アドレス110でツーリング！はじめに
スズキのアドレス110は通勤や通学などの街乗りで人気の原付二種スクーターで、実用性や走行安定性の高さが評価されています。また、新車価格の安さから「コスパ最強原付二種スクーター」という口コミレビューも多いですね。ここではアドレス110のスペックを確認し、口コミレビューからユーザーインプレをまとめます。
原付二種スクーターでツーリング！
原付二種スクーターは毎日の移動手段として愛用されることが多いものの、休日にツーリングを楽しむ人は増えています。普段から愛用しているスクーターでのツーリングは短い距離でもアドベンチャー感が得られ、思いのほか楽しいのです。スペックと口コミレビューからまとめたユーザーインプレをもとに、後半ではアドレス110をツーリング仕様にカスタムするパーツやグッズも紹介します。
余談：街乗りスクーターでツーリングをする意味
街乗りスクーターでのツーリングは有意義です。楽しいという理由だけでも十分ですが、定期的に長距離走行することで調子を整えられるというのも一つの理由。短距離走行するだけではバッテリーに電気が充電されず、予期せぬタイミングでエンジンが止まってしまう可能性があるのです。
では本題！アドレス110のスペックや口コミレビューを確認していきましょう。
アドレス110でのツーリング：車体サイズ
スペック：車体サイズ
アドレス110の車体サイズを確認すると、全高がやや短めで、全幅がとてもスリムなのがわかります。スーパーや集合住宅の駐輪場でも邪魔にならないサイズだといっていいですね。50ccスクーターと比較すると大柄ですが、タンデム走行もできてこのサイズなら申し分ないといえます。
【アドレス110の車体サイズを比較】
| スズキ アドレス110 |
現行原付二種 AT車平均値 |
|
| 全長 | 1845mm | 1879.7mm |
| 全幅 | 665mm | 717.9mm |
| 全高 | 1095mm | 1095.3mm |
ユーザーインプレ：車体サイズ
アドレス110の口コミレビューからユーザーインプレを確認すると、毎日の通勤や通学に最適な車体サイズだと評価されています。その反面、ステップボードの前後長が短く、窮屈に感じるというコメントは多め。残念ながら、ツーリングでのサイズ感に関する口コミレビューは少ないですね。多くのユーザーはアドレス110を通勤や通学専用にしているためだと考えられます。
以前は大きくてゆったり乗れるコマジェやRV125が好みでしたが、毎日乗ることを考えると大きくて重たいことは必要ないと思いました。
ステップボードが狭く、足のやり場に困る。前が詰まっている感じで違和感あり。足元に荷物を置くのは厳しい。
アドレス110でのツーリング：エンジン
スペック：エンジン
アドレス110は低中回転域で粘るロングストロークエンジンを搭載しています。原付二種バイクの法定速度である60km/hまでの加速感を重視したエンジン特性です。最高出力や最大トルクはやや低く、最大トルクを発生させるエンジン回転数の高さ目立ちますが、プーリーの変速比がこれを補っていると考えられます。
【アドレス110のエンジンを比較】
| スズキ アドレス110 |
現行原付二種 AT車平均値 |
|
| 最高出力 | 8.8ps /7750rpm |
9.46ps /7455.9rpm |
| 最大トルク | 0.88kgf・m /6250rpm |
0.99kgf・ｍ /5691.2pm |
ユーザーインプレ：エンジン
アドレス110の口コミレビューからユーザーインプレを確認すると、出力特性はマイルドながらもスムーズに加速するエンジンだと評価されています。通勤快速の異名を持つアドレスV125のような俊敏さはないものの、法定速度内では十分なエンジンパワーと異口同音。ツーリングでは優しさを感じられることでしょう。
意外とパワー不足は感じませんでした。加速もすぅーっと伸び、大きな道路の流れにも問題なくついて行けます。
下からのトルクがあり出だしはなかなか速いです。ストップ&ゴーが多い法定速度内の街乗りメインではストレス無く走れます
アドレス110でのツーリング：最高速度
スペック：最高速度
アドレス110の理論上の最高速度を計算すると、思いのほか速いことがわかります。アドレス110の最高速度を原付二種スクーターの平均値と比較すると、最高出力を発生させるエンジン回転数で6.1km/h、最大トルクを発生させるエンジン回転数で8.5km/h速いですね。これはアドレス110のエンジン回転数が高めに設定されているからだと考えられます。
