エイトノットを知ってる?
色んなアウトドアシーンで使える結び方
もうこの結び方なくしては、多様なアウトドアの楽しみを語れません。エイトノットの用途はかなり幅広く、登山やロッククライミング、アジングなどの釣り、キャンプやスカイスポーツなどでも用途が出てきます。覚えておいたら、アウトドアシーンのみならず、普段からも使いこなしてみたい結び方です。
安全に直結する強度の高い結び方
この優れた機能のエイトノット、とても結び方が単純で簡単ながら、強度が非常に強くなることで知られています。その強度は、人間の体重を支えてもほどけないほど。安全に直結する結び方だからこそ、特に登山では基本中の基本として、真っ先に覚える結び方になっています。
エイトノットの名前
エイトノットの起源と意味
使い勝手の良いエイトノットの名前は、20世紀前半のアメリカで生まれました。作家で芸術家だったクリフォード・アシュリーが考案し、世界に広まったのです。エイトノット(Eight knot)は日本語に直訳すれば8の結び目。結んだ見た目が数字の8によく似ていることから、この名前が付いています。
別名は八の字結び
そうしたエイトノットの意味が元で、日本に上陸してからは、八の字結び(8字結び)の名前で定着してきました。ロープを2重にした形状の場合には、2重八の字結びと呼ばれることも一般的です。後者の場合、英語のほうではエイトノットと呼ばず、Figure eight loopの名前で呼ばれています。
チチワと呼ばれることも
普通にエイトノットと呼ばれる他、チチワなる聞き慣れない名前もよく耳にします。チチワとは例の小型犬のことではなく、ロープや糸で作る輪っかのことです。日本では昔からこの結び方はあったらしく、エイトノットの過程を経てから輪っかができるので、今では両者は割と混同されて使われています。
エイトノットの用途
登山のハーネスに結ぶ
やっぱりエイトノットの存在感が大きいくなるのは、険しい縦走路を含む登山やクライミングの場面です。ハーネスの金具に結びつけるのが基本で、シングルの他に安全を考慮してダブルの結び方も好まれています。より過酷なロッククライミングの場合にも、エイトノットは間違いなく使う結び方です。
荷物の吊り下げに
ほどけにくさに評価があるエイトノットは、荷物運びの中でも採用されがちです。登山中、高低差のある場所で荷物を上げ下げする時は、他の結び方よりも絶対的な安心感が出てきます。用いるロープやしっかりとした結び方によっては、耐荷重は成人男性の重さをはるかに超えるほどです。
車や荷物の牽引に
かなり耐荷重を期待できるエイトノットは、ロープで荷物を牽引する時にも重宝します。使うロープの太さによっては、重たい荷物を引っ張ってもほどけたり千切れたりしない頑強さを見せます。例えば車が悪路にはまったときの脱出や、人を救助する担架や浮き輪に取り付けなど、用途は様々です。
アジングなど釣りの仕掛けに
そしてアジングなど釣りの方面でも活躍してくれるのが、優れた強度が自慢なエイトノットです。釣り糸に対して仕掛けを取り付ける時には、特に利用されています。釣り糸に対して基本として採用されやすいのはシングルやダブルの種類ではなく、トリプル・エイトノットと呼ばれている結び方です。
結び目が欲しい時に
ほどけないよう、ロープの端っこあたりに結び目を作る場面が出てくることがあります。この場合にもエイトノットを利用することによって、一回で大きめな結び目を作ることが出来ます。しかもエイトノットはほどけにくい強度の高さが特徴なので、端っこの結び目としての強度は十分です。
エイトノットの結び方①基本のシングル
エイトノットを作る
すぐ誰でも覚えられるほど簡単な結び方の種類といったら、シングルなタイプのエイトノット。ロープの真ん中からも作れますが、端っこから結ぶならば難易度をほとんど感じられません。ハーネスを使う登山では、使用頻度が最も高くなるのはシングルの種類です。
シングルのわかりやすい覚え方
手元でロープを重ねて、手前側に2回転させるところから、エイトノットのわかりやすい作り方が始まります。出来あがった輪っかの中に、ロープの端っこ部分を通してあげてください。あとはそのまま端っこを引っ張ることによって、完全に8の字に見えるエイトノットの基本形が完成しています。
ハーネスなどに利用する場合
実際にハーネスに装着する場合も、単純でわかりやすい覚え方ができます。エイトノットのロープの端っこが、ハーネスから元来た道を戻っていく結び方をするのが最大のコツです。すでに完成しているエイトノットの基本形のロープに沿わせて結んで行くことになるので、ハーネスに結ぶ作業も簡単です。
エイトノットの結び方②ダブル
ダブル・エイトノット(2重八の字結び)
もし手元のロープが細いタイプで心もとないならば、ダブルのエイトノットを採用することで強度や安全性を高められます。ダブルではロープを折りたたんで2本(2重)にした状態で、エイトノットを作り上げます。基本的にシングル同様に作り方は簡単ですが、あまりに太いロープには向いていません。
ダブルのわかりやすい覚え方
適当なところでロープをつまんだら、折りたたむところからダブルの作り方が始まります。折りたたんだ先端をロープの端っことして、シングル同様にエイトノットの基本形を作ります。すなわちロープを曲げて2回転して輪っかを作り、そこに先端を通して引っ張るという単純な作り方です。
ハーネスなどに利用する場合
ダブルで完成させるエイトノットをハーネスに装着する場合も、シングルの時と基本は一緒です。ロープを折りたたんで2重になっている先端を引いて、もと来た道を戻る形で結んでいきます。ただロープが2重になっている分だけ結び目にボリュームが出るので、登山中はやりにくいと感じることがあります。
エイトノットの強度ある作り方①
