空木とは?うつぎの由来や種類の特徴、花言葉もご紹介!

空木とは?うつぎの由来や種類の特徴、花言葉もご紹介!

古くから庭木としても好まれ、清少納言にも縁の深い空木(うつぎ)。この樹木は春を迎えれば華麗な花を見せてくれたりと、庭に取り入れる価値が存分に感じられます。空木の樹木の特徴から、不思議な響きのある名前の由来や花言葉などもご紹介します。

記事の目次

  1. 1.空木とは
  2. 2.空木の名の由来と別名
  3. 3.空木の特徴
  4. 4.空木の花と実
  5. 5.空木の花言葉
  6. 6.空木と文化(古典と童謡)
  7. 7.空木の品種
  8. 8.空木の育て方
  9. 9.空木の用途
  10. 10.空木で庭を飾ってみる?

空木とは

アジサイ科ウツギ属の低木

今回取り上げる空木とは、実は誰もが見知っているアジサイの仲間です。アジサイ科ウツギ属の植物で、よくよく見れば確かにアジサイに似たような特徴も備えています。空木は落葉する低木であり、大きくならないことから自宅でも育てやすいとして人気がある種類です。

有名な古典や童謡にも登場する

見た目の綺麗さのためなのか、この空木は昔から古典の中にも取り上げられている植物でした。その記録は古くは奈良時代から始まっていました。見栄えよい花だけでなく、文化や歴史的な側面から迫ってみると、周囲の誰も知らない空木の話で盛り上がれそうです。

空木の名の由来と別名

空木の読み方

古来から空木とは、ウツギという読み方をするのが正解です。しかしこの漢字を知らない場合は、色々な読み方がされてしまう場合もあるようです。例えばソラキ、クウキ、カラキなど。そもそも由来も知られてないし、日常的に空を「ウツ」という読み方は使わないので、これは仕方がない話かもしれません。

うつろ木にあった空木の由来

読み方がちょっと難解な「空(うつ)」とは、内部が中空なことを意味する空ろ(うつろ)に由来している言葉です。実際に空木の茎を切断してみれば、名の由来となったストローみたいな空洞構造を確認できます。昔の人はこの特徴的な構造をもとにして、内部が空ろだから空木と命名したというわけです。

卯(う)の花

ほんわかと咲く空木の花については、別名も存在していました。それは卯(う)の花。うっかり卵の花と読み方を間違えそうな漢字です。卯とは子丑寅で始まる干支(えと)の中の4番目で、ぴょんぴょん跳ねるウサギのことです。どうして卯の花と呼ばれているかには、その開花の季節が関係しました。

卯月とは

むかし普通に使われた旧暦にある卯月(うづき)とは、今で言う4月の別名です。この花は卯月から初夏の季節に咲くことから、卯の花という別名が付いたという説があります。そもそも空木と卯月はとても良く似ている(うつぎ⇔うづき)ので、命名の由来に関係していたかも知れません。

空木の特徴

空木の大きさ

野生種でも栽培した場合でも、それほど大きくならないのが空木。放置された状態の樹高は2m~4mほどにしかならず、アジサイと大きさは変わりません。大きくなりにくい特徴があって管理もしやすいことが、庭木として相応しいと言われる理由でもあります。

空木の生息地

割と日本のどこでも普通に生育しているのが、卯の花を咲かせて見せる空木です。その生息範囲は北海道の南部から本州全域を経て、南は九州にまで至ります。日当たりの良い環境を好んでいる植物なため、山林の道ばたや崖地などにもよく見られる低木です。

空木の枝葉

枝の分岐が多めなのは空木の特徴の1つであり、新しく出たばかりの枝は赤褐色となって星状毛が見られ、古い枝は全体に灰色を帯びています。対生する葉っぱは、卵型から楕円形まで様々です。アジサイと見比べてみれば、葉のギザギザは若干目立たない傾向にあります。

