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【日本三大桜】エドヒガンとは?由来から特徴・開花時期まで徹底解説!

わずか1本でも迫力ある開花の様子を見られるのが、各地で存在感を発揮するエドヒガンです。この日本三大桜に含まれている種類は、江戸時代どころか大昔から人々が記憶に焼き付ける花でした。その不思議な名の由来、特徴や開花時期など、エドヒガンの知りたいところに迫ります。
2020年8月27日
はぐれ猫
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エドヒガンとは

綺麗な桜色を見せる桜の代表格

多くの人が桜と聞いてぱっと思い浮かべている種類といったら、実はエドヒガンかもしれません。この樹木は数多くの桜の中でも、一番に巨大なサイズに成長しやすい種類です。そのためにエドヒガンが大きくなると、その地域のシンボル的な樹木ととなりやすい一面があります。

日本三大桜とエドヒガン

無数の桜の種類がある中で、昔から日本三大桜の中に数えられてきたのがエドヒガンでした。三大種や五大種に含まれるヤマザクラ、サトザクラなどに比べても、知名度の高さは抜群です。そして日本を代表するほど見栄え良い桜の木には、エドヒガンの種類が多いことも知られています。

エドヒガンの生息地

南北のはじっこ以外なら日本のどこでも見られる種類で、特に本州や九州に多く根付いています。また、エドヒガンは日本固有種というわけではなく、朝鮮半島や中国東部でも一般的な桜と認識されています。しかし歴史を紐解いてみれば、でエドヒガンは日本で特に気に入られてきた様子も分かります。

エドヒガンの名の由来

エドヒガンの江戸の由来

各地のエドヒガンの名木が示す通りに、この桜は江戸時代より以前から日本に定着していた種類です。漢字で書けば江戸彼岸ですが、この名が付いているのは、特に関東の江戸を代表する桜だったことが語源になっています。名付けられたのは江戸が繁栄し始めた、安土桃山時代以降であったと考えられます。

彼岸の頃に咲くことが由来

どうして江戸に彼岸がくっ付いているのかも、不思議なのがエドヒガン。この語源は、ちょうど彼岸の頃に咲く桜だからというのが定説となっています。彼岸とは春と秋の2度ある先祖に感謝する日です。そのうち春分の日(3月20日頃)の前後7日間が春の彼岸で、エドヒガン一斉に咲く様子が見られます。

別名アズマヒガン・ウバヒガン

実はこのエドヒガンには、昔から別名もありました。彼岸桜はその1つです。もう1つはアズマヒガンで、東国(関東)に多い桜だったことが語源となりました。あと1つがウバヒガンで、漢字で書けば婆彼岸となります。ちょうど彼岸に咲く、仏教の信仰心の厚いお婆さん桜、そんな語源が含まれていそうです。

エドヒガンの花言葉

花言葉は心の平安

むかし欧州でまたたく間に広まった花言葉は、様々な植物に特別な意味をもたらしました。明治時代に花言葉の文化が日本に入ってくると、当然ながら日本で存在感のあったエドヒガンにも、花言葉が付けられていました。それは「心の平安」。エドヒガンには、相応しく思わせる花言葉です。

見れば心の平安をもたらすことから

むかし心の平安という花言葉が付けられた由来は、エドヒガンが春分の頃に咲き誇って見せる、花の静かな迫力と優雅さにあります。見れば誰もが心穏やかになれて、平安がもたらされる雰囲気があります。平安時代の昔から見られたエドヒガンの花の歴史も、この花言葉の語源になっているかもしれません。

エドヒガンの特徴①長寿


とても長寿なエドヒガン

特筆しておきたいエドヒガンの特徴の代表格が、類まれなほどに長い寿命です。多くの桜は数百年も生きるのは当然ですが、エドヒガンはそれより遥かに長命種なのです。その証拠に全国のエドヒガンの名所を眺めてみれば、圧倒的な寿命を誇るエドヒガンを幾つも見つけることができます。

