バショウ 7号鉢特大株【ジャパニーズバナナ】【耐寒性バナナ】【芭蕉の木】
はじめに
バショウの特徴と育て方解説
バショウはバナナの木とよく間違えられるとても良く似た植物。しかしその特徴を知ることでバナナの木との違いがよくわかるでしょう。見分け方の他にも観賞用としてのバショウ株の植え替え方法から冬の手入れ・邪魔な株の駆除方法などご紹介していきます。
バショウについて
バショウの特徴や手入れの仕方をご紹介する前に、まずはこの植物の基本情報と名前の由来を見てみましょう。この植物の英語名の由来にはちょっとした誤解もあったようです。
バショウの基本情報
科・属:バショウ科バショウ属
原産地:中国
英語名/学名:Japanese fiber banana/Musa basjoo
松尾芭蕉はこの植物からとった名前
俳人として有名な松尾芭蕉という人。この芭蕉という名前はこの植物から取られたものです。古い時代からバショウはとう植物は日本でも珍しくなく関東より南の地域では自生して見かけることがあった植物だというのがわかりますね。
英語名の由来と事実との違い
英語名の由来については江戸時代までさかのぼります。この時代ヨーロッパではこの植物はまだ登録されておらず珍しいものでした。来日していたシーボルト(1796-1866医師・博物学者)はこの植物を紹介します。
中国原産がJapaneseと呼ばれることに
このことから日本のバナナの木として有名になり英語名にJapaneseと付けられてしまいましたが、先程ご紹介したように原産は中国。日本のバナナの木ではないという事実との違いが生まれてしまいました。
バショウの特徴1.分布
見た目はバナナの木そっくりなので、野生のバナナだと時折少しだけ騒ぎになることもあるバショウ。日本ではどのあたりに分布する植物なのでしょうか。
露地植えでも見かけるバショウ
バショウの特徴としてバショウ属の中でも特に北に分布する種類であるということがあげられます。温帯の環境でも温かい地域でならば露地植えでも見かけるほど。一方バナナの木は日本では温室でないと生育できないためいくら日本の南の地域であっても露地植えで見かけることはありません。
日本での分布は関東以南
耐寒性があるので日本の冬にも耐えるバショウは、植物園など栽培しているもの以外でも見かけることもあるでしょう。しかしさすがにあまり寒くなる冬では育たず日本での分布は関東以南に限られます。
バショウの特徴2.大きさ
この植物を見分けるには大きさも覚えておくと役に立つことがあります。大きな木というイメージがありますが、実際はこのくらいの高さになる庭木はたくさんあります。特徴的な葉が目立つという部分をのぞけば、他の木に隠れてしまうような植物だということがわかります。
バショウは木ではなく草
バショウの特徴としてその大きさもあげられるでしょう。木のように見えるこの植物は実は多年草という草に分類されています。草という分類でもその大きさは2-3メートルにもなり、葉だけの大きさでも1-1.5メートルにもなる巨大な草です。
バナナの木の大きさ
バナナの木とはいいますが、こちらもれっきとした多年草。茎に見える部分も実は葉が集まった偽茎と呼ばれるもので本物の茎は地下にあります。高さは品種によって大きく変わってきますが小さなもので2メートルほど、大きくなると10メートルを超える種類もあります。バショウは3メートル止まりなので大きさも見分け方のポイントのひとつとなるでしょう。
バショウの特徴3.花
大きさではあまり珍しいものではないバショウも花の時期になるとその個性的な姿に驚かれる人が多いです。まず他では見ないような花が付きますが、この花バナナのそれととてもよく似ています。
バショウの雌花
バショウは雌花と雄花で別々に咲き、形も代わります。雌花は最初はたくさんの葉(苞:つと)でくるまれたとがったティアドロップ型をしています。少しずつ葉が開いてきて花と根元には小さいながらよく見るとバナナの実のようなものが確認できるでしょう。
雌花よりも先端に付く雄花
バショウの雄花は雌花よりも先端に付きます。しかしこの雄花、同じ株の雌花を結実させることはできず別の木の雌花を受粉するのみです。つぼみの時代の形は雌花と似ていますが苞が開いて姿を現してくると特徴的な実の部分がないので見分け方は簡単です。
バナナの木との見分け方は苞の色
この花の苞でもバナナの木との違いがあらわれます。それはひとめでわかる苞の色です。バナナの木の苞は外側こそ緑ですが開くと内側はとても綺麗な紫色をしています。これが大きな違いとなるので、緑ならバショウと確認できますね。
バショウの特徴4.実
バショウの木にも小さなモンキーバナナのような果実の房がつきます。これもバショウがバナナの木と見間違われる理由のひとつなのですが、よく調べてみるとその実には大きな違いがありました。
そのままでは食べられないバショウの実
バショウにもバナナと同じような実がなりますが、種無しのバナナとくらべて大きめな種が入っているのと日本の気候では木になったままでは完熟することがなく、そのまま食べることができないというのがこの実の特徴です。
ひと手間かければ食べられることも
どうしてもバショウの実が食べたいという人は追熟すれば黄色くなって食べられるようになるそうですが、この追熟も難しく甘くなる前に傷んでしまうことも。また種が大きく食べられる部分は少ししかありません。
バショウとバナナの木との違い・見分け方1.