空木の紅葉

緑が眩しい春~夏とは違って、秋の頃には空木の控えめな紅葉が見られます。空木は小柄であるとは言え、葉っぱの紅葉は黄色や赤の色が綺麗で、不思議な木の実との共演が観賞ポイントです。密集している空木の場合には、特に紅葉が楽しみとなりそうです。

空木の花と実

空木の蕾

暖かさをどんどん増す季節になると、空木の枝では卯の花の蕾が膨らみ始めます。花のつぼみはアジサイと同じように、一か所にまとまっている傾向です。庭に空木があれば、開花する卯月以降の季節が近づくほど、その大きさを徐々に増して行く様子が分かります。

花の特徴

実際に日本列島で卯の花が咲いて見せるのは、初夏を迎えた5月~7月の頃です。空木の花は円錐花序の形であり、密集して咲き乱れます。一つ一つの花弁は、通常では5枚の組み合わせです。しかし時には花びらが幾つも重なってしまう、八重咲き状態な花もあるから不思議に感じます。

空木の実

そんな卯の花が散った後に残されるのが、不思議な空木の実。まるで小さな駒のような形をしていて、夏に緑色だったものが、秋になれば灰色に変わっています。空木の種類によっては、ブルーベリーによく似た見た目と味になるものがあり、小鳥がついばんでいる光景も見かけます。

空木の花言葉

秘密

一体どうしてこんな意味があるのかと不思議なのは、空木に付けられている「秘密」という花言葉。実はその由来は、空木の茎を切れば中が空洞であるという、外から様子が分からない秘密の構造を元にしていました。空木を庭で育てている女性には、なにか秘密めいた要素が増えてしまいそうです。

古風・風情

その見た目や由来が影響して、空木を表す花言葉に選ばれたのが「古風」でした。明治以降の花言葉を付けた人々からすれば、卯月や咲く卯の花という別名の読み方が、古風に感じられるものだったようです。そんな空木の「風情」は昔から人々が感じ取っているものでした。

乙女の香り

もう1つの空木の花言葉は、初夏の風物詩関係しているようです。「乙女の香り」という花言葉の由来には、丁度卯の花が咲く頃、早乙女(田植えする女性)の姿が見られるという繋がりがあります。小柄な樹木が春の季節にパッと咲き乱れる様子は、確かに早乙女らしい印象です。

空木と文化(古典と童謡)

万葉集

平民から天皇に至るまで、奈良時代のあらゆる階層の人々が作った和歌の集大成と言えば、万葉集のことです。4,500首もの和歌が集っているために、その中には空木をテーマにしたものが含まれていました。「五月山 卯の花月夜 ほととぎす 聞けども飽かず また鳴かぬかも」。まさに古風さ全開です。

枕草子

今から1,000年以上前に完成している最古級の随筆「枕草子」は、宮廷に仕えた清少納言の作品でした。作中では彼女の体験談の中に、空木に絡んだ話が登場しています。初夏にホトトギスを求めてバカンスに出かけた清少納言らは、帰り道に卯の花の枝を車に飾り付け、京へ帰ったとの内容でした。

夏は来ぬ(なつはきぬ)

数多くの童謡が作られていた明治の頃、今も歌い継がれている名作「夏は来ぬ」が誕生しました。佐佐木信綱の作詞では、卯の花、ホトトギス、早乙女など卯月~初夏の季節の風物詩を並べています。空木を見るたびに口ずさんでしまう人も多いかも知れません。

空木の品種

数多くの品種がある空木

公園などでよく見かける空木は白い花を付ける種類ですが、実はこの樹木には色んな品種が存在しています。その色合いは白とピンク、白と紫、赤みがかったもの、純粋な紫など。もし自宅に空木を取り入れるなら、そうした種類と花の色の違いはチェックしておくと良いです。

ビロードウツギ

濃いピンク色の花を咲かせる品種の代表は、ビロードウツギ。別名をケウツギ、天鵞絨空木とも書く種類です。天鵞絨とは中国での呼び名であり、読み方はビロードです。ひとたび開花すればなめらかで光沢あるビロード(ベルベット)のような、高級感ある印象が楽しめます。

