DURO HF918 110/70-17 54H TL
サンスター フロントスプロケット 3C4-15
Vストローム250 グラブバーキャリア DAYTONA
Vストローム250はツーリングに最適?はじめに
スズキのVストローム250は2017年の7月に販売が開始されたアドベンチャーツアラーです。
GSR250で熟成された水冷4ストロークSOHC2バルブエンジンを搭載し、オフロードバイク的なアップライトなライディングポジションでありながらオンロードバイク用の17インチホイールを装着しているのが特徴です。ここではVストローム250がツーリングの相棒に相応しいのかを検証していきます。
北海道ツーリングを想定して検証する!
空が低く感じるほど広大な大地、絶景ワインディングロードやオフロードルート、岬で吹く風の最果て感など、北海道は魅力にあふれたツーリングエリアです。もっとも魅力的なのは旅人にやさしい北海道の人たち。
ここでは、一通りの概要を確認しながらVストローム250が北海道ツーリングをするうえで最良の相棒となりうるかを検証し、欠点や課題も見出していきますね。
なお、この記事は2020年1月21日現在の情報をもとに作成しますことをご了承ください。
Vストローム250でツーリング:デザイン
スズキのVストローム250はボリューム感のある頼もしいデザインが魅力です。大きく盛り上がった燃料タンク、キャンプツーリングやタンデムツーリングでも便利なリヤシートの形状など、ずっしりとした重量感のあるデザインはロングツーリングへの期待感を高めてくれます。
北海道ツーリングとデザイン
Vストローム250の顔立ちはフレンドリー!かわいささえ感じさせる丸目1灯のヘッドライトには友好的な印象があり、ツーリング先で誰かに尋ねごとをするときでも威圧感を与えません。キャンプ道具を積載した姿がかっこいいのも北海道ツーリング向きです。
Vストローム250でツーリング:車体サイズ
Vストローム250の車体サイズ:スペック
Vストローム250の車体サイズはやや大柄だといえます。Vストローム250より車体の全長が大きい250ccのバイクはアドベンチャーツアラーのヴェルシスX250ツアラー、アメリカンクルーザーのレブル250、オフロードバイクのCRF250L&ラリーです。前後17インチホイールを装着したロードスポーツではもっとも大きいといえます。
【Vストローム250の車体サイズ】
Vストローム250ABS | 現行250ccMTバイク平均値 | |
全長 | 2150mm | 2087.9mm |
全幅 | 880mm | 802.9mm |
全高 | 1295mm | 1156.2mm |
※2020年1月21日現在
北海道ツーリングと車体サイズ
Vストローム250の大柄な車体サイズはツーリングでの疲労感を軽減してくれます。挙動やハンドリングは緩やかですので、ロングツーリングで無用な神経を使わなくていいですね。また、Vストローム250のアップライトなライディングポジションは交通の流れを見渡しやすいのもメリットです。
Vストローム250でツーリング:装備
ツーリング向けの装備を備えているのもVストローム250の美点です。手の大きさに合わせてブレーキレバーをグリップへ近づけられますし(5段階)、シフトペダルの調整も容易にできます(無段階)。
ナックルカバーは転倒時のレバー破損を防ぐためのものですが、風防効果も高いですね。ウインドスクリーンは小ぶりながらも効果的に走行風を遮ってくれます。
北海道ツーリングと装備
Vストローム250にはDCソケットが標準装備されています。北海道ツーリングでは電源の確保が課題!充電状態を気にせずにスマホでの情報収集が可能です。ウインドスクリーンの左内側に配置されていますので、スマホをナビ代わりにもできます。
しかし、ライダーが集まる場所でスマホの画面ばかりを見ていると、北海道ツーリングでの出会いを逃してしまうので控えましょう。
Vストローム250でツーリング:エンジン
Vストローム250には水冷4ストロークSOHC2バルブのロングストロークエンジンが搭載されています。高回転の伸びよりも低中回転域でのトルク感を重視したエンジン特性です。理論上の最高速度は低いのですが、法定速度の範囲内で豊かなトルクを発生させる合理的なエンジンです。