上記のバショウの特徴以外にもバナナの木との違い・見分け方はあります。ここではそれぞれの似ているけれど違うところを解説していきましょう。
葉の違い・見分け方
葉の形はバナナの木もバショウもとてもよく似ています。バナナやバショウの葉は食材をくるんで焚き火などで蒸し焼きにするのにも使われるとても大きなもの。どちらもあの独特なバナナの葉の形をしています。表から見たのではこのふたつの葉は区別がつかないでしょうが、裏返してみると一目瞭然。
バナナの木との見分け方は粉
バナナの葉の裏には白い粉がついていますが、バショウにはこの白い粉は存在しません。表と同じような色であればバショウとなります。
バショウとバナナの木との違い・見分け方2.
軽く果実の中身について触れましたが、ここではもっとその種がどのようなものであるのかということとその違い・見分け方のポイントを解説します。
種の違い・見分け方
実のところでも触れましたが、実の中に大きな種が入っているのがバショウの特徴。バナナとの大きな違いはこの種の有無でしょう。ご存知のようにバナナの果実には種とよべるようなものは見当たりません。種無しバナナという食用の品種なのですが、似た実であっても種の有無でその見分け方が可能です。
バショウの実には黒い大きな種がある
バショウの種は熟すと黒くなるので目立ちます。小さなバナナと思ってむいてみて、中に黒い大きな種があったらバショウの実です。
バショウの育て方・手入れ1.育てられる地域
特徴や違いについてわかったところで、日本でも栽培することができるバショウの育て方解説をご覧いただきます。意外とこの植物は簡単に育てることができます。見た目が個性的なので他とは違う庭造りに活用できるでしょう。
地植えでも栽培可能なバショウ
エキゾチックな大きな葉が特徴的なバショウ。バナナは地植えで育てることができませんが、よく似たバショウなら地植えでも日本で栽培可能です。バナナの木を庭に植えてみたかった方は、果実は食べることは難しいですがよく似たバショウを植えて観賞用として楽しんでみてはいかがですか。
栽培可能な地域
栽培地域が最北のバショウでも、日本の温かい地域が限界です。バショウを庭に植えてみたいという方はまずはお住いの地域が関東よりも南であるかで可能か不可能か判断しましょう。
バショウの育て方・手入れ2.植え方
先程地植えでも栽培できるといいましたが、この植物は地植えの場合少し工夫が必要になってきます。バショウの植え方のポイントやコツをご紹介しましょう。
基本的に植え方は地植えは避ける
まずバショウを欲しいと思っている人でもできれば地植えでなく鉢植えで育てるのがおすすめ。その理由は地下茎でどんどん増えて駆除が大変になるからです。庭すべてをバショウ林にしたいのであればまだしも、他の植物も植えたくなったとき少し掘り起こしたくらいでは、また新しいバショウの新株が出てきてしまいます。
植え方には種か苗を購入
バショウ 7号鉢特大株【ジャパニーズバナナ】【耐寒性バナナ】【芭蕉の木】
植え方は種まきか苗を植え付けておこないます。発芽は20度から25度が適温で低いと発芽しませんので、春から夏ころが種まきの季節。苗を買ってきた人は4-9月ころまでいつでも植え付けることが可能です。
バショウの育て方・手入れ3.日常管理
水やりは乾いてから
この植物は冬になっても休眠らしい休眠をしませんので1年中水やりが必要になります。あげ方は乾かし気味で土がすっかり乾燥したのを確認してからその翌日にあげるようにします。あげすぎには要注意です。
肥料は春と秋の2回
肥料はこまめに与える必要はなく、春と秋の年2回ほどで十分です。有機肥料が向いておりどのような肥料でも窒素リンカリウムが同配合程度かリン酸が少し多めくらいのものが適しています。
バショウの育て方・手入れ4.植え替え
いつもする手入れではありませんが、鉢植えや地植えの場合でも植え替えが必要か心配になる時があるでしょう。株の成長のためもありますが、大きくなる木ですので植える場所の都合でも植え替えの方法を知っておくと役に立ちます。
植え替えは必要か?
