油かすってどんな肥料なの?その成分や効果と正しい使い方をご紹介!のイメージ

油かすってどんな肥料なの?その成分や効果と正しい使い方をご紹介!

作物などを栽培して、より良く元気で新鮮な野菜を収穫するには肥料は欠かせません。油かすはそんな肥料の成分三要素のうち植物の生長を促すチッソ分を多く含んでいます。そんな油かすはどうやって作るのか、成分とその効果は、またタイミングの良い使い方などをご紹介しましょう。

2019年08月06日更新

Meigen Oka
Meigen Oka
フラワー装飾一級技能士です。花や園芸、また旅行紹介記事などをメインにわかりやすい記事作成を心がけています!有益な情報とちょっとした豆知識まで、読んでいて楽しくなるような記事を届けられたら嬉しいです。
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目次

  1. 油かすってどんな肥料
  2. 油かす肥料の種類
  3. 油かす肥料の効果
  4. 油かす肥料・発酵と未発酵
  5. 油かす・元肥としての使い方
  6. 油かす・追肥としての使い方
  7. 油かす・ボカシの作り方
  8. 油かす・液体肥料の作り方
  9. 油かす・液体肥料の使い方
  10. 油かす肥料を使う時のポイント
  11. まとめ

油かすってどんな肥料

油かす肥料とは、アブラナ科の植物で油分を多く含んでいる「菜種」や「大豆」、「綿(ワタ)」「胡麻(ゴマ)」などの種子から油を絞り取った後に残された粕(かす)と精米後の米糠(コメヌカ)を蒸して搾ったものなどを言います。肥料とは、三要素と言われる「窒素(チッソ):N」「リン酸:P」「カリウム:K」に石灰(Ca)、苦土(Mg)、マンガン(Mn)、ケイ酸(Si)、ホウ素(B)を一定量加えたものを国の法令(農水省の肥料取締法)によって定められたものを言います。油かす肥料は、その三要素のうち葉肥と言われるチッソ分を多く含んでいます。チッソは植物の生長に必要な光合成に欠かすことのできない葉緑素(クロロフィル)を作る手助けをするという重要な役割をします。

油かす肥料の種類

油かすは菜種や大豆などの植物の種子から油を搾り取った後のかすを指しますから、植物性油かす類と呼んでいます。有機質の材料が原料ですので、特に未発酵の油かすは、臭いや発熱によるガスや虫の発生があります。油かすの発酵手順は、土壌と混ぜて1~3ヶ月ほど寝かせ、その間土中の微生物などの働きによって自然発酵をさせます。油かすそれぞれに特性があり使い方も様々です。形状としては粉状や固形、液体肥料があり、時期やタイミングによって使い分けられます。

菜種油かす

油かすの種類のなかでは生産量が一番多く、土壌中の微生物を増やす働きをして土壌の改善にも役立つ最もポピュラーな有機質肥料であって、粉状のものや固形にしたものがあります。但し、未発酵での使用直後は発芽を抑制する阻害が現れることがありますので、種蒔きや苗植えには時期をみてタイミングを図る注意が必要です。

大豆油かす

大豆油かすは、窒素分を多く含み分解するのが早く、植物油かす類中最も肥料効果が早く、土壌の改善効果も高いとされています。古くからチッソ肥料として使用が多かったのですが、使い方として現在では調味料の原料とされたり、家畜用の飼料の方に用途が広がり、作物用には減少傾向気味です。

椿油かす

椿油かすは、椿の実を採取して粉砕し、油分を抽出して乾燥させたものです。椿の実には界面活性作用の特性があり、滋養強壮成分があるとされる朝鮮人参にも含まれている「サポニン」という物質の働きによって土壌の改善にも効果があるとされています。また、油かす特有の臭いもなく、土壌中のナメクジやミミズなどの虫の駆除にも効果があることから環境改善にも役立っています。

米ぬか油かす

米ぬか油かすとは、玄米を精米した折に出る米ぬかを蒸して搾った後のかすのことを言います。肥料三要素のうち「リン酸」分を多く含みます。菜種油かすや大豆の油かすと比較して分解する速度が遅く肥料効果も劣りますので、どちらかというと家畜飼料用として利用される使い方が多いようです。

ニーム油かす

ニーム油かすの「ニーム」とは、和名を「インド栴檀(センダン)」言い、インドでは一般に街路樹や庭園木として植栽されています。インドでは用途の広い樹木で、料理や家庭用日用雑貨などに加工して使用されています。防虫効果が高いとされ、奇跡の木として「ミラクルニーム」とも呼ばれています。日本での区分は「木の実油かす及びその粉末」で特殊肥料とされています。「ニーム油かすは、ニームの実のオイルを絞った後のかすで作られたもので、主に家畜の飼料、虫除け剤、肥料の他石鹸の材料としても利用されています。

