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バットグアノとは?その肥料の特徴やおすすめの使い方をご紹介!

天然資源の肥料のバットグアノを知っていますか?牛ふん堆肥や鶏ふんのようにある動物のふんを利用した肥料です。あまり馴染みがないかもしれませんが、バットグアノは扱いやすくメリットがたくさんある肥料なので家庭菜園初心者にもおすすめです。
更新: 2021年9月16日
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肥料について

2種類の肥料

Photo by yto

バットグアノを紹介する前に、肥料について少し紹介します。まず肥料には科学的に成分を配合した化成肥料と、自然界にあるものを使って作られた有機肥料があります。化成肥料は扱いやすく、肥料としての成分がバランスよく含まれています。

そのため元肥や追肥、液肥などに利用できますが、特定の成分に特化したものは少ないです。有機肥料は成分に特徴があり、リン酸だけ含まれていたり窒素だけ多かったりします。

3要素とは

Photo bygkgegk

肥料には3要素という考え方があります。3要素とは植物の成長に関する成分のことで、窒素、リン酸、カリウムです。それぞれ効果が異なり、窒素は葉に影響し植物の成長に一番関わります。リン酸は単にリンと呼ばれており、花つきや実などに関する栄養となります。

カリウムは、カリと省略されることが多いです。根の部分に影響するため、根菜類を立派に成長させる際に重要な成分です。どれも必要な成分ですので、割合が分かりやすく表示されています。

バットグアノとは

天然の肥料

Photo byPixel-mixer

バットグアノは化成肥料ではなく、天然の素材に由来する有機肥料となります。動物のフンを利用した肥料と言えば、牛ふん堆肥や鶏ふんが有名です。バットグアノは同じように、ある動物のふんを利用したものになります。

バットグアノの「バット」はコウモリを意味し、「グアノ」とは海鳥のフンが集まり化石化したものです。つまり、コウモリのフンが化石化したものを原料とする肥料となります。

化石化しないと肥料にならない

Photo byMonikaP

牛フン堆肥も鶏フンも発酵という過程があり、コウモリのフンも生息地である洞窟の中で自然に発酵していきます。この過程で、アンモニアが洞窟の壁などを腐食して崩すことでカルシウムも含まれてきて、肥料として使いやすいバランスになるのです。

牛フン堆肥のようにすぐ発酵するのではなく、化石化しないとバットグアノとして使えません。フンが集まって化石化するまで、100年単位もの時間が必要になる有機肥料です。

バットグアノの肥料としての成分について

リン酸重視の肥料

バットグアノはリン酸に特化した肥料です。フンが集まり化石になって、リン酸だけ残るような形になります。また、アンモニアによって腐食された石灰岩などと一緒に、化石化するためカルシウムも多く含んでいるのが特徴です。

通常のバットグアノの他に、果物しか食べないオオコウモリのフンで作られた、フルーツバットグアノもあります。希少なのでワンランク上の上質な肥料となっています。

窒素が多いタイプもある

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リン酸が多いことで知られているバットグアノですが、窒素が多いタイプもあります。天然資源を利用したものなので、バットグアノの産地や肥料を販売するメーカーによって、3要素の比率が異なります。

基本的にはリン酸に特化した肥料ですが、窒素のほうが多く含まれている商品もあるため、必ずパッケージを確認しましょう。窒素が多いバットグアノは、野菜や果実を育てるのに最適です。

バットグアノの肥料としての効果・特徴について1

実肥と言われるリン酸が豊富

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リン酸が多く、窒素とカリウムはあまり含まれていない肥料なので、草花や果実などの元肥・追肥に向いています。効果としては、花つきが良くなることで実の成る野菜や果物が美味しくなり、収穫量が増えますよ。

また、花が綺麗に咲くといった効果も期待できます。ただし3要素の他の成分が少なめなので、元肥にバットグアノだけ与えるのは適した使い方ではありません。

窒素が少ないので追肥に便利

Photo by yto

「リン酸だけだと使いにくいのでは?」と心配する方もいるでしょう。しかし育てる植物によっては、リン酸のみ多いほうが使いやすいです。たとえば、つる性植物を育てる時に窒素が多いと、「つるボケ」となってしまいます。

窒素の働きにより、つるだけがどんどん成長することで、花を付けない状態が続いてしまうのです。そのため、つるボケはスイカ、メロン、カボチャなどに起きやすいので、窒素が少ないバットグアノのほうが追肥をしやすいでしょう。また、リン酸の効果により花つきもよくなりますよ。

バットグアノの肥料としての効果・特徴について2

根も成長する

野菜の根
Photo byPIRO4D

主にリン酸は開花の促進といった、花や実に影響を与える特徴から花肥、実肥と呼ばれています。しかし、根の成長にも効果があると言われていますよ。植物の健全な成長にはどの3要素も必要ですが、バットグアノだけでそれぞれに効果があるためおすすめです。