末端処理をしっかりする
例えばハーネスにエイトノットで結びつけたとしても、末端の状態によってはほどけやすくなります。末端が緩むのは正しい処理の方法ができていないことや、長時間も結び目を放置してしまうことが理由です。しっかり末端を結わえ付けることによって、エイトノットの強度を高めることに繋がります。
末端処理の距離が離れると危険
特に危険を伴ってしまうのが、エイトノットの末端処理が結び目からずっと離れてしまう状態。距離が長くなってしまうことで、振動や衝撃などによりほどけやすさを増すことになります。したがって末端を作る場合には、できるだけエイトノットに接した場所を意識して結ぶことが大切です。
末端処理のわかいやすい覚え方
しっかりした形でエイトノットの結び目を作ったなら、最後の厳重な末端処理を行います。余ったロープの先端は、左側にぐるぐると2度回してから中を通して結わえ付けます。さらにロープ全体を持って、絞り上げるという方法です。これにより強度はアップ、登山中にエイトノットが緩む心配がなくなります。
エイトノットの強度ある作り方②
キンク(よじれ)がない形
頻繁にエイトノットを作り慣れている人でも、時にはキンク(よじれ・よれ)を発生させてしまうことがあります。キンクが発生していれば、エイトノットは全体的に斜めに傾いている状態です。まっすぐな形状になっていない形は、不格好な見た目同様、機能面で大きな問題をはらんでいます。
なぜキンクが出ると危険なのか
よじれている状態とは、いわば本来のエイトノットの強度が不完全である姿です。耐荷重の減少が心配されてしまうし、結び目の一部に力が集中してしまうことで、ロープの破断に繋がりかねません。つまり登山でエイトノットをキンクさせては、命の危険が迫ることになります。
よじれないためには
最初の段階からロープがねじれた状態になのを放置したまま、エイトノットを作ってしまうことが主原因になります。また、結ぶ時にまっすぐを意識していないことも、キンクしてしまう理由です。よじれを防止するなら、ロープはまっすぐを保ち、綺麗な形を意識しながらの作り方が大切になります。
エイトノットの注意点
輪っかが大きいと危険
先端に輪っかを作る目的でエイトノットを実践するなら、その大きさが重要です。もし大き過ぎるほどの輪っかにしてしまうと、フックなどに密着しないでロープが動きやすく、外れやすくなって危険です。できるだけフックなどに合わせた小さな輪っかになるように作れば、安全性が向上します。
ロープの余りが長いと危険
もう1つエイトノットで注意したいのが、ロープの余った部分です。登山やクライミング中にハーネスからロープの端っこがぶらぶらしていると、それが引っかかって邪魔になります。時に重大な事故の原因にもなりかねません。結び方を実践する時には、ロープの余りが少ないことを意識することが大切です。
釣り用のエイトノット
トリプル・エイトノット
このトリプルエイトノットで
— マツモムシ兵長 (@daimatsu_5) May 14, 2019
うきうきランドのブラウントラウトの60cmをあげてるから今度は海の魚を釣りあげたいw pic.twitter.com/JulJSeceik
この方法はロープを3本束ねるから、トリプルと名付いているわけではありませんでした。トリプル・エイトノットは3回転させる、あるいは3回巻きつけることからそう呼ばれています。登山で用いるのではなく、アジングなどの釣り糸に対して、仕掛けを取り付ける意味で使われています。
トリプルのわかりやすい覚え方
こちらのエステルラインとリーダーを結び付ける動画は、トリプル・エイトノットを作る上で参考になります。別々の2本をかさねたら、真ん中あたりに輪を作るところからです。人差し指で3回転させたら、エステルラインとリーダーの端っこを輪っかに通して、引っ張り上げるだけで完成します。
トリプルは要練習
ライン同士の結束について調べてみました NABRA Chase Fishing : 【ノット検証】「トリプルエイトノット」と「3.5ノット」どちらが強い? https://t.co/8GCOR2Id1C pic.twitter.com/HnzLxFb36D
— GONTA@fisher (@ryotan2357) February 8, 2017
こうして動画をじっと見るだけなら簡単そうですが、実際にやってみるのとは大違いです。手元で2本の細い糸を使う細かい作業なわけなので、慣れていないと上手く出来ない場合があります。トリプル・エイトノットをアジングで使いこなす場合には、シングルやダブル以上に練習と慣れが必要です。
アイテムを使ってもok
そんな人によっては難しく感じる結び方ですが、トリプルエイトノットを簡単にしてくれる専用アイテムが登場しています。この種類の商品の役目は、トリプルエイトノットのセッティング、ライン通しなどを簡潔にすること。いまアジングのお供に、1つ常備している釣り人が増加中です。
エイトノットを活用してみよう
登山や釣りや日常でも
どれほどエイトノットがアウトドアで有用な結び方になるか、もうはっきりとしてきました。シングルやダブルを登山で使えば命を守るし、トリプルなら釣りにぴったりで、アジングの釣果を上げられそうです。わかりやすいし簡単なエイトノットをマスターして、色んなところで使いこなしてみたいですね。
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当サイトではアジングでも気になるエイトノットの他にも、色んな結び方の情報をまとめています。アウトドアを過ごす時に使える理想的な結び方を求めているなら、チェックしてみてください。
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