自転車をグレードアップしてもっと速くなろう!
ロードバイクに慣れてくるともっと速く走れるようになりたいと思うのではないでしょうか?ロードバイクは車体の性能で走行性に大きな差が出る乗り物です。各パーツの重量を抑えたり、ハイグレードな物に変えてパワーロスを減らすことで走行性が向上し、また体力の消費も抑えられるのでより高いパフォーマンスを発揮できるようになります。完成車のパーツはもともと高い性能を備えたものではないので、グレードアップさせることで大きな効果が期待できるでしょう。
自転車のグレードアップはホイールから
走行性のアップが期待できるパーツは多くありますが、中でもホイールのグレードアップは高い効果を実感できるとされています。ホイール自体が地面に接するパーツのためパワー効率や駆動性が大きく影響しますので、ホイールをグレードアップすることで驚くほど走りが軽くなるのを感じられるでしょう。
ホイールの換装は軽量化の要!
自転車で速く走るために一番手っ取り早いのは車体の重量を軽くすることですが、自転車はいくつものパーツで構成されているので一つ一つの重量さは微々たるものです。その中でホイールは前後合計するとロードバイクの総重量の2割から3割を占める大きなパーツです。ホイールを軽いものにするだけで大きく軽量化することができ、結果走行スピードの向上につながります。
フルクラムレーシング5とはどんなホイールなのか?
ホイールをワンランク上のものに変えるとなると、その価格帯は約6万円程度となります。これを聞いて二の足を踏んでしまう方もいるのではないでしょうか。そんな方にぜひ検討してほしいのがフルクラムレーシング5(fulcrum racing 5)です。
フルクラムで長く愛され続ける定番のエントリーグレード
レーシング5とは、フルクラムで定番のミドルグレード「レーシング3」の下位モデルですが、上位グレードの要素を継承しつつグレードを落とし込んだ良モデルです。インプレでも上々の高評価を得ており、エントリーグレードのでは長い間愛されている人気のホイールです。
完成車からのグレードアップにおすすめ!
完成車から初めてのグレードアップにおすすめな理由としてはまずはその価格です。その値段はなんと定価で前後セット約4万円。セールなどを狙えばもっと安く入手できるでしょう。また下記にて詳しく述べますが上位モデルの性能を受け継ぎ、重量も抑えながらの低価格のため非常にコストパフォーマンスの高いモデルです。ミドルグレードは手が出ないけれど完成車からは一歩抜け出したい、という方にピッタリではないでしょうか。
フルクラムレーシング5のスペック
いわゆる完成車に付属している「鉄下駄」と呼ばれるホイールが2kg弱なので、300g程度の重量をカットできます。スプロケットはシマノ、カンパニョーロの2種類が使用できるのでシマノのコンポーネントで構築されることが多い国内販売の完成車からも変えやすいです。
基本スペック
重量(前後合計):1,645g
材質:アルミ
タイプ:クリンチャー
リム幅:17c
対応タイヤ:25c~30c
リムハイト:フロント24.5mm、リア27.5mm
スポーク数:フロント18本、リア20本
対応スプロケット:シマノ、カンパニョーロ
定価:税別42,000円(2019年12月時点)
フルクラムレーシング5の特徴
ワイドリム
2015年にモデルの見直しが行われ、外幅23mm、内幅17mmのワイドリムに変わりました。フルクラムレーシング5のリム幅17cでは25c~35cのタイヤが装着可能です。ワイドリムになったことでタイヤのグリップ性や転がりやすさ、乗り心地が向上しました。近年のトレンドの幅太のタイヤにもしっかり対応できるホイールです。
エアロスポーク
4万円台のエントリーグレードながらステンレス性のエアロスポークが採用されています。実はスポークはホイールの中で最も空気抵抗の大きいパーツです。これを平べったいブレード状にすることで空気抵抗を減らし、回転性を向上しています。なおかつ素材にはステンレスを使用しており頑丈さも重視しています。
非対称設計のリア
フルクラムのハイエンドモデルのみだった「アシンメトリック・リム・プロファイル」がリアホイールに採用されています。スポーク穴をドライブ側にずらすなどの工夫で剛性バランスの最適化が図られ、反応性の良さを向上させています。
スマートなデザイン
フルクラムのホイールはシックで落ち着いており、どのフレームにも馴染むスマートなデザインです。レーシング5は全体的に黒のシンプルなフレームで細い字体で大きく入れられた「5」の文字が際立ちます。控えめなコントラストで入れられたメーカーロゴもいい味を出しています。また現行モデルでは廃止されていますが、LGモデルではニップルがメタリックレッドとなっており、シックな色合いの中にも映えるデザインとなっていました。
フルクラムレーシング5LGは何が違うの?
