みかんの種類は日本だけでも80種以上
みかんを含む柑橘類は世界中で愛されていて、たくさんの品種が栽培されています。もちろん日本でも西日本を中心に多くの品種が栽培されており、日本だけでも80種類以上のみかんが栽培されています。一口に「みかん」と言っても、その特徴や味はそれぞれです。
そこで、ここでは今注目されているみかんの人気品種を10種類ご紹介します。美味しいと評判のものから、贈り物にも使える高級なものまで、日本で食べることができるみかんばかりです。今シーズンはちょっとこだわったみかんを楽しんでみませんか。
みかんの主な種類1.せとか
せとかの特徴
せとかは2001年、「清見」と「アンコール」というそれだけでも十分に美味しいみかんの品種をかけ合わせて誕生した品種です。特徴は何といっても果皮が薄いことです。そのため、傷をつけないように大切に育てられています。現在は愛媛県での栽培が最も多く、傷がなく糖度が高いせとみは高級みかんとして流通し値段も張ります。
名前の由来
せとかは長崎で誕生したみかんの品種です。その育成地から早崎瀬戸という地域が見渡せたことから「せとか」という名前がつけられました。また、瀬戸内海沿岸地域での栽培を想定して「瀬戸」、そしてとてもよい香りがすることから「香」で「せとか(瀬戸香)」と名づけられたとも言われています。
せとかの味
画像を見てもわかるように、せとかは果汁がたっぷりで美味しいみかんです。果汁量はオレンジと同等たっぷり入っていてとても濃厚なため、スイーツの材料として使われることも多いです。みかんの房を包むじょうのう膜も薄いので、じょうのう膜をむかずに食べても口に残るなどの違和感がありません。
みかんの主な種類2.天草
天草の特徴
天草(あまくさ)は「興津早生みかん」と「清見タンゴール」をかけ合わせて1995年に品種登録されたみかんです。天草のなかには、大分県で栽培されているブランドみかん「美娘(みこ)」も含まれています。美娘は温室栽培されセンサーで品質を徹底管理しているため、高級みかんと位置付けられておりお値段もほかのみかんより高めです。
名前の由来
「天草」は、天草が誕生した果樹試験場から天草半島が望めることから名づけられたとされています。「美娘」は大分弁で初々しい生娘のことを「びこ」と呼ぶことに由来して、名前がつけられました。生産者により大切に育てられたみかんは、確かに初々しい生娘のようにも思えますよね。
天草の味
天草は果肉がとても柔らかいことで有名です。写真を見てもわかるように、果皮も非常に薄くじょうのう膜と一体化しているため、ナイフで小房に切り分けて食べるのが基本です。口いっぱいに広がる果汁は甘みも強く、食べ応えのある品種です。
みかんの主な種類3.せとみ
せとみの特徴
せとみは山口県で品種改良され誕生した完全なオリジナル品種で、2004年に品種登録されました。せとみは収穫後、1ヶ月くらい寝かせて酸味をやわらげてから出荷するという特徴があります。
せとみの品種の中には「ゆめほっぺ」というブランドがあり、ゆめほっぺは糖度13.5度以上、酸度1.35度以下のものだけを厳選しているため、高級みかんとして贈答用にも利用されます。
名前の由来
せとみの中でも高級みかんの「ゆめほっぺ」の名前は公募により決められました。美味しいみかんになりますように…という「夢」を込め、さらに「ほっぺ」が落ちるほど美味しいみかんということで、「ゆめほっぺ」という名前に決まったそうです。
せとみの味
せとみは「清見」と「吉浦ポンカン」をかけ合わせているため、画像からもわかるように果肉の1粒1粒が大きく、プチプチの食感が楽しめると人気です。出荷数がまだ少ないため、値段は高い傾向にありますがほかのみかんにはない特徴を、誰にでも感じやすいみかんです。
みかんの主な種類4.伊予柑
伊予柑の特徴
