。全国的には「ムロアジ」と呼ばれています。面白いのはウルメイワシで、ただ「ウルメ」で良いと思うのですが、小骨(ニギ)の多さから「ニギウルメ(ニギルメ)」と呼ばれています。

本日の釣り方(カヌーサビキ)

カナディアンカヌー

毎週末になると風が吹きなかなか出港できない日が続きましたが、やっとカヌーを出すことができました。夕方から南西の風が吹く予報でしたからアンカーを積んでの出港となりました。なにせカナディアンカヌーは風に弱いので。以前ヤマトベ(イッテンフエダイ)を釣っていた小さな根の真上にカヌーが来るようにアンカーを打って釣り開始。

大物サビキ

なにが掛かるか分からない南国の海釣り。仕掛けはどんな時も「太仕掛け」になります。まあ「よくこんなでかい針に挑んだな」と感心するくらい小さなスズメダイ(ヒキ)なんかが掛かってガッカリすることもよくありますけれど。

集魚剤入り撒きえさ

アジ用の集魚剤を混ぜた赤アミをコマセカゴに詰めて沈めます。着底したら大きく1度シャクってしばらく待ちます。集魚剤は使っても使わなくても良いのですが、アミコマセくらいは用意しましょう。何本かのロッドで一気に魚を集める時にはアミのみでも良いのですが、今回はロッド一本での釣行でしたので、集魚効果が見込めない分集魚剤を使いました。

本日の獲物(オーウルメ)

5匹釣れました!

大きさはあまり大きくない(20cmくらい)のですが、ぷりっぷりのぱつんぱつんに太ったオーウルメ(ムロアジ)が5匹ゲットできました。小型でもまだ水温が低いので、きっと脂のりも良いでしょう。温まるとすぐに身がクタッとなってしまう魚ですので、多めの氷ですぐに締めて帰宅しましたよ。ちなみにデジカメに海水が掛かってしまい、怖くてスイッチが入れられませんでしたので釣り画像はございません。すいません。


内地では干物材料

ムロアジは大量に漁獲のある魚ですが、なかなかスーパーなどでは鮮魚として並びません。その理由が前項の「すぐにクタッと」です。いわゆる「足が速い(腐りやすい)」部類の魚ですので、生食用としてはなかなか流通しにくいのです。ではどう使われるのかと言えば、一番多いのが「加工用」としての使われ方です。筆者が特に好きなのが「クサヤの干物」なのですが、嫁さんには嫌われます。

大物釣りの生餌

活餌を使っての「泳がせ釣り(関西ではノマセ釣りと言うらしいですね)」で活躍するのがムロアジです。八丈島や新島などの伊豆七島などではまずはムロアジを釣ってからのカンパチ狙いなどで釣行することが多いようです。ムロアジがエサとして優秀なこともありますが、簡単に釣れるのも理由のようです。釣れたてのムロアジのお刺身が大好きな者としてはとてももったいなく感じてしまいます。

本日の料理「お刺身のさばき方」

さばき方①「頭を落とす」

釣ってきた獲物をまな板の上に整列させたら頭をポンポンポンと落としていきます。胸鰭(むなびれ)の後ろから包丁を入れたら、そのままザクザクと切って行ってOKです。骨の柔らかい魚ですので簡単に切り落とせます。お腹にすっと肛門まで包丁を入れたら内臓を外して水洗いしましょう。この時あまりゴシゴシと洗うと身割れを起こしますので指先を使って優しく洗います。

さばき方②「三枚におろす」

背側と腹側に中心を少しずらして頭から尻尾まで包丁を入れます。尻尾側から包丁を差し込み、その切れ込みをガイドとして開いていきますが、この時包丁は必ず拭くか洗うかしてから使用します。切っ先で切れ込みを入れた時に包丁に細かいウロコなどが付いてしまうことがあります。そのまま身に差し込むと生臭いお刺身ができてしまいます。1行程ごとに包丁を拭くことをルーティーンにしてしまいましょう。この動作は傍から見てもプロっぽくてかっこいいものですよ。

さばき方③「柵を作る」

三枚におろせたら血合い骨を毛抜きなどで抜き、腹骨を漉(す)いて皮を剥きましょう。よくユーチューブなどでいろいろな魚さばき方動画などが上がっていますが、身側の処理が終わって皮を剥く時などにまな板をきれいにせずに使われている方が時折見受けられます。実食のシーンで「うんま~」などと言っておられますが、味オンチなのか嘘を言っておられるのか。とにかくまな板と包丁は常に拭く癖を付けて下さい。生臭いお刺身は食べたくないですものね。