【アドレス110のエンジンを比較】
| スズキ アドレス110 |
現行原付二種 AT車平均値 |
|
| 最高速度1 | 94.3km/h | 88.2km/h |
| 最高速度2 | 76.1km/h | 67.6km/h |
※最高速度1：最高出力を発生するエンジン回転数での理論上の速度（トップギヤ）
※最高速度2：最大トルクを発生させるエンジン回転数での理論上の速度（トップギヤ）
ユーザーインプレ：最高速度
アドレス110の最高速度に関する口コミレビューからユーザーインプレを確認したところ、最高速アタックをしているユーザーは見当たりませんでした。法定速度60km/hの範囲内で運転するのが前提ですし、高速道路走行ができない原付2種スクーターに最高速度を期待するのはナンセンスです。ちなみに、プーリー（変速機）の味付けは高く評価されています。
排気量が排気量ですのでパワーはそこそこです。が、低速から高速まで気持ちよく回ります。回転さえのれば街中でもそれなりに速く走ります。
出足の弱さを感じるのは事実ですが、感じるだけで実際の加速は他にひけをとりません。エンジンのせいでなく、駆動系とシャーシの味付けでしょう。
アドレス110でのツーリング：足回り
スペック：足回り
アドレス110の足回りに関するスペックを確認すると、エンジンのスペックや最高速度に見合った仕様になっていることがわかります。特徴的なのは細めで大径の前後ホイール。14インチホイールを装着することで安定感が高められ、大らかなハンドリングはツーリング向きだといえます。残念ながら、サスペンションのプリロード調整はできません。
【アドレス110の足回り】
| アドレス110 | ||
| フレーム | アンダーボーン | |
| フロ ント |
サスペンション | テレスコピック |
| タイヤサイズ | 80/90-14 | |
| ブレーキ | ディスク（1ポッド） | |
| リヤ | サスペンション | ユニットスイング |
| タイヤサイズ | 90/90-14 | |
| ブレーキ | ドラム式 | |
ユーザーインプレ：足回り
アドレス110の口コミレビューからユーザーインプレを確認すると、直進安定性の高さや素直なハンドリングが高く評価されています。フロントサスペンションの評価はまずまずですが、リヤサスペンションは硬めとのこと。シートの面積や硬さも影響し、ツーリングではお尻が痛くなりやすいという評価も見かけます。
ハンドリングが素直で、細かい複合カーブでもヒラリヒラリと、ショートカットなしで走る気にさせてくれます。
サスが硬くゴツゴツした路面はもろにショックを拾います。乗り心地は悪いです。
アドレス110でのツーリング：街乗り
スペック：街乗り
アドレス110の街乗りに関するスペックを確認すると、シート高や軸間距離は標準的なのですが、車両重量はとても軽いことがわかります。加速の指標となるトルクウエイトレシオは平均値より劣りますが、街乗りバイクの名車であるホンダのスーパーカブ110に近い数値です。
【アドレス110の街乗りスペックを比較】
| スズキ アドレス110 |
現行原付二種 AT車平均値 |
|
| シート高 | 755mm | 755.8mm |
| 車両重量 | 99kg | 114.8kg |
| 軸間距離 | 1260mm | 1275.9mm |
| 最小回転半径 | 1.9m | 2.0m |
| トルクウエイトレシオ | 112.5 kg/kgf・m |
115.9 kg/kgf・ｍ |
ユーザーインプレ：街乗り
アドレス110の口コミレビューからユーザーインプレを確認すると、シート高は標準的にも関わらず、着座ポイントは高いと評価されることが多いですね。足つき性はユーザーによって異なり、悪いと評価されることもあれば良好と評価されることもあります。ライディングポジションを決めやすい反面、ツーリングでは足元を窮屈に感じるかもです
当方身長170㎝くらいで足つき丁度です。座面が高い分狭さは気にならず、椅子に座ったような感覚で座った姿勢は自然に乗れて良いです。
まず乗ってポジションが異様に高く感じました。10インチから14インチのタイヤなので当たり前ですね。最初怖かったのですが安定感もあるしすぐに慣れました。
アドレス110でのツーリング：航続距離
スペック：航続距離
