オリーブの花の育て方をご紹介
オリーブの花の季節といえば夏のはじめ、5~6月ごろです。このオリーブの開花時期になると、白くて小さなかわいらしい花が咲き、オリーブの開花時期が終わると緑色や紫色の実が成ります。オリーブの花は、観賞用としても育てやすく、細長いオリーブの葉は、光が当たると銀色にも見えて美しいことでも人気です。オリーブは、生育環境がよければどんどん大きく育ちますが、ときにオリーブの木が枯れる、オリーブの花が咲かないなどのトラブルも起こります。そこで今回は、オリーブの花の育て方のポイントや肥料の種類、実をつけるための受粉などについてご紹介します。
オリーブの花の開花時期になると
オリーブの花は夏のはじめに開花します。寒い冬が終わり、季節が少しずつ春めいてくると、オリーブの木に小さな花芽がつきはじめます。オリーブの花の開花時期は5~6月で、この開花時期になると小さな白い花が一斉に咲きます。オリーブは銀色にも見える細長い葉が美しく、オリーブの白い小花が重なる姿はとてもきれいです。オリーブの花は開花時期が短いため、あっという間に花が散ってしまいますが、オリーブの花の開花時期のわずかなひとときは涼し気な印象も与えてとてもすてきです。
オリーブの花をきれいに咲かせるために
オリーブの花をきれいに咲かせるためには、オリーブの木が元気でなければなりません。元気がないオリーブの木は、肥料を与えるなどの方法を取り入れる必要があります。また、オリーブの実を楽しみたい場合、違う品種のオリーブを同時に育てる必要があります。基本的に、オリーブは同じ品種の花粉では受粉せず、違う品種のオリーブの花粉によって受粉します。近所にオリーブの木がある場合、その花粉によって受粉することもありますが、確実に実をつけたい場合は、受粉用に別の品種のオリーブを育てていくことが大切です。
オリーブの花の種類
オリーブの原産地は地中海沿岸で、温暖で乾燥した場所でオリーブは栽培されています。日本では小豆島のオリーブが有名で、オリーブの島とも呼ばれています。オリーブの栽培種は、世界中に1300種ほどあると言われています。それほどオリーブは種類が多く、世界中で栽培されています。
オリーブの種類①アザパ
オリーブの種類のひとつであるアザパは、南米のチリが原産のオリーブです。全体的に大きく育つオリーブで、実も大きくなります。オリーブの実の収穫時期は11月ごろとやや遅いものの、この品種のオリーブはとても大きな実がなるため、塩漬けにして楽しむことができます。アザパは受粉するためのオリーブの木を別に植えることで実のつきがよくなります。
オリーブの種類②アルベキナ
スペイン産のオリーブで、葉の大きさも実も、全体的に小ぶりに育ちます。オリーブオイルとして使われる種類としても知られ、葉の色は濃い緑で、実は小さいもののたくさんなります。この種類のオリーブは、自家結実性があるともいわれていますが、確実に実をつけたい場合は、受粉用に別の種類のオリーブの木を同時に育てていったほうがベターです。
オリーブの種類③ネバディロブランコ
オリーブオイルを作るための種類として知られるスペイン産のオリーブです。このオリーブは花粉が多いため、受粉用のオリーブの木としてほかの種類の木とともに栽培されることが多いです。観賞用として人気が高く、オリーブの花やオリーブの実がつく姿を楽しみたい方におすすめです。
オリーブの種類④マンザニロ
この種類のオリーブは、オリーブの実を加工するために使われます。スペインが原産のオリーブで、実は少し大きく、丸いのが特徴です。香川県で作られているオリーブの中でも主要な種類のオリーブです。オリーブの実をつけるためには、受粉用にほかの種類のオリーブの木が必要となります。
オリーブの種類⑤ミッション
アメリカで栽培されているスペイン系の種類のオリーブで、日本の小豆島ではじめて栽培されたオリーブの種類として知られています。オリーブオイルとしても塩漬けとしても使われ、人気の種類のオリーブです。葉の色が白っぽく、元気よく育っていきます。
枯れる・咲かないを防ぐオリーブの花の育て方①
植えつけは温かくなった春に
オリーブの花を植えつけるのは、気候が穏やかになった春先の時期がベター。3月の終わりごろから4月の半ばごろを目安に、天気がよく、温かい日にオリーブの植え付けを行うようにしましょう。初夏に花をつけるオリーブは、ちょうどこのころに大きく成長していくため、枯れる心配などが少ないころでもあります。
