スペイン観光でおすすめ「ダリ美術館」
スペインが生んだ天才芸術家・サルバドール・ダリ。常人にはとても作り出せないようなシュールで奇妙な世界観を持つ絵画や彫刻作品が特徴です。スペインのフィゲラスと言う場所には、ダリの作品が集結した美術館があります。感動と驚き、ちょっと面白いものまで、ダリの手掛けた作品を全身で楽しめると、大人気の観光スポットとなっています。美術やアートが好きな方は勿論、アートに詳しくないという方にもおすすめ。ダリ美術館の見どころをご紹介します。
サルバドール・ダリとは
1904年~1989年、スペインのフィゲラス出身。絵画、彫刻などの芸術作品を中心に、映画、作家、デザインなど多岐に渡る才能を見せていました。身近な所だと「チュッパチャップス」のロゴは、ダリがデザインしたものです。
ダリの生涯について
1904年にスペインのフィゲラスに生まれました。母親が画家出身であったことから、幼い頃から絵を描いては、その才能を認められていたそうです。1922年にマドリードのサンフェルナンド美術学校で青春を過ごし、芸術家としての才能を発揮させていきました。活躍は絵画芸術のみならず、「VOGUE」の表紙や、宝飾デザイン、「サンタルシアの犬」をはじめとした映画製作にも携わっています。
ダリの作品の特徴「シュルレアリスム」
ダリといえば「シュルレアリスム(シュールレアリズム)」の代表的人物です。シュルレアリスムは「超現実主義」と訳され、夢と現実、日常と奇妙といった矛盾した二つのものが一つで表現されているのが特徴です。ダリの作品では、写実的な場所を描いた中に突如不気味な生き物が現れたり、時計や家具などがぐにゃりとありない形で湾曲していたりと、驚異的な風景が表現されています。
ダリ美術館へのアクセス方法
ダリの生まれ故郷であるフィゲラスという場所にあるダリ美術館。スペイン観光ではバルセロナに行くことが多いと思いますが、フィゲラスまではバルセロナから電車または特急で向かうのが一般的です。美術館までの道のりは、牧歌的な風景の中にアートが点在していたり、おしゃれなファッションのお店が立っていたりと、楽しい街並みです。
通常はバルセロナからフィゲラス駅に
バルセロナ・サンツ駅のチケット売り場でFigueres(フィゲラス)行きのチケットを買います。行き先を指定してチケットを購入すれば、指示に従って乗り場に行けばいいので観光客にも優しい。regional(近郊列車)に乗って2時間ほどかかって、フィゲラス駅に到着します。フィゲラス駅から20分ほどの場所にあるダリ美術館は、看板が存在し、賑わっているショッピングストリートがあるので、比較的迷わずに訪れることができます。
早く行くなら特急でフィゲラス・ヴィラファント駅に
バルセロナ・サンツ駅でLarga distancia(長距離)専用のチケット売場で買います。目的地を指定すればチケットが購入できます。チケットに指示のある乗り場に向かい、乗車。1時間ほどでFigueres Vilafant(フィゲラス・ヴィラファント)駅に到着します。駅から徒歩20分歩いた場所にダリ美術館があります。
ダリ美術館チケットの購入方法
ダリ美術館は人気の観光スポットです。現地でもチケットは購入できますが、混雑していると購入してから入場まで1時間ほどかかってしまうこともあります。一番おすすめのチケット購入方法は、事前に購入してから行くこと。日本からでもダリ美術館のチケットは購入できます。
チケットのネット予約の方法
サルバドール・ダリ財団の公式サイトへ行きます。画面右上に「TICKET(チケット)」ボタン、または中央にある「TICKET PURCHASE AND BOOKING」のボタンをクリックします。個人またはグループどちらかを選び、「Dali Theatre-Museum Figures(ダリ美術館フィゲレス)」のボタンをクリック。次に、来館日時を選ぶページが出てくるので「当日」「明日」「日付選択」どれかを選びます(日本からの場合、日付選択で訪問予定日を選びます)。ダリ美術館は時間制で入場になっているので、予定時間を選び、大人と子供の枚数を選択します。「PURCHASE TICKETS」で確認画面へ進みます。
支払い方法
時間と枚数を確認したら、画面右下のグレーのボタン「COMPLETE PURCHASE」をクリックして支払いへ進みます。決済方法はクレジットカードのみ(2019年10月時点、VISAまたはMasterのみ)。名前や住所、電話番号、メールアドレスを入力し「PAY」ボタンをクリックすれば、購入完了。メールアドレス宛にチケットが届きます。チケット画面を見せるか、プリントアウトして見せるだけなので簡単ですね。
ダリ美術館の見どころ1:エントランス
ダリ美術館の見どころは、ダリの世界観を思う存分に表現した外観からスタートします。ピンクの壁に、屋根の上にはいくつものたまご。ダリの絵画などの作品にも多く取り入れられてきたモチーフです。遠くから見えるたまごに向かって歩けば道に迷わないと言う点も安心。壁に規則的に並んでいるものは、よく見るとクロワッサンです。
奇妙な銅像はダリの行動がモチーフ
美術館の正面入口の上には、フランスパンを頭に乗せた人物が二人。これはダリが「リーゼントだ」といってフランスパンを頭に載せた状態でマスコミの前に出たエピソードに由来しています。また潜水服を着た人物は、これもダリが潜水服を着てマスコミ前に出たと言うエピソードからきています。ちなみにこのとき、ダリは酸欠で死に掛けたと言うのだから、まさしく「変人」というにふさわしいエピソードです。
初っ端から説明不要なダリワールド全開!
美術館エントランスの奇妙なオブジェに注目!ひげ男性のおでこにTV、目からは子供が覗いています。不思議な作品ながらも、早くもダリの世界に引きずり込まれそうで感動します。美術館の外観からしてすでにたくさんの見どころがあるのです。
ダリ美術館の見どころ2:中庭
入館してすぐの場所に、半円状の中庭が目に入ります。石壁+アイビーで一見おしゃれな中庭ですが、そんな空間の中にインパクトの大きいダリの作品があちこちに存在しています。ミニ・クーパーのような車の上には、戦士のような巨大な銅像が。更にその後ろの柱の上には、水滴が大量に滴り落ちている船のオブジェがついています。黄金のマネキンが四方を囲んでいます。
館内最大級のシュールな絵画(タイトル不明)
美しい天球が感動的なホールにも、ダリの作品が展示されています。中でも一番の見どころは館内で最大級の巨大な絵画。人体に穴が開いて、頭にもヒビが入って…とかなりシュール&インパクトの大きい絵画です。大きさに感動すること間違いなし!
巨大なリンカーンの肖像画
もうひとつ、ホールに展示されている見どころの作品がこちら。遠くから見ると、第16代アメリカ合衆国大統領のエイブラハム・リンカーンの肖像画がモザイクで描かれているようになっています。ところが近くで見ると、海辺で太陽を眺めている女性の後姿になっています。この女性は、後々色々な作品に登場するダリの妻・ガーラです。
ダリ美術館の見どころ3:メイ・ウエストの部屋
一番おすすめの展示はこちらの部屋。一見ソファとテーブル、二つの絵画というインテリアのようですが、ある角度から眺めると女性の顔になっています。この女性はかつてのアメリカ人女優・メイ・ウエスト。ダリがメイ・ウエストの顔をモチーフに部屋を描いた「メイ・ウエストの顔のシュールレアル・アパート」と言う作品を再現しています。だまし絵が好きな方は感動する事間違いなし。
ダリ美術館の見どころ4:有名な作品群
ダリ美術館で見るべき、ダリの有名な作品群をご紹介します。ちなみに有名な「時計ぐにゃぐにゃ」の絵「記憶の固執」はニューヨーク近代美術館に所蔵されていて、こちらのダリ美術館には展示されていないのでご注意を。
焼いたベーコンのある柔らかい自画像
松葉杖で支えられているぐにゃぐにゃの顔は、ダリ自身です。添えられているベーコンは生き物を象徴するものと同時に、ダリの定番の朝食であったことが由来です。松葉杖はダリの作品で「死と復活」または「性的コンプレックス」と言う意味で用いられます。
パンを頭に載せた女性
先述の「頭にフランスパンを乗せた人」は館内にもいます。頭にフランスパンを乗せた女性の胸像、更にフランスパンの上にはミレー「晩鐘」の場面が再現されています。首にはとうもろこしを巻き、更に顔には蟻が這っています。なんだかシュールなダリの世界観に感動すら覚えてしまいます。
妻ガーラを描いた作品も
ダリは妻・ガーラを溺愛し、モチーフにした作品を多く残しています。その作品が美術館の至るところに存在しています。こちらの絵は球体が組み合わさって、ガーラの顔になっています。その球体も、地球のようだったり、ひとつの風景を写したような絵だったり…と、まるでだまし絵のような不思議な作品です。
ピカソの肖像
同じスペイン・カタルーニャ地方で、ダリを先駆する形で生きた芸術家・ピカソ。ダリはピカソを敬愛するとともに、ピカソの作品が芸術の審美性を失っていく様子に失望していたと言います。この絵画にはピカソの胸像が、口から長いスプーンを出している奇妙な様相と、胸部から白い花を生やし、台座に赤い花を添えることで尊敬の意を示しています。
ダリ美術館の見どころ5:建物の隅々にまでダリの世界観が
ダリ美術館は普通の美術館と少し違うところは、館内の思わぬところにダリ・ワールドを感じられる仕掛けが沢山あります。例えば、階段を登りながらふと上を見ると、展示室の入口が人の顔になっているのです。初めて見たときは驚き&感動するかも。ぜひその目でお確かめください。館内は写真撮影自由なのもうれしい。
ダリ宝石美術館
ダリはデザイナーとしての顔もありました。そんなダリが手掛けた宝飾品の数々が、美術館に隣接されている宝石美術館に展示されています。煌びやかな宝石で作られた作品は、しっかりダリらしさも炸裂しています。こちらの作品はさまざまな作品に登場する「足の長いゾウ」です。
奇想天外なダリの世界を楽しむ美術館に行ってみよう
奇妙で不思議なダリの世界にどっぷり漬かれる「ダリ美術館」の見どころを紹介しました。美術館に収蔵されている作品は有名なものから、あまり知られていないものまで幅広くあり、改めてダリの不思議な魅力を知ることが出来るでしょう。感動に包まれるダリ美術館は、スペイン観光でもおすすめ!ぜひ訪れてみてください。
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