アドレス110の航続距離を確認すると、50ccの原付バイクに近い数値となりました。通勤や通学では問題ない範囲ですが、ツーリングで長距離を走るには少し物足りないですね。しかも、アドレス110はシートを開けないと給油できませんので、タンデムシートに荷物を積載する方法が限定されます。
【アドレス110の航続距離】
| スズキ アドレス110 |
|
| 実燃費 | 39.76km/L |
| 燃料タンク容量 | 5.2L |
| 航続距離 | 206.752km |
※実燃費はみんカラの数値を参考
ユーザーインプレ：航続距離
アドレス110の口コミレビューからユーザーインプレを確認すると、通勤や通学などの街乗りでの燃費は40km/hという評価が多いですね。中にはスペックシートのWMTCモード値（48.9km/h）に近い数値が出たユーザーもいます。しかし、それでも航続距離は短めですので、ツーリングではこまめに給油したいところです。
街中８割、幹線道路２割でリッター辺り40キロ以上は走ります。
すごく優秀です。通勤片道36kmあり毎日乗ります。バイパスがメインですのでそれなりの回転数で走りますが平均47km/lです。
アドレス110でのツーリング：タンデム
スペック：タンデム
アドレス110は穏やかなエンジン特性や14インチホイールの安定した走行性能がタンデム走行を快適にしてくれます。やや硬いリヤサスペンションもタンデム走行向きだといっていいですね。しかし、タンデム走行はライディングポジションが固定されやすいので疲れます。タンデムでの長距離ツーリングではこまめに休憩をしましょう。
ユーザーインプレ：タンデム
アドレス110のタンデム走行に関する口コミレビューからユーザーインプレをまとめると、原付二種スクーターとしては快適だという評価が見つかります。シートの長さやサスペンションの硬さなどはタンデムツーリングも可能とのこと。しかし、多くのユーザーは通勤や通学でアドレス110に乗っていて、タンデムツーリングを楽しむユーザーは少なめです。
シートも大きめ（長い目）で、嫁とタンデムしても走行中にシートでお尻を前後に移動できます。
意外な魅力がタンデム性能。（中略）足回りもソロ時硬めなのがタンデムするといい塩梅に。元々積載満載かタンデムを想定した足回りなんでしょうね
アドレス110でのツーリングを考察
ツーリングでのメリット
アドレス110は穏やかで走行安定性に優れた原付二種スクーターだといえます。穏やかなキャラクターのバイクは長距離ツーリングでも疲労を蓄積しにくく、距離を稼ぎやすいですね。また、気になるカフェ巡りやツーリング先での路地裏散策でも小回りが利き、狭路めぐりツーリングでも活躍します。街乗りに特化した原付二種スクーターでタンデムツーリングが快適な車種は少ないので、アドレス110は貴重な存在です。
ツーリングでの注意点
アドレス110は通勤や通学での街乗りに特化した原付二種スクーターですので、ツーリングでは航続距離に気をつけなければなりません。また、シートを開けないと給油できませんので、タンデムシートに荷物を積載しにくいのも難点。標準装備のリヤキャリアにトップケースを取り付けできますが、シート下トランクの容量も少なく、荷物の積載には工夫が必要です。
では、ここからはアドレス110をツーリング仕様にカスタムするパーツやグッズを見ていきましょう。
アドレス110をツーリング仕様にカスタム①
汎用トップケース
アドレス110にはリヤキャリアが標準装備されていますので、トップケースを追加してツーリング仕様にカスタムしましょう。容量は30Lもありますので、日帰りツーリングやホテル泊ツーリングならこれで十分！街乗りでも便利に使え、雨が降っても荷物が濡れにくいのがメリットです。
グラブバー
こちらのアイテムは、快適性の向上とデザインに拘ったオールステンレス製グラブバーです。加減速や荒れた路面において、タンデムライダーをサポートします。
握り心地とテール形状のマッチングを求めた28.6mmメインパイプにエンドキャップを装備する事で実用性と共にドレスアップ効果を向上。エンドキャップはステンレス削り出しにより精巧に加工されています。ぜひこの機会に購入してみてください。
アドレス110をツーリング仕様にカスタム②
キタコ マルチビレットリヤキャリア
キタコのアドレス110専用マルチビレットリヤキャリアを追加すれば、他メーカーのトップケースを積載してツーリング仕様にカスタムできます。スズキ純正トップケースでは容量が足りない…他メーカーのトップケースを積載したい…そんなときに便利です。ショックコードやツーリングネットのフックも掛けられます。