オリーブの花は浅く植えるのがポイント
鉢植えで購入したオリーブの花を地植えする際は、地面を深く掘って植えるのではなく、浅めに植えるのがポイントです。オリーブの花の根は浅く張っていくため、オリーブを深く植えてしまうと、花が咲かない、花が枯れるなどの被害が起こるかもしれません。鉢を取ったそのままの形でオリーブを植えてあげましょう。オリーブを浅く植えると、風などで倒れやすくなります。支柱などで支え、オリーブの木が倒れないようにしてあげましょう。
枯れる・咲かないを防ぐオリーブの花の育て方②
日当たりや風通しのよい場所へ
オリーブの原産は地中海沿岸です。地中海性気候の特徴は、夏の季節はさほど暑くはなく、冬の季節もさほど寒くはなく、一年を通して過ごしやすいものの、雨量は比較的少なめで乾燥し、安定した気候です。つまり、オリーブの木はそんな環境で育てるのがいちばんいいということになりますので、オリーブの木を育てる際はなるべくオリーブが好みの環境を作ってあげましょう。
オリーブの花の置き場所は大切
オリーブの花を鉢植えで育てている場合、日当たりがよく、風通しのよい場所にオリーブを置くのがベストです。オリーブは暗い室内で育てていると、樹勢が弱くなっていきます。なるべくオリーブの木を日当たりのいい場所に置くようにしましょう。オリーブは寒さに弱いため、ベランダで鉢植えで育てている場合は、室内に入れてあげましょう。地植えでオリーブを育てる方も、ある程度の寒さであれば越冬しますが、心配な方はオリーブの木に冬囲いなどをしてあげましょう。
枯れる・咲かないを防ぐオリーブの花の育て方③
土が乾いたら水をやる
温暖な環境で育つオリーブは、ある程度の乾燥には強い植物です。ですが、乾燥したままオリーブの木を放っておくと、葉が落ちる、花が咲かない、木が枯れるなどのトラブルを引き起こします。鉢植えでオリーブを育てている場合は、土の表面が乾燥したら十分に水を与えてあげましょう。オリーブの鉢の底から水が出るぐらい十分に与えるようにします。
季節による水やりのポイント
オリーブの水やりの方法は季節に応じて変えましょう。基本的には、オリーブの木の土の表面が乾いたら水をたっぷりと与えることが大切です。季節が夏になったら乾燥するペースが速くなりますので、日によっては毎日オリーブに水やりを行いましょう。オリーブの木が乾燥した状態が続くとオリーブの葉が落ちてきます。オリーブの葉が落ちてしまったら、オリーブに水をしっかりと与え、肥料を与え続けていけば、元気よくなってくることもありますが、なるべくこういったトラブルが起こらないようにケアしてあげるようにしましょう。地植えの場合、オリーブの木の根がしっかりとついていれば、毎日水やりをする必要はありません。
枯れる・咲かないを防ぐオリーブの花の育て方④
水はけのよい土を使う
オリーブを植える際や植え替える際、オリーブに合った土を使うことも大切です。オリーブが好み土とは水はけがよいと同時に、保湿性に優れた土で、弱アルカリ性の土を好みます。オリーブ用の培養土も販売されていますが、オリーブの土を作る場合は、腐葉土、砂、赤玉土などを配合して作りましょう。
植え替えも季節は春が適期
オリーブの植えつけの季節は春でしたが、オリーブの植え替えの季節もまた春が適していいます。オリーブの花が咲かない、オリーブの葉が落ちる、オリーブの木の元気がないなどの症状が現れたら、オリーブを植え替えたり、オリーブに肥料を与えたりすることで症状が改善されます。また、鉢植えでオリーブを育てている場合、根が詰まっている可能性もあるため、伸びすぎた根を切り、鉢の大きさを大きくするなどして、オリーブの根を整理する方法も有効です。
枯れる・咲かないを防ぐオリーブの花の育て方⑤
定期的に肥料を与える
オリーブに定期的に肥料をやることで、元気よく育ちます。オリーブの元気がない、花が咲かない、葉が枯れるなどの問題がある場合はとくに肥料を与えてあげましょう。肥料を与える季節は、オリーブの花芽が出はじめる3月、実が大きくなる6月、実の収穫が終わる10月ごろが適期です。ただし、肥料の与えすぎもよくないので、育てているオリーブの様子を見て肥料を与えるタイミングを見てみましょう。
オリーブに適した肥料とは?
