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切り花を長持ちさせる方法は?花を長く保存させる8つ方法とコツを解説!

花屋の店先で一目ぼれして買い求めた美しい花、気分を明るくしてくれる切り花を出来るだけ長持ちさせる事が出来たら嬉しいですね、でもつぼみが咲き切らないうちに元気がなくなったりするとがっかりしてしまいます。そこで今回は切り花を長持ちさせるコツや方法をご紹介します。
2020年8月27日
kureko
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日本文化と切り花

日本では古来より仏前に花を供える風習があります、これは6世紀頃日本に仏教が渡来し、仏に花を供える仏前供花が行われました。それが一般化したことが起源と言われています。また室町時代より日本特有の文化である生け花も成立し、切り花は日本人の生活に溶け込んだ存在として現在に至っています。ガーデニングで花を育てたり、切り花や一輪挿しを部屋に飾ったりと私達は日頃花に親しんでいますが、その日常の楽しみを支えているのが日本の農業で、実に農業産出額の4%を占めています。

現在日本では外国原産の花卉(かき)も栽培され、その種類は4万品種にも及びます。さらに毎年2000~3000の新品種が生まれ、生産量は世界一を誇っています。また日本の花卉農業は生産量だけでなく栽培技術も優れているとの定評があります。近年ますます身近になった美しい切り花について、その花を長持ちさせて、より長く楽しむ保存方法などをお伝えしていきます。

切り花を長持ちさせる方法①

切り花を長持ちさせるための重要な切り口!

土に植えられている植物は根より水分を吸収し、茎の中を通って葉や花に補給という形を取ります。一方切り花は、根が切り取られているので茎の切り口より水を吸い上げることになり、茎の切り口は水を吸い上げる為の一番重要な部分になります。水を吸い上げやすくする事を水揚げと言いますが、これがスムースに行き、切り花を長持ちさせるためには健康な切り口と水揚げの基本と言われる水切りが重要な役目を担っています。

切り花を長持ちさせる大事な水切り

植物は水分を吸収し、葉から水蒸気となって出ていきます。この水の吸収作用と蒸散作用のバランスがくずれ吸収作用がうまくいかないと植物はしおれてしまいます。そこで水を吸い上げやすくしてあげるのが何よりも長持ちに繋がります。切り花の茎を水の中でカットする意味は導管内に気泡が入ると水が吸い上げられなくなるのでそれを防ぐ為です。

切り花を長持ちさせる水切り手順1

切り花の先を揃え、茎の部分を10~15㎝ほど出して新聞紙などで包みます。切り花を包む事によって水をまっすぐに吸い上げてくれます。

切り花を長持ちさせる水切り手順2

たっぷりのきれいな水の中で、消毒をしたよく切れるハサミで茎を斜めにカットします。斜めにカットする事で吸い上げる面積が広くなることと、カットの際に導管が潰れやすくなるのを防ぎます。

切り花を長持ちさせる水切り手順3

このまま50~60分くらい水につけておきます。お花が生き生きしてきたら花器に生けます。

切り花を長持ちさせる方法②

水切り以外の切り花の水揚げ方法は?

水切りは大抵の切り花に有効ですが、その他にも花を長持ちさせるにはいくつか水揚げの方法があります。それぞれの花に適した水揚げの方法を見ていきましょう。

叩き揚げで長持ちさせる

茎の固い繊維を木づちなどで叩き、柔らかくして吸水面積を広くする方法です。枝物などは切り口をハサミなどで十文字に切りつけて水に入れる方法もあります。コデマリ、千両、テッセン、シュウメイギクなどに適しています。

手折りで長持ちさせる


手折りは茎の下5㎝くらいのところを手で折る方法です。ねじりながら折るのも効果的で、ハサミで切るよりも吸水面積が大きくなります。水の中で折ることをおすすめします。菊、リンドウ、トルコ桔梗、コデマリなどに適しています。

焼き揚げで長持ちさせる

切り口をガスコンロやライターで焦げ目がつくほどしっかり焼き、すぐに水につけます。作業中はぬらした新聞紙などで花や葉を包んで熱が当たらないようして下さい。アザミ、シャクヤク、クレマチス、バラなどに有効です。