キジマ リアキャリア
アドレス110にキジマのリアキャリアを追加すれば、荷物をたくさん積載できるキャンプツーリング仕様にカスタムできます。シートバッグやプラスチックケースを積載するのに便利ですね。荷重が後ろになりすぎず、走行安定性も確保できます。
アドレス110をツーリング仕様にカスタム③
バイクミラー カスタム
こちらのアイテムは、外観は丸みのある長方形型スタイルで強調しすぎず、コンパクトサイズでさらっと決めやすいデザインです。デザインも複雑なデザインではなく、シンプルで程よいアクセントなミラーとなります。
汎用性のあるサイドミラーで、カラーバリエーションが豊富です。そのため、自分の好みに合わせてデザインを選ぶことができます。もちろん、アドレス110に合わせることが可能です。
ミズノ メッシュバッグ
アドレス110にメッシュバッグを装着すれば、長いものも積載できるツーリング仕様にカスタムできます。重いものを積載するのは難しいですが、道の駅で見つけたおいしそうなゴボウやネギもお土産にできます。ヘルメットも入りますし、シートにツーリングネットを掛けられるフックも追加できます。
アドレス110をツーリング仕様にカスタム④
SP武川 リアショックアブソーバー
アドレス110のリヤサスペンションをプリロード調整可能にし、ツーリング仕様にカスタムするのもおすすめです。ノーマルサスペンションより5mmローダウンとなりますが、積載量に合わせて沈み込み量を変更できるようになり、街乗りからツーリングまで快適な乗り心地となります。路面追従性にも期待できますね。
デイトナ ウインドシールドSS
アドレス110にデイトナのウインドシールドSSを追加すれば、走行風による疲労を軽減できるツーリング仕様にカスタムできます。少し値段は高いものの、角度調節ができますし、スマホホルダーなどを取り付けできるマウントバーもついています。デイトナでの取り扱いが終了していますので、気になる人は急いだほうがいいですね。
アドレス110とディオ110を比較する！
アドレス110とディオ110のスペック
アドレス110のライバル車であるホンダのディオもチェックしましょう。ディオ110も前後に14インチホイールを装着した原付二種スクーターですが、スペック、装備、価格の面で違いがあります。スペックと価格を重視するならアドレス110、装備を重視するならディオ110だと捉えましょう。スペックや装備を度外視し、デザインで選ぶのも正解ですよ。
【アドレス110とディオ110を比較：勝敗表】
| アドレス 110 |
ディオ 110 |
||
| 車体サイズ | ○ | ● | 全長1870mm 全幅690mm 全高1085mm |
| 最高速度 | ○ | ● | 84.0km/h |
| 安全ブレーキ | ● | ○ | コンビブレーキ |
| 環境性能 | ● | ○ | アイドリングストップ |
| 航続距離 | ● | ○ | 231.556km※ |
| 新車価格帯 | ○ 約16～ 22万円 |
● 約17～ 29万円 |
|
※航続距離=みんカラの数値44.53km/L×燃料タンク容量5.2
※新車価格帯はグーバイクを参考
あまり知られていない違い
アドレス110とディオ110のあまり知られていない違いとして、キックスターターでの始動性があります。アドレス110はバッテリーの電圧が下がりすぎるとキックスターターで始動できなくなりますが、ディオ110はバッテリーが完全放電してもキックスターターで緊急的に始動できます。バッテリーが消耗しやすい街乗りバイクにとって大きな違いですが、点検をこまめにしていればキックスターターのお世話になることはありません。
アドレス110でツーリング！まとめ
アドレス110は街乗りに特化した原付二種スクーターですが、ツーリングを楽しむユーザーも多いですね。食べ歩きツーリングやプチツーリングなどの日帰りツーリングを楽しむユーザーがほとんどですが、工夫をすればタンデムツーリングやキャンプツーリングも可能です。中には安定した走行性能を活かして未舗装林道ツーリングを楽しむ人もチラホラ。ツーリングはバイクのスペックよりユーザーの工夫が大切だといえますね。
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