はじめに
土がいらない観葉植物として有名なエアプランツ。最近では雑貨店などでも販売され、目にする機会も多くあります。しかしその反面、しっかりとした育て方がわからず、いつの間にか枯れてしまったという方も多いのではないでしょうか。今回は、エアプランツの育て方と、おしゃれな飾り方ついて詳しくご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
エアプランツとは
エアプランツはチランジア属の植物
エアプランツとは、一般的にパイナップル属チランジア属の植物のことを指しています。中米から南米にかけて焼く600種類以上が自生しています。着生植物で土がいらずに手軽に育てられ、インテリアとしておしゃれなため、観葉植物として人気があります。
土がいらない植物
エアプランツは他の樹木やサボテン、岩などに着生して育つ植物です。水は根からではなく、葉の表面に生えるトリコームと呼ばれる産毛のようなもので受けて、葉で吸収します。雨の少ない地域では、夜間に発生する霧から水分を得ています。また、トリコームには日差しから葉を守る役目もあります。
銀葉種と緑葉種
エアプランツには大きく分けると銀葉種と緑葉種に分けられます。銀葉種とは、トリコームが沢山が生えている種類を指します。緑葉種とは、トリコームが少なく緑色に見える種類のことを指しています。銀葉種は乾燥に強く、日当たりのよい環境を好むのに対し、緑葉種は乾燥にも強い日差しにも弱い性質があります。
エアプランツのおすすめの種類
イオナンタ
エアプランツの代表的な種類です。エアプランツの中では成長が早く、栽培も容易で初心者の方におすすめです。また、バリエーションや個体差が豊富なため、ベテランの方やマニアの方にも人気があります。開花時には赤色に染まり美しい姿を楽しめます。
ベルゲリィ
やや肉厚で明るいグリーンの葉に、細かいトリコームが生える種類です。暑さにも寒さにも強く、氷点下でも耐えるので、多くの地域で通年屋外栽培が可能です。丈夫で育てやすくよく増えるので、初心者の方におすすめです。
ブルボーサ
他の種類とは違った奇抜な雰囲気を持つ種類です。流通量が多く入手しやすいですが、強い光と乾燥を嫌うので育てる際は注意が必要です。紫色の美しい花を咲かせ、開花時は緑色から徐々に赤色に変化していく姿を楽しめます。
カプトメデューサ
名前のようにメデューサの頭のような形をしたエアプランツです。紫色の花を咲かせ、奇妙な形と花の美しさのギャップから人気があります。流通量が多く、葉のうねり具合がそれぞれ違うので、お気に入りの一株を探すのも楽しいです。
ウスネオイデス
他の種類と違い、下に垂れるように成長するのが特徴で、その姿から雑貨店なのでも販売される人気種です。5mmほどの小さな花を咲かせ、開花時には甘い香りを放ちます。太葉タイプや細葉タイプなど葉の太さの違いや、緑花、黒花、黄花と花の違うタイプなどがあり、コレクション性も高いです。
エアプランツの育て方①置き場所
日当たりのよい場所に
エアプランツは雑貨屋さんでも見かけるため、光がいらない観葉植物と思われがちです。しかし、種類によって差はあれど、しっかりと太陽の光を当てることが大切です。室内で栽培する場合は日当たりのよいカーテン越しが適しています。もし、日当たりの悪い場所にインテリアとして飾る場合は、時折窓際に移動させて日光浴させてください。
風通しも大切
エアプランツは丈夫な観葉植物ですが、蒸れには非常に弱いです。そのため、空気の流れは非常に大切になります。水やり後に風がなく、温度が上がってしまうと簡単に蒸れてしまいます。特に20℃を超えると蒸れやすくなるため、風通しのよい場所に置くようにしましょう。
屋外でも栽培可能
エアプランツはインテリアとしても人気の観葉植物ですが、もちろん屋外での栽培も可能です。しかし、直射日光や長時間雨に当たることを嫌いますので、日当たりのよい軒下などで育てるようにしましょう。また、冬場は種類にもよりますが、最低気温が10℃を切るようになったら室内に取り込むと安心できます。
エアプランツの育て方②水やり
霧吹きで水やりをする
エアプランツは葉から水分を吸収するため、霧吹きで水やりを行います。暖かい時期は週に3回ほど、霧吹きで株の全体がしっかりと濡れるように水を掛けましょう。水やりをするのは夕方以降の涼しくなってからで、風通しを確保し、翌朝までに乾ききるようにしてください。
冬場の水やり
寒い時期は、暖かい時期と違い気温が下がる夜間には水やりをしないようにしましょう。この時期は週に1回ほど、20~30℃ほどのぬるま湯を午前中に与えます。しかし、冬と言えど日当たりのよい窓辺は30℃を超えることもありますので、水やり後に蒸れないように注意してください。
エアプランツの育て方③ソーキング
ソーキングとは
ソーキングとは、水に浸して強制的に水を吸収させる方法です。月に1回ほど、バケツなどの容器に水を入れ、一晩エアプランツを浸しておきます。浸す時間が長すぎるとエアプランツを弱らせてしまうこともあるため、6時間前後を目安に浸しましょう。ソーキング後は、根元まで水が入っているため、蒸れないようにしっかりと水を切ってください。
こんな時にソーキングを
