ヒーング Hing 【50g】 / アサフェティダ Asafoetida ヒング 悪魔の糞
はじめに
アサフェティダの効能と栽培方法や開け方解説
悪魔の糞と呼ばれているスパイスを召し上がったことがありますか?南インド料理には定番ともいえるスパイスでその蓋は普通では開け方もわからないくらい厳重に密封されています。悪魔の糞の正体はアサフェティダという名前の植物の樹液が原料の調味料。日本でも通販などで買うことができます。今回はこのアサフェティダのスパイスとしての効能とその栽培方法をご紹介します。
アサフェティダ(ジャイアントフェンネル)について
日本では苗も種もなかなか手に入りにくい植物であり、スパイスも特徴的な香りがするためなかなか手に入りにくい馴染みがまだまだ浅いアサフェティダ。その基本情報や特徴・スパイスとしての味や香りと、わからないという方が多いヒング(アサフェティダスパイスのこと)の蓋の開け方をまずはご紹介しましょう。
アサフェティダの基本情報
科・属:セリ科オオウイキョウ属アギ種
原産地:北アフリカ原産
学名/英語名:Ferula assa-foetida L. /asafoetida
別名:ジャイアントフェンネル・悪魔の糞・アギ
アサフェティダはスパイス
スパイスは植物の種などをすりつぶして作るものが多いですが、アサフェティダの場合は少し違って、掘り上げた植物の根を傷つけ出てきた樹液を固めてブロック状にします。その後その塊を粉砕したものを調味料(スパイス)として使います。
悪魔の糞と呼ばれる所以
以前男性アイドルがインドを旅するテレビ番組でこのアサフェティダの香りを知らずに嗅がされるというシーンがありました。その男性がもらした感想は「くさや」。このスパイスの香り成分は硫黄と同じ。
油と混じり合い加熱されるとよい香りに
ドリアンやくさや・硫黄の臭いという一種良いにおいとは思えないような表現がされますが、加熱すると玉ねぎのような食欲をくすぐるにおいに変化します。スパイスとして保存するのにはにおいが気になりますが、南インド料理がお好きな方は一度は使ってみて欲しい本格的調味料。
開け方が独特なスパイス
ヒーング Hing 【50g】 / アサフェティダ Asafoetida ヒング 悪魔の糞
このスパイスを買うとほとんどの方が蓋の開け方で苦労されるようです。というのも蓋の中に内蓋がありそれが取れないようになっているのです。開け方に困って内蓋を力任せに取り除いてしまったという人もいらっしゃいます。
開け方にはカッター等を使用
この内蓋の開け方はカッターて穴を開けるというもの。蓋に丸く溝があるのでそれに沿って刃物でぐるりとカットするという作りになっています。このカッターを使うという開け方の発想が日本人には難しいと多くの経験者が口コミされています。
アサフェティダ(ジャイアントフェンネル)の効能1.
このスパイスは粉末状では蓋を締めておいてもにおってくるような猛烈なにおいがするだけではありません。昔から薬になる植物としてその効能は胃腸・気管支だけでなく精神的な効能もある薬用植物として使われています。
お腹の張りの緩和
胃痛や腹部の膨満感、便秘、下痢の治療
胃腸の不調を整える効能があるアサフェティダ。主にガスがお腹にたまるのを防いでくれるものについて多くの人がよくなったと口コミしています。
アーユルヴェーダの考え
アーユルヴェーダの情報でヒングが腸内ガスの発生を抑える働きがある
このお腹の張りを緩和する効能はインドの伝統医学であるアーユルヴェーダの考え方によるもの。アーユルヴェーダは伝統的な古い医学のようなイメージを持たれるかもしれませんが、インドでは国家資格となるきちんとした医学です。
アサフェティダ(ジャイアントフェンネル)の効能2.
気管支系の症状をやわらげるこの植物の成分は、咳を抑え呼吸を楽にするために使われることも多いです。古くインドでは声楽家がよい声を出すためにコンサートの前には必ず飲んだといわれています。
咳を抑える
東洋医学では百日咳や気管支炎の咳を抑え
この植物の効果は胃腸だけでなく気管支系の病気にもあらわれ。その主なものが咳をしずめてくれるというもの。百日咳や気管支炎の人の咳にはとりわけ効能があると東洋医学では生薬として使われます。
古いインドでは声楽家が愛用した生薬
ムガール帝国という古いインドの時代の声楽家はこのアサフェティダを歌う前には必ず飲んだというくらい、喉のためには良いスパイスとして認められています。しかしこのときもあまりの臭さに「この悪魔の糞が!」と怒りながら無理やり食したということです。
アサフェティダ(ジャイアントフェンネル)の効能3.
喉のために良い効能はそれだけでなく痰を切る薬としても使われますが、こちらはスパイスとして粉末にしたものではなく生の葉や茎を使用した場合の効能。生のアサフェティダにはこのほかにも別の症状緩和に役立ちます。
痰を吐き出させる
薬効成分もいろいろあるアサフェティダは、痰切りの薬としても用いられます。この効能を発揮させるためには加熱してはいけなくて生食のままいただきます。
生のアサフェティダにはけいれんを沈める効能も
痰だけでなくアサフェティダは昔からけいれんを抑える薬としても生で食べられていたそうです。咳や気管支炎への効能という流れで、気管支系症状の緩和は想像がつきますがこのけいれんを沈めるというのはどういうことなのでしょうか。
アサフェティダ(ジャイアントフェンネル)の効能4.