長ければ1,000年を超える

特に長寿と知られるエドヒガンは各地にあり、それらは優に1,000歳を超えています。その高齢なエドヒガンの中でも、山梨県の神代桜の寿命は想像を超えるほどの長さを誇ります。樹齢1,000年を超えるエドヒガンは、天然記念物に指定される名木が目立っています。

エドヒガンの特徴②見た目

エドヒガンのサイズ

樹高が優に20mまで達するエドヒガンの巨木は、ビルの5~6階建てに相当しています。大きいものでは20mから25mにも達する名木も存在するというから驚きです。エドヒガンは樹高と同様に枝葉も左右に広げ、幹周りは樹齢の長いものは4m~10mほどにまで太くなります。

見栄えが良い

そうした特大なサイズ感が目立って、エドヒガンは観賞用としては見栄えが良いと評されている種類です。太い幹から伸びる大小の枝、その枝々に咲く幾多の花。そうした要素がバランス良く配置されて、見る者に感動を与えています。そのあたりもエドヒガンがお花見で好まれている理由に含まれています。

エドヒガンの特徴③花

花の特徴

時期を迎えて開いたエドヒガンの花々は、桜に特有な特徴を供えています。エドヒガンの花は1色ではなく、薄紅色、ピンク、白などと個体によって色合いが異なっています。花弁は5枚あって1重なのが基本です。花は幾つもが集合していることで、迫力ある開花の見栄えに繋がっています。

エドヒガンの見分け方

特に桜に詳しくないような人でも、エドヒガン群の種類ならば他の品種との見分けはだいたい付けられます。その理由はエドヒガンの花の萼(がく)にあります。萼とは、花弁の外側に付属している部位のことです。エドヒガンの萼は、ぷっくりと膨らんでいる特徴があって、わかりやすいと言われています。

エドヒガンの開花時期

10日ほど早い開花の時期

さっくりとお彼岸の頃とは言いますが、具体的にエドヒガンがいつ見頃を迎えるのかは気がかりです。エドヒガンは他の桜より10日ほど早く開花をする種類です。日本の南北でかなり開花時期も差が付きますが、3月下旬から咲き始めれば、2週間ほどは見頃の時期が続きます。

地域ごとの開花時期

例年のようにエドヒガンの桜前線は、九州と四国、それに太平洋沿岸諸県や南関東から始まります。九州や本州の早い所では3月中旬が咲き始めの頃で、3月下旬に見頃を迎えています。長野などの高原や東北南部のあたりでエドヒガンが満開になるのは4月の上旬で、最北の青森では4月下旬のあたりです。

エドヒガン群の種類


エドヒガン群とは

ただ1種類だけではなく、エドヒガンの仲間は今や群れとして無数に存在します。江戸時代以降になってから、エドヒガンの園芸品種が次々生み出されてきたのが、数が多くなった理由です。その数はモチヅキザクラなどの野生種、シダレザクラやソメイヨシノなど園芸品種を合わせて50種類以上にのぼります。

ソメイヨシノ

特に絶対的な知名度を得るまでに至ったのが、全国で咲き誇るソメイヨシノ。江戸時代末期に染井村に住んでいた植木職人が生み出し、吉野桜と呼ばれていたことが、ソメイヨシノの語源でした。エドヒガンとオオシマザクラを交雑して誕生させた品種であり、今では全国の街路樹に採用されるほど人気です。

国の天然記念物のエドヒガン①

山高神代桜

追随を許さない長寿のエドヒガンと言ったら、山高神代桜を置いて他にはありません。神代桜とはよく言ったもので、このエドヒガンの樹齢は2,000歳を超え、上古の神代に生まれたことが語源でした。日本武尊が植えたとの伝説もつきまとう日本三大桜の1番手は、大正時代に天然記念物となりました。