伊予柑は今でこそ愛媛の名産品になっていますが、元々は山口県萩市で発見された、日本原産のみかんです。当時は萩市の地名にちなんで「穴門(あなと)みかん」と呼ばれていました。
伊予柑の中には「弥生紅(やよいべに)」と呼ばれる愛媛県のブランド品種があり、約2か月間熟成させたのち出荷しています。弥生紅は高級みかんとされ、値段も一般的な伊予柑よりも高めに設定されています。
名前の由来
先述の通り元々山口県で「穴門みかん」として栽培されていましたが、愛媛県での生産量が増加したことにより、「伊予(愛媛県)」の「蜜柑」ということで、伊予柑と名づけられました。
伊予柑の味
伊予柑は果皮が厚めですが手でも簡単にむくことができます。ただじょうのう膜はしっかりしているので、じょうのう膜までむいて食べるのが一般的です。最近多い甘味を重視して品種改良されたみかんとは異なり、適度に酸味もあるため飽きづらく、何個でも手が伸びてしまう美味しさですよ。
ただ、収穫後長期間家庭で保管していると身がパサパサになることもあるので、購入後は早めに食べましょう。
みかんの主な種類5.紅まどんな
紅まどんなの特徴
紅まどんなは「南香」と「天草」をかけ合わせたみかんで2005年に品種登録された愛媛県の完全オリジナル品種です。JAを通さずに販売している場合は、「媛まどんな」「瀬戸のまどんな」などという名前を使っています。
いずれも高級みかんとして人気があり、価格も一般的なみかんより高く、1個で1,000円近い値段で取引されているものもあります。
名前の由来
紅まどんなの名前は、夏目漱石の小説『坊っちゃん』に由来しています。『坊っちゃん』の舞台が愛媛県であるため、その登場人物のマドンナにちなんで名づけられました。
紅まどんなの味
紅まどんなはよく、ゼリーのようなみかんだと紹介されます。画像でもわかるように、みかんの粒感よりもなめらかさが際立っていますよね。
じょうのう膜も非常に薄いので果皮をむいて一般的なみかんのように食べるのもいいですが、オレンジのようにスマイルカットにして食べるのもおすすめです。ジューシーで甘い紅まどんなを楽しむためにも、購入後はできるだけ早く食べましょう。
みかんの主な種類6.デコポン
デコポンの特徴
デコポンは大ぶりなのに値段も手ごろで美味しいと人気のあるみかんです。「清見」と「中野3号ポンカン」をかけ合わせた品種で、1972年に誕生しました。長崎県の不知火地方で生産が始まったことから、「不知火(しらぬい/しらぬひ)」という名前で呼ばれることもあります。
ちなみに「デコポン」という名前は登録商標で、日園連(日本園芸農業協同組合連合会)に加盟するJAのみが使用可能で、日園連やJAに加盟していないみかん農家は「不知火」という名前で出荷しています。
名前の由来
デコポンという名前は、ぽこっとてっぺんが出っ張っていることから「凸(デコ)」、そしてポンカンのかけ合わせで誕生したことから「ポン」を合わせて名づけられました。
デコポンの味
デコポンは果皮は厚めですが、じょうのう膜は薄いため、果皮をむけば丸ごと食べられます。画像からもわかるように果汁がとても多くジューシーで、強い甘みがあり酸味はほとんど感じられません。
「デコポン」として出荷するためには、糖度13度以上で酸味を決めるクエン酸が1%以下のものと基準が決まっているので、甘いみかんが食べたいときは「不知火」として販売されているものより、「デコポン」として販売されているものを選んだ方が間違いありませんよ。
みかんの主な種類7.清見
清見の特徴
清見は日本で誕生するみかんの新品種のかけ合わせによく用いられる、日本のみかん市場を支える偉大な存在です。清見自体は1979年に「宮内早生温州」と「トロビタオレンジ」をかけ合わせて誕生しました。
