アイビーとは
観葉植物やブーケに好まれるツタ植物
旺盛に葉を茂らせて見栄えがよいアイビーは、花言葉が特徴的な観葉植物として日本国内でも好まれている常緑のツタです。ツタ代表と言っても良い存在感があり、部屋の中で吊るされていたり、ブーケやスワッグにも活用されます。屋外では外壁全体を覆い尽くしている、とんでもない姿も見られることもある植物です。
花言葉との密接な関わり
特に西洋の方では、人生の中にも大きく影響を与えてきたアイビー。そのためなのか、他の植物よりも重視される花言葉を持っています。日本の近代化以降は日本独自の花言葉も生まれました。アイビーの様々な花言葉に接してみれば、不思議なほどに愛情と怖さの両面を備えていることが分かります。
アイビーの英名と学名
アイビーは欧州での通称
日頃からこの植物は、日本でもアイビーの名で呼ばれるのが通常です。アルファベットで書けばIvyとなり、英語圏以外を含むヨーロッパ全体で使われています。花言葉以外の意味合いとしては、アメリカの名門8大学のアイビーリーグや、ファッション、緑のカラーを指している場合もあります。
学名のヘデラの由来
その一方でアイビーには、ヘデラ(Hedera)なる別名もあります。通称のアイビーと違い、ヘデラのほうはヘデラ・ヘリックスという学名に由来しました。ヘデラとは本来はツタ全般を指す言葉です。片やヘリックスはギリシャ語のねじれに由来する呼び名で、花言葉ではなくツタの形状に関係します。
和名はセイヨウキヅタ
昔から日本に自生したアイビーは、和名ではキヅタと呼ばれました。木に絡まるツタが和名の由来です。日本では色んな種類を和名のキヅタと呼んで来ましたが、西洋種はセイヨウキヅタと呼びます。今は多様な種類・品種に分かれた観葉植物なので、キヅタの和名は日本原産種だけに使う傾向もあります。
アイビーの前向きな花言葉
アイビーの花言葉の始まり
それぞれの植物に対し特別な意味を込める花言葉は、17世紀のトルコに由来するとされ、19世紀始めに欧州貴族に広がりました。日本でも和名全開だった明治時代にはその風習が入り、西洋の意味に囚われない独特な花言葉が誕生しました。だからアイビーの花言葉は、西洋と日本、両方の意味を持っています。
対人関係の継続を表す花言葉
いつも何かと悩まされるのが対人関係ですが、それなら前向きな意味を持っているアイビーに注目です。アイビーには友情、忠実といった、他者との結びつきの強さを表す花言葉があります。アイビーのツタが強固に絡みつく状態を元に、そんな好意的な対人関係を象徴する意味が出来上がったようです。
結婚にまつわる花言葉
何よりアイビーが象徴としている前向きさは、男女の密接な繋がりの方の比重が大きめです。なぜならアイビーの花言葉の代表格には、結婚や永遠の愛といった、男女間の愛情の継続を表す種類が含まれているから。そのためにアイビーを活用した結婚式アイテムが、西洋には昔から活用されていました。
アイビーの怖い花言葉①
不滅、不死という花言葉
そうした前向きに感じる花言葉と違い、ちょっと怖いと感じさせる意味も、アイビーには含まれていました。それは和名からでは想像もつかない、不滅や不死といった花言葉。決して滅することがない、決して死なないと解釈できる上に、死の世界に繋がっていることも意外なことでした。
不滅や不死は怖さに通じる
生命の死に対抗する意味をにじませた花言葉も、アイビーが永遠の愛を象徴していることに深く結びついています。ツタが永続的に上に伸び、葉っぱを茂らせる様子が、愛情の不滅、不死の解釈に繋がっています。不死とはポジティブなようで、人にあてはめれば怪物的なイメージも湧き上がる言葉です。
アイビーの怖い花言葉②
死んでも離れないという花言葉
幾つも含まれるアイビーの花言葉の中でも、人によっては怖すぎる言葉に感じるのがこれです。死んでも離れない。それは結婚や永遠の愛を誓った2人なら、この花言葉も受け入れられるのかもしれませんね。こちらも不滅や不死同様、ヘデラが強固なツタであることに関係しています。
死んでも離れないのは怖さに通じる
とても仲睦まじい結婚後の生活が続くとすれば、死んでも離れない花言葉も断然アリです。しかし険悪になり幻滅して仲違いを起こした2人に、死んでも離れないとの花言葉は似つかわしくなく、残酷過ぎる印象です。
アイビーの花言葉に関係する用法
リース
ストレナエとも呼ばれるリースは、古代のローマ帝国に由来した風習です。植物を使って作り上げる輪っかであり、ローマでは権威と信望の象徴でした。古代には結婚式に飾り付けられる場面が多く、アイビーを使ったリースは花言葉にも通じます。現在の欧米では、クリスマスに飾っている様子が見られます。
スワッグ
壁飾りを意味しているスワッグは、西洋の方では一般的なクリスマスの風物詩です。その由来はドイツにあると聞く他、古代エジプトでガーランドと呼ばれた飾りに起源があります。リースと違って魔除けアイテムとしての役割があり、不死の花言葉を持つアイビーを使うのも相応しく感じます。
ブーケ
