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果汁が濃厚!セミノールとは?意外と知らないその特徴や食べ方をご紹介!

セミノールとはどんな果物か知っていますか?温州みかんのような見た目ですが、色が濃く果汁が濃厚で独特な香りを持つみかんの種類です。主に西日本で栽培されその実体は意外と知られていません。セミノールの収穫時期や食べ方、保存方法などを詳しく解説します。
更新: 2024年9月7日
hanakosan
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はじめに

セミノールとは

セミノールとはダンカングレープフルーツとダンシータンジェリンを掛け合わせた、ミカン科ミカン属タンゼロ類という柑橘の種類のことです。アメリカで誕生し、日本には1955年(昭和30年)に入ってきました。親であるダンカングレープフルーツとはグレープフルーツの原種で、品種改良される前のグレープフルーツ、ダンシータンジェリンとは濃いオレンジ色をした香りの強い柑橘類のことです。親の掛け合わせが同じ仲間にはミネオラという柑橘の種類もあります。

セミノールの特徴①収穫時期

セミノールの収穫時期

Photo byBru-nO

日本には早くから導入されていましたが、主に関西地域で出回っていたため関東ではあまり知られていませんでした。主な産地は和歌山県、大分県、三重県などの温暖な地域で、条件の悪い畑で育てると酸味が強く食べられません。産地によって「サンクイーン」や「紅小夏」といった名前が付けられています。セミノールの収穫時期は難しく、早すぎると酸っぱく、遅いと実が傷んでしまいます。一般的に収穫時期は3月下旬から4月下旬で温州みかんと比べて遅いのが特徴です。

セミノールの食べごろの季節

収穫時期と食べごろの季節が違うところもセミノールの特徴の一つです。収穫してすぐに食べたり出荷したりすると酸味が強すぎて食べられません。収穫後1ヶ月~2ヶ月間は倉庫で保存し、ある程度酸味が抜けてから出荷します。このため収穫時期は3月下旬から4月下旬ですが、食べごろの季節は4月中旬から5月中旬で、6月頃まで出回ることもあります。みかんの季節は冬のイメージですが、それ以外の季節に食べられるのは嬉しいですね。

お取り寄せもできる

出回っている地域が限られているため、食べごろの季節になってもスーパーや市場ではなかなか見られない場合もありますが、最近ではインターネットでお取り寄せができ便利です。よく見る柑橘類よりも値段が高く、高級みかんとされているので贈り物としても喜ばれますし、ふるさと納税で選んでみるのもおすすめです。自分で食べたり、加工用に使うなら、訳あり商品を購入すると安く手に入れられます。

セミノールの特徴②見た目

セミノールの色と味と香り

見た目は温州みかんと似ていますが、みかんよりも果皮の色が赤みがかった橙色をしています。甘み、酸味ともしっかりとした濃厚な味わいで後味はスッキリとしています。果肉が柔らかく果汁が豊富なので、手で剥くと果汁があふれ出し手を濡らしてしまうことがあります。ジョウノウと呼ばれる薄皮は非常に薄く、気にせずに一緒に食べられます。独特な香りも特徴で、皮を剥くとさわやかな香りがふわっと周りに広がります。

セミノールの選び方

Photo byClker-Free-Vector-Images

セミノールを選ぶ時は果皮の色と艶、重さなどを見て選びます。濃いオレンジ色で艶のあるものを選び、果皮の色が薄いものは避けましょう。果皮の状態はなめらかで張りのあるものが良く、皮が実から浮いた状態になっているものは味が落ちるので注意が必要です。また果汁をたっぷり含んでいるようなずっしりと重みのあるものを選びましょう。重さは1個、150g~200gのものが一般的です。

セミノールの特徴③栄養素

ビタミンC

Photo byMyriams-Fotos

セミノールは様々な栄養素を含んでいますが、代表的な栄養素はビタミンCとシネフィリンです。人はビタミンCを体内で合成することができないため食べ物から摂取する必要があります。ビタミンCは毛細血管、歯、軟骨などを正常に保つ効果がある他、日焼け防止や風邪予防に有効です。また、ビタミンCには抗酸化作用があり、生活習慣病の予防や老化防止にも効果が期待されている栄養素です。

シネフィリン

Photo byDaria-Yakovleva

シネフィリンは酸味の元となる成分で、ビタミンCと共に風邪予防に効果がある栄養素です。柑橘類の中にはシネフィリンが含まれないものもありますが、セミノールには含まれています。シネフィリンには固くなった気管支を緩める効能があるため声を出しやすくし、のどに関係する風邪に有効です。また、交感神経を刺激するホルモンの働きを活性化し、脂肪の分解や代謝を高める効果があるので脂肪燃焼効果や食欲抑制効果も期待できます。

ペクチン

Photo bystevepb

ペクチンは主にりんごや、レモン、ライムなどといった柑橘類から抽出される多糖類で、セミノールでは薄皮に多く含まれています。ジャムを作る時に果物を糖分と煮詰めると、とろみが出てジェル状になります。これはペクチンが溶け出し、物質同士をつなぎ合わせるセメントの役目をしているからです。ペクチンには整腸作用があり、下痢や便秘を予防する効果がある他、血液中の悪玉コレステロールを下げる働きがあり、動脈硬化や心筋梗塞、糖尿病にも効果が期待されています。

クエン酸

Photo bystevepb

クエン酸は柑橘類や梅干しに含まれている酸味の成分です。この酸味成分は体内の糖を代謝しエネルギーに変える働きや、マグネシウムやカルシウムなどのミネラルを吸収しやすくし、疲労物質を分解し蓄積を防ぐため疲労回復の効果があります。また、酸味が唾液や胃液の分泌を促し、食欲を増進させることから夏バテ予防にも効果が期待されています。