サラサウツギ

白とピンクが入り混じる花を咲かせるサラサウツギは、空木の中でも人気の品種。サラサ(更紗)とは、インド発祥の紅白入り混じった木綿製の布地のこと。別名をヤエウツギ(八重空木)と言うように、花びらが幾重にも重なった八重咲きをしてみせる、代表的な種類です。

ムラサキウツギ

目の覚めるような紫色の花を咲かせるのが、空木の品種の1つにあるムラサキウツギ。これは別名をアケボノウツギ(曙空木)とも言います。白に比べて紫色は存在感を発揮し、卯月に白と並んだ様子はひときわ美しさを引き立てます。紫の花が咲く空木で、庭を飾ってみたくなってきました。

空木の育て方

好ましい生育環境

寒さと暑さにかなりの強さを見せる空木については、特に本州や九州ならば、生育環境を深く考えることはありません。日当たりが良い場所を選んで植え、地面は乾燥させないようにします。厳しい冬の季節を迎える北海道では鉢植えにして、冬季は室内に置いてあげると良いです。

育て方

日当たりを考慮して場所を決定したら、空木の苗木を植える場合には2割程度の腐葉土を混ぜた土を使うと良いです。春に植えたばかりの時はたっぷりの水と適量の肥料をあげて、根の生育をうながします。春と秋の季節に追肥をするのも忘れずに。秋から冬にかけては水を少なめにして問題ありません。

挿し木で増やす

もし自宅で空木を増やしたい時は、代表的な方法は挿し木です。伸びて剪定した枝、または切り戻した時の枝を使って、挿し木を行います。脇芽が付いた15cmほどの枝を挿し木する季節は、白や紫の卯の花が咲く春から初夏の頃が最適。たっぷり水を与えていると、やがて根っこを伸ばし始めています。

害虫や病気

気をつけておきたい害虫と言えば、空木の葉っぱを好むアブラムシです。放置すれば大増殖して空木を弱らせるため、殺虫剤などによる駆除が不可欠です。ウドンコ病になった場合は窒素系の肥料を与えるようにし、サビ病になったら葉っぱを取り除いてサビ病用の薬を使うことで治療します。

空木の用途

庭木や生け垣

万葉の時代から、空木は庭木として好まれがちな種類でした。手入れがしやすく、挿し木で増やせることで、一部が枯れても復元のしやすさがあります。卯月には卯の花を楽しめるし、秋には紅葉も綺麗な種類です。庭木や生け垣とすれば、季節を感じるに違いありません。

盆栽

もし庭がなくても、空木はバルコニーや玄関先に置く盆栽にしても魅力的に感じる種類です。盆栽にすれば幹や枝葉の形状は思い通りになり、もともと小さい空木そのままで、迫力ある形に仕上げられます。生命力が強く増やしやすい空木なので、初心者からの盆栽にもおすすめです。

木釘や楊枝

茎の中は空洞でありながら、意外なほどの硬さを持っているのが空木。だから空木は昔から、家具などの木釘としても採用されていました。食事で何かと使われている、楊枝としても重宝した樹木。入手が容易で安価だったことで、生活に密着する役割を得てきたのです。

空木で庭を飾ってみる?

卯の花の咲く庭に

奇妙な語源と花言葉を持っていた空木は、春から初夏に爽やかな花を咲かせる樹木でした。庭に取り入れてみれば白や紫の花が咲いて、挿し木で増やせたり盆栽にできたり、ガーデニングが楽しみとなるに違いありません。空木のある庭って、なかなか良いと思いませんか?

低木の花が気になる方はこちらもチェック!

当サイトでは空木の他にも、花を咲かせる庭木の情報をまとめています。白や黄色や紫など、色とりどりな花に興味がある方はチェックしてみてください。

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はぐれ猫
ライター

はぐれ猫

都会から離れた田舎で暮らす、はぐれ猫です。幼少時から地理が好きという特徴も活かしつつ、キャンプやトラベルスポットの紹介が得意分野です。しかし身近なDIY等含め、興味深い話題の紹介も怠りません。


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