バショウを植えっぱなしにすると土が硬くなってしまうので、頻繁にする必要はありませんが定期的に植え替えてあげるのがバショウのためには良い方法。特に鉢植えにしている場合は根がまわってきたら植え替えないと水不足になることもあります。
邪魔になったら植え替えも
大きくなる植物ですので、邪魔になったら株分けや剪定を兼ねて植え替えをすると良いでしょう。土はつけたまま植え替えるのが良いですが、あまり土がついていないときは思い切って地上の茎は短くカットして植え替えるのがポイント。
株分けして植え替えられる
増やす目的な小さなバショウの木を室内で楽しむなどの目的で株分けのやり方も覚えましょう。やり方は簡単で植え替えのときに掘り起こしたバショウの株の中で、新芽が出ているところから分けて別々の鉢に植えるだけです。
バショウの育て方・手入れ5.冬越し
温かい国の植物バショウの仲間は日本の冬はどのように過ごすのでしょうか。バショウの冬越しについて解説します。
日本の冬とバショウ
霜がおりるような場所でなければ地植えでも冬もバショウは絶えずに、地表は枯れたようになってもよく春には新しい芽が出てきます。またバショウを栽培している植物園などでは偽茎のまわりをわらなどでぐるぐる巻にして保温することで、よく春まで株を生かしておくところもあります。
意外と冬の寒さに強いバショウ
春になればまた新しい芽が出てきますので、ご家庭で栽培する場合はわらで巻くまでする必要はないでしょう。温かい地方で育てていればそのままの状態で冬越しできます。わらを巻くのも虫をそこに集めて一括で駆除するというやり方として見るならば良い方法といえますね。しかしバショウの茎はもともと葉がたくさんくるまってできている偽の茎ですので、古い葉をはがすだけでこのわらと同様な効果が期待できます。
バショウの育て方・手入れ6.駆除
地植えにすると次々増えて駆除の必要も
バショウを地植えで栽培している場合、どうしても増えてきて困り駆除したいと思うときがあるでしょう。地下茎で新芽を出してくるバショウは、気づくとたくさん生えていたということも少なくありません。
バショウの駆除方法は
バショウは地下に本物の茎が存在します。これはスコップを挿すことで簡単にサクサクと切ることができます。ある程度地表に近い地下茎であればこの方法で数をへらすことができます。完全駆除でなければスコップでまず地下茎を切って株のまわりを避けた土を掘り起こしできる限りの茎や根を取り除いてしまいましょう。
駆除は根を掘り上げるのが確実だが
バショウを完全に駆除したいとなると少し大変な作業になってきます。できれば重機などを使って数メートルの深さまで土を掘り返してしまうのが一番早い方法でしょう。掘り返した土は乾燥させてから根や茎と土をふるいわけ、土だけ戻しましょう。
手作業での完全駆除は
重機が使えないという場合は、手作業で地道に掘り起こしていくしかありません。できるだけ深く掘って根や茎を取り除き、あとは新しい芽が出てきたところでまたそこの土を掘り返し取り除くという作業を何度か繰り返しましょう。
まとめ
バショウはバナナの木とは違う
バナナの木ととても良く似たバショウという植物。大きな木に見えて多年草というおどろきの分類もわかりました。その他、この植物の特徴やお手入れのやり方から増えすぎたバショウの駆除の仕方などご紹介しましたがいかがでしたか?日本でも地植えでも管理することができ、南国風の庭づくりにはとても重宝する植物。水やりや肥料も面倒な手間がかかることはありませんので、まず鉢植えから育ててみてはいかがでしょうか。
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暮らし~のではこの他にもいろいろな植物の育て方・手入れの仕方を解説しています。ガーデニングをはじめようと思っている方。珍しい植物の育て方がわからないという方はこちらもぜひヒントにしてみてはいかがでしょうか。素敵なガーデニングライフを応援します。

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