元気のないオリーブにどんな肥料を与えようか悩んでらっしゃる方は、オリーブ専用の肥料を与えましょう。肥料の種類にもよりますが、オリーブの鉢の上に置くだけでいいタイプのものは非常に便利です。また、オリーブの症状によっては、速効性の肥料が有効な場合もあります。すぐに栄養を与えたい場合などに有効ですので、オリーブの状態を見て、さまざまな肥料を使い分けることも大切です。
枯れる・咲かないを防ぐオリーブの花の育て方⑥
受粉用にオリーブを栽培する
基本的にオリーブは、品種が違うほかのオリーブを育てない限り、受粉することはありません。ただ、オリーブの花粉は風に乗って飛んでいくため、オリーブの木が近くにあれば、その花粉によって受粉することができます。しかし、必ずしも受粉するとは限りませんので、確実に受粉させたい場合は、別の品種のオリーブを2本育てていく必要があります。
オリーブの品種によって受粉しやすい相性もある
オリーブは品種によって受粉しやすい品種があります。たとえば、日本ではわりとなじみの多いオリーブの品種であるミッションは、同じくオリーブの品種であるマンザニロとはあまり相性がよくないようです。ネバディロブランコとは相性がいいので、オリーブの品種を選ぶ際に参考にしましょう。オリーブの実は、見ているのも楽しいものですが、塩漬けにしていただくのもまた美味しいものです。
枯れる・咲かないを防ぐオリーブの花の育て方⑦
オリーブ特定の害虫に注意する
オリーブは育てやすい木ですが、特定の病害虫があります。こうした病害虫に注意することで、枯れる・咲かないなどのトラブルを回避することができます。オリーブの最大の敵とも呼ばれる害虫に、オリーブアナアキゾウムシがいます。この害虫は、オリーブが枯れるまで食害するため、十分に気をつける必要があります。有効なのは薬剤の散布です。
オリーブの葉や実を食べる害虫にも注意を
オリーブの葉を好んで食べてしまう害虫もいます。ハマキムシです。この害虫は、多発すると実も食べられてしまいます。この害虫も、薬剤の散布が有効ですが、オリーブの葉先が丸くなっていたら、その部分を切り落とすことで効果が見られますので、発見したらすぐに実行してみてください。
枯れる・咲かないを防ぐオリーブの花の育て方⑧
オリーブの木を正しく剪定する
オリーブには、多くの実を収穫するための剪定と、樹形をきれいにするための剪定があります。オリーブの実をたくさん収穫するためには、芽が動き出す前、2~3月ごろに、春からの新芽が増えるように剪定していきます。オリーブの実は、その年の春以降に伸びた新梢につくため、古い枝から剪定するようにします。また、混んでいるオリーブの枝はカットした方がベター。オリーブの木の風通しをよくすることで、実のつきもよくなります。
樹形を美しく保つための剪定も大切
オリーブは樹勢が強いため、地植えで育てていくとかなり大きく育っていきます。高くなりすぎた枝は定期的にカットして樹高を保つことも大切です。枯れてしまった枝、混んでいる枝などを中心に選定し、樹形を整えていきましょう。かなり剪定してしまっても、また大きく育っていくので、剪定しようか迷った場合はカットしてしまいましょう。
オリーブの花をきれいに咲かせよう
オリーブは育てやすく、観賞用としても食用としても、さまざまな栽培方法で楽しめます。庭木として、ベランダや明るい室内のインテリアとして、ぜひオリーブを栽培してみましょう。そして、きれいな花を咲かせるため、日頃の管理をしっかりと行っていきましょう。
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