盛り付け


大根が無かったのでキュウリだけでツマを作りましたが、大事なのは盛り付けまで冷蔵庫でお皿ごと冷やしておくことです。お皿はできれば厚めの陶器のものが望ましいです。冷蔵庫の冷気が長く持ちますから。特にアジサバイワシなどのお刺身は冷たくしておくことで臭みも出にくいのでおすすめです。

本日の食べ方(タレは2種)

ワサビ醤油に生姜をプラス

私の育った神奈川県の漁師町ではとにかく刺身は「生姜」でした。アジサバイワシはもちろんのことイカまで生姜で食べることが多く、刺身に生姜は当たり前の薬味でした。未だにワサビ醤油にも生姜を混ぜてお刺身を食べますが、これはすべてのお刺身マニアにおすすめです。こってりしたムロアジを爽やかな辛みでバランスよく食べさせてくれます。ただし、慣れていない人にあまり勧めると「この魚臭いから生姜を使っているんでしょう」とあらぬ疑いを掛けられるので気を付けましょう。

酢醤油のタレ

かけろまきび酢(700ml)

この食べ方は実は島に移住してから覚えました。島には古来から伝わっているサトウキビからできるお酢があります。これとお醤油を1:1で混ぜたタレにワサビを加えて酸っぱいタレを作ります。お酢の力でお刺身が白く焼けるまで置いてからいただきます。青物系のお魚を筆頭に、カツオやマグロも島ではこの食べ方をする方が多いのは、食中毒対策もあったのでしょうが、とても美味しくいただけます。もちろん普通のお酢で充分美味しいのでお試しください。

今回の釣行データ

大潮前の中潮

新月前の中潮。18時ころが満潮だったのでその3時間前に出港。釣り方はカナディアンカヌーをアンカーで止めての簡単なサビキ釣り。強風の日が続き、釣り自体がなかなかできない日々だったので、のんびりと釣りを楽しみたいとこの釣り方をチョイスしました。ジギングなどでは休みなくロッドを振っていなければなりませんものね。家から漕ぎ出して約15分。水深20mほどの浅場。

満潮前の上げ7分

午後の三時ころから潮止まりまでの約2時間と決めての釣行になりました。満潮に対しての上げ7分(ぶ)なので何が回って来るのか期待は大きかったのですが、潮の動きが悪く最初はまったく竿が曲がりませんでした。ようやく一匹目のオーウルメが掛かったのがすでに4時過ぎ。群れが湧くことも無くポツポツと5匹釣ったところで納竿となりました。

カヌーサビキのターゲット


根魚

海底が何も無い砂地の場所ではたとえ集魚剤を大量に使ったとてあまり魚は寄ってきません。ですから小さくても「根」らしきものが海底にある場所で魚釣りはします。するとそこに棲み付いている根魚もついつられてサビキに食い付いてきます。画像の魚は「カンモンハタ」ですが、他にはイッテンフエダイやホウセキキントキなども掛かります。内地ですとメバルやカサゴが同じような釣れ方をしますね。カヌーでのサビキ釣りは、簡単で釣果の多い釣り方です。

アジ系回遊魚

ギンガメアジやカスミアジ、ナンヨウカイワリなどの小型GT系の魚もカヌーサビキではよく釣れます。季節と潮回りで釣果は変わりますが、ほぼ周年狙うことはできます。他にはティップランなどの釣り方でレッドデビル(3㎏以上のアオリイカ)なども狙えますが、こちらはやはり確実性は下がりますね。

カヌーサビキは間違いなし!

生でいただくお魚で、アジは常に人気投票上位に来ますよね。ところが足の速いムロアジはいつも蚊帳の外。旨味と脂、歯ごたえ、食感。どれを比べても、新鮮なムロアジはどの部門でもトップが取れるほどの実力者です。ムロアジはほぼ日本中の海で見ることのできる魚です。新鮮なものを手に入れたら、ぜひお刺身をお試し下さい。あ、あと前々回の「シタビラメの南蛮漬け」ですが、実は30時間ほど漬けこんでから食べたら絶品でした。追伸まで。

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