宙を舞う花束が容易に連想される、可愛いブーケ。今では結婚式のラッキーアイテムですが、昔の西洋では男性がプロポーズに使う花束でした。女性が1輪の花を返すとokの返事を表していたので、現代日本との使い方の違いは明確です。そのブーケには、結婚の花言葉を持つアイビーを使うことも一般的です。
アイビーの特徴
細根でよじ登る
どうしてアイビーが住宅の壁をよじ登っていけるのかは、ツタから出てくる細根と呼ばれる構造が関係しています。細根を壁や樹木などの隙間に伸ばし、細根の吸盤を固定することで、上や左右へと自在に伸びていくことができます。花言葉の結びつきの大元は、この細根なのかもしれません。
放置すると高さ20m以上まで成長
生命力の強さを感じさせるのは、アイビーが高い所まで繁茂した姿を目にした時です。成長すると20mどころか30mもの高さまで、ツタを伸ばしていることもあります。壁を全て覆い尽くす様子を見ると、花言葉の怖さだけでなく、大きさにも驚かされるのがアイビーです。
アイビーの秋から初冬に咲く花
両面性ある花言葉を持っていたアイビーですが、一体どんな花を咲かせるのかご存知ですか。日本で見られるアイビーの花は、世間が寒々しくなる秋から初冬にかけて咲き始めます。ツタの葉っぱに重なって、集合した小さな花々を付けますが、その種類によって花の色も形状も様々です。
アイビーの果実
冬空に花びらが散った後に見られるのは、アイビーフルーツとも呼ばれる果実です。花同様に小さな果実は、一見してブルーベリーのような印象もあります。しかし他の果実と違い、毒があるので人が食べるのには向いていません。この果実を好んでいる、野鳥が食べるのみです。
アイビーの代表的な品種
世界には500種が存在する
いったいどんな品種があるのかについては、花言葉の怖さと共にアイビーの気がかりな要素です。アイビーは全世界で観葉植物として普及したこともあり、品種改良も進んで今やヘデラ・ヘリックスだけで500種類を超えるほどです。日本国内の通販や園芸店でも、世界の100種類を入手することができます。
グレイシャー
氷河という意味を持ったグレイシャーは、各家庭や施設でも見られるアイビーの人気者です。葉っぱの表面に白が入っている違いは特徴的で、花言葉の友情や忠実を表しつつ、部屋を落ち着き払ったおしゃれさに変えることができます。この品種から、リトルダイヤモンドが誕生しました。
ピッツバーグ
かなり普及しているアイビーといったら、ピッツバーグが一番手です。日本でもホームセンターの観葉植物売り場などで、花言葉の通りに出会える確率はかなり高め。幾多のヘデラの中でも緑色が綺麗な種類であり、寒冷地から熱帯まで、気温に違いのある様々な土地に適応できる特徴があります。
ゴールドハート
葉っぱに金色の部分が現れる違いがあることで、ゴールドハートの名を持っている品種です。この品種なら、部屋をきらびやかに飾ることもできます。ただ鉢植えから地面に移した場合、金色が消える先祖返りを起こしてしまう可能性が高めです。緑の葉っぱは無くして。鉢植え管理の徹底が求められます。
アイビーの繁殖と栽培
挿し木での繁殖
もし自宅でアイビーを繁殖するならば、手っ取り早いのが挿し木の方法です。これはアイビーのツタの先端から10~15cm切断し、土に植えるだけの簡単な方法です。折れてしまったツタも、土に挿せば根付いている確率が高めで、これもアイビーの花言葉の不死を表すに相応しい特徴です。
水差しでの栽培
仮に土が使えないマンションでも、アイビーならば水差しのスタイルで育てられます。これは切除した10~15cmのアイビーのツタを、容器の水に浸すだけでok。花言葉の不滅を地で行くがごとく、茎からは根っこが伸びてきて、アイビーのツタはどんどん成長します。
鉢植えでの栽培と管理
きちんと土を入れた鉢の中で育てるのが、アイビーにとっては最適です。鉢植えアイビーは花言葉を表すように、室内や屋外など、どこでも置いたり吊るしたりできますが、冬季には屋内に入れて管理するのがベストです。屋室内でも外でも、伸び過ぎたツタをこまめに切除する管理が不可欠になります。
アイビーの被害と注意点
花言葉同様に恐いアイビーの被害
何でも放置すれば多大なリスクを伴いますが、アイビーでも同様です。数年も放置すればアイビーは想定を超えて伸び放題になります。やがて建物の壁や瓦の隙間、排水溝に入り込み、建物を破壊して劣化させることに繋がります。アイビーは花言葉同様に、放置することが最も怖い植物なのです。
壁面に足跡を残す
さらに自宅での育成が長く続くと気になるのが、アイビーが残す足跡です。これはアイビーのツタに生えてくる細根による仕業であり、花言葉の死んでも離れないを再現するかのように、壁面の色によっては足跡がかなり目立つことも。あまりに目立つなら壁面の補修工事も必要になります。
花言葉が気になるアイビーを育てよう
お気に入り品種で花言葉を実現
ちょっと怖さを秘めた花言葉を持ったアイビーですが、その観葉植物としての見た目の良さ、違いのある品種などはとても魅力的です。和名などの名前の由来や花言葉や活用法を知ると、アイビーに対する印象も変わって来ました。お気に入り品種を探して、ポジティブな方向性で利用してみたいですね。
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