スズキ Vストローム250ABS |
現行モデル平均値 250ccMTバイク |
|
最高速度1 | 107.9km/h | 139.3km/h |
最高速度2 | 87.6km/h | 114.6km/h |
※最高速度1:最高出力を発生するエンジン回転数での速度(トップギヤ)
※最高速度2:最大トルクを発生させるエンジン回転数での速度(トップギヤ)
※2020年1月21日現在
北海道ツーリングとエンジン
Vストローム250のトルキーなエンジン特性は北海道ツーリングで過不足ない性能を発揮します。
鋭い加速は期待できませんが、急かされないエンジン特性は広い北海道の大地にピッタリ。低中速で粘るエンジンは、積載量が多くなってしまうキャンプツーリングやタンデムツーリングでもがんばってくれます。
Vストローム250でツーリング:足回り
Vストローム250の足回りは標準的な仕様だといえます。車体サイズやエンジンパワーに合わせて最適化された足回りだといっていいですね。リヤのリンクレスサスペンションはメンテナンス性がいいので歓迎すべきだといえます。
しかし、フロントタイヤのサイズがレアなのは欠点。レアサイズのタイヤは選択肢が狭まりますので、課題として後述します。
【Vストローム250の足回り】
フロント | サスペン ション |
正立フォーク インナーチューブ径Φ37mm |
タイヤ | 110/80-17 | |
リヤ | モノサス(リンクレス) プリロード調整7段 |
|
タイヤ | 140/70-17 |
※2020年1月21日現在
北海道ツーリングと足回り
Vストローム250では荷物の積載に合わせて細かく足回りを調整できます。北海道ツーリングはどうしても荷物の積載量が多くなり、フロントとリヤのバランスが崩れます。それを調整するのがプリロード調整。
他メーカーの250ccバイクは5段階なのですが、Vストローム250は7段階での調整が可能です。しかし、調整にはひと手間必要なのが欠点。これも課題として後述します。
Vストローム250でツーリング:高速道路
Vストローム250での高速道路走行はやや余裕が少ないといわざるを得ません。街乗りでの低速走行では粘り強いエンジン特性がメリットとなるものの、最高出力を発生させる回転数までエンジンを回し続けることになるのは欠点だといっていいですね。これも課題として後述することとしましょう。
【Vストローム250での高速道路走行:エンジン回転数】
Vストローム250ABS | 現行モデル平均値 250ccMTバイク |
|
100km/h時 | 7417rpm (114.1%) |
6889rpm (90.9%) |
80km/h時 | 5933rpm (91.3%) |
5512rpm (72.7%) |
※トップギヤでの理論上のエンジン回転数
※()内は最大トルクを発生させるエンジンエンジン回転数比
※2020年1月21日現在
北海道ツーリングと高速道路
Vストローム250は高速道路走行が苦手なものの、北海道ツーリングではそれほど問題視する必要はないといえます。多くの北海道ライダーは幹線道路を利用して道内を移動しますので、一般道に強いVストローム250は最強マシンだといっていいですね。
しかし、高速道路を利用して自走で北海道へ渡るのには覚悟が必要になります。
Vストローム250でツーリング:キャンプ
Vストローム250はキャンプ道具を積載した時のシルエットがかっこいいですね。「ツーリングバッグを積載した状態を想定してデザインしたのでは?」と思えるほど、Vストローム250はキャンプツーリング向き。キャンプを積載したVストローム250の姿は美しく、ライダーのスペックを最高にまで高めます。
北海道でのキャンプツーリング
Vストローム250はキャンプツーリング向きの積載性の高さが魅力的なものの、ツーリングバックの固定には工夫を強いられる可能性があります。パニアケース用のアタッチメントも活用して、ツーリングバッグをしっかりと固定しましょう。
標準装備のリヤキャリアは純正のパニアケースの固定に特化した形状で、ツーリングバッグの固定に不向きなのが欠点です。
Vストローム250でツーリング:タンデム
