はじめに
アブチロンの開花時期と育て方・剪定方法も紹介
アブチロンはとてもユニークな姿をした花を咲かせる植物です。遠目で見るとほおずきに少し似たような形をしていますが、近くで見るとハイビスカスやケシのような花びらが大きな花が下向きで咲いているのがわかるでしょう。変わった植物なので育ててみたいと思う方もいらっしやるでしょう。アブチロンの水やりや肥料などの日常管理から剪定方法・増やし方まで順を追って解説していきます。
アブチロンについて
まずはアブチロンという植物の基本情報から見ていきましょう。ひとくちにアブチロンといっても品種によってその姿や性質も変わってきます。開花時期など基本的なことはどの品種も変わりありません。
アブチロンの基本情報
科・属:アオイ科アブチロン属
原産地:ブラジル(生息は熱帯地域)
英語名/学名:Abutilon/Trailing abutilon
アブチロンの開花時期
この植物の開花時期はとても長いのが特徴です。関東など中間的な気候の地域であれば4月中旬から11月中旬までずっと花を楽しむことができますよ。
アブチロンの耐寒性
暑さに強い花のイメージが強い夏の花アブチロンですが、種類によって耐寒性が高いものもあります。特にチロリアンランプと呼ばれるつる性の品種はその性質が顕著に現れます。
アブチロンの育て方:日当たり
この花を綺麗に咲かせるには、適した置き場所に植え付ける・鉢植えを置くことが大切です。すでに他にも植物のある庭であれば適した場所があるかまずはチェックから。アブチロンに向く日当たりを解説します。
アブチロンは日光が大好き
この植物は太陽がよく当たる場所に必ず置くようにしてください。真夏の直射日光もものともしませんので、とにかく1日中ひなたであり他のものの陰にならないようなところが一番適しています。花色も赤やオレンジなど夏の強い日差しにもとてもよく似合いますので、それを参考に置き場所を決めてもよいでしょう。
冬の置き場所
常緑樹ですので冬にも日当たりのよいところに置きましょう。霜対策で室内に入れる場合でも日かげにならないようなところに置くようにしてください。もしそのような場所が室内でなければ、日のよくあたる軒下などで鉢台を置いた上に設置すれば霜の心配もなく越冬してくれます。
アブチロンの育て方:植え付け植え替え
この植物は苗を買ってきて育てはじめます。ここでは苗の植え方とそれに通じる大きくなったときの植え替え方法も一緒に解説していきます。
アブチロンの植え替え時期
苗を買ってきたり鉢植えを購入して鉢が小さいと感じたら大きめの鉢や地植えに植え替えていきましょう。植え付けに適した時期は4-6月ころまでと、真夏を過ぎた9月ころとなっています。アブチロンの植え方は以下の通り。
植え方
植え方は赤玉土7に腐葉土3を混ぜた土に緩効性肥料を元肥として混ぜたものを用意して、元々の土があまりにも硬くまとまっているようなら手で軽くほぐしてから新しい土に植え替えます。根がないような株の場合は発根するまでは水切れに注意してください。
鉢植えアブチロンの植え替え頻度
赤玉土 18L 2袋(36L) 中粒
植え替えは鉢いっぱいに根が張って葉色が悪くなってきたら早急に。その他の場合余裕をもって植え替えするなら2-3年に1度を目安に新しい一回り大きな鉢に移植すると良いでしょう。
苗の選び方
これからアブチロンの苗を購入される方に、選び方ワンポイントです。一番最初にチェックするのは害虫が付いていないかということ。小さな株は害虫に吸われただけでも弱って枯れてきてしまったり、その後に丈夫な株に成長しないなど問題がおこることもあります。その他には葉色がよく茎はしっかりしており、徒長(ひょろひょろと背が高くなること)していないものがおすすめ!
