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ウバユリとは?その特徴や山菜としての食べ方をご紹介!どんな味?

ウバユリと言われてもピンとこない人も多いかもしれませんね。日本に自生するユリのなかでも特殊なタイプで、まるでエビネランが巨大化したかのような風貌のユリです。そんなウバユリですが山間部では食用にされることもあり、美味しく食べられます。
更新: 2023年11月22日
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目次

ウバユリは美しい

みなさんはウバユリと言う名前を聞いてどんな姿を思い浮かべるでしょうか?名前の由来には諸説あり、花期に葉が無くなり「歯がない」から乳母だの、乳母の垂れた乳の様な花を咲かせるからだの、散々な言われ方もしますが、乳母が赤ちゃんを抱いて首をもたげている姿に見えるからというロマンのある言い方をされる場合もあります。花は地味ですが野性味のある美しさがあるため、山で群落を見つけると見とれてしまうと思います。

ウバユリは存在感抜群

ウバユリの多くは熊笹の藪や、三つ葉やドクダミなどの下草が生える薄暗い森に自生しています。そのため茎を伸ばして他の植物より高い所から花を咲かせるウバユリは存在感があり、清楚な花が幻想的な雰囲気を作り出します。茎の太さからか、茎と茎の間にコガネグモが巣を張っていることがよくあります。大きい植物なので多くの生物たちの住処になっているのでしょう。

ウバユリとは

ウバユリとはユリ科のウバユリ属に属するユリの仲間です。他のユリと大きく異なる点は初期の苗は球根から直接葉が生えるのに対し、株が成熟してくると球根からまず茎が出て、そこから葉が生えてきます。初期はエビネランの様に見え、成熟すると全く別の植物のような見た目です。花は白地に緑の筋があるのみで非常に地味ですが、園芸品種には花色が違うものが数種類確認できます。

赤花のウバユリ

ウバユリには赤花の園芸品種も見られますが、これは日本のウバユリではなく海外のさらに大きい種類です。茎が大きく伸び背丈が何メートルにもなるので存在感は抜群ですが、植え場所には少し注意が必要です。開花時期はウバユリとやや異なり、少し早く開花する印象がありますが、栽培方法は同じです。

ウバユリの種類

ウバユリ属には日本に存在するウバユリ、オオウバユリがあります。オオウバユリは東北地方や北海道に産するウバユリの変種で茎が太く、2メートルにまで成長します。さらに大きいものにヒマラヤオオウバユリあり、3メートルにまで成長するのでジャイアントリリーとも呼ばれています。ほかには中国に広く分布する蕎麦叶大百合やチベットに分布する種類もありますが、詳しいことはわかっていません。

オオウバユリ


オオウバユリは北日本で見られる大型のウバユリで、北方の植物はなぜか大型化するという説の根拠として1メートル近くなる秋田フキや馬より大きくなるラワンフキと共に知られています。アイヌ民族の食料として穀物や豆類よりも重要なもので、球根からデンプンを取り、保存しておき葛きりのような食品に加工したり、デンプンを取る時に出たカスを集めてこねて発酵させ、干したものも保存食として利用していました。一度試し掘りしてから本格的な収穫期を見極めていたほどなので、相当重要視していたことがわかります。

ウバユリの花言葉

花言葉というものは別段決まりがあるわけでは無く、古くは花に対する詩を読んだものが花言葉でした。人それぞれ感じたイメージを花言葉にするのが本来のあり方ですが、その中でも一際有名になった詩が今でいう花言葉として語り継がれています。ウバユリの花言葉にあるのは無垢や威厳というもので、暗い森のなかでも健気に生育する事から無垢という花言葉が、他の草花よりも大きく育ち、まるで森の王であるかのように咲き誇る姿から威厳という花言葉が生まれたのではないでしょうか。

花言葉のつけ方

花言葉とは本来、俳句や詩のように自分で感じた事を形にする手段でした。例えばウバユリをみてどのように感じるでしょうか、悲しそうかうれしそうか、美しいか地味か、そういったところを自分なりにまとめて一言で表したものが花言葉です。みなさんも花を見たときに自分なりの花言葉を考えてみるようにしてみると、花をさらに好きになれることでしょう。ウバユリは威厳と無垢ということですが、人の数だけ花言葉があると考えておくと良いかもしれません。

ウバユリの栽培

ウバユリは日陰でも育つので栽培しやすい植物ですが、一つ難関があります。根が太く少ないため移植に弱く、球根を掘ってきて植えても中々根付きません、ただ、一度根付いてしまえばほとんど放置で大きく育ちます。掘ってくるのであれば根をできるだけ傷つけずに掘り出し、植えるときも優しく植えましょう。堀取る時期は休眠する冬の時期が最適ですが、葉が無くなるので見つけるのは困難です。

植木鉢での栽培

植木鉢やプランターでの栽培では8号以上の鉢を使うと良いでしょう。掘ってくる場合には採り方に十分注意して根を傷つけずに掘り出します、植木鉢に植えるときに根を広げ、球根の2倍の深さに植えると良いでしょう。採り方が悪く、根が傷ついているとウイルス病にもかかりやすくなるので注意が必要です。土は保水性があり排水の良いものが適しているので、スタンダードに腐葉土と赤玉土をブレンドしたもので良いでしょう。

