はじめに
ウワバミソウの特徴や見分け方と食べ方レシピ
ウワバミソウと聞くと少し変わった名前だと感じる人も多いでしょう。しかし旬の時期この植物はおいしく食べることができ人気もある山菜です。どんな由来からこの名前が付いたのか、その特徴や探し方から下ごしらえとしての茹で方から食べ方レシピ・保存方法までウワバミソウを取って食べるまでを詳しく解説していきましょう。
ウワバミソウの名前の由来
まずはウワバミソウという名前の由来をご紹介しましょう。実はこの名前の由来はその自生している場所のヒントともなっています。そのほか地方によってたくさんの名前を持つこの植物の別名も見ていきましょう。
名前が面白いウワバミソウのウワバミとは
ウワバミソウのウワバミとは蛇を差す言葉から由来しています。よくお酒をたくさん召し上がる方をウワバミといいますが、それと同じ伝説の巨大な蛇でとてもお酒好きということから酒豪をウワバミと呼びます。
名前の由来は自生する場所にある
そんなウワバミが済んでいそうな場所に生えることからこの草がウワバミソウと名付けられたという由来があります。
ウワバミソウの別の名前は
またこの山菜はミズナ・またはただのミズ・赤ミズなどとも呼ばれます。これら全てに共通するのはミズでこれは水のこと。湿気の多い水っぽい場所に生えるということからそう呼ばれるという由来があります。ちなみに青ミズという草もありますがこちらはウワバミソウとは別の植物ですのでお間違えのないように。
ウワバミソウの特徴は
ウワバミソウの名前は知っていてもまだ食べたことがない、写真でしか見たことがないという方はいざ山菜採りにいっても困ることもあるでしょう。まずはウワバミソウの味の特徴から見た目の特徴と続けて解説します。似たような葉っぱがたくさんある山では、その特徴を知っておくことが間違えて食べられない草を取らずに済む方法となるでしょう。
特徴1.癖がない食べやすい味
この野草の見た目はどこにでもありそうな草ですが、食べてみるとあまり癖もなくシャキッとした歯ごたえがおいしい山菜です。ちなみに食用にするのは葉ではなく茎の部分。
特徴2.ウワバミソウにはむかごができる
もうひとつこのウワバミソウという草はむかごというコブのようなものが枝の分岐している部分につきます。このむかごは実ではなくて、脇芽が変化した栄養の塊で成長しきるとここから発芽したりもします。
特徴3.ウワバミソウは茎に赤みがある
またこの植物を赤ミズと呼ぶのにも関係しているのですが、食べごろのウワバミソウの茎は赤くなるのが特徴。食用にするのもこの赤みが出てきた茎の部分となります。
ウワバミソウの時期や探し方・見分け方
それでは次はこの野草が採れる時期や他の植物と簡単に見分ける方法をご紹介します。山菜採りは毎年時期になると狙って訪れる人がいるものです。少し出遅れるとよいものはみんな採られたあとでガッカリということも。地域によって生える時期に多少のズレはあるものの、いつ旬なのか知っておくことは大切です。間違えて別の草を採らないように見分け方も要チェックですよ。
ウワバミソウの探し方1.時期
この草は5月ころになると花が咲いてしまうので、そうなると食べるのには不向きです。それまでに若い茎を刈り取って食べることになるでしょう。花が咲く前に刈り取ってしまって大丈夫かと思われるでしょうが、この植物は地下茎でどんどん株を増やしていくので抜いてしまわない限り絶えることはなく安心です。
ウワバミソウの探し方2.見分け方
同じミズの中でも青ミズとの違いをご紹介しましょう。葉っぱ1枚だけ見るとこのふたつの植物は似ていますが、その付き方はまったく違います。見分け方①葉が左右対象に付くのが青ミズ。見分け方②茎が赤いのがウワバミソウ。見分け方③青ミズにはむかごが付かない。このみっつの違いを覚えておけば見分け方となるでしょう。
ウワバミソウの探し方3.自生場所の特徴
名前の由来のご説明で蛇がいそうなところに生えているとご紹介しましたが、具体的には山の斜面でしけっている土地。日陰になっていることが多く、近くに川があるところを好む植物です。このような場所を食べごろの旬の山菜の時期に探してみると良いでしょう。
ウワバミソウの食べ方レシピ1.茹で方
山菜がたくさん採れたら実際においしく味わってみましょう。まずはその下ごしらえ・茹で方から。ウワバミソウは他の山菜とちがい嫌なエグミなどはなくあっさりと食べられる野草です。その下処理はフキとよく似ています。
ウワバミソウの茹で方1.
まず茹で方の下処理として採取してきた山菜から葉やゴミを取り除きよく水洗いします。お好きな方はそのまま茹でるという茹で方もされますが、どんなにやわらかな皮でも口の中に入ると繊維質が残るので気になる方は表面の皮を1本ずつ爪を使って剥いてしまってください。
ウワバミソウの茹で方2.