切り花を長持ちさせる方法③

花瓶の水を清潔に保って長持ちさせる

切り花を長持ちさせるには花瓶の水も清潔には保つことが重要になってきます。切り花が傷むのは花瓶の水に細菌が繁殖して水が腐ることに原因があるからです。切り花を長持ちさせるにはきれいな水に活ける事です。出来れば水は2~3日に1度交換しましょう。特に夏場は毎日交換して下さい。お水の交換の時は切り花の茎の部分にぬめりがあったら蛇口のお水できれいに洗い流しましょう。もし変色していたらハサミでカットして下さい。

きれいに洗った花瓶を使って長持ちさせる

切り花を活ける時はきれいな花瓶を使用しましょう。さっと水で洗ったまま保存してある花瓶をそのまま使うときれいな水を入れても花瓶の内側の汚れが水に溶け込んで水が汚れてしまい、切り花が早く傷む原因になります。切り花を生ける前に花瓶の内側を中性洗剤を含ませたスポンジなどできれいに洗ってから使用しましょう。

日持ちする一輪挿しのすすめ

切り花を風通しよく生ける事も日持ちさせる一つの方法です。花束をぎゅっと詰めて活けるのも華やかでとても素敵ですが、花同士がくっついているとどうしてもいたみやすくなってしまうので、なるべく花と花が触れないような活け方をすると日持ちも良くなります。その点一輪挿しは日持ちや寿命の点で理想的な活け方といえます。薔薇の一輪挿しやガーベラの一輪挿しもなかなか素敵なものです。

切り花を長持ちさせる方法④

ところで切り花はもともと土に植えられていました。そして根っこから水分を吸い上げていたので、茎の部分は水に浸かることはありませんでした。つまり茎は切り花になってもなるべく水に浸からない方が良いのです。

切り花を長持ちさせるには?水の分量に注意!

長持ちさせるには花瓶の水は浅めに

水はたくさん与えるほうが良いと思いがちですが、茎も葉も花も呼吸をしているので、水に浸かると呼吸が出来なくなってしまいますし、傷みやすくなります。特にガーベラなどは水に浸かると腐りやすくなります。しかし水が無ければ花は枯れてしまいますので水はもちろん必要です。そこで茎が呼吸も出来て、水も吸い上げることが出来るためには、茎を水に浸ける部分を3㎝~5㎝ぐらいにするのが理想と言われています。切り花を日持ちさせるための大切なポイントなので覚えておきましょう。

枝物を長持ちさせるには例外も!

しかし例外もあります。枝物や、蕾を摘んで一輪仕立てにした輪菊などは、吸水量がとても多いので、花瓶の中の少ない水では、吸水に追いつかない事があります。水不足にならないように常に水量の管理を怠らないようにして下さい。

切り花を長持ちさせる方法⑤


適度に葉や蕾を摘む

切り花は、土に植えられて、根から十分に水を吸い上げていた時と違い、切り口から水を吸い上げなければいけないので本当に吸いたいだけの水の量を吸う事が出来ません。そのため花にはとても負担がかかっています。葉が沢山ついたままだと葉から蒸発される水分も多くなり、吸い上げる水より出る水の方が多くなってしまいます。こうなると花には充分に水分が行き渡らなくなり、弱ってしまいますので、切り花の葉が多すぎる時は程よく葉を摘み、葉から出る水分を抑え、花の負担を減らしましょう。

葉を摘みすぎると栄養が作れない!

葉からの水分の蒸発を気にし過ぎて葉を取りすぎると、今度は大事な光合成ができなくなってしまいます。光合成ができないと栄養を作れなくなり、花の寿命が縮んでしまう恐れが出ます。葉も大切な働きをしているので、適切な枚数を残しておくことが大切です。

蕾も適当に間引きましょう。

蕾がたくさんあると開花を次々に楽しめると嬉しく思いがちですが、蕾も葉と同様に適切に間引きする必要があります。蕾は葉や茎が光合成で作った糖類を花に行きわたらせることで開花しますので、蕾が多いと全部咲かせる栄養が足りなくなり、開いている花まで寿命を縮めてしまうからです。たくさん蕾がついていたら、切り花の寿命を延ばすためにも一部を間引きましょう。葉も前述したように多すぎる場合は間引きますが、花や蕾への栄養補給に必要ですので取り過ぎないように注意して下さい。

切り花を長持ちさせる方法⑥

水に浸かる部分の葉は必ず取る

多すぎる葉やつぼみを適切に取る必要がお分かりいただけたところで、葉や蕾の間引きはまず水に浸かっている部分があればその部分を先にきれいに取り除きましょう。花が傷むのは、葉や茎や水の腐敗が原因と言われていますが、それは水に浸かっている葉の部分が一番腐りやすいからです。葉が腐ることで水も劣化するのです。

枯れた花は早めに摘み取る

水を取り替える時は、花瓶の中の水に葉や蕾が浸かっていないか注意し、浸かっていたらすぐ取り除き、水の中で雑菌が繁殖するのを防ぎましょう。また飾っているうちに枯れてきた花や葉も早めに除きましょう。枯れた花からは、老化ホルモンが出て若い花を枯らしてしまいます。老化は連鎖します、枯れた花はせっせと摘み取って他の花の寿命を少しでも日持ちさせましょう。

切り花を長持ちさせる方法⑦

切り花の寿命を延ばすその他の方法

切り花や一輪挿しをなるべく枯れないように、そして長持ちさせるには延命剤を使う方法もありますが、一番大切な事はまめに水を替えてあげる事です。その他にも家庭にある身近な物で、少しでも長く枯れないで日持ちさせる事が出来ます。

切り花を洗剤や漂白剤で日持ちさせる

 洗剤や漂白剤は殺菌力があるので腐敗を防いでくれますが、花瓶に直接入れると洗剤も漂白剤も平均的に行き渡りにくいので水で薄めてから使います。薄め方としては500mlに対して洗剤、漂白剤2~3滴が適量です。漂白剤はガラスや陶器の花瓶の中もきれいにしてくれますが、金属製の花瓶はさびやすくなるので注意して下さい。また、洗剤は泡が出ますので気になる方は漂白剤がおすすめです。

切り花を塩で日持ちさせる

洗剤や漂白剤同様、塩も切り花の寿命を少し伸ばしてくれます。その方法は、濃いめの塩水に切り口をつけてあげる事です。直接切り口に塩をすりつけても大丈夫です。塩の殺菌作用で細菌の繁殖を防ぎ、少しの間切り花を枯れないで長持ちさせてくれます。


切り花を長持ちさせる方法⑧

切り花にとっての早く枯れない良い環境とは?

前章までは花瓶に挿した切り花を、少しでも長く保存させるためのお話をしてきましたが、ここではどんな環境が切り花にとって寿命が延び、少しで長くも枯れない状態を保存出来る場所なのか見ていきましょう。

切り花が早く枯れないための環境①

切り花は日光の差し込む窓辺は苦手です。切り花はもう根が無いので日光は必要ありませんし、直射日光に当たると高温に耐えられなくなり、しおれてしまいます。また高温は細菌が繁殖しやすくなりますので、切り花を早く枯れさせないためにも室内の涼しい場所に飾りましょう。

切り花が早く枯れないための環境②

切り花を長持ち保存させるには直接風に当てない事です。少しでも長く枯れない状態を保つためにはエアコンや扇風機の風の当たらない場所に飾る様にして下さい。

切り花が早く枯れない為の環境③

切り花にとってちょっとでも長く枯れない状態を保存できる場所は風通しの良い、気温が低めの場所です。玄関などが一番長持ちする場所になります。

まとめ

切り花を長持ち、保存させるお話いかがでしたか。茎を水切りしたり、毎日お水を替え、バクテリアの繁殖を抑えたり、切り口を洗ったりする理由はただ一つ。きれいな水を茎の導管を通して切り花の葉や花に行き渡らせるためです。切り花が吸い上げる水と蒸発する水の、需要と供給のバランスも大切です。切り花に葉や蕾がたくさんついていたらバランスよく間引きしましょう。

この2つの事さえ出来ていれば切り花を長持ちさせるのはそれほど難しい事ではありません。きれいな花は私達の気持ちを明るくしてくれます。たとえ1本の薔薇の花でもお部屋に一輪挿しにして飾るだけで幸せな気持ちにしてくれますね。まだきれいなうちにドライフラワーにすればその一輪挿しは数ヶ月以上きれいなまま保存でき、楽しむことが出来ます。人生を豊かにしてくれる花をもっともっと生活に取り入れたいものですね。

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切り花を長持ちさせるポイントや夏の切り花の育て方など楽しい内容になっていますのでぜひ参考にして下さい。