ウバユリの種まき

前述の通り移植に弱い植物なのですが、種まきで栽培するという手があります。種が取れる時期は秋なので、その年のうちにまいて翌年発芽する時期は春になります。発芽時期にはダンゴムシの食害が多く発生するので、種まき予定の前年からダンゴムシを徹底的に駆除しておくと良いでしょう。種は埋めてしまうと発芽しないので、種まき予定の場所に腐葉土を混ぜ込み、四方を板で保護してパラ蒔きすると良いでしょう。発芽後1年は必ず水を切らさず管理して下さい。


種まきの土

鉢で種を蒔きたい場合には表面にパラ蒔きするタイプの種なので、粗い粒だと種子が水分を吸水しにくくなります。そのため、細かい粒のものが適しています。普通に栽培するときと同様に腐葉土と赤玉土をブレンドしたもので問題ありませんが、腐葉土は細かいタイプを、赤玉土は極小粒をそれぞれ小さいものをブレンドして下さい。手作り腐葉土という名前で販売されているものは細かい腐葉土が多いので、そういったものを利用すると良いでしょう。

ウバユリの開花

ウバユリは株が成熟し、茎が出てくるようになると開花できる力を持っていると判断できます。球根からでも4年、種からだとその倍はかかりますが、盛夏の時期に咲く数少ないユリです。花言葉にあるように威厳が出てきたら開花できると判断して良いでしょう。花の色は地味で清楚なものが多いですが四方に向けて花を咲かせるのでかなり存在感があります。

開花に必要な肥料

肥料には窒素、リン酸、カリがありますが、この中で窒素は葉を育てる肥料でカリは根を育てる肥料です。開花にはリン酸が必要になります。リン酸は骨粉や鶏糞肥料によく含まれているのでこれらの利用をお勧めします。鶏糞を焼いて灰にした鶏糞灰というものがあり、緩効性でリン酸とカリを多く含む良い肥料なのですが、灰になっているのでアルカリ性が強く、酸性よりの土地に自生するウバユリにはオススメできません。

ウバユリの実

ウバユリの実は他のユリの実同様に袋状の果実です。熟すと果実が裂け、大量の種子が舞い散ります。種子を取るのが目的であれば、果実を一つ持ち帰れば充分です。秋になると種子を放出して枯れた実が立っているのがよく見られますが、生け花などの素材として人気なようで、ウバユリの実がオークションなどで落札されていることもあります。

種の採り方

ウバユリの実からの種の採り方は、完熟している実であれば簡単に取れるのですが、種がこぼれるため持ち帰りづらいという欠点があります。そこで、まだギリギリ開いていない実を採るという手があります。完熟手前の果実からの種子の採り方は、まず果実をしばらくおきます、すると追熟し乾燥した果実は完熟果実と同じく裂開しますので、そこから種を取りましょう。

ウバユリは山菜


ウバユリは山菜としても知られる植物で、他のユリと同様に球根を食用にします。販売されているユリ根はコオニユリでホクホクして甘味が強いジャガイモといった味ですが、ウバユリのユリ根はオニユリのユリ根のようにやや苦味があります。ただユリ根特有の甘味や風味が強いので味はかなり良いと言えます。ただ大株でも普通のユリ根の半分くらいの球根にしかならないので、食用にする場合は多めに採集すると良いでしょう。

食材としての採り方

ウバユリの食材としての採り方は簡単です。まずウバユリの周囲にスコップを差し込みます、次に枯れた茎を引っ張れば簡単に取れるでしょう。花が咲いた株は枯れるので球根がありません、そのためウバユリの食材としての採り方の最も重要なことは、花が咲いた後の無い株を選んで抜き取る事です。もしくは、アイヌに習い芽が出る4月~5月に抜いても良いのですが、秋どりのものよりも甘味が落ちます。収穫はウバユリの実が裂けている時期が最もよいでしょう。ただし、採り方よりも取る量に注意して下さい、生育に時間がかかるので根こそぎ採ってしまうと絶滅します。

ウバユリの食べ方

ウバユリはややアクがありますが、クセの無い味なので多くの食べ方が存在します。普通のユリ根の食べ方の様にボイルしてマヨネーズで食べるのも美味しい食べ方ですし、沢山取れたらコロッケや味噌汁の具材になどの食べ方も出来ます。甘味があるのでモンブランなどの食べ方もできる万能な食材です。オススメの食べ方はかき揚げで、一緒にとれた山菜とあげるとアクセントとなって美味しいです。

かき揚げのコツ

まずウバユリと山菜を刻んだら、薄力粉を薄くまぶします。衣は普通の天ぷらよりややゆるめに作りましょう。次に薄力粉をまぶした具材に衣を混ぜますが、このときに入れすぎると衣が多すぎて油が落ちないモッタリとしたかき揚げになってしまうので、具材がギリギリ衣をまとう程度の量を入れて下さい。あげ上がったら、しっかりと油が出てこなくなるまで油を落とします。

まとめ

ウバユリはマイナーな百合ですが、素晴らしい魅力にあふれており、食用としても利用出来る万能な植物です。超大型のヒマラヤオオウバユリやその改良種である赤花ウバユリなども日本では販売されているので、興味をもった人は栽培してみてはいかがでしょうか。食材としても利用出来るのですが、生育に時間がかかるのであまり採ってしまうと再生が間に合わなくなります、採り方には注意しましょう。