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コミカンソウとは?その特徴や意外に知らない薬草としての効果なども解説!

あちこちの畑や道端などに生える雑草とも呼ばれる植物、コミカンソウ。小さな花やを実をつけ、繁殖力が強いのが特徴で、食べると薬の効果が期待できます。そんなコミカンソウの花や種などの生態について、花言葉などについても触れながらご紹介したいと思います。
2020年8月27日
水木誠人
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コミカンソウは畑や道端で見かけるかわいい植物

Photo by Dinesh Valke

どこかで見かけたことのある雑草でもあり、かわいらしい実をつける植物でもあるコミカンソウ。一度はどこかで見たことがある植物ではないでしょうか。このコミカンソウ、実は薬効があることでも知られています。よく見かけるわりには、その花や種の特徴などについても実はあまりよく知られていません。そんなわけで今回は、繁殖力が強く、食べると薬効もあるという道端や畑でよく見かける可憐な雑草、コミカンソウについてご紹介します。

コミカンソウとは?

Photo by Dinesh Valke

コミカンソウは、小蜜柑草という字を当てるコミカンソウ科に属する一年草です。おもにアメリカ南東部、東南アジアや南アジアなどに分布し、日本では関東地方よりも西の各地に分布します。畑や道端などでよく目にする雑草で、直径2~3mm程度の赤色の実をつける姿がミカンに似ていることから、この和名がつけられたと考えられています。

海外ではハーブ植物として知られている

Photo by Dinesh Valke

コミカンソウは、日本では繁殖力が強い雑草として知られていますが、海外では、英名をChamber bitterとし、さまざまな薬効があることで知られています。日本ではあまり知られていないかもしれませんが、特定の国では伝統的なハーブとして多くの症状に利用されています。ただし、食べるミカンとは異なるため、そのまま実を食べるのではなく、葉を煎じて飲むような使われ方をしています。

コミカンソウのめずらしい特徴①

草高は10~50cmほどで、垂直に茎を伸ばします。茎は紅色をしていて、この茎から短枝を横に伸ばしていきます。この短枝の両側に小さな葉が互生します。葉の大きさは1cm程度、長めの楕円形をしています。葉の裏面はうっすらと白くなっているのも特徴です。

繁殖力が強く除草しても生えてくる

Photo by lalithamba

コミカンソウは繁殖力の強い雑草としても知られています。抜いても抜いても生えてくる、とても強い雑草です。実の中にはたくさんの種が入っていて、熟すと種が落ちていき、勢いよく繁殖していきます。草姿がかわいいので、そのままにしておくという手もありますが、どんどん繁殖するのでへきへきすることも。ストレスにならないようにうまく庭やベランダに取り入れていきたいです。

夜になると葉が閉じるという特徴も

コミカンソウの葉は、夜になると就眠運動のため、葉が閉じます。つまり、夜になると、眠るのです。この植物の就眠運動は、とくにマメ科の植物において見られる現象で、紀元前より研究され続けています。最近でこそ分子レベルでの研究が行われていて、古来、生物の謎とされてきたこの植物の就眠運動の仕組みが解明されつつあります。

コミカンソウのめずらしい特徴②


コミカンソウの花は数mm程度の小さな花です。葉の付け根に花をつけるので、よく見ないと気づかないこともあります。コミカンソウの学名はPhyllanthus urinariaですが、このPhyllanthusとは「葉に花が咲く」ことを意味するのだとか。花の色は白く、枝の裏側に列を作るように咲きます。

雌雄同株の単性の花

コミカンソウの花は、雄花が枝先のほうにつき、雌花は茎から中央あたりにつきます。花びらは6枚で、中央にうっすらと赤い筋が入ります。雄花のほうが白っぽく、雌花のほうがわずかに赤くなります。花期は夏ですが、あまりにも小さいので気づかないこともしばしばです。夏にコミカンソウを見かけたら、茎をしっかりと観察すれば、この小さなかわいらしい花と出会えることでしょう。

コミカンソウのめずらしい特徴③

花が終わると実が成ります。コミカンソウの実もまた2~3mm程度と小さく、球形をしています。中に多くの種子が入っていて、オレンジに近い赤い色をした実の表面はゴツゴツしています。この姿がミカンに似ているため、コミカンソウの名がついたと言われています。

キツネの茶袋という別称も

Photo bysteinchen

コミカンソウはキツネの茶袋という別称があります。コミカンソウの実が茎にぶら下がるように並んでいる姿が茶袋に似ていることからつけられたものと想像されています。茶袋とは高知県に現れる妖怪で、茶葉を入れておくための袋のこと。面白い別称ではあるものの、上記の画像のように同名のキノコも存在するせいか、コミカンソウの名で呼ばれる方が一般的です。

コミカンソウを食べると現れる薬効①

コミカンソウは、南アジア、東南アジアの地域において、伝統的な東洋医学で使われています。近年、成分分析なども行われ、抗酸化作用のあるリグナン、エラジタンニン、フラボノイド、フェノール化合物など、多くの成分が含まれていることがわかっています。

抗酸化作用によってさまざまな症状を改善

コミカンソウに含まれる抗酸化作用のある成分によって、体内で増えた活性酸素を除去し、多くの生活習慣病、動脈硬化や糖尿病などをはじめ、老化などを予防していく効果が期待できます。このため、コミカンソウの葉を使ったお茶などが製品として市場に出回っています。輸入製品のハーブティーなどを扱っているショップで見かけることもあります。