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骨粉入り油かす

菜種などが主材料の油かすは、肥料三要素(チッソ、リン酸、カリウム)のうち葉肥と言われるチッソの成分が大半を占めている為、これに実肥と言われるリン酸の成分を多く含む骨粉を合わせてバランス良く配合されていますので、おすすめの有機質肥料です。

醗酵油かす

油かすに肥料の三要素とされるチッソ約3%、リン酸約6%、カリウム約3%を合わせて配合し、これに10種類以上の有機栄養素材を加えて肥料効果の高い即効性があり、臭いなどもないので虫の発生も少なく、粉末、固形とも使い勝手も良いので、おすすめしたい有機質肥料です。

油かす肥料の効果

油かす肥料は、肥料の三要素(チッソ、リン酸、カリ)を含む有機質の肥料で、その内比較的チッソ分を多く含んでいて、堆肥と混ぜて主に元肥として使われますが、土壌中での分解速度が比較的緩やかであることから「緩効性肥料」と言われます。少々多めに施肥しても濃度障害によって肥料焼けを起したりする心配は少なくてすみ、施肥する時期とタイミングを誤らなければ弊害の少ない万能肥料です。固形化されたものは、観葉植物などの鉢物に使われます。

油かす肥料による土壌の改善

油カス肥料は、堆肥と共に元肥として土に良く混ぜ込んでの使用をおすすめします。土壌中のバクテリアなどの微生物を活発化させて分解を促し発酵させていくことによって、肥沃でふかふかとした土壌に作り上げてゆくもので、油かす肥料は、謂わば土壌改善にも役立つ働きをします。

油かす肥料・発酵と未発酵

油かす肥料には発酵させていない未発酵油かすと発酵済油かすとがあり、それぞれに特徴があります。発酵されていない油かす肥料は、そのまま土壌と混ぜて使用すると、時間をかけて土中の微生物によって分解され、雨などの水分や菌類によって徐々に発酵して土を改善していくものですが、土壌分解を済ませ発酵が終えている「発酵済油かす」は、施肥後早くに成分が溶け出し肥料としての効果が期待できます。

未発酵油かすの注意点

発酵が終えていない油かすは、発酵の過程で発熱したり、炭酸ガスの発生も見られます。その為、作物を直ぐに植えつけると肥料焼けを起して枯れてしまうことがあります。また、悪臭が漂い、コバエなどが大量に発生したりしますので、近隣に住宅があったりすると迷惑がかかりますので注意が必要です。これに対し発酵させてある油かすは、多少の異臭はあるものの、有害なガスなどの発生はなく、肥料としての即効性があり元肥よりも追肥として利用されます。

油かす・元肥としての使い方

油かすは、発酵して初めて効力を発揮します。発酵するまでには約1ヶ月程期間が掛かりますので、主に元肥としての使い方をおすすめします。前述した通り発酵までには幾つかの欠点がありますから、土と良く混ぜておくことと、悪臭やコバエの発生を極力防ぐためにマルチングをしておく事をおすすめします。油かすは土壌改良剤ではなく本来は肥料として使用するものですが、土壌中の微生物による分解が活発化させ、作物の生長を助けるふわふわで肥沃な土壌を作ることを目的としますので、タイミングとしては、作物などを植えない時期の冬季に使用して、春までに良い条件の土壌になる様にすることの利用法が適しています。

油かす・追肥としての使い方

油かすを追肥として利用する場合は、完全に発酵した油かすを使います。未発酵の油かすと比べても、ガスの発生や発熱、臭いや虫などの発生もしないので植物に悪影響は与えません。また発酵済ですから肥料効果に即効性がありますので追肥に使用する利点があります。

油かすは庭木に有効

油かすは、根や葉茎の生長に効果があるとされる「葉肥え」と言われるチッソ分が多く含まれていますので、庭木などに施肥する用途に多く使われます。樹木には根元より離れた枝先の下に根が伸びていますので、その部分の土を根を傷めない様に掘り返し、庭土と油かすを良く混ぜ合わせておきます。庭木によって特性がありますが、春から元気な生長を促すために、主に寒肥と言われる10月から2月の施肥をおすすめします。寒い時期ですので臭いによる虫の発生も抑えられます。

油かす・ボカシの作り方

発酵済の油かすボカシ肥料とは、複数の有機質要素を持つ材料を混ぜて十分に発酵させることによって、チッソ、リン酸、カリをバランス良く配合した油かすです。目的によって、例えば葉茎の生育を望む場合はチッソ分を多めに、多くの花芽や実などの結実を促したい場合は実肥のリン酸分を、根の発育を促したい場合は、根肥のカリウムをという具合に混ぜる比率を変えれば良い訳です。また、未発酵の油かすの場合は土中に施して直ぐには作物の種蒔きや植え付けはできませんが、発酵したボカシ肥料では可能であり、手近の材料で作ることができます。