βクリプトキサンチン

Photo byHans

βクリプトキサンチンとは色の素になる成分でみかんやパプリカ、唐辛子などにも含まれています。人参に含まれるβカロテンの仲間で必要に応じてビタミンAに変換され、体の機能を維持するために働きます。ビタミンAとしての効能以外にも、血液中に存在する重要な成分でβクリプトキサンチン濃度の高いほど、ガンや動脈硬化といった生活習慣病や骨粗しょう症などのリスクが低いことが分かっています。

セミノールの剥き方

剥き方①手で剥く

Photo bystevepb

果汁が多く、果皮も光沢のあるエナメル質風で少し硬いのでそのまま剥いて食べる場合は剥き方に工夫が必要です。買ってきてすぐに手で剥くと、あふれ出る果汁で手を濡らしてしまいます。ティッシュや布巾を用意して剥きましょう。裏技として、ナイロン袋に入れて冷蔵庫で1週間ほど保存しておくと一般的な剥き方でも綺麗に剥けます。ただし、長く保存しておくと味が落ちるので注意が必要です。


剥き方②スマイルカット

Photo by june29

手を汚さずに食べる剥き方はナイフを使ってスマイルカットに切る方法です。スマイルカットとは切り口が笑った口のような形になっている切り方のことです。まず、へた方向に縦割りに8等分し、厚い皮と果肉の間に9割くらいまでナイフを入れます。切れ目を入れるため果肉が剥がれやすく食べやすいです。他の果物でいうと、オレンジやメロンを切る時の切り方です。ナイフはよく切れるものを使用し、果汁が流れ出ないよう注意しましょう。

セミノールの食べ方①そのまま食べる

セミノールのシャーベット

Photo by pika1935

スマイルカット以外で手を濡らさずに食べるには、半分に輪切りにしてスプーンですくう方法があります。グレープフルーツを食べる時によくする食べ方です。輪切りにしたものを冷凍庫に入れておき、少し溶かしてシャーベットとして食べても美味しいです。そのまま自然解凍すればフレッシュな状態に戻ります。

セミノールのフレーバーウォーター

ボトルに水を注いで薄く輪切りにカットして入れると爽やかな香りを楽しめるフレーバーウォーターになります。また、セミノール以外にきんかんやローズマリー、炭酸水を加えるとデトックスウォーターにもなります。皮ごと使用する場合は無農薬のものを選び、皮をよく洗って使用することをおすすめします。

セミノールの食べ方②調理する

セミノールのオランジェット

皮ごと薄く輪切りにし、耐熱容器に並べて砂糖とレモン汁をかけレンジで加熱します。冷めたらひっくり返してもう一度加熱し、更にもう一度ひっくり返して加熱します。できたらザルにあげて1時間ほど汁気を切り、100度のオーブンで片面30分ずつ加熱します。冷めたら、溶かしておいたチョコレートに半分だけ浸し、チョコレートが乾いたら完成です。皮ごと食べられるので無駄がなくて嬉しいですね。

セミノールゼリー

Photo by hide10

果汁がたっぷり含まれているので、スクイーザーでしぼってフレッシュなジュースとしても楽しめます。日持ちさせたい場合はゼリーにして冷蔵庫で保存してはどうでしょうか。ジュースに砂糖と粉寒天を混ぜ、鍋で2分間沸騰させ器に盛って冷ますとゼリーができます。果汁が濃厚で色も濃いのでゼリーにしても見た目も良くしっかり味わえます。

セミノールの食べ方③加工する

マーマレード

Photo bysilviarita

果物は加工すれば長く日持ちします。加工には煮詰めたり乾燥させる方法があります。セミノールを使ってマーマレードを作ってみましょう。しっかり洗った後皮と果肉に分けます。皮は細かく刻み果肉は適当な大きさに切ります。皮は浸るくらいの水で柔らかくなるまで煮ます。セミノールの半量のグラニュー糖と果肉、レモン汁小さじ1を入れトロトロになるまで煮詰めて出来上がりです。

ドライセミノール

Photo byradekkulupa

ドライフルーツや干し野菜のように乾燥させると甘みが凝縮されおいしさが増すだけでなく、日持ちもします。たくさんあって消費に困る場合には是非チャレンジしてみましょう。まず、よく洗って薄くスライスします。次に通気性のよい網やザルにスライスしたセミノールをのせ、天日干しでよく乾燥させて出来上がりです。このように加工しておけば無駄にすることがなく、旬の季節以外にも食べられるのでおすすめです。

セミノールの保存方法

セミノールは日持ちするか

Photo byAlexas_Fotos

果物の中でも柑橘類は日持ちのする種類で1週間~2週間常温で保存できます。しかし、セミノールの場合は室温で約1週間ほどしか日持ちしません。特に暖房のきいた所に置いていたり乾燥したりすると味が落ちるのでナイロン袋に入れて冷蔵庫の野菜室など日の当たらない場所で保存しましょう。長期間保存したい場合は冷凍したり、マーマレードやゼリーなどに加工・調理したりしておけばある程度日持ちします。

まとめ

セミノールは高級みかん

セミノールはみかんの種類の中でも高級で贈答品としても喜ばれます。収穫時期が難しく、剥き方が面倒で他の柑橘類と比べて日持ちしないというデメリットはありますが、豊富な栄養分や濃厚な味と香りはとても魅力的です。また、みかんがあまり見られない春から初夏の季節が食べごろという点も柑橘類好きには嬉しいです。まだ食べたことのない方は是非一度食べてみて、その濃厚な果汁と独特な香りを堪能してください。

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