Vストローム250でのタンデムツーリングでは、大柄な車体サイズやアップライトなライディングポジションがメリットとなります。窮屈さを感じませんし、ライダーとパッセンジャーのコミュニケーションもとりやすいですね。
低中回転域が豊かなトルク特性は、パッセンジャーを乗せてのクラッチ―ミートもしやすいといえます。
北海道でのタンデムツーリング
Vストローム250で北海道をタンデムツーリングするなら、タンデムシートを確保するために純正オプションでフルパニア化するのもありです。社外品のパニアケースやトップケースを装着できるアタッチメントもあります。登山用のコンパクトなキャンプ道具をそろえれば、タンデムでのキャンプツーリングも可能です。
Vストローム250でツーリング:実燃費
Vストローム250の実燃費はまずまずだといっていいですね。大柄で重い車体を引っ張らなければならないため、他の250ccバイクほど実燃費はよくありません。
しかし、航続距離は約500km以上!燃料タンク容量は多いので、実燃費を欠点だと感じることは少ないでしょう。実燃費を重視するなら、燃費最強マシンと評価されるジクサーをおすすめします。
【Vストローム250の実燃費と航続距離】
実燃費 | 30.84km/L |
燃料タンク容量 | 17L |
航続距離 | 524.28km |
※実燃費はみんカラのデータを参照
※2020年1月21日現在
北海道ツーリングでの燃費
北海道は自動車社会ですので、ガソリンスタンドがたくさんあります。実燃費はまずまずでも航続距離が長いVストローム250でガス欠に冷や汗をかくことは稀です。
しかも、北海道は頻繁に加減速しなければならない道路が少ないので、実燃費は本州より伸びます。しかし油断は禁物!ホクレンの旗を集めたいがために給油を見送るとガス欠に見舞われるかもです。
Vストローム250でツーリング:課題①
特殊サイズのタイヤ
他の250ccバイクがフロントに110/70-17サイズのタイヤを装着する中、Vストローム250は110/80-17のレアサイズ。
専用サイズではありませんし、過去にはゼファー400にも採用されたサイズですので、それなりにラインアップはありますが、タイヤの価格は生産本数に影響されますので、Vストローム250のフロントタイヤは価格が高めなのが欠点です。
フロントタイヤのサイズ変更を検討する!
DURO HF918 110/70-17 54H TL
多くの250ccMTバイクに採用されている110/70-17へサイズ変更するのもありです。標準サイズのタイヤより外径が小さくなりますが、Vストローム250のスピードメーターセンサーはリヤ側にありますので、メーターと実速度の誤差は出ません。
しかし、Vストローム250の大らかなハンドリングが損なわれる可能性がありますので、北海道でタイヤの限界を迎えた時にショップの在庫で交換するときの選択肢だと捉えましょう。
Vストローム250でツーリング:課題②
プリロード調整での欠点
Vストローム250のプリロード調整はシートを外さないとできないのが欠点です。ツーリングバッグを積載しながらの調整ができませんので、事前にデータ収集しておきましょう。
①空荷②ツーリングバッグ積載時③タンデム走行時、この3種類のデータがあれば、ツーリングバッグを積載する前にプリロード調整できます。なお、プリロード調整はライダーの体重やツーリングバッグの重さを基準に調整するものですので、他のライダーの情報は参考になりません。
プリロード調整の方法
プリロード調整の方法は①センタースタンドでリヤタイヤを地面から浮かせ、アクスルシャフトとタンデムシート上面の距離を測る(距離A)
②Vストローム250をセンタースタンドから降ろし、ライダー乗車時、ツーリングバッグ積載時、パッセンジャー乗車時、それぞれのアクスルシャフトからタンデムシート上面の距離を測る(距離B)⑤距離Bが距離Aの約2/3になるように、車載工具のフックを回して調整する、です。
Vストローム250でツーリング:課題③
高速道路での余裕
Vストローム250には低中回転域のトルク感が豊かなエンジンを搭載していますので、どうしても高速道路での余裕が少ないといえます。まれにしか利用しない高速道路より普段から使う一般道を重視すると最高の相棒となりますが、高速道路で長距離移動するとエンジン回転数の高さが気になるかもです。
二次減速比の変更を検討する!