根が伸びて根張りがよくなると、地面から水分や栄養をしっかり吸い上げてくれます。また、風が吹いても倒れにくくなったり、丈夫に育ったりするのです。

欠乏症とは

リン酸欠乏症とはプランターや鉢などの容器で、実を収穫する果物や野菜を育てている時に起きる、植物にとって良くない状態です。花の数が減ってきたり葉が枯れたり、実が美味しくなくなったりします。

主に花に起こる病気ですが、リン酸は成長に大切な成分なので足りないと、茎が細くなる原因にもなるのです。そのためリン酸が多いバットグアノを追肥すると、不足している成分を適切に補給できるので欠乏症が防げますよ。

バットグアノの肥料としての効果・特徴について3

カルシウムも豊富

出典: https://3.bp.blogspot.com/-vL6lwfnL3cY/VJF_A2R5rNI/AAAAAAAApx0/j3IInQY-3-s/s400/suppliment_calcium.png

バットグアノがリン酸以外の成分としては、カルシウムも多いという特徴があります。カルシウムには、病気や害虫に対する抵抗性が増す働きがありますが、窒素やカリウムのように大量に必要ではありません。

とは言っても、植物を育てる時に必要な多量要素に分類されています。またカルシウムは、病気や害虫に対抗する力をつけるだけではなく、根の成長も高めてくれますよ。人間にとっても骨に関わる大切な成分ですが、植物にもカルシウムは大切なのです。

不足すると腐る

Photo bystux

多量要素や中量要素と言われるカルシウムは、窒素、リン酸、カリウムについで必要な成分です。もし不足してしまうと枯れて腐る原因になります。トマトの実が腐ったり白菜の芯が腐ったりして、収穫しても食べられなくなることもありますよ。

バットグアノは植物の成長に必要な成分を、高いレベルで保持している有機肥料と言えるでしょう。ただし、リン酸とカルシウム以外の成分は少ないので、バットグアノだけで育てることはできません。

バットグアノの肥料としての効果・特徴について4

効き目が遅い

Photo by salchuiwt

効き目が遅いとは、植物がバットグアノを栄養として吸収するまでの時間が長い、という意味になります。時間がかかると聞くと使いにくい印象ですが、考え方を変えてみましょう。時間がかかるということは、ゆっくりと長く効くのです。

有機肥料は一旦微生物によって分解された後、植物が栄養として吸収するようになります。じわじわと栄養成分になるおかげで、化成肥料のように肥料のやりすぎで枯れる心配はありません。

即効性のある液肥と緩効性肥料の有機肥料

液肥や化成肥料の特徴は、効き目がすぐに現れる即効性にあります。主に追肥として使うことが多いですが、すぐに効果がなくなることが多いです。例えば液肥は2週間に1回程度与えることが多いですが、すぐに効き目がなくなるため、何度も追肥が必要になります。

一方バットグアノのように、ゆっくり効く緩効性肥料は元肥にもおすすめです。しかし、バットグアノのように特定の成分に特化しているものは、他の肥料と混ぜて与える必要があります。そのため、元肥としては使いにくいです。

バットグアノの肥料としての効果・特徴について5

どこでも使える

Photo by haru__q

堆肥や腐葉土、牛フン堆肥、鶏フンなどは、「臭いが心配」という方も多いでしょう。しっかり発酵できているものだと臭いは少ないです。しかし中には臭うものもあるため、マンションのベランダで牛フン堆肥や鶏フンを使って栽培するのは、勇気が必要です。

バットグアノもコウモリのフンですが、臭うことはありません。グアノという化石化する段階を経てできた肥料なので、しっかり発酵されているためベランダで使っても大丈夫です。

バットグアノの肥料としての効果・特徴について6

土を悪くしない

Photo byJing

化成肥料と比べると、バットグアノにはフミン酸が含まれています。フミン酸には、土の中にいる微生物を元気にする働きがあります。土の中に微生物がいないといい土とは言えません。化成肥料ばかり与えないほうが、いい土ができます。

バットグアノは、土の酸度にも影響せず微生物を活性化できるため、土壌改良材としても期待できるおすすめ肥料です。前述したように、無臭ですのでプランターや鉢植えなどでも使いやすいですよ。

痩せた土とは

Photo byPexels

化成肥料ばかり与えていると、落ち葉のような有機物を餌とするミミズや微生物の餌がなくなり、硬くて悪い土しかできないため土が痩せます。いい土の条件は、栄養が豊富な肥沃な土だけではありません。

有用微生物がたくさん生息している環境こそが、いい土であると言えます。またミミズがいると、土の中にトンネルができて通気性が良くなり、団粒構造ができて植物にとってもいい環境になります。

バットグアノのおすすめの使い方1

基本の使い方:元肥

Photo by __U___

基本の使い方の1つに、土作りの際に混ぜ込んで使う方法があります。バットグアノだけではリン酸しか含まれないので、カリウムと窒素が含まれている肥料と混ぜましょう。化成肥料でも窒素だけ含むものや、カリウムしか含まない単肥というものがあります。