「レーシング5LG」は2015年のモデルチェンジをアピールするためにつけられた名称です。2019年にはワイドリムが一般化したためLGの文字は消え、再び「レーシング5」に戻りました。つまりレーシング5LGは2015~2019年のモデルに一時的につけられた名称となります。LGの入っていないモデルは2015年より前ならナローリム、2019年以降ならワイドリムということになります。2019年ごろからワイドリムが主流となったためタイヤのラインナップなどもナローリムタイプはどんどん減少しています。今後ホイールを中古品で買う場合はワイドリムのLGもしくはLGの入らないモデルなら2019年以降を選ぶと良いでしょう。
フルクラムレーシング5のユーザーレビュー
インプレ1.走り出し
漕ぎ出しに関するインプレでは「劇的というほどではないものの軽さを感じた」とおおむね高評価でした。幅広リムによるタイヤのグリップ性と反応性の良さ、剛性の強さから好調な漕ぎ出しができるようです。
:漕ぎ出し :減速からギアを落とさないで再加速するとき ちょっとした負荷がかかるシーンで変化を感じ取れると思います。
インプレ2.巡航性
走行性に関するインプレでは、ワイドリムでタイヤの安定性やグリップ力に長けること、エアロスポークの空気抵抗軽減などから高速域での伸びが高く評価されています。ツーリングやポタリングを楽しみたいホビーユーザーにぴったりなホイールと言えるでしょう。
長距離ライドで走った時には違いがはっきりと分かりました。交換してよかったです。
加速だけでなく巡行も速度が上がりました、ギア1〜2枚楽です。
インプレ3.コストパフォーマンス
上位モデルと同等のオーバーサイズ・ フランジやエアロスポーク、非対称リムなど同価格帯にない高性能な要素が盛り込まれており、コストパフォーマンスに優れたホイールという評価が多くみられました。完成車からコストを抑えてカスタマイズしたいという場合には最適なホイールではないでしょうか。
性能面は同価格帯では国内だけでなく海外通販含めベストな選択ではないでしょうか。
フルクラムレーシング5の評価まとめ
重量
同価格帯のエントリーモデルの中では軽量で、100gほどの差があります。ただし当然ながら予算を数万円追加することができればさらに軽量なホイールを入手できるでしょう。予算に余裕がある、段違いの性能差が欲しいという方は後述の上位グレード「レーシング3」を検討してみてはいかがでしょうか。
価格
フルクラムレーシング5は同価格帯のホイールの中では軽く、上位モデルの性能を取り入れて作られているため同価格帯で比較すると高い性能があると言えます。定価で4万円前後のため、セールなどでもっと安く手に入れることも可能です。ミドルグレードには躊躇してしまう方もこの価格なら手を出しやすいのではないでしょうか。
走行性
巡航性に優れており、転がり性能が良いため疲労を抑えて速度を維持できます。完成車と比べると高速域での伸びの違いが実感できるでしょう。ホビーユーザーのロングライドなどにはうってつけかと言えます。
総評
一言でいうとコストパフォーマンスに優れたホイールです。同価格帯の中では軽量なモデルで、上位モデルの性能も取り入れて作られています。ホビーユースのポタリングにはもちろん、ブルベに出たり練習用にガンガン使い込んだり、多様な使い方で長く付き合えるホイールでしょう。
フルクラムレーシング5はどんな人におすすめ?
完成車のカスタムを考えている人
完成車に付属のパーツは当然ながらあまりグレードの高いものではありません。冒頭でも述べましたが、ホイールのグレードアップは走行性アップに高い効果が見込めます。まずはホイールを変えて走りの変化を感じてみたい、という場合はレーシング5がおすすめできるでしょう。
コスパ重視の人
フルクラムレーシング5は同価格帯のホイールのにおいては性能も優れており、軽量な部類に入ります。コストパフォーマンスに優れているので走行性を上げたいけどコストは抑えたいという場合にうってつけのホイールです。ホビーユーザーでそこまで割ける予算はないけどちょっと手を加えてみたい、という方にもおすすめです。
フルクラムレーシング5を購入するにあたっての注意点
ラチェット音がうるさい?
自転車は後輪を空転させるとカチカチと音がなりますが、これがラチェット音です。ホイールのラチェット構造はメーカーにより異なっており、ラチェット音も差があります。フルクラムは親会社のカンパニョーロと同じくかなり大きめのラチェット音がします。好みや個人差によりますが人によってはうるさく不快に感じるかもしれません。メンテナンスである程度抑えることはできますが、無音とまではいかないので音が気になる方は注意した方が良いでしょう。
上位ホイールのレーシング3との性能差
高評価のフルクラムレーシング5ですが、あくまで低価格帯での話です。上位グレードのレーシング3はレーシング5よりも100g以上軽く、そしてフルクラムの真骨頂ともいえる「2to1」という独特のスポークの組み方をしています。これにより剛性を維持しつつスポークの本数を減らし軽量化・空力の向上を実現しています。予算は人それぞれの事情によるものですが、より良い走りを求めるのであれば予算を追加してレーシング3の購入を検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
レーシング5は低価格で性能が良いコストパフォーマンスに優れたホイールです。ワイドリムでタイヤの性能を引き出し高いグリップ力と転がり性に優れています。出費を抑えながらグレードアップしたい、鉄下駄を卒業したいという人に向いているホイールです。重量的にはせいぜい数百グラムの差ですが、走りの変化に驚くことでしょう。自転車をカスタマイズする魅力がわかるかもしれません。ホイールだけじゃなく走りを変化させるパーツは他にもたくさんあります。カスタマイズやグレードアップを重ねて進化していく自転車の楽しさにぜひ触れてみてください。
他ブランドのホイールが気になる方はこちらもチェック
フルクラムレーシング5以外にももちろん素晴らしいホイールはたくさんあります。下記記事では用途別、ブランド別におすすめのホイールをまとめていますので是非チェックしてみてください。
カンパニョーロのホイールはどのランクがおすすめ?評価含めて比較紹介!
自転車ホイール界では有名なカンパニョーロですが、いざ購入するとなるとどれがよいのか悩んでしまいます。どれも人気のあるグレードだからこそ、慎重...
シマノロードバイクホイールのインプレ比較から考えるおすすめとは?
ロードバイクの走行性能を上げるには、より性能のよいホイールが欠かせません。そんな高性能なものの候補に、必ずと言っていいほど入るものがシマノホ...