サンスター フロントスプロケット 3C4-15
Vストローム250で高速道路を多用するツーリングを楽しむなら、スプロケットの丁数変更を視野に入れましょう。ドライブスプロケットを14丁から15丁へ変更すると、100km/h時のエンジン回転数(トップギヤ)を理論上6922rpmまで落とせます。
その反面、加速感は若干鈍くなりますので、必要性を感じないのならおすすめしません。
Vストローム250でツーリング:課題④
ツーリングバッグの積載性は欠点?
Vストローム250 グラブバーキャリア DAYTONA
Vストローム250のリヤキャリアはツーリングバッグを積載しやすい形状になっていません。ツーリングバッグによっては固定ポイントで苦労する可能性もあります。
リヤキャリアのフックはショックコードとの相性が悪く、ツーリングバッグ以外のカバンを積載するのはさらに困難です。標準装備キャリアにボルトオンで追加できるオーバーキャリアの導入も検討しましょう。
標準装備のリヤキャリアはいらない?
標準装備のリヤキャリアはタンデムシート面と一直線になっていないのもツーリングバッグを積載しにくい要因です。しかも、Vストローム250のリヤキャリアはグラブバーとしての役割も果たしていますので、取り去るとタンデムツーリングができなくなります。
残念ながら、所有しているツーリングバッグに合わせたDIYをするしかありません。しかし、そんな工夫をするのも楽しいですよね。
Vストローム250はオフロードバイクではない!
アスファルトオンリーのアドベンチャーツアラー
Vストローム250はオフロードバイクではありません。最低地上高の低さ(160mm)、前後17インチのキャストホイール、オフロードでの左右バランスが取りにくいハンドルの長さや形状など、オフロードでの走破性はそれほど高くないのです。
オフロードバイク的なライディングポジションで舗装路や高速道路の快適さを高めたバイクだと捉えましょう。
北海道のフラットダートなら問題なし?
北海道のオフロード(林道)はフラットで走りやすいのが特徴です。ライディングポジションがアップライトなオンロードバイクなら走行できるレベルですので、Vストローム250にオフロードタイヤを装着するほどでもありません。
また、Vストローム250の低中速重視のエンジン特性は、北海道ツーリングでやむを得ず通過するオフロードでも扱いやすいですね。
オフロードタイヤのデメリット
オフロードタイヤは荒れた路面でも優れた接地感を得られるというメリットがあるものの、制動距離が長くなったり、ロードノイズが大きくなったりなど、オフロード走行を前提としないのならデメリットを感じる場面が多くなります。
オフロードタイヤは耐摩耗性も悪いので、Vストローム250での北海道ツーリングにはおすすめできません。
Vストローム250にはどんな服装が似合う?
服装は悩みどころ?
Vストローム250は旅バイク的な要素が高く、服装に悩まなくていいのもメリットだといえます。アドベンチャーツアラーにはこんな服装が必要!こんな服装が似合う!そんな固定概念に縛られず、あなたらしさを演出できる服装にチャレンジしましょう。
北海道ツーリングならカジュアルな服装もあり?
北海道ツーリングではカジュアルな服装やアウトドア向きの服装であなたらしさを演出するのもありです。Vストローム250に乗るときに快適な服装よりも、観光地やキャンプ場で過ごしやすい服装のほうが北海道を楽しめます。
まれに、キャンプ場で知り合った人と日帰りでハイキングや登山を楽しむこともありますので、動きやすい服装がおすすめです。しかし、カジュアルな服装でもインナープロテクターは必ず着用しましょう。
Vストローム250はツーリングに最適?まとめ
フレンドリーなデザイン、大柄な車体サイズ、扱いやすいエンジン特性など、Vストローム250はツーリングに特化した大らかなキャラクターが魅力です。
高速道路でのパワーやツーリングバッグの積載性に課題が残るものの、北海道ツーリングでは紛れもなく最強マシン!知床峠の絶景ワインディングロードは晴れるまで待って楽しみたいですね。
キャンプツーリングが気になる人はこちらをチェック!
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スズキ Vストローム250ABS