単肥の尿素や硫酸カリと組み合わせれば、栄養バランスを良くできますよ。有機肥料だけで統一するのであれば、窒素やカリウムが多いものと混ぜ込んだ使い方をしましょう。

おすすめの組み合わせ

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出典:Amazon

バットグアノはリン酸が多いということで、おすすめの組み合わせになる肥料は草木灰(カリウム)、油粕(窒素)になります。ただし草木灰はアルカリ性なので、土の酸度を変えてしまいます。

魚粉も窒素を含みますがリン酸も含んでいるので、過多になる可能性があるため注意してください。他には、土壌改良材として効果が大きい牛ふんと混ぜてもいいでしょう。元肥は大きく育つための最初の肥料となるので、バランスが大切です。

バットグアノのおすすめの使い方2

基本の使い方:追肥

Photo by yto

土壌の酸度を変えず、じっくり長く効くことから元肥に向いていますが、途中で肥料を足す追肥としてもおすすめです。ただし使い方に注意しないと、あまり追肥としての意味がありません。

まずは成分が偏っているので、必要に応じて他の肥料と混ぜてから追肥する、という使い方になります。バランスのいい肥料を与え、更にバットグアノでリン酸を追肥するという形です。多少量が多くても、バットグアノでは影響は出にくいと言われていますよ。

水に溶けない

Photo byronymichaud

化学肥料は水に溶けやすい成分で、液肥を作っています。また、単肥の中には固形のものを水に溶かして液肥にできるものもありますよ。しかし、バットグアノは水に溶けないため液肥は作れません。

バットグアノに含まれているリン酸の種類も水に溶けるタイプではないので、肥料自体が溶けても成分は溶け残ります。液肥にはならない性質を持っていることから、追肥として与えるときは土の中に埋めたほうが効果が出やすいです。

バットグアノのおすすめの使い方3

花におすすめ

Photo byArtTower

リン酸はDNA構成に関わるため、植物の生殖である花や実に作用します。そのため、観葉植物やグランドカバーに使うのではなく、花を楽しむ植物の肥料としてもおすすめになります。

花肥であるバットグアノを使うことで、発色が良くなったり花の数が増えたり、長く咲くなどの効果が期待できます。肥料がたくさん必要な花というものは、必然的にリン酸が必要になるので長く効くバットグアノが最適です。

よく使われる植物

Photo by T.Kiya

バットグアノだけでは育てられないので、液肥などを与えながらになります。バラやシャクヤク、蘭、チューリップなど、花ならどんなものでも有効的に使えますよ。特に、大型の花やバラのように豊富な肥料を必要とする植物には、特におすすめです。

バットグアノのおすすめの使い方4

野菜におすすめ


Photo byLarisa-K

野菜にもいろいろな種類のものがあり、葉物野菜、根菜、そして実を食べるもの(正確には果実的野菜、果実)があります。どのタイプの野菜でも、バットグアノはおすすめです。

使い方は液肥などでバランスを整えながら、バットグアノでリン酸を強化するという方法になります。まず花が増えることで実付きがよくなり、トマトや苺などは収穫量、味、大きさが改良されます。葉物野菜や根菜でも、根がよく伸びて成長するため美味しくなりますよ。

よく使われる植物

Photo by pika1935

いろいろな野菜に使われていますが、特にブルーベリーのような背の低いものから、柿のように背が高くなる果樹まで使用されていますよ。前述したように、野菜もいろいろな種類のものに使えます。

トマトやナスなど、肥料を多めに必要とするナス科にもおすすめです。実がたくさんなるだけではなく、土壌の微生物の活性化や根の成長を助けることから、バットグアノとナス科は相性がいいですよ。

バットグアノのおすすめの使い方5

稲に使える

Photo by nubobo

家庭菜園で稲を育てるという方は少ないかもしれませんが、稲にもおすすめの肥料です。相性がいいとされる理由としては、水に溶けないので成分が勝手に流れ出る心配がないところにあります。

リン酸の効果により、美味しい米ができやすい点も魅力です。またフミン酸により微生物が活発化して、カルシウムにより根張りが強化され過風に負けにくい稲に育ちますよ。使い方は、土の中に埋めて使用します。

芝生にも

Photo byPublicDomainPictures

芝生は肥料の濃度調整が難しい植物ですが、バットグアノは与えすぎても不具合が発生しにくい特徴があるため、使いやすい肥料です。窒素は含まれていないので、あまり葉に関する効果はありません。

しかしフミン酸で微生物を活発にし、カルシウムやリン酸で根張りを良くしてくれるため、しっかりとした芝生に育ちます。稲と同じように、風に負けないしっかりとした芝生ができますよ。元肥として与え、液肥を追肥として使いましょう。

バットグアノのまとめ

使いやすいリン酸メインの肥料

出典: https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/81YOX2nNTpL._SL1000_.jpg

バットグアノは、与えすぎても障害が発生しにくい肥料のため、初心者でも失敗しにくいです。また主成分は、水に溶けないので降雨により急激に流れ出るということもなく、ゆっくり長く効きます。

カルシウムも含んでいて、根張りにも一定の効果が期待できるので、元肥として草木灰を一緒に混ぜて使いましょう。注意点としては、水に溶けないので液は作れませんが、追肥は埋めたほうが効果的です。

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