作り方の基本

油かすを主体として混ぜ合わせる材料は、骨粉、米ぬか、魚粉、鶏糞などが用いられますが、混ぜる量などは決められた制約はありません。前述の用途に合わせて加減すれば良い訳です。

作り方手順

【材料】ここでは材料として、油かす(粉末)、骨粉を用意します。
【方法】出来上がりまで時間を要しますが、手間の掛からない方法を紹介します。
・油かすと骨粉を6:4か5:5として等分の割合で良く混ぜ合わせます。
・水を適当な量で加え、握ってみてパラ付く程度にします。水分が多すぎると腐ります。
・完成を早めるために「発酵促進剤」を入れて混ぜ合わせます。
・ビニール袋に出来るだけ空気が入らない様に詰めて密封し、日の光や雨などに当らない場所で保管します。(途中袋を開けない様にします)
・発酵が始まり、気温が高い時期ならば約1ヶ月、寒い時期ならば2~3ヶ月で油かす肥料が完成します。
・袋から出して固まりを良くほぐしてビニールシートなどの上に広げて良く乾燥させます。
・肥料効果がある、その年の半年間で使い切ることをおすすめします。

油かす・液体肥料の作り方

油かすは前の記載の通り、土中の微生物の活発な働きによって発酵し、肥料としての効力を発揮する様になって初めて、種蒔きや苗の植込みができる「緩効性」と言われるものですが、固形のものとの相違は水と混合することによって、割合簡単に即効性の「油かす液体肥料」を作ることができます。

液体肥料の有効性

油かす液肥は、固形のものと比較しても植物へ吸収して生育の助けとなる時間が短い、いわゆる即効性があることです。葉茎や根などを丈夫にして、作物の実つきを促す目的であったり、植物に元気がない時などに回復力を与える目的などに効果が期待できます。臭いがきついのが難点ですが、油かす液肥を作る方法は割とシンプルです。油かすと水、容器があれば時間を要しますが簡単につくることができます。

油かす液体肥料の作り方

【材料】油かす(市販のもの)200g、プラスチック容器(容量2L)、水
【手順】
・プラスチック容器の8分目程度に、油かす1:水10の割合で入れます。
・容器のフタを閉めて、振りながら良く混ぜ合わせてから、日の当らない涼しい場所に置きます。
・ガスが発生し、容器が膨張して破裂することがありますから、毎日容器を振って混ぜ合わすことを繰り返し、その後はフタを取ってガス抜きをしておきます。フタは緩めにしておきます。
・1~2ヶ月ほどで発酵が終わり油かす液肥の完成です。
・完成後の油かす液肥は臭いがきついですから、屋外に保管する様にしましょう。

油かす・液体肥料の使い方

液肥は固形肥料よりも早い効き目を現しますが、出来上がった油かす液肥には基本的な与え方がありますので注意が必要です。タイミングを間違えると却って植物を弱らせる原因となります。液肥は約1ヶ月程度しか効力がありませんから、順次作る様にし、早めに使い切る様にします。液肥は濃度が高く、そのまま与えると植物を却って弱らせてしまいますので、必ずうわずみ液を8~10倍に希釈して施肥する回数を多めにして少しずつ与える様にしましょう。根から吸収させるのが基本ですから、葉面散布は葉にシミを作ってしまう原因になりNGです。いちいち希釈するのが面倒だという方には、自動的に希釈をしてくれる「散布機」が市販されていますのでおすすめします。一定した濃度で希釈してくれるので手間省きにもなりますよ。

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油かす肥料を使う時のポイント

最後に油かす肥料を使う場合のポイントをまとめておきます。まず、未発酵の油かすは土に混ぜると分解する際に熱やガスなどが発生しますので、必ず作付けの2~3週間前までに作業をしておきます。土と混ぜ合わせずに表面だけに撒くと臭いとコバエなどの虫の発生が酷くなりますから、必ず土と混ぜ合わせてマルチングを施します。

チッソ過多を防ぐ

油かすは葉肥と言われるチッソ分が多く葉茎などの生長を促す役目をするものですが、与え過ぎるとチッソ過多を起し、葉茎ばかりに栄養分が偏り、実物や花付きが悪くなってしまうことが往々にしてあり、また、土中の酸性度が高くなってしまう場合があります。植物の生長を阻害してしまわない様に、施肥する量や時期などタイミングを図って良く注意する必要があります。

まとめ

油かす肥料と一言で呼びますが、粉状や固形の物もあれば液体の物も有って形状も様々の種類もあり、どれをどの目的で使用すれば良いのか解釈するのも難しいものです。また、使い方によっては却って植物に悪い影響を与えてしまう場合もあります。油かす肥料を施肥するのは、土壌の状態であるとか、どの様な植物を生育するのかによって良く確認をし、タイミング良く使用する様にしましょう。

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