ソーキングは健康な株であれば無理に行う必要はありません。反対に弱ってしまった株にはとても有効な手段です。しばらく水やりを忘れてしまった時や、旅行や出張などで水やりができず、水切れをおこしてしまっている時に効果的です。しかし、極端に弱ってしまった株にはとどめを刺してしまうことにもなるため、そんな時は短めにして様子を見てください。
エアプランツの育て方④肥料
大きく育てたい場合に
エアプランツは肥料は特に与えなくても育ちます。しかし、より大きく育てたり、成長を早くさせたい、子株を少しでも多く出させたい場合には有効です。ただ、もともと雨や霧から水を得ているエアプランツは濃い肥料を与えても吸収できないばかりか、肥料焼けをして枯れてしまうこともあるため、注意が必要です。
霧吹で与える場合
2週間に1回を目安に、霧吹きでの水やりを兼ねて行います。肥料の濃度は、規定量よりさらに薄めて使用したほうが安心できます。また、あまり日当たりのよくない場所で栽培している場合は、回数を少なめにして与えましょう。
ソーキングで与える場合
ソーキングでの水やり時に液体肥料を混ぜて与える方法もあります。霧吹きのときと同じく、規定量よりさらに薄めてしっかりと混ぜ合わせましょう。ムラがあると、濃い場所に触れたときにダメージを負う場合があります。時間も少し短めにし、3時間~4時間程度にしてください。
エアプランツの育て方⑤日々の管理
枯葉の手入れ
エアプランツは、古くなった葉が根元に残ったままになっていると、害虫が付いたり、蒸れの原因になったり、カビが生える原因になったりします。そのため、定期的に枯葉を除去しきれいにしてあげあましょう。茶色くなった枯葉は、軽く指で引っ張ると簡単に取ることができます。
定期的に移動させる
室内のインテリアとして飾る場合は、日当たりのよくない場所も多くなりがちです。その場合は定期的に窓辺や屋外に移動して日光浴をさせましょう。また、複数のエアプランツを飾っていると、お互いが密着してしまっていることがありますので、少しずつ空間を作り蒸れを防ぐようにしてください。
エアプランツの育て方⑥増やし方
株分けをする
一番簡単な増やし方が、親株から子株を外す株分けです。順調に育った親株は開花後に子株を成長させます。もちろんそのまま群生させるのも一つの楽しみ方ですが、子株を外すことで新たな株に増やすことも可能です。子株を外す時は根元を優しく引っ張って外してください。
実生で増やす
「実生」とは、種から増やして育てることです。もし親株に種ができた場合は、熟して弾け飛ぶのを待ちましょう。弾けた種子を回収したらヘゴ板やコルクに擦り付けて霧吹で水を与えます。最低、朝晩の2回は霧吹をして乾燥させないように注意します。その後発芽したら、明るい日陰で乾燥させないように管理しましょう。
エアプランツのおしゃれな飾り方
①流木と組み合わせる
エアプランツはコルクと組み合わせて飾ることが多いですが、流木と組み合わせることでオリジナリティを出すことができます。流木にはさまざまな形がありますので、好みに合わせて選んでみてください。一つの流木に複数のエアプランツをくっつけるのもおすすめです。
②ワイヤーで吊るす
ワイヤーでできたホルダーに吊るして飾るのは、おしゃれなのはもちろん、通気性が確保されるためまさに理想的な飾り方です。ワイヤーの使い方次第でよりおしゃれに飾ることができますので、ご自身でワイヤーを曲げてオリジナルのホルダーを作ってみてはいかがでしょうか。
③ガラスケースに飾る
エアプランツをガラスケースに並べて飾るだけでも、おしゃれなインテリアとなります。ガラスケースにカラーサンドを敷いたり、バークチップを敷いたりするだけで雰囲気が変わりますし、お部屋に合わせてアレンジしてみてはいかがでしょうか。
④ガラス水槽にレイアウトする
小物のように飾ることの多いエアプランツですが、寄せ植えのように水槽にレイアウトして飾るのもおしゃれです。透明感の高いオールガラス水槽に、コケや流木と一緒にレイアウトすると水草でレイアウトされた水槽のように見えます。現地での自生風景を思い浮かべながらレイアウトしてみてください。
⑤エアプランツのリース
ドライフラワーや多肉植物で人気の飾り方であるリースはエアプラツでも作ることが可能です。生の花と違って枯れることがないため、リースの状態で長く育てることができます。また、木の枝でできたリースを使用すれば、本来の野生での姿に近い状態を作りつつ、おしゃれに飾ることができます。
まとめ
以上、エアプランツの育て方と、おしゃれな飾り方についてご紹介しました。エアプランツを育てるポイントは水やりと置き場所です。インテリアとして飾ると、ついつい日々の管理を忘れてしまいがちですが、しっかりと育ててあげてください。元来は丈夫な植物ですので、愛情を掛ければそれだけ成長する姿を楽しませてくれるはずです。
エアプランツの育て方が気になる方はこちらもチェック!
今回はエアプランツの栽培やお洒落な飾り方についてご紹介しましたが、その他にもさまざまな観葉植物や多肉植物などの育て方に関する記事が沢山ありますので、気になる方はぜひチェックしてみて下さい。
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