山高神代桜の特徴

北杜の実相寺に生えている神代桜は、まるで岩のように巨大な幹が印象的。エドヒガンの幹周りは優に10mを超え、高さ13m、左右の枝張りは30mに達します。実は昭和時代には枯死寸前の危機を迎えましたが、2003年からの樹勢回復治療によって、神代桜は古代の枝葉の勢いを取り戻したようです。

エドヒガンの基本情報

【所在地】山梨県北杜市武川町山高2763 大津山実相寺
【電話】0551-26-2740(実相寺)
【鑑賞時間】24時間
【開花時期】4月上旬~中旬

国の天然記念物のエドヒガン②

根尾淡墨桜

その昔に継体天皇が手で植えたとの伝承がまことしやかな淡墨(うすずみ)桜は、岐阜で知らぬ人はいないエドヒガンの名木です。すでに樹齢1,500年を超えるというこの巨大エドヒガンは、大正時代に天然記念物となりました。常に日本三大や五大桜に数えられる存在感を見ようと、春には20万人が訪れます。

根尾淡墨桜の特徴

どうして淡墨桜の名があるかと言えば、その語源はこのエドヒガンの花の散り際に関係します。桜が散る時に独特な淡墨色を見せることが由来です。樹高は16.3m、枝張り東西26mとたいへん立派で、昭和の枯死や台風の危機を乗り越えてきました。さくら資料館やうすずみ温泉を合わせた観光がおすすめです。

エドヒガンの基本情報

【所在地】岐阜県本巣市根尾板所上段995 淡墨大師
【電話】0581-38-2410(本巣市役所さくら資料館)
【鑑賞時間】24時間
【開花時期】4月初旬~中旬

国の天然記念物のエドヒガン③

樽見の大ザクラ

仙人の桜の異名を取って見た目もど迫力なエドヒガンは、養父の山中に生えている樽見の大ザクラです。この桜の巨木は日本でも桜の10指に数えられるほど有名で、国の天然記念物にも指定されています。仙人や神の依代とまで評されるのは、樹齢1,000年という長寿とその風格に由来しています。


樽見の大ザクラの特徴

近年になって衰えが目立った時に樹勢回復の治療をした影響で、いまの樽見の大ザクラは巨大ジャングルジムと一体化したような姿をしています。このエドヒガンは昔より元気がないとは言え、樹高は13m、根回り8mと巨大さは相変わらず。周囲の森林を伐採したので、その異様の見学がしやすくなりました。

エドヒガンの基本情報

【所在地】兵庫県養父市大屋町樽見
【電話】079-663-1515(やぶ市観光協会)
【鑑賞時間】‐
【開花時期】4月上旬~中旬

国の天然記念物のエドヒガン④

石割桜

ぱっくりと岩を割って生き抜く姿が印象的な石割桜は、昔から盛岡きっての名所です。このエドヒガンは盛岡地方裁判所の敷地にあり、その樹齢はもう360年を超えるほど。その珍しさから大正時代には天然記念物となり、今や地元でお菓子を誕生させるほど人気があります。

石割桜の特徴

かつて南部藩主の屋敷で、庭にあった花崗岩に雷が落ちて岩を割り、そこにいつしかエドヒガンが育ったとの話が今に伝わります。火災や樹勢の衰えなどの危機もありましたが、今では石割桜の樹高は11m、幹周りは4.6mにまで成長しています。完全に岩の上に居座っている様子は、他では見られません。

エドヒガンの基本情報

【所在地】岩手県盛岡市内丸9‐1
【電話】019-626-7539(盛岡市役所観光交流課)
【鑑賞時間】24時間
【開花時期】4月中旬

エドヒガンを見に行こう

迫力のエドヒガンでお花見

見応え抜群なエドヒガンは想像以上に歴史があって、同時にこの桜だけの特徴を備えていることも分かってきました。全国にはエドヒガンの老木・巨木が幾つもあり、お花見では別格的な見どころを持っています。春になったら各地のエドヒガンの名所で、お花見してみたいですね。

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