茹で方その2は大きな鍋にお湯を沸騰させて塩を入れます。熱湯に入れるとウワバミソウの茎がきれいなグリーンに変わりますので、それを目安に冷水にさらしてください。こういった茹で方をすることで色がきれいなウワバミソウの料理ができます。
ウワバミソウの食べ方レシピ2.炒めもの
野菜も油で炒めることで満腹感がアップします。煮物や汁物にするのも良いですが、主菜としてウワバミソウを利用したいなら炒めもの料理がおすすめ。豚肉との相性が良いので一緒に炒めるとよいでしょう。
ウワバミソウの炒めもの
よしな300g 人参10センチくらい 豚肉100g にんにく2かけ 油大さじ1 酒大さじ2 味噌大さじ2 みりん大さじ2
よしなはウワバミソウの別名・通称です。食材として食べられるときはミズと呼ばれたりよしなという場合が多いのでレシピを探すときもこの名前で探した方が見つかりやすいでしょう。まずはおかずにピッタリなニンニクのパンチが効いた炒めものから。味噌風味でご飯がすすむ一品。
詳しい作り方レシピはこちら
にんにくと油を入れてフライパンを火にかけよい香りがしてきたら材料を炒めて味付けをするだけ。作り方はとっても簡単なのに栄養バランスもよく美味しい料理ができる鉄板メニュー。最初に何を作ろうか迷ったら作ってみてください。
ウワバミソウの食べ方レシピ3.煮物
フキとよく似たウワバミソウの茎。軽く炒めてから煮物にすると味の染み込み方も良くコクが出て美味しく仕上がります。
ウワバミソウの炒め煮
かたは200g 薄揚げ1枚 ごま油大匙1 ★水150㏄ ★白だし大匙3 ★しょうゆ大匙1 ★酒大匙2
見た目がフキと似ているウワバミソウの茎。食べ方もフキと同様に考えると新しい料理も考えやすいでしょう。相性のよい油揚げと一緒に腹持ちも良い炒め煮にしてみませんか。ごま油の風味が癖がないシンプルな山菜にもよく合います。
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シャキシャキとした食感を残すために、レシピでは調理時間は短めになっています。お好みでじっくり煮込んでも良いですし一度冷まして味をしっかり含ませて温め直してもおいしいでしょう。油揚げはしっかり油抜きして味をよく吸うように下処理して使ってください。
ウワバミソウの食べ方レシピ4.混ぜご飯
ウワバミソウの混ぜご飯
米3合 水3と1/3 顆粒だし小さじ1と1/2 みりん小さじ3 塩小さじ1 かたは(よしな ウワバミソウ)水煮100g 鮭フレーク40g ゴマ油小さじ2/3 醤油小さじ1/2
人気が高いウワバミソウの混ぜご飯。緑の色合いが山菜ご飯の魅力でもありますね。他の山菜よりも癖がないのでお子さんでも食べやすく仕上がるでしょう。レシピでは鮭フレークと合わせていますがほかの味付け缶詰や焼き鮭をほぐしたものでも。
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混ぜご飯用の白米は通常のご飯ではなく顆粒だしやみりんも入れて下味をつけています。ウワバミソウは茹でて下処理をしたものを細かく切って使いましょう。彩りのよいご飯料理は、冷めてもおいしいのでお弁当やおにぎりにしても。
ウワバミソウの食べ方レシピ5.汁物
ウワバミソウのお味噌汁
ハチク1本 カタハ1束 打ち豆30gほど 味噌40gほど 顆粒ダシ小匙1杯
旬の時期の新鮮なウワバミソウは味噌汁の具材としても優秀です。ここではいろいろな野草と共に仕上げていますが、シンプルなミズだけの味噌汁もいけますよ。
詳しい作り方レシピはこちら
ここで使われている破竹という食材も少し珍しい野菜。細いたけのこなのですが、アクがないので下処理の必要がなくウワバミソウと同じく食感がシャキシャキとした山菜です。材料の中では火が通りにくいので先に入れてからあとでミズを投入して味噌を入れて仕上げましょう。
ウワバミソウの保存方法
生の保存方法
採れたて新鮮な旬の時期のウワバミソウ。家に持ち帰ったら洗わず保存が基本です。霧吹きなどで少し湿らせたキッチンペーパーや新聞紙にくるんで野菜室に入れておくのが生の保存方法。もししばらく食べる予定がないのであれば、一旦茹でて下処理を済ませたあとに塩漬けにする以下の方法を試してください。かなり長期間保存できる優秀なやり方なのでおすすめ。
下茹でしたあとの保存方法
赤ミズ1Kg 塩(下漬け用)300g位 塩(保存用)400g位
いったん茹でたウワバミソウは塩漬けがおすすめの保存方法です。しょっぱいので使用するときは少し前に水で塩抜きしてから使いましょう。塩漬けは下漬けと本漬けの2回行程をふむことでより長期間の保存が可能に。冷凍しなくても1年保存できるので、大量に作っておけば次の旬まで食べたいときにウワバミソウを使えます。
まとめ
時期のウワバミソウの探し方は見分け方を参考に
ウワバミソウは青ミズと同じ仲間と思われがちですが近い仲間ではありますが別の種類の植物。間違えないように見分け方を参考に探してみてください。また採れる場所が傾斜や水場の近くということなので、安全にも気をつけて採取することをお忘れなく。たくさん採れたら茹でてから塩漬けすることで、旬の時期以外でも食べることができます。味噌汁や煮物などのご紹介レシピも参考にしていただければ幸いです。
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