体の症状を改善するだけでなく心に作用したり、別の動物に対するおびき寄せ効果のある植物としてもこのアサフェティダは使われます。
ヒステリーの鎮静
ヒステリーの沈静剤として効能があります。
胃腸や気管支系だけでなく、心の効果として気持ちを落ち着ける効能もアサフェティダにはありました。またアサフェティダの英語wikiにはこの他にも少し変わった効能が書かれているのでご紹介しましょう。
1.狼寄せ
フェンネルの香りは益虫を呼び寄せるとして庭に植えられますが、近い仲間であるこのアサフェティダには虫ではなく狼が好む臭いだというのです。この香りを好むのは狼だけでなくナマズ釣りの餌にもこのアサフェティダは使われます。人にとっては美味しそうに感じなくても動物や魚にとっては惹かれるにおいというのが面白いですね。
アサフェティダ(ジャイアントフェンネル)栽培1.
なかなか苗も種も手に入りにくい植物ですが、このアサフェティダの育て方をご紹介していきましょう。育て方は一般的なフェンネルと同様ですが、収穫時期や収穫方法に大きな違いがあります。
日当たり・置き場所
この植物も多くの草花と同様に明るい日なたで風通しの良い場所で栽培するのに向いています。さらにできれば土も水はけが良いところであればさらに健康的に生長してくれるでしょう。高温乾燥と低温での多湿を好みません。
栽培用土
肥沃なふかふかの土を好みます。赤玉土と配合するなら腐葉土を。ともに同量を混ぜたものを使いますが普通の草花用培養土でも栽培可能です。苗の植え付け時に緩効性肥料を元肥として与えましょう。
アサフェティダ(ジャイアントフェンネル)栽培2.
日常管理
この植物を栽培するのに気をつけるのが水切れです。乾燥を嫌うので夏場は特に乾燥には気をつけて、土の色が変わってきたらたっぷりと与えてください。冬は比較的水分量は少なくてすみますが、この場合も乾燥はさせずに多湿にならない程度に普通に水やりをします。
アサフェティダの肥料はカリウムを多め
肥料は根と茎を太くするカリウム成分が多い肥料がおすすめ。有機肥料でも良いですが、成分量が数値化されておりひと目でカリウムの割合が確認することができる化成肥料の方が失敗を防げます。
スパイスとしての収穫
収穫は秋まきであれば翌年の春・春まきの場合は翌々年の春になります。よく育った株を根ごと引き抜き根茎にカッターなどで傷をつけると乳白色の樹液がでますのでそれを収穫してください。この液をブロック状に固めたものがアサフェティダのスパイスとして利用できます。粉砕してご利用ください。
植え付けから収穫までに必要な期間
植え付けてから18-24ヶ月が収穫時期です。それよりも未熟なものは収穫しても十分なスパイスを採ることができないので、春まきか秋まきかで収穫まで1年ほどの差が出てしまうでしょう。
アサフェティダ栽培で気をつけること
連作障害がありますので1度植え付けた土壌では3年以上開けてから栽培してください。収穫まで24ヶ月かかることもありますが、2年草なのでそれ以上おくと自然と枯れてしまいますので収穫時期には注意が必要。発芽温度は10-20度程度ですので、早めの播種も可能です。
アサフェティダ(ジャイアントフェンネル)栽培3.
種まき
この植物は苗で売られていることがほとんどなく、種をまいて育てます。また採取した種で増やすこともできるでしょう。(ただし草花とはいえ最大2メートルくらいまで大きくなりますので要注意)種は花後8-9月ころが収穫時期です。
種まきの時期
種まきはそのまま秋まき(涼しくなってから10月ころまで)にして冬場暖かく管理してやるか、翌年春3-5月ころに直接またはポットにまいてください。覆土は薄めで、種が隠れるくらいがよいでしょう。
アサフェティダを使った料理レシピ
種や苗よりもスパイスとしてのアサフェティダの方が比較的手に入りやすいです。最後になりますがヒングというアサフェティダのスパイスを使ったインド料理レシピをご紹介しましょう。
本格的な南インドの味!人気のひよこ豆のカレー
カリフラワー半株 ヒヨコ豆1/3カップ ひきわりレンズ豆1/3カップ トマト半個 ココナッツオイル大さじ1 クミンシード小さじ1/2 マスタードシード小さじ1/2 生姜みじん切りひとかけ カレーリーフ4〜5枚 ヒング少々 ターメリックパウダー小さじ1 コリアンダーパウダー小さじ1 塩適量 レモン汁一絞り
ひよこ豆入りのカレーはお好きな方も多く大変人気があるレシピ。ヒング(アサフェティダのスパイス名)を少々入れるだけで、いつものカレーとは違った本格的な南インド料理が出来上がります。その他カレーリーフやターメリック・コリアンダーなど種類は少ないですがしっかりスパイスを数種類入れて作ってください。
詳しい作り方レシピはこちら
トマトを入れることでほどよい酸味が加わって豆の甘さと引き立てあって美味しいです。豆は一晩水につけて柔らかくしてから煮込んでください。仕上げにレモン果汁を加えてさわやかさをプラス。食欲がそそる一品です。煮込み時間など詳しい作り方は下記リンクより。
まとめ
アサフェティダは独特の開け方とにおいのスパイス
くさややドリアンなどと似た臭いのスパイス。悪魔の糞とまで呼ばれる強烈な匂いを出すアサフェティダという植物のハーブや生薬としての薬効種類とその栽培方法を解説してきましたがいかがでしたか?悪魔の糞などというひどい名前を付けられながらもインド料理では欠かすことのできないポピュラーな調味料。加熱してしまえばその香りはまったく別の美味しそうなものに変わるため、病みつきになる人も多いものです。まさに人の心を惑わせる悪魔の糞といった調味料。日本でも種として購入することも可能ですので栽培を試してみてはいかがでしょうか。
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