アブチロンの育て方:水やり・肥料
お世話がとても簡単で初心者の方でも育てやすいアブチロン。冬越しに気をつければ長く管理することになりますので、日常のお世話は最初に覚えたいアブチロンの育て方といえますね。しかし普段のお世話には難しいことは必要なく、水やりと肥料やりに気をつける程度です。
アブチロンの水やりと肥料
水やりの仕方は他の植物と同様に春から秋は乾いたらたっぷり。冬場は休ませてあげるために乾いたら少し間を開けてから与えるという控えめな方法で。肥料は開花時期には定期的に緩効性肥料を株元に置くか、水溶性の肥料であれば月3回(10日に1度目安)に水やりがわりに与えるとよいでしょう。
水やりと肥料で気をつけること
■液体肥料■ハイポネックス原液6−10−5450ml入
水やり注意点は冬場は控えるが水切れさせないようにするということ。肥料は開花時期には切れないように定期的に忘れずに行うことが重要です。開花時期が長く続く植物なので肥料なしでは花つきも悪くなってしまいます。
アブチロンの育て方:剪定方法
剪定もしたくないという方は放置でもかまいませんが、やってあげることで株が整い見た目がよくなったりツル性のものは剪定をして仕立て直してあげることで、扱いやすくもなるでしょう。
アブチロンの剪定方法や時期は
冬以外であれば、株が乱れてきたなという整える剪定方法ならいつしてもかまいません。強めに剪定するなら成長期のはしりにあたる4-5月くらいがおすすめですが、葉がまったくなくなるくらい切ってしまうとその後枯れてしまうこともあるのでほどほどに。
花がら摘みも積極的におこなおう
剪定方法といえば切り戻しや整枝だけではありませんね。アブチロンのような開花時期が長い植物は花がら摘みも大事な剪定です。花が終わりに近づいて見栄えが悪くなってきたら早めに花を摘み取ってしまいましょう。花が落ちたあとでもついていた不要な細い枝は取り除いてしまってください。
アブチロンの育て方:葉が落ちる
初心者でも簡単に育てることができる、手間がかからない育てやすい植物ですがやはり枯れたり葉が落ちるということはあります。どのような原因なのか、どう対処したら良いのか解説しましょう。
アブチロンの葉が落ちる主な原因
アブチロンに限らず植物は病気になったりひどい水分不足になると葉が落ちるので、まずは病気と水やりをきちんとしているかチェックしてください。特に気をつけたい病気はありませんが小さな株の場合はアブラムシでも葉が落ちることがあるでしょう。害虫にも注意です。
耐寒性がある植物だが霜には注意
葉が落ちる時期が冬季という場合は、その日の早朝に霜が降りなかったでしょうか。いくら耐寒性が強くても霜のために根が傷んで葉が落ちることは考えられます。まだ生きている根が残っている場合は助かる可能性がありますので、軒下などの霜被害に合わない場所に移動しましょう。
アブチロンの育て方:増やし方
種で増えるものや多肉植物の中には葉で増えたりイチゴのようにランナーから根が出て株を増やすものと植物の増え方は意外とバリエーションがあります。アブチロンはどのように増やしたら良いのか、その増やし方を解説しましょう。
アブチロンの増やし方は挿し木でおこなう
半ツル性のアブチロンなら壁やトレリスなどに這わせることで綺麗なエクステリアの装飾としても使用できます。そんな使い方をするには1本2本では物足りずもっと数が欲しくなることもあるでしょう。アブチロンは挿し木で増やすことができます。
アブチロンの挿し木時期とやり方
この植物を挿し木にするなら時期は4-6月の間に。できるだけ若く瑞々しい枝を選んで10センチほどカットして挿し木にします。土は赤玉土やバーミキュライトなどが挿し木にはおすすめ。鹿沼土でも良いですよ。しかしどの土でも古い土は使わないでください。
発根後の挿し木の管理
根が出るまで1ヶ月・安定するまでまた数週間から1ヶ月くらいかかりますので、水切れに注意して発根までは日かげでその後はだんだんと日光に慣らしながら日なたに移動させていきましょう。
アブチロンの育て方:耐寒性
アブチロンは常緑性の低木植物。室内管理であればどの種類でも冬にも緑の葉が楽しめます。ここではそんな植物の耐寒性(主に霜対策)について解説していきましょう。屋外に直植えしたい人・鉢植えでも屋外管理をする予定の方は冬に枯らしてしまう前にチェックしておいてください。
アブチロンの耐寒性は高い
葉が落ちる理由と対処方法でも触れましたが、耐寒性はあるのがこのアブチロン。冬でも屋外においておいても、霜にやられなければ枯れることはありません。
冬のアブチロンのお世話
冬は休眠期にあたりますので、水やりはごくごく控えめに。霜が降りるような場所に直植えされている場合は、敷きわらをしたりして霜被害を防ぐようにしてください。鉢植えの場合は上に屋根があるテラスや玄関前ポーチなどに移動する・鉢は台の上に置くなども寒さで枯れそうなときに有効な対策手段です。
いろいろなアブチロンの品種
園芸種として人気のあるアブチロンの仲間の特徴を品種名と共にご紹介します。花の大きさや数・色などに違いがあります。自分好みの品種を見つける参考にしてください。
ウキツリボク
一般的に流通しているアブチロンの多くがこの種類ですが、ウキツリボク(浮釣木)とは品種名ではなくアブチロンの日本名といえるもの。正式品種の名称ではありません。
ドワーフ・レッド
この品種の特徴は花が小さめであるということ。しかし花つきがよく開花時期にはたくさんの花をつけるのもこの種類の優れたところですので、小さな株でコンパクトに育てたいという方に人気があります。
ホワイト・キング
赤い花が有名なアブチロンですが、他の色も珍しさから栽培する方も少なくありません。赤と一緒におめでたい紅白の花を咲かせたいなら白の大輪が咲くこのホワイトキングという品種がおすすめ。
初恋
こちらも花色が特徴的な品種で、開花時期にはオレンジ色のさわやかな花を咲かせてくれるでしょう。開花時期が長いのがアブチロン全般の好まれるところですので、どんな大きさの花なのか何色であるのかを知り好みにあったものを育ててくださいね。
まとめ
アブチロンを栽培しよう
アブチロンは初心者でも簡単に育てることができる丈夫な植物。暖かい時期で日光があたる場所に置いておけばずっと長いあいだ花を付けてくれるところも人気の理由。そんな花でも寿命ではない葉が落ちたり・枯れたりするのには水やり・日当たり・霜・病気(害虫含む)をチェックしてみましょう。ツル性のものはおしゃれな塀の装飾にもおすすめの素敵な花の紹介でした。
育て方剪定方法が気になる方はこちらもチェック
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