愛媛県が生産量のトップですが次いで和歌山県が多く、この2県で全体の生産量の8割近くを占めています。清見は人気の品種なためハウス栽培もされていますが、露地栽培の清見の方が美味しいと言われています。
名前の由来
清見が初めて育てられた場所のそばに、清見潟と呼ばれる海岸があったため、「清見」と名づけられました。
清見の味
画像からもわかるように清見は果皮が厚く、手で皮をむくのは難しいです。そのためナイフを使ってオレンジを食べるように切り分けるのがおすすめです。味は温州みかんそのものの味で、とても柔らかいです。一方香りはオレンジにも負けず劣らずのよい香りで、どんどん食べたくなるほど美味しいです。
みかんの主な種類8.日向夏
日向夏の特徴
日向夏は1820年に発見された日本原産のみかんです。日向夏はみかんではなく柚子の突然変異種と考えられていて、宮崎市に住む真方氏の庭で発見され、普及していきました。日向夏のほかにも「ニューサマーオレンジ」「小夏」などとも呼ばれ、ほかのみかんとは全く異なるタイプの品種として、とても人気があります。
名前の由来
日向夏は宮崎(日向)で発見され、収穫期が夏であるため、日向夏という名前が付きました。「小夏」という名前は、小さな夏みかんという意味合いで名づけられたと考えられています。
日向夏の味
日向夏は、画像のように果肉を包んでいる白いふわふわした部分(アルベド)を残すように皮をむいて食べるのが一般的です。日向夏は酸味が強いですが、アルベドにはやや甘みがあるため、アルベドと一緒に食べることでちょうどよい味わいになります。
みかんの主な種類9.甘平
甘平の特徴
甘平(かんぺい)は「西之香」と「不知火」をかけ合わせて誕生、2007年に品種登録されました。甘平はまだ栽培農家も少なく流通量も安定しないため、高級みかんとして取り扱われ、値段も1個500円前後と一般的なみかんより高値に設定されています。
名前の由来
甘平は、「甘み」が強いみかんであることに加えて、ほかのみかんに比べて形がやや「扁平」であることから名づけられました。
甘平の味
甘平は糖度がシュークリーム以上ということでも知られており、とても強い甘みを感じます。画像からもわかるように、粒もしっとりやわらかく果汁に満たされており、ゼリーのようなみかんとして知られています。果皮は薄くむきやすく、じょうのう膜も比較的きれいに剥ぎ取れます。
みかんの主な種類10.晩白柚
晩白柚の特徴
晩白柚(ばんぺいゆ)は元々マレー半島で栽培されていたみかんです。世界最大の柑橘類とも言われていて、重さが3㎏を超える晩白柚も収穫されていますす。1920年に熊本県の植物研究家がベトナムから持ち帰り、普及させたと言われており、日持ちもするため日本各地で購入できるようになってきました。
名前の由来
晩白柚という名前は、台湾の「白柚(ぺいゆ)」が由来になっていると言われています。台湾の白柚は中身が白いみかんで、完熟するまで時間がかかることから「晩生」という言葉が合わさって、晩白柚と呼ばれるようになりました。
晩白柚の味
晩白柚は実がとても大きいですが、果皮がその4分の1~3分の1を占めていて、可食部分は意外と少なめです。酸っぱそうな色味ではありますが、糖度が12度以上あり十分な甘みと適度なさっぱり感があります。ただ果皮がとても厚いため、食べるのには少し体力が必要です。
みかんの新品種が続々登場中
日本では現在もたくさんのみかんの新品種の研究が進められています。最近は種がなくてジューシーで甘いみかんがトレンドとなっていて、ここでご紹介した「紅まどんな」や「甘平」がとても人気です。
ただ、今後「紅まどんな」や「甘平」以上に美味しいみかんが登場する可能性も高いです。柑橘類好きな方は、今後もみかんの新品種情報をこまめにチェックしてみてくださいね。
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