ハブランサスとは?
ハブランサスは白やピンクの清楚な花を繰り返し咲かせ、常緑の細葉が美しいお花です。お庭の高木や背の高い植物の前面にハブランサスを植えると、草木の足元を美しく彩ります。はじめにハブランサスの基本情報をお伝えします。
ハブランサスの基本情報
学名 | Habranthus |
分類 | ヒガンバナ科ハブランサス属 |
英語名 | Rain Lily |
原産地 | 中南米、ブラジル、アルゼンチン |
草丈 | 15~40cm |
開花時期 | 6月~10月 |
花 | 直径5cm~10cmのピンク系、黄色 |
草丈 | 15~40cm |
生活タイプ | 多年草 |
葉の形と色 | ひも状、常緑 |
ハブランサス(Habranthus)とはギリシャ語のハブロス「優美な」とアンサス「花」が語源です。大正時代初期に日本に渡来し、美しい花姿と栽培の容易さから日本に定着しました。日本で野生化したものもあり、開花時期にはあちこちで美しい花を咲かせています。花言葉を知りたくなりますね。
花言葉
ハブランサスの花言葉とは「純白な愛」「清純な愛」「優雅なたしなみ」「期待」です。花言葉は大切な方にお気持ちが品良く伝わりますので、ハブランサスの開花時期に合わせて鉢植えをプレゼントするのも素敵です。
ハブランサスに似たお花とは?
ゼフィランサスをご存じですか?ハブランサスと同じヒガンバナ科の近縁種で、見た目も似ています。雨が降った3~4日後に開花時期を迎え、別名Rain Lily「雨ユリ」と呼ばれる点も共通しています。ハブランサスとゼフィランサスの違いとは何でしょうか。
ハブランサス属
ハブランサスのお花は、開花時期を迎えると漏斗型の花が少しだけ傾いて咲き、花びらが1枚1枚微妙に違う形をしているのが特徴です。切り花にして花瓶に挿すと美しく、花言葉が愛にまつわる言葉であるのも納得できます。
ゼフィランサス属
ゼフィランサスは和名「タマスダレ」とも呼ばれ、開花時期に花を上から見るときれいな星形をしていて、花が真上を向いて咲くのが特徴です。雄しべは同じ大きさ6本のこともあれば、高い3本と低い3本の場合もあります。
ハブランサスの種類
ハブランサスは原種の他に園芸品種も数多く流通しています。花色も白、ピンク、黄色など複数出回っていますので、お好みの品種やお住いの地域の気候に合ったものを選ぶと良いでしょう。ハブランサスの主な種類をご紹介します。
ハブランサス・チェリーピンク
ハブランサス・チェリーピンク(Habranthus Cherry Pink)とはハブランサスの代表品種で、淡いピンクがかった可憐な花びらに人気があります。剛健で、地植えすると何年でも開花時期には花を咲かせます。日本でも親しまれ、3月下旬〜5月下旬に植えると夏の開花時期に間に合います。
ハブランサス・ジャメソニー
ハブランサス・ジャメソニー(Habranthus Jamesonii)は花の先端が尖っているので、シャープでクールな印象があります。この種類は茎に白い花が2~4個咲き、葉が茎の根元から生えているように見えます。
ハブランサス・アンダーソニー
ハブランサス・アンダーソニー(Habranthus Andersonii)は南米の野生種です。開花時期には小ぶりでオレンジがかった黄色の花を咲かせます。一定の耐寒性があり、関西ではそのまま越冬するというお話を聞きます。
ハブランサス・ロブスタス
ハブランサス・ロブスタス(Habranthus Robustus)は中南米で自生していた花です。直径は5~10cmほどあり、上品なピンク系の色が美しく人気があります。お花を切り戻したら、是非花瓶に飾りたい種類です。
ハブランサスの育て方①
ハブランサスは栽培が容易な植物ですが、正しい育て方を知っておくとガーデニングをより楽しめます。バブランサスができるだけ多く開花すると良いですね。はじめにハブランサスに適した日当たりや水やりをみていきましょう。
日当たり
地植えならお庭の日当たりの良い場所で栽培すれば、余り手をかけずにハブランサスが元気に育ちます。鉢植え栽培の場合は日当たりの良いベランダや玄関先がおすすめです。午前中たっぷりと日があたる場所であれば、午後日陰になる場所でも栽培可能です。葉が枯れた休眠中は日当たりは不要です。
水やり
ハブランサスは水を好みますので、土の表面が白っぽく乾いたら地植え鉢植え共に水やりが必要です。夏に雨の降らない期間が続いてハブランサスの元気がなくなっても、散水すれば元気になります。
ハブランサスの育て方②
用土
用土は排水性の良さと保湿性のバランスが取れたものを使用しましょう。PHは3.0~6.0の弱酸性を目安にします。鉢植えの場合は、水やり後鉢底から速やかに水が流れ出る土が向いています。植え替え時期には市販の培養土か、赤玉土(小粒)6:腐葉土4の割合で作ります。
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土壌のPH値、湿度、照度がこれ1つで測定できます。電池不要で使い方は土に挿すだけ。土壌が植物に適したPHか知りたいときに活躍します。
肥料
ハブランサスをお庭に植え付ける場合は元肥として緩効性肥料を用土に混ぜておきます。10月初旬にカリウムの多い肥料を株元に与えましょう。茎や根が丈夫に育ち、病害虫に強くなります。鉢植えの場合は液肥を薄めて水分として週1回程度与えれば良く、花後は不要です。
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元肥として混ぜ込んでも、地面にばらまいても1年間効き目が続きます。土壌の排水性と保水性を高め、植え付けや植え替え時期にも使えます。
ハブランサスの育て方③
ハブランサスは種もしくは球根から育てられます。上の写真は種まきをしたハブランサスの可愛い芽がでたところです。種まきで育てるハブランサスは、花の開花時期までの時間を楽しんで待てる方にぴったりです。球根の植え付けとあわせてみていきましょう。
種まき
ハブランサスは開花後放置しておくと、扁平で黒い種が採取できます。種は採ったらすぐに種まきをしましょう。お庭や鉢植えの用土に浅くばら撒くように種まきすれば、2週間ほどでひも状の芽がでてきます。種まきの適期は秋です。翌年の春細い葉が出揃って、2年ほどで開花できる球根に育ちます。
植え付け
ハブランサスの球根植え付けは霜の心配が無くなる時期を目安にすると良いでしょう。植え付けを急いで、春先に冬の寒さが戻ると球根がダメージを受けます。植え付け方は地植えと鉢植えがありますので順にみていきましょう。
地植えの場合
お庭に球根を植え付ける時、球根と球根の間は5cm程度の間隔で詰め気味に植えるのがおすすめです。開花時期にきれいな群生となり、1日花でも次々と開花を楽しめるでしょう。球根は2cm程度土で覆っておきます。
鉢植えの場合
地植えのハブランサスを植木鉢に植え付けると室内でも楽しめます。春が来て暖かくなったら、植木鉢に球根の先端が隠れる程度の土で覆って植え付けます。3号鉢(直径18cm)に球根を4個前後を目安として植え付けましょう。
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ハブランサスの球根は3月下旬の植え付け時期スタート少し前、予約しておくと安心です。今年植え付けする植物の候補にしてみてはいかがでしょうか。
ハブランサスの育て方④
ハブランサスは暑さには強いのですが、耐寒性については種類により異なりますので気温に注意します。日本は縦長な国ですから北と南ではハブランサスの冬越し方法も異なります。冬越しの対策をチェックしておきましょう。
冬越し
ハブランサスは暖かい国の出身ですから、冬でも10℃程度を保てる環境が理想的です。寒冷地では鉢植えで楽しみ、冬季は室内に取り込むと安心です。日本の暖地(関西以西)では地植えでも冬越しが可能ですが、ワラ、バークチップ、ウッドチップなどでマルチングして冬越しすることをおすすめします。
【動画】マルチング(バークチップ)プロトリーフ
ハブランサスの冬越しに欠かせないマルチングをプロトリーフさんが動画で説明してくれます。植物の冬越しだけでなく、ガーデニングの様々なシーンで役立ちます。今回はバークチップを使っての説明です。
ハブランサスの育て方⑤
植え替え
植え替え時期は3月下旬~4月中旬です。ハブランサスを葉つきのまま分球して植え替えます。お庭の他の場所に植え替えたり、植木鉢に植え替えたりすることでお好みの場所に飾れます。植え替え時期は、ハブランサスの世話を楽しめる時期でもあります。
植え替えのタイミング
地植えの場合4年位は植え替えせずに育てながら植え替え時期を見極めます。球根の間隔がぎゅうぎゅうに詰まって花つきが悪くなったら、植え替え時期です。鉢植えなら3年ほど植え替えせずにハブランサスを楽しめます。
切り戻し
開花時期には花がら摘みをこまめに行いましょう。鋏で行うと手早く切り戻しができ、次のお花が咲きやすくなります。切り戻しに使う剪定鋏は消毒しておきます。消毒方法には煮沸消毒、アルコール消毒、第三リン酸ナトリウムなどの方法があります。種を採取したい時には切り戻しを控えます。
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ハブランサスの花柄摘みやひも状の葉の切り戻しには、最も一般的な園芸鋏が便利です。
病気
ハブランサスは頑健な植物で、特に害虫や病気の心配はありません。切り戻しには消毒した鋏を使用することで、病気のウィルスがハブランサスへ付着するのを予防できます。
ハブランサスがある暮らし
ハブランサスには種まきや球根から育てる楽しみと1日花を愛でる喜びがあります。何よりハブランサスの花色は上品な色が多く、日常にそっと彩りを添えてくれます。ハブランサスのある素敵な暮らしをご紹介します。
玄関のウェルカムプランツとして
玄関はお客様をお迎えする場所です。切り戻したハブランサスを花瓶に挿して飾ると素敵です。お客様と花言葉の話題から会話を始めるのも素敵ですね。この次の植え替え時期には、玄関先にハブランサスを植えてみてはいかがでしょうか。
リビングのアクセントに
リビングルームは長い時間を過ごす大切なスペースです。1日のスタートや夜、ハブランサスのような程よい背丈のお花がリビングに飾ってあるとほっとします。お庭に植えたハブランサスを次の植え替え時期に鉢植えにしてみてはいかがでしょうか。
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テラコッタの7号鉢がお部屋にナチュラル感をプラスします。ハブランサスの植え替え時期が待ち遠しくなりますよ。
花壇の縁取りに
ハブランサスは1日花ですが、花壇の縁近くに詰め気味に植えると群生の美しさを鑑賞できます。ハブランサスは何度も花を咲かせますので、同じ場所に数多く植え付けすることで長期間楽しめます。球根の隙間が窮屈になったら植え替え時期に少しづつお好みの場所に植え付けて増やしていきましょう。
まとめ
ハブランサスの育て方や魅力をお伝えしました。球根を地植えすれば、余り手をかけることなく何年もハブランサスの花を楽しめます。ハブランサスは屋内外で栽培できるお花です。この次お庭に植えるお花に迷ったら、ハブランサスを植えてみてはいかがでしょうか。
ゼフィランサスのことが気になるかたはこちらもチェック
ゼフィランサスはハブランサスの近縁種で、共にレインリリーと呼ばれています。ゼフィランサスの基本情報や育て方が気になる方はこちらもお読みくださいね。

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