コミカンソウを食べると現れる薬効②

コミカンソウの薬用成分は、世界の各地で古くから利用されています。たとえば中国ではコミカンソウのことを「叶下珠」と言い、下痢や腸炎などの治療に使われ、インドでは利尿薬として利用されています。また、台湾では伝染性肝炎、急性結膜炎、下痢などの治療に、タイでは糖尿病や肝臓病、カンボジアではマラリアに対して使われるのだとか。


抗がん効果の研究も盛ん

近年、とくに中国を中心に、コミカンソウを利用した抗がん効果の研究も盛んに行われています。まだはっきりとした効果が見つかったわけではありませんが、さまざまな薬理がわかってきていて、抗がんに役立つ可能性があると期待されています。今後のさらなる研究に期待が向けられています。

コミカンソウを食べると現れる薬効③

世界各国で伝統的に薬として利用されていたコミカンソウ。近年のさまざまな研究において、科学的にもその効果が知られてきています。たとえば、肝臓のさまざまな損傷について、近年の研究の結果、コミカンソウの抗酸化作用や抗炎症作用を通じて、肝臓保護にも何らかの特性があることを示しているとされています。

治療の利用は医師に相談を

コミカンソウにはさまざまな薬効があることが、近年、さまざまな研究から明らかになってきました。しかし、こうした効果は、現在のところ、研究中のことであり、具体的な病気の治療に使われる薬の効果とは異なります。万が一、病気の治療に利用しようと考えてらっしゃる方は、専門の医師に相談してから利用するようにしましょう。とくに薬を服用されてらっしゃる方は必ず医師に相談を。

コミカンソウの花言葉

コミカンソウの花言葉は、その姿に似合った花言葉です。それは「秘めた意志」です。この花言葉は、コミカンソウが道端や畑などにしっかりと繁殖する姿や、茎や葉に隠れてつける花びらや実の様子を表しています。街中にちらほら咲き、雑草として嫌われながらも、実は食べると薬効があるというところも、この花言葉が語っています。

花言葉に合っただれかにそっと贈りたい

花や実をつけたコミカンソウのブーケを作ると、意外とかわいらしく仕上がります。何かに向かって一生懸命にがんばっている人や、目標を決めてその達成に励んでいる人など、花言葉に合っただれかに、そのかわいらしいコミカンソウのブーケを贈ると効果的です。そんな相手が身近にいたら、ぜひプレゼントしてみてはいかがでしょうか。

繁殖力の強いコミカンソウの類似種たち

Photo by Macleay Grass Man

コミカンソウは、トウダイグサ科に包含される分類方法もありますが、コミカンソウ科の植物に分類されています。科としては世界に2000種以上の植物が存在します。そんな中、コミカンソウに似た類似種には、緑色の実が成るキダチコミカンソウ、長い柄の先に実が成るナガエコミカンソウ、黄色い実のなるヒメミカンソウなどがあります。日本では限られた地域でしか見られない種もありますが、コミカンソウをほかの植物と見分けるため、こうした類似種もぜひ参考にしてください。よく観察してみたら、コミカンソウではないかもしれません。

キダチコミカンソウ


キダチコミカンソウは、コミカンソウに非常に似た類似種です。草丈がコミカンソウよりも少し大きく、50~60cm程度、茎はまっすぐに伸び、葉は互生し、葉の大きさは楕円形での1cm.と、コミカンソウとほぼ同じです。ただ、花の色は緑色、果実の表面がなめらかで緑色を帯びるので、よく観察すればちがいがわかるはずです。世界各地に分布する植物ですが、国内ではおもに沖縄に分布します。

ナガエコミカンソウ

Photo by Dinesh Valke

ナガエコミカンソウは、コミカンソウよりも草丈が大きく、花や実のつき方が異なります。花や実は、その名が示すように、枝から長く伸びた柄の部分につくため、草姿がいささかことなります。また、実の色は黄色なので、コミカンソウとの違いがわかりやすいです。ブラジルコミカンソウという別称を持ちますが、これは、当初、ブラジルに自生するある植物と同種だと考えられていたためです。世界各地はもちろん、日本国内の道端などでも見られる身近な雑草の一種です。

ヒメミカンソウ

ヒメミカンソウは、草丈はコミカンソウとさして変わりませんが、茎の伸び方が直立に伸びるのではなく、斜めに伸びていくという異なった伸び方をします。また、コミカンソウは茎から横に伸びた枝に葉がつきますが、ヒメミカンソウはすべての茎や枝に葉がつくのが特徴です。葉の形は細長いため、葉を見比べてみれば、コミカンソウとの違いがわかりやすいはずです。花期はコミカンソウと同じく夏ですが、花の色は白色で、実の色は黄色で、実の中には6つの種が入っています。

コミカンソウをかわいく育ててみよう

雑草として除草されてしまうこともあるコミカンソウ。あえて鉢に入れて育ててみるほか、切り花のようにブーケにして飾ったりしても、意外とかわいらしく仕上がります。夏には涼し気な雰囲気を醸し